<タキイ種苗 創業 175 周年記念品種> ■『桃太郎プレミアム』 - タキイ種苗「桃太郎」トマトシリーズの最新品種 『桃太郎プレミアム』は、日本のトマトシェア約 70%を誇る『桃太郎』 トマトシリーズの最新品種です。発売から 25 年の節目の年、食味の 良さで日本のトマトを席捲した『桃太郎』に、さらに美味しさを追求 したトマトが『桃太郎プレミアム』です。グルタミン酸含有量が多い ことに加え、果実の子室数が多く、やや偏平な果形も『桃太郎 プレミアム』の美味しさの秘密です。また、秋から春にかけて収穫 される抑制、促成、半促成栽培用の品種です。 ■『TTA-735』 - 従来の 2 倍の「ケルセチン」を含む機能性タマネギ 『TTA-735』は、タキイの品種開発の柱の1つである機能性野菜の タマネギ品種で、従来の 2 倍のケルセチンを含む高ケルセチン タマネギです。2004 年に発表した『Dr.ケルシー』は北海道向けの 専用品種でしたが、この『TTA-735』は待ち望まれた一般地での 栽培が可能な秋まきの品種です。 ※ 3 晩生の品種のため、高い 貯蔵性も持ち、食味が良いことも特長です。従来の野菜より栄養価 が高い品種のシリーズを機能性野菜として、今後タキイ種苗では “ファイトリッチシリーズ”として発表いたします。 ■『TTM-061』 - 耐病性に優れた大玉トマト 『TTM-061』は、秋から春にかけて収穫する抑制栽培、促成栽培の トマト産地を中心に、発生エリアが拡大している黄化葉巻病 (TYLCV)と葉かび病(Cf9)に耐病性を持つ品種です。果形が安定し、 頂部裂果実(出べそ果)の発生が少なく、着果がよく硬玉で肥大性 に優れます。また、葉先枯れの発生が少ないことも特長です。 甘熟『桃太郎』トマトが誕生して 25 年、トマトは皆様に愛される野菜 No.1 になりました。 ※4 食味とともに品種改良の重点目標である 耐病性。今後、タキイ種苗は黄化葉巻病耐病性品種と葉かび病 耐病性品種をシリーズ化して産地をサポートし、消費者の方々により 安全・安心なトマトを提供します。 ■『TSP-483』 『TSP-484』 - べと病の抵抗性を持つ収穫調整作業しやすいホウレンソウ 『TSP-483』 『TSP-484』 『 TSP ー 483 』 は 、 草 姿 が 立 性 で 収 穫 時 の 葉 が ら み も 少 な く 、 葉柄も折れにくいため、結束作業が容易です。また、甘みがあり、 食味がよいことも特長です。株間を広めにとり、株張りをよくする ことが栽培のポイントで、中間地では 11 月下旬から 12 月の年内 収穫の作型に適しています。 『TSPー484』は葉柄が太く、株張りに優れる多収型の秋冬どり 品種です。葉色はつやのよい濃緑色です。両品種ともにべと病 レース 10 の抵抗性を持つ品種で、今後のホウレンソウの安定生産 に力を発揮する品種です。中間地では 12 月から 2 月どりに適して います。 ホウレンソウの重要病害であるべと病※5 の抵抗性付与と収穫調整作業の効率化をテーマとして、品種開発に取り組んで おり、周年作型に対応できる、レース7以上の抵抗性をもった品種シリーズができつつあります。現在は新レースの発生にも 素早く対応できるように、レース 10 抵抗性を持った品種育成に取り掛かっております。これらの品種でホウレンソウの安定 生産、省力化を進めて行きたいと考えています。 ■『F1 サマーサンリッチオレンジ 45』(TH-590) - 切花用ヒマワリ「F1 サンリッチ」シリーズ最新作 『F1 サマーサンリッチオレンジ 45』は、この「F1 サンリッチ」シリーズに新しく加わる品種です。ヒマワリの中でも 人気の高い定番色のオレンジで、最短 45 日で開花します。また、奇形花が少なく、開花揃いが良いため、短期間 で 切り上がり、出荷作業に手間がかかりません。長日期(夏場)にシェードや わいかざい 矮化剤処理が不要なことも生産者にとって大きなメリットになります。 ヒマワリは知名度が非常に高く、花言葉である「あこがれ・愛・敬慕・光輝」の言葉どおり、 子供から大人まで幅広く愛され続ける花です。タキイ種苗では、そのヒマワリの“切り花” としての将来性に着目し、1978 年に「F1 サンリッチ」の育成に着手しました。そして、現在 9 品種ある「F1 サンリッチ」シリーズは、世界中で1年を通して楽しめるようになりました。 「F1 サンリッチ」シリーズは、従来の大型な品種に比べ、切り花に向くコンパクトな大きさに なり、整った花型で咲き進んでも形が乱れません。周年出荷も可能で、1 年を通して安定 した高品質の切り花を供給できます。また、無花粉品種で衣服などが汚れることが ないため使いやすく、切り花としてとてもよい品質を備えています。 ■ ハボタン 『F1 グロッシーレッド』(TB-556) -2011 AAS(オール・アメリカ・セレクションズ)※6 を受賞した花壇用ハボタン新シリーズ 『F1 グロッシーレッド』は、プラチナケールの矮性品種で葉が縮れたちりめんの赤色 になります。ポット栽培に適しており、鮮明な発色で、寄せ植え材料としてこれまで にない新しい提案を行います。また、2008 年に発表した『ルシール』シリーズは、 プラチナケールの高性種で切り花用の品種です。 ハボタンは主に正月の飾りとして、生花、鉢植え、寄せ植え用に栽培される花です。しかし 近年では、紅白以外の葉色を持つ品種が追加されたことや、踊り仕立て(盆栽のような 枝ぶりに仕立てる方法)や多粒まき(ポットに 10~30 粒で栽培する方法)などバリエー ションが増えたことにより、花の少ない秋から冬の花壇材料としても広く利用されつつあり ます。また小さく栽培された切花は、アレンジメントの材料としても人気です。このような 中、タキイ種苗は長年培ってきたハボタンの育成技術を元に、今までにない光沢のある葉 が特長の、まったく新しいハボタンの F1 品種を開発し、これらを従来のハボタンと区別す るため、ハボタンではなく『プラチナケール』※7 の名で、オリジナル苗を販売しています。 ■『F1 ディーバ』シリーズ - 全ての方に栽培しやすいペチュニア 『F1 ディーバ』シリーズは、生産者から流通、消費者まで、全ての方にメリットを感じていただける画期的な品種 です。栽培において、適温下では最短 60 日で開花し、早期出荷や花付き苗出荷を可能とします。また、出荷時の ポット植えでも徒長しにくく、店持ちが抜群な品種です。実際に植えても、ドーム型に盛り上がった美しい花姿を 楽しんでいただけます。 『ディーバ ホワイト』 <発表済み品種> 『ディーバ ラベンダーブラッシュ』 『ディーバ ローズ』 【参考資料】 タキイ種苗創業 175 周年記念品種<発表済み品種> ■『こどもピーマン』 『こどもピーマン』は、一般的なピーマンやパプリカとは形状も味も 異なり、肉厚でジューシーな、これまでにない新しいタイプのピーマンで す。果実は長さ約 10cm、重さ 40g ほどの使い切りのサイズで、果皮は スムースでツヤのある濃緑色で、一般的なピーマンより細いキュートな 果形は、輪切りや半分に切って調理すると、子供のお弁当の具材にも ぴったりです。食味については、小学生を対象に実食調査を行った 結果、81.5%の子供たちが生で食べてもおいしいと回答、一般的な ピーマンとの相対評価でも 79.6%の子供が『こどもピーマン』の方が好きと 回答しています。※8 野菜に関するアンケートでは、常に子供の嫌いな野菜の上位に位置する“ピーマン”。その独特のピーマン臭や苦味は、子供 たちだけでなく、大人にとっても苦手な方が多く、敬遠されがちな野菜です。しかし、緑黄色野菜として栄養価が高いため、 細かく刻むなど、調理に工夫をして子供たちに食べさせる家庭が多いのが現状です。今回、新発表する『こどもピーマン』は、 これまでのピーマンに比べて苦味(図 1)とピーマン臭が少ない品種で、さらにビタミン C やカロテンが豊富に含まれており、 栄養価が高いことも特長です。(図 2) 図 1:苦味の比較 一般的なピーマンに比べ、『こどもピーマン』の苦味は少ない 図 2:栄養価の比較 一般的なピーマンに比べ、『こどもピーマン』の栄養価は高い ※「ふつうピーマン」は一般的なピーマンのこと ■スイートコーン『ランチャー82』 『ランチャー82』は、タネをまいてから約 82 日で収穫する極早生タイプ※9 で、収穫後の粒のしなびが遅く、鮮度を長く保持できるため、「店頭で の商品価値の高さ」と「消費者への安心」を兼ね備えた品種です。 生産者にとっては「栽培のしやすさ」が特長で、スイートコーンは発芽 するまで日数のばらつきが多い作物ですが、『ランチャー82』は、 コンパクトな草姿で倒伏しにくく、栽培しやすい品種です。また、流通に おいては、生産地から店頭への長距離輸送にも力を発揮し、果実の 形状は、胴張りがよくボリューム感に優れ、穂の先詰まりもよいことが 特長で、食味もただ甘いというだけでなく、食べた瞬間にさわやかな 甘さが口に広がります。近年、家庭菜園で人気のスイートコーン品種の 中 で も 、 育 てや す さ 、 収 穫 後 の も ち の よ さ は 抜 群 で、 甘 さ に 加 え ジューシーな食感が味わえます。また、粒も大きく茹でて食べるだけでなく、料理のバリエーションを広げてお楽しみ いただけます。栽培安定性・店もち性・食味の 3 拍子揃った品種で、各産地の評価が上がっています。 スイートコーンは鮮度に敏感で品質の低下が早い野菜です。特に、現在の主流となっている黄色種に代表される極甘味種 は、収穫して時間が経つと粒がしなびやすく、甘さも低下しやすい性質があります。一般消費者は、店頭では葉が付いた 状態のスイートコーンを購入するため、粒のしなびや穂の先詰まりを確認することができず、品質の落ちたものが販売店に クレームとして寄せられる場合もあります。そのため購入後のこうした問題が消費者の不満につながり、スイートコーンに おける流通の課題になっていました。 ■ダイコン『三太郎』 『三太郎』は、家庭菜園や直売所向けに作りやすさと煮ダイコンとしての おいしさを目標として開発した短形ダイコンです。短形品種のため、 比較的耕土が浅い場所での栽培も可能で、プランターでも栽培ができる 品種です。暑い時期以外はいつでも収穫ができ、抽苔※10 が極めて遅く、 耐寒性も強いため、秋どり栽培に最適で、さらに厳寒期における冬~ 春どり栽培にも適しています。肉質は緻密で純白のきれいな品種で、 サラダ、おろし、漬物と用途は幅広く、特に煮物では調理の味がしみ込み や すく 、 お い し く い た だ け ま す。 株 間 や 栽 培 期 間 を 調 節 す る こ と で 、 500g~1500g程度とお好みの大きさで収穫ができ、ス入りが遅いことに 加え、裂根もしにくく在圃性に優れています。 近年の家庭菜園や直売所のブームにより、“手軽に栽培ができる品種”が求められるようになりました。しかし、現在販売 されている短形ダイコンやミニダイコンは、栽培期間が限られていたり、ある一定の大きさになると割れてしまったりと、 栽培しにくい品種がほとんどです。そこで、タキイ種苗では、ロングセラー品種の『耐病総太り』の特長であるス入り※11 が 極めて遅く、栽培しやすいという点と畑に長い間置いておけるという優れた在圃性を受け継ぎ、比較的耕土の浅い場所で も栽培できるように根長を短めにした短形ダイコンを開発しました。晩抽性※12 をレベルアップすることにより、秋・冬・春の 3 季どりを可能にしました。 ■キャベツ『夢ごろも』 『夢ごろも』は、芯の伸びの遅い性質(晩抽性)と裂球が遅い性質(圃場で の貯蔵性)を持ち、中間地・暖地の安定した 4 月収穫を可能にしました。 玉はアントシアン色素の発生(寒さで表面が紫色になること)が少なく、 鮮やかな濃緑色が収穫期後半まで持続し、抽苔による食味の低下も 少ないため、加工・業務用だけでなく、青果用と しても満足できる品質を 持っています。また根張りと草勢が安定し、低温肥大性に優れ、晩抽性を もっているため、4 月どりでも球尻が尖りにくく、形状が安定しています。 キャベツは加工・業務用における需要の割合は全体の 48%(2005 年)※13 で、外食産業や学校給食などにおける消費が 一定化している一方、天候不順などにより生産量が減ると価格が急騰しやすい野菜です。キャベツは周年を通して生産 されますが、扁平で葉肉が硬く巻きのよい寒玉※14 と呼ばれるタイプは 11 月から 3 月が主な収穫期で加工・業務用と し て多く利用されます。しかし、寒玉の 4~5 月どり栽培は難しく、産地から出荷される量が減少するため、加工・業務用に 十分な適応性を持たない、やわらかくて水分含量が高い春系 ※15 品種などが利用されています。寒玉の栽培が難しい 要因として抽苔による結球の充実不良や不結球での収量低下、過熟による裂球や色あせによる品質低下が問題に なっています。 ■レタス『シーカー』 『シーカー』は根腐病レース 2 に強く、秀品率の高い品種で、根腐病が 問題となっている産地はもちろんのこと、本病害が問題となっていない 産地においても、晩抽性にすぐれ形状が安定する性質を生かすことが 出来るので、幅広い生産者にお奨めできる品種です。 レタスは玉肥大・形状・玉ぞろいなどを総合的にレベルアップし、高秀品率が実現 できる品種の育成を進めてきました。この特性を基本に、主要産地で問題となっている 根腐病やビッグベイン病に耐病性を付与した品種が望まれています。夏秋どりのレタス は高温や多湿により抽苔や病害の問題が発生し栽培が難しいため、冷涼地を主として 産地が形成されています。近年、冷涼地の産地を中心に根腐病の発生がみられ、最も 栽培面積が大きい高冷地では根腐病レース2が大きな問題となっています。一方、 産地間競争の激化や加工業務需要の増加などから、これまでより肥大や形状などの 良いものの供給が望まれています。 <注釈について> ※1 出典元:農林水産省 ※2 ファイトリッチシリーズ…健康で豊かな食生活を目指すという願いを込めた造語です。 ①植物(=phyto)、おいしい野菜で食を応援する。 ②従来品種よりも機能性成分が豊富(=rich)に含まれる。 野菜には多くの色素成分が含まれ、大きく 5 つのグループに 分かれます(リコピン、シスリコピン・カロテン、ケルセチン、 アントシアニン、スルフォラファン・GABA)。 ※3 タマネギの作型…タマネギは地域(気候)によって作型が異なります。北海道では、春にタネを播いて 秋に収穫します。それ以外の地域では、秋にタネを播いて春に収穫します。 ※4 愛される野菜№1…やさいの日(8 月 31 日)記念のタキイ種苗 2010 年度野菜と家庭菜園に関する 調査にて、好きな野菜第一位にトマトが選ばれました。 ※5 べと病…葉に発生する。子葉あるいは成葉の表面に青白色ないし黄色の境界不鮮明な小斑点を 生じ、次第に拡大して淡黄色ないし淡紅色不整形の病斑となり、さらには葉の大部分が 淡黄色になって、枯死する。現在レース 1~7 まで確認されています。 ※6 2011 AAS 受賞(オール・アメリカ・セレクションズ)…1932 年に、花や野菜の優良新品種の選定や 普及、育成者の権利保護を目的としてアメリカで発足した非営利機関です。「花苗部門」「花部門」 「野菜部門」がありますが、毎年、入賞品種がでるとは限らない賞です。 ※7 プラチナケール…葉面にワックス成分が分泌、付着されず葉面に光沢を持つハボタン品種。品種の 育成方法に関する特許をタキイ種苗が取得しています(特許第 4256687 号、 発明の名称『新奇なハボタン品種の育成方法』)。 ※8 実食会場調査より ※9 早生…相対的に播種(種まき)してから、収穫まで日数が早いこと。早いものから極早生、早生、 中生、中晩生、晩生といいます。 か けい ※10 抽苔…気温や日長などにより花茎(花を付けた茎)が伸び出すこと。「とうだち」ともいう ※11 ス入り…ダイコンやカブなどの根の中に起きる異常の一種で、内部の細胞が劣化し、スポンジ状の空洞 ができること。収穫が遅れた場合や、何らかの障害で肥大が止まった場合に起こりやすい。 ※12 晩抽性…抽苔の遅い性質のことで、品種差がある。葉根菜類の春まき栽培で特に問題となり、 晩抽性の品種が求められる。 ※13 加工・業務用における需要の割合…農林水産政策研究所調べ ※14 寒玉…形は扁平で葉が比較的硬く、巻きがしっかりしているのが特徴。加熱しても煮くずれしにくく、 甘みが増し風味が出るため、煮込み料理やお好み焼きに適する。また、お好み焼きの骨材 として関西の需給動向が全国の価格を左右しています。 ※15 春系…一般的に秋まきで、春から初夏に収穫するので春系と呼ばれる。葉色が鮮やかで光沢が あり葉の質がみずみずしくてやわらかく、生食に向いています。
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