キーワード がん診断、内視鏡下ラマン計測、細胞分析、iPS細胞分析、脳機能研究 研究の概要 当研究グループでは,種々の光学計測技術を備えた光バイオプシーシステムを開発し,その生体応用研究を進めている。 光を利用して生きた細胞や体内の病態を無・小侵襲的に無標識で計測・分析する光バイオプシー技術は,生命・環境に関 わるあらゆる分野に多大な貢献を与えることができる。医療では内視鏡下の診断や温存術下での腫瘍組織判別など,医 療技術の高度化やコスト削減などに利用できる。また生細胞やモデル組織のモニタリング技術は,多能性幹細胞の分化 制御や,製薬,化学製品の効果/毒性評価の効率化に寄与できる。生体内計測を実現する極細径光学プローブや,得ら れたデータを解析する技術,さらには計測ターゲットに合わせた計測分析技術を提供する。 1、光バイオプシーシステムの開発 小動物用上部・下部内視鏡 小動物用上部・下部内視鏡 ラット食道 スペクトルスコープ スペクトルスコープ 電子制御波長可変レーザー 2.5 mm 5 4 無染色生体イメージ 無染色生体イメージ Y / mm 3 2 1 蛍光除去ラマンシステム 0 0 世界最細径 1 2 3 4 イメージングスコープ イメージングスコープ リモートプローブ リモートプローブ 共焦点中空ファイバーラマンプローブ 共焦点中空ファイバーラマンプローブ 波長可変光源 分光イメージシステム 5 X / mm 500 m ボールレンズ 中空ファイバー 2、ラマン分光分析の威力;生きた単一細胞の無 侵襲判別分析 正常株 主成分分析(PCA)による組織型の分類 腺がんAD 主成分分析(PCA)による組織型の分類 扁平 大細胞がんLC 小細胞がんSC 上皮がんSQ 正常 腺がん 扁平上皮がん 大細胞がん ■ AD (腺がん) 小細胞がん ■ SQ (扁平上皮がん) ■ LC (大細胞がん) がん細胞だけでなく,神経細胞,iPS細胞などの分析も可能 ■ SC (小細胞がん) 関連業績(特許・文献) ・Y. Oshima, H. Shinzawa, T. Takenaka, C. Furihata and H. Sato, Discrimination analysis of human lung cancer cells associated with histological type and malignancy using Raman spectroscopy, J. Biomed. Opt. 15, 017009‐1‐8 (2010). ・Y. Hattori, Y. Komachi, T. Asakura, T. Shimosegawa, G. Kanai, H. Tashiro and H. Sato, In vivo Raman study of the living rat esophagus and stomach using a micro Raman probe under endoscope, Appl. Spectrosc., 61, 579‐584 (2007) ・H. Sato, T. Suzuki, B. Andriana, S. Morita, A. Maruyama, H. Shinzawa, Y. Komachi, G. Kanai, N. Ura, K. Masutani, Y. Matsuura, M. Toi, T. Shimosegawa, and Y. Ozaki, An optical biopsy system with miniaturized Raman and spectral imaging probes: in vivo animal and ex vivo clinical application studies, SPIE, 7169, 21 (2009). 関西学院大学 研究推進社会連携機構 http://www.kwansei.ac.jp/kenkyu/ Tel. 079-565-9052 / Fax. 079-565-7910 E-mail: [email protected] 210-1 光バイオプシー技術 関西学院大学 理工学部 生命科学科 准教授 佐藤 英俊 2010.09
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