桃太郎兄弟の使い分け｢｣福永寛タキイ研究農場選べる確かさ、それぞれの個性年。初代﹁桃太郎﹂の誕生から今年で品種におよびます。さまざまな作型への対応、新しい病害の耐病性品種など、産地の皆さんの要望に応えるために発表された﹁桃太郎﹂の兄弟が、今ではどの品種も、それぞれに特長のある兄弟です。収穫が期待できる。品種それぞれの特性を十分に理解し、皆さんの産地や作型に合うように作りやすさのち、夏秋雨よけ栽培葉かび病耐病性をも上手に使い分けて、消費者に愛される﹁桃太郎﹂をこれからもお願いいたします。夏秋タイプの兄弟たち﹁桃太郎サニー﹂しめで、低段からでも着果・肥大がよ﹁桃太郎サニー﹂は、草勢がおとなして作られてきました。しかし近年は、く、変形果の発生が少ないのが特長で、夏秋雨よけ栽培では、その食味のよさから長年﹁桃太郎８﹂が主力品種と葉かび病の被害の拡大により、葉かび着果は安定し、秀品率が高い。低温期から始まる早い作型や、標高のすぐれる夏秋栽培用完熟品種。病耐病性品種への切り替えが各地で進青枯病に強く、たいへん食味に高い産地でも安心して使っていただけ桃太郎 8 んでいます。ます。肥大がよい分、草勢の低下が早いので、潅水や追肥開始のタイミングを早めに行うことが栽培のポイントです。す。低段からの大玉 22 夏場に気温が上がりやすい標高の低いで安定した生育を示 22 25 22 地域では、特に注意が必要です。桃太郎サニー決定版！食味にこだわるなら﹁桃太郎ギフト﹂葉かび病に強く、減農薬栽培スがよく、すぐれた食味をもつ。が可能。甘みと酸味のバランます。あるため、後半の収量には期待がもてできません。逆に、栽培後半は馬力がが苦手なので、早い作型ではおすすめらう産地におすすめの品種です。低温量よりも食味にこだわって単価差をね糖度が高く、アミノ酸含量も高いため食味がたいへんよいのが特長で、物桃太郎ギフト 9 2011 タキイ最前線冬春号﹁CF 桃太郎ヨーク﹂です。﹁桃太郎ク﹂に葉かび病耐病性を付与したのが使われていますが、その﹁桃太郎ヨーす。今でも抑制栽培の主力品種として早いので短期間で収量が上がる品種でポイントです。カリウム資材を施用することが栽培のは２段花房開花期ごろから定期的に、生がやや多いので、それを軽減するにク﹂よりも上がります。葉先枯れの発するため、後半の収量は﹁桃太郎ヨー硬玉で馬力のある短節間で馬力があり、また硬玉で日もちがよいのが特長で、軒の低いパイヨーク﹂よりも草姿がコンパクトなた﹁桃太郎なつみ﹂プハウスでの栽培や、夏場に気温が上め栽植密度が上げられ、反収を上げや桃太郎ファイト﹂をお使いください。す。葉かび病が心配な場合は﹁CF よい﹁桃太郎ファイト﹂がおすすめでト出荷を目指すなら、糖度の上がりがです。そのような時期に高糖度のトマ高温期から収穫が始まる抑制栽培は、たいへん糖度が上がりにくい作型﹁CF桃太郎ファイト﹂糖度の高いがりやすい標高の低い地域に適した品すい特長があります。ーク﹂に劣りますが、スタミナが持続です。低段での果実肥大は﹁桃太郎ヨ生が少ない﹁桃太郎グランデ﹂が最適抑制栽培の早い作型では、高温期から収穫が始まるため、硬玉で裂果の発﹁桃太郎グランデ﹂硬玉でスタミナのある種です。暑さに強い反面、低温の影響を受けると花痕部が大きくなりやすい栽培が可能。果実は硬玉で店もちがよい。ので、早まきを避けて、なるべく遅い作型で使用してください。抑制タイプの兄弟たち短期多収のす。﹁桃太郎ヨーク﹂は草勢がおと抑制栽培は栽培期間が短いため、短期間で収量が上がる品種が有利で﹁CF桃太郎ヨーク﹂葉かび病耐病性でスタミナが持続し、長期なしめで着果・肥大がよく、熟期も 10 2011 タキイ最前線冬春号よい硬玉で秀品率が高い。 CF 桃太郎ヨーク桃太郎なつみ葉かび病耐病性をもち、高桃太郎グランデで収量が上がる。日もちの温着果性にすぐれ、後半ま「桃太郎ヨーク」に葉かび病耐病性を付与。果重 220 ∼ 230 ｇ程度の大玉に肥大。「桃太郎ファイト」に葉か CF 桃太郎ファイトび病耐病性を付与。たいへん食味がよく、大玉で秀品率にすぐれる。くるタイプなので、関東など肥沃地の育はおとなしく、後半から馬力が出てれ、食味がよいのが特長です。初期生す。﹁桃太郎あきな﹂は早生性にすぐ短期間で栽培が終了する抑制栽培では、早生性も大きなメリットになりま﹁桃太郎あきな﹂﹁ハウス桃太郎﹂極早生の地での抑制栽培に適する。抑制栽培に最適です。促成タイプの兄弟たち長期栽培で最も栽培性が安定を心掛けてください。低温肥大性にすぐれる﹁桃太郎J﹂ CF 桃太郎はるか少日照下での肥大にすぐれ、長期栽培にも適する。生で色回りがよく、上段果房へ着色の進みが早いため、段数を多く収穫していただけます。また、果形がたいへんスムーズで、花痕部の大きさは小さく秀品性が高くなるのも特長です。葉かび病耐病性の﹁CF ハウス桃太郎﹂も２０１１年度発表予定です。 11 2011 タキイ最前線冬春号「CF桃太郎J」「CFハウス桃太郎」の販売は2011年度以降です。﹁CF桃太郎はるか﹂﹁桃太郎はるか﹂より肥大する品種を望むなら﹁桃太郎 J﹂がおすすめで肥大がよい分、春先からの気温上昇下す。低温・少日照下でもすぐれた肥大すぐれるため、収量も上がりやすい品では軟果玉が発生しやすいので、早め﹁桃太郎はるか﹂は冬型草姿で採光性がよく、低温・少日照下でも安定し種です。葉かび病に耐病性の﹁ CF 桃の追肥で草勢低下を防ぎ、ハウスを蒸性をもち、収量を上げやすい品種です。太郎はるか﹂をお使いになれば、よりし込まないように心掛けてください。食味にこだわる産地では、長年﹁ハウス桃太郎﹂をお使いいただいていまた生育を示します。花数が多く着果が安心して栽培いただけます。着果・肥葉かび病耐病性の﹁CF桃太郎J﹂もす。肥大性は少し不足しますが、極早食味が安定する大がよい品種なので、長期間安定して２０１１年度発表予定です。「桃太郎はるか」に葉かび病耐病性を付与。低温・﹁ハウス桃太郎﹂栽培していただくためには摘果の徹底大玉完熟品種。糖度が高く、完熟出荷に最適。熟期は極早生で上段への色回りが早い。葉かび病耐病性をもつ。後半ままた、早生性を求めるなら、色回りの早い﹁ハウス桃太郎﹂も依然選択肢低温伸長性と肥大性にすぐれ、栽培容易な着果と果ぞろいが特にすぐれ、秀品率が高い。でスタミナが持続するため肥沃の一つです。桃太郎J ハウス桃太郎桃太郎あきな半促成タイプの兄弟たち ∼ 月まきは近年、植物工場的な生産方法が検討されている中で、通常の３倍程度に密耐病性を付与。栽培後半まバラエティーに富む兄弟たち性にすぐれる大玉品種。高しやすい夏秋用の早生種。味、元祖甘熟トマト品種産地限定い糖度で食味がよく、完熟果肉のしまりがよく、食味・実がしっかりしているため、果出荷に最適。店もち性にすぐれる。完熟出荷が可能。ス桃太郎﹂や、水分供給を控える絞り栽培でも果実サイズが出やすい﹁CF 桃太郎ヨーク﹂などがおすすめです。低段密植栽培には早い作型では、低温性も必要になるので﹁CF 桃太郎はるか﹂がおすすめ植し、３、４段だけ収穫する低段密植﹁CF桃太郎ヨーク﹂です。硬玉で軟果の発生も少なく、春栽培という方法が注目されています。﹁CF桃太郎はるか﹂﹁ハウス桃太郎﹂先からの収穫でも安心してお使いいたこの栽培法には﹁桃太郎ヨーク﹂並びに﹁CF 桃太郎ヨーク﹂が適していだけます。また、食味にこだわるなら﹁ハウス桃太郎﹂がおすすめです。ます。短節間でコンパクトな草姿のた容易。黄色トマトより糖度が高い。め密植適性が高く、着果・肥大のよさでスタミナがあり草勢管理が緻密で店もちがよく、従来の１∼２月まきはから短期間で収量を上げやすいのが特長です。直売所出荷向けに化葉巻病耐病性を付与した TY桃太郎アーク﹁CF桃太郎ヨーク﹂﹁CF桃太郎ファイト﹂遅い作型では、短期間で収量の上がりやすい﹁CF 桃太郎ヨーク﹂がおす﹁ホーム桃太郎EX﹂﹁桃太郎ゴールド﹂高糖度で食味がよい伝説の化葉巻病耐病性を付与した ※産地限定品種は一般での販売はございません。すめです。高温期まで収穫する場合は、初期の草勢が安定して栽培大玉品種。硬玉で糖度上がりのよい﹁CF 桃太郎﹁ホーム桃太郎 EX﹂は﹁ホーム桃太郎﹂に葉かび病耐病性が付いた、草 12 2011 タキイ最前線冬春号勢管理が容易な作りやすい品種です。硬玉で食味がよく、直売所出荷では完熟出荷も可能です。橙黄色の﹁桃太郎ゴールド﹂と組み合わせて販売すれば彩りがよく、消費者の購買意欲をかき桃太郎葉かび病に強く、低温肥大品種産地限定ファイト﹂がよいでしょう。特殊でユニークな兄弟たち高糖度栽培に適する品種高糖度トマトの栽培には、食味のよたてるでしょう。桃太郎T93 「桃太郎ヨーク」タイプに黄大玉品種。「ホーム桃太郎」に葉かび病橙黄色の「桃太郎」。肉質は 12 い﹁CF 桃太郎ファイト﹂﹁CF ハウ桃太郎コルト「桃太郎はるか」タイプに黄 TY桃太郎さくらホーム桃太郎EX 桃太郎ゴールド 11