山形大学 紀 要 (農学)第 1 3巻 第 3号 :2 3 32 4 5 平成 1 2年 2月 Bul l . YamagataUniv.,Agr .S c i .,1 3( 3):2 3 3 2 4 5 .F e b .2 0 0 0 庄内地方におけるカントリエレベータの 利用及び乾燥効率の比較 上出順 一 山形大学農学部生物生産学科生産生態制御学講座 (平成 1 1年 1 0月 1日受理) U t i l i z a t i o nandDryingE f f i c i e n c yo fR i c eDryingProc e s s i n g StorageF a c i l i t e si nShonaiD i s t r i c t Ju n i c h iKAMIDE Section ofAgriculturalEcology and Engineering, Yamagata Universi t y,Tsuruoka 9 9 78 5 5 5,Japan (Recei ved October 1,1 9 9 9) Summary Theg r a i nd ryi n gands t or ag ef a c i l i t y,c a l l e d “Country El e v a t or :CE",b巴camee l i g i b l ef o rg o v e r n sar es ul t ,t h i sf a c i l ments u b s i d e sf o rr a t i o n a l i z a t i o no fr i c ep r o d u c t i o nandd i s t r i b u t i o ni n1 9 6 4,anda i t ys p r e a dw i d e l yi nJapan nShonaid i s t r i c t,t h e r ea r e2 4 Country E l e v a t o r si n c l u d i n gv a r i o u s new c o n c e p tt y p e Aso f1 9 9 8,i a r g es i z ec i r c u l a t i n gd r y e r,ana c c u m u l a t i v emixings t o r a g ed r y er,a normal tem f a c i l i t i e s,namely,al . p e r a t u r e d e h u m i d i f i e da i rdr y e randahuskmixdry巴r Theauthori n v e s t i g a t e dt h eu t i l i z a t i o nandt h ed r y i n ge f f i c i e n c yo f some t i p i c alc o u n t r ye l e v a t o r s i nShonaid i s t r i c t . I n1 9 9 6,t h ep e r c e n t a g eo fp r a c ti c a lr i c eg r a i nr e c e i v e d and p r o c e s s e d by t h ei n v e s t i g a t e dc o u n t r y h e nt hep e r c e n t a g ed e c r e a s e di nal e v e lo f75%i n1 9 < 沼 , e l e v at o r swas85% o ft h es c h e du le damount,andt a st her e s ul to ft h epol i t i c alad j ustment sf o rr i c eproduc t i o n . Thea v e r a g ed ryi nge f f i c i e n c yo fsomenewc o n c e p tt y p ec ou n t r ye l e v a t o r s,namely,t h ec i r c ul a t i ng system,t h eaccumul a t i v emixings t o r a g ed r y i n g system and t h ed r y i n g system with de humi di f i e da i r i g h e rthant h ec o n v e n t i o n a lt y p巴 CE. g e n e r a t o r,wereh Keywords:c o u n t r ye l e v a t o r,newc o n c e p tf a c i l i t y,u t i l i z a t i o no fCE,d r y i n ge f f i c i e n c y 1 .緒 圭o. 己岡 米の生産一流通の自由化が進むなかで,生産地におい 平成 1 0 年 3月末現在,全国 で 743のカントリエレベー タ(以下 C Eと略称)があり 3) 山形県においては 40 ては米の高品質,良食味,安全性等消費者の多様なニー のCEが設置されている.また,山形県庄内地方には 24 ズに的確に応えうる体制が求められている.カントリエ のCEが設置されており,その総貯蔵能力は 8 2, 100tにな レベータ は最初に導入されてか らすでに 3 5年を経過した 8 8, 80 0t引であるか る.庄内地方の米の収穫量はおよそ 1 が,今では米の生産 -調製及び出荷の基盤として,生産 ら , CEの貯蔵能力の収穫量に対する割合は 43%に当た 性及び品質の向上,流通の合理化等 に大きな役割を果た る.平成 1 1年度は CEの利用率はさらに高まり 50%を越 しており,稲作の近代化を象徴する施設の一つになって えると予想される. 平成 5年の CEの仕様改正によ って, " [ 貯蔵ピン方式」 いる. が標準仕様に新たに加えられたのに伴い,庄内地方にお キーワード カントリエレベータ,新仕様 CE,CE利用, いては多様な乾燥-貯蔵方式の CEが設置され,平成 10 乾燥効率 年には新仕様の CEは 8個所を数え,その貯蔵能力は全 2 3 3 4 4 山形大学紀要 (農学)第 1 3 巻 第 3号 CEの44%になっ ている.また, こ れ ま で に 建 設 された 旧仕様の A,B型の CEも,循環型乾燥方式の導 入により 一時貯留タンクの方式,①乾燥機能力 等が規定されてい る. C型へ模様代えされた CEも多い. 平成 4年の改正で は,循環型乾燥機を取り入れた C型 本研究では ,庄内地方におけ る新仕様の CEを含む代 仕様の追加が行われた 表的な CEの利用状況を調 査 し , 併 せ て 乾 燥 方 式 の 異 な C型は 循 環 型 乾 燥 機 を 装 備 し , 原料を安全に貯留できる水分まで に速やかに l 次乾燥 し , るCEについて 乾 燥 エ ネ ルギ の 面 か ら 比 較 検 討 を 行 っ 乾燥機に余裕が生じた段階で所定の規格水分まで仕上 げ た. 乾 燥 (2次乾燥)し,サイロに貯蔵する施設である. c 型は,いわゆる自己完結方式で,乾燥 機 自 体 が 荷 受 の - 2 . 標準仕様の改正と CEの発展 2) 時貯留タンクとして利用するので, わが国における CEの建 設 は , 昭 和 3 9年度から 開始さ 1日当り最大荷受量 相当の乾燥機容量が必要になる.また,乾燥機は, 1日 れた .巨大施設で あるため 農林水産省の責任に お い て 施 7%まで乾燥できる能力をもち, 毎時乾減率0 . 6 %, の内に 1 設の標準仕様が作成された .最初の モデル プラ ン ト は 縦 風量比 0. 3m ' j 秒 tを規定している. CEの導入当初は ,国が標準 仕 様 を 定 め , メ ー カ は そ 流下型の乾燥機を備え,各サイロに通風装置を備えた容 積9 0 0t( 2 2 5 X4)の施設としてスタートした. の標準仕様にしたがっ て施設を建設する ,い わゆる 国主 3 年には基本運転方式として,半乾一時貯留方式, 昭和 4 導型であったが,技術の習熟化もあ り,平 成 テンパ リング乾燥方式及びサ イロ 替 え (ローテイシ ョン) 等の考えが盛り 込まれた基準 が作成された. 5年には, 国主導の技術保証からメーカ責任性へとシフ トすること となり,従来の標準仕様の性格は大 きく転換された . し CEが米麦の生産から流通にいたる地域農業の 中核 施 たが って,平成 5年の改定では,従来の仕様で定義され 設として位置づけを明確 にし,本格的整備が開始 された ていた A, B, Cの区分を廃止し, 従 来 認 め ら れ て い な のは 「 米生産総合改善パイロ ッ ト事 業 J(昭和 44~47 年 か った貯蔵乾燥ピン方式を新たに追加している. 度)からである.米の需給緩和と 経済の高度 成 長 に 伴 い 連続送り乾燥方式では,生籾は貯留タンク ( A型)ま 米を中心とす る農業の近代化 ・合理化が要請さ れ , 米 に たは貯留乾燥ピン (B型 )に貯留された後,乾燥機 に 投 ついては大規模機械化によ る省力 化を 進めると ともに 入されて乾燥し,つづいて間隙サイロ等でテンパリング 乾燥調製貯蔵施設を整備 し,品質及び生産性の 向 上 を 図 が行われる.このような工 程 を繰り返し ,乾 燥 機 内 を 数 り,良質な米を大量に供給できる産地体制 の 整 備 を 進 め 回通過させることによって目標水分まで乾燥された後に 5年には 2 , 0 0 0t施設としての A型 ることとなった. 昭和 4 サイ ロに半乾貯蔵する.その後,施 設 に 余 裕 が 生 じ た 段 型は乾燥機(連続送り式 ) により 仕様が設定された .A 階で仕上げ乾燥を行いサイロに貯蔵する. 原料を安全に貯留できる水分までに速やかに 1次乾燥し 循環型乾燥機を 用いた施設 (C型)では ,乾 燥 機 自 体 サイロに貯留した後,乾燥機に余裕が生じた段階で所定 が荷受時の貯留タンクとして兼用される.水分が目標値 の規格水分まで仕上げ乾燥 (2次乾燥)し,サイロに貯 またはそれ以下になった後,サイロに 半乾貯留し ,その 蔵する工程を基本 とする施設である . 後は A. B型と同様な工程を とる . 0年 に その後幾度かの仕様改定が行われている .昭和 5 平成 5年度の改正で新たに標準仕様に追加された「貯 は貯蔵乾燥ピンの B型仕様が追加され,昭和 5 1年には 3 ,側 蔵乾燥ピン方式j の最大の特徴は, 一時貯留サイ ロが不 t仕様の追加がなされている .B 型は貯蔵乾燥ピンを有 要になり,そのかわり とし て,貯蔵機能をもっ大容量の し,これにより,原料の 1 次貯留または通風貯留を 行い, 乾燥機が設置される ことにある.本方式では ,籾 は 貯 蔵 乾燥機(連続送り 式 )による 1 次乾燥を行った後, 乾 燥 乾燥ビンに直接投入され,乾燥終了後はピン内にそのま 貯蔵ピンまたはサイロ に貯蔵した後,乾燥機に余裕が 生 ま貯蔵される. じた段階で所定の 規格水 分 ま で 仕 上 げ 乾 燥 (2次 乾 燥 ) し,サイロに貯蔵する工程を 基 本 とする施設である 昭和 5 9年には ,標準仕様の全面改定を行い,施設規模 3 . 調査 CEの概要 1)各 CEの乾燥方式 は概ね 2 , 0 0 0t以上とするが, 実際の計画に当たっての標 調 査 CEは庄内地方に 設 置 さ れ て い る 施 設 で , 新 仕様 準 的 な規模は明示されて いない.なお,施設計画 の 前 提 に属するもの 3施設 条件として,①籾水分,②荷受日数, ③荷 受 変 動 率 , ④ 1, C型 : 2)の合 計 6施 設 で あ る . 調 査 CEの 概 要一 2 3 4 旧仕様に 属するもの 3 施 設 (A型・ 4 5 カントリエレベータの利用及び乾燥効率 一 上 出 lに示す. ( 1) 北部 CE ( 循環乾燥 覧を表 され,日荷受 量 (計画 )は平均 602t,最大722tである. ( 2) 大 山 CE ( 累積混合乾燥) 乾燥設備は,ドライドーム方式といわれる大型循環型 累積混合貯蔵乾燥方式を採用している.すなわち ,荷 乾燥機を基本とするシステムで C型に属する.ドライドー 受籾は粗選後直ちにスタ ーデポといわれる丸型貯蔵乾燥 ムは,①建設費の 抑制による低コスト化,②食味 ・品 質 ピンに投入され,その後荷 受 生籾は累積的に投入され, のための最適乾燥,①作業性・操作性の向上をコンセプ 半乾燥籾と混合し乾燥を行う.籾の撹祥はビ ン上 部 の 移 トとしてい る.すなわ ち,タ ンク部と乾燥部を 一 体 化 し 動ア ーム(ク ロスチ ューブ)から 吊下げ ら れ た 垂 直 撹枠 た屋外設置型循環乾燥機を基本にすえた乾燥貯蔵システ オーガ(ダウンオ ーガ)に よって行われる.オーガはそ ムで,乾燥機は本建屋外に設置されている.乾燥機は上 れ自体が回転するとともに,移動ア ーム 上 を ビ ン 半 径 方 部にタンク部,下部に乾燥部があり ,荷受され た 籾 は 粗 向 に往復 しながら , ピンセンタを中心に低速で周回する . 選 , 自主検査等の工程を経た後,タンク部へ直接投入さ 本施設の乾燥模式図を 図 - 1に 示 す . 乾 燥 終 了 後 は , れ,下部の乾燥部での乾燥を経て昇降機で再び上部タン そのまま貯蔵ピンとして利用するいわゆる乾燥・貯蔵庫 ク部へ戻され,タンク部でテンパリングされる . このよ うに乾燥部からタンク部へと循環を繰り返し ,所 定 の 水 分まで乾燥が行われる.毎時乾減率は 0.6%/hに設計さ れている.ま た,乾燥温度と乾燥 速 度 はマイコ ン制 御 に より乾燥の進行状況に応じて自動的にコントロ ー ルする 図 -1 累積混合乾燥の模式図 方式をとっている.乾燥機は容量 60tの も の が 1 2基 配 置 表- 1 調 査 CE の 概 要 I みずほCE 北 部 CE 大山 CE 平田第一 CE 設置年度 平成4 平成6 平成5 平成7 乾燥方式 循環型乾燥 (C) 累積混合乾燥 常温除湿乾燥 籾殻混合乾燥 項 目 貯蔵能力 ( t ) 8 . 6 6 2 3. 200 袖浦CEl余白 C 昭次) 平成5 昭和 6 2 連続流下仇) 循環型乾燥(C) 5, 000 3 . 0 5 5 2. 400 4 60 5, 対象面積(計画 . h a ) 1 . 10 0 450 600 398 300 7 0 0 処理量( 玄米 t ) 930 6, 2 . 8 3 5 3 . 8 2 2 2 . 5 1 0 1 9 3 5 4 . 3 6 8 処理量(乾籾,t ) 8, 662 3 . 5 4 3 4. 7 7 8 1 2 6 3, 241 2 5, 460 処理量(生籾 . t ) 9. 636 3 . 9 4 2 5 . 3 14 4 78 3, 2691 6, 067 荷受期間(日) 23 つ 】3 つ' Z M V 23 23 23 実荷受期間(日 ) 1 6 1 6 1 6 1 6 1 6 1 6 2 4 . 0 24. 0 2 4 . 0 24 24 1 5 . 5 荷受水分(%) 2 4 . 0 仕上水分(%) 1 5. 5 1 5 . S 1 5 . 5 1 5 . 5 1 5 . 5 日平均荷受量 ( t ) 6 0 2 . 0 2 4 6 . 5 332. 5 212. 4 1 6 8 380 日.大荷受量 ( t ) 7 2 2 . 0 2 9 5 . 7 399 4 254. 201 .6 456 サイロ直径 (m) 7. 8 11 .5 5 3 . 7'3 .7 6 6 6 . 9 サイロ高さ (m) 2 9 . 5 9 . 2 7 . 5 24 2 4 . 7 30 620 335 50 300 300 455 サイ口容量 ( t /基) 14 1 0 100 14 8 1 2 8, 680 3. 350 5 .000 4 . 2 0 0 4 00 2, 5 . 4 60 サイ口敏(基) サイロ総容量 ( t ) 断熱鋼鍍 サイロ繍造(壁体) 壁体断罪事材 断熱鋼飯 断熱鋼板 乾燥織型式 OOR6012WB*1 5303 0 0 0 0 OSM-5 0 容量 X台数 6 0 t.1 2 335t<1 0 5 0t.1 00 合 1・ドライド ーム、 断熱鋳飯 コンクリート コンクリート 伽n m OOmm ロックウール5 50mmアキレストリト ン4伽n r rグラスウーJレl グラスウーJレ 合 2 ニュードライドーム 2 3 5 連続涜下( 籾燈乾燥用) 連続涜]'式 600 r r i/h<1 2 0 t/h<2 大型循環式句 9 0 tX5 4 6 山形大学紀要 ( 農学)第1 3巻 第 3号 一体型である.貯蔵乾燥どンは容量 3 3 5t/基のものが 1 0 え,すなわち,ローテーションを行いながら乾燥が進め 基配置 され,日 荷 受 量 (計画)は平均 2 4 6t,最大 2 9 6t られる.日荷受量 ( 計画)は平均3 3 3t,最大 3 9 9tであ である る. は)みずほ CE (籾殻混合乾燥) 本方式では,米の品質を落とさないため ,できるだけ ゆっくり乾燥することを基本としており,投入籾の水分 SDS( S o f tD r y i n gS y st e m ) と名付け た籾殻混合乾 や大気の条件に応じて 品質保持に必要な風量すなわち安 燥方式を採用している.本方式では,生籾に直接温風を 全限界風量比が確保されるよう 一回当りの投入量が決 送って乾燥を行うのではなく,乾燥弗!としての乾燥籾殻 定される.また,腕割による品質低下を起こさないよう と生籾を混合することによって,水分を籾殻に吸収させ 0"Cに設定している.本施設のコンセプ 通風最高温度を 3 て乾燥を進める乾燥システムである . トとして, ① 乾燥による食味低下の抑制, ②均質乾燥 システムの模式図を図 -3に示す .荷受された籾は, ( 撹祥乾燥 ) ,③荷受作業の効率化と労働集 中の緩和 ( 大 水分 2-3%に乾燥された籾殻と 一定比率で混合され, 容量 ピン) ,④搬送設備の単純化 ( 荷受・乾燥・貯蔵機 「混合貯留サイ ロjへ投入される.サ イロ内 において 高 能の統合)があげられる . 水分籾から乾燥籾殻へ水分が移行し乾燥は進行する.一 ( 3 ) 平田 第一CE (常温除湿乾燥) 定時聞が経過し て水分移行が終了した後, 平田第一 C E(以下,平田 CEと略称)では常温除湿乾 イロ 」から混合物を排出 し「籾殻分離装置j にて籾と 籾 " [ 混合貯留サ D r yAi rG e n e r a t i o n) 殻を分離する .分離された籾は,籾殻混合調整タンクで 燥方式を採用しており ,DAG ( 再度乾燥初殻と混合し別の「混合貯留タンク」へ投入さ により自然乾燥に近い方法で乾燥を行っている .空気の 加温を行わないため灯油等の燃料は使用しない.図 -2 れ,籾水分が一定基準に達するまで上記工程が 2-4回 のように DAGによ って作りだされた常温で 一定湿度の 繰り返される .一方,分離された籾殻は「籾 殻乾燥機」 空気は貯蔵乾燥ピンに送られる. 1系列 1 0 基のビンに対 で乾燥し,再度乾燥剤として反復利用される. して 1基の DAG が備わっており 1 0 系列で 1 0 0基のビン 籾と籾殻の混合比は混合籾水分によって 1 :0.5-2 が配置されている.荷受籾は粗選処理後直接貯蔵乾燥ピ ( 容積比)の範囲で変化 させる .混合 貯留時間はほぼ 8 ンへ投入 される .なお ,ピンは角型で撹枠装置は付いて 時間 である .サイロへの投入量 は「籾+籾殻」になるの いないので,累積的な投入混合は行わずに穀物のピン替 で,投入可能な籾量は籾殻混合比によって 異なり ,3 0 0 tサイロ の場合,籾と籾殻の混合比 園大隊適用フラ ッブ 定湿用きずンパー 貯蔵ピン 常週定湿空気 1:1 .5 で籾量は約 1 2 0 t,1:1 .3 では約 1 3 0tになる. 貯留乾燥ピンは容量 3 0 0tのものが 1 4 基配置され, 日 荷受量 ( 計画 )は平均 2 1 2t,最大 2 5 4tである.また, 3 / h 0 0 m の連続流下型乾燥機が 1基設 籾殻乾燥用として 6 置されている. ( 5) 袖浦 CE ( 連続流下乾燥) 竪型連続流下式乾燥機を 基本とし,貯留タンクを有す DAGシステム構造図 籾は貯留タンクに投入され, 乾燥機に空がで き次第 l次 割 一 時 一 E 直四 ⋮ 一 一 図 -2 るも ので A型に属する. 乾燥機に空がない 場合は ,荷受 図 -3 籾穀混合乾燥の模式図 2 3 6 カント リエ レベータの利用及び乾燥効率 一 上出 4 7 乾燥を行う. 1次乾燥の終った籾は間隙サイ ロに投入さ によって異なる .北部CEと平 田CEの総電力設備容量は れ 2次乾燥(仕上げ乾燥)を待つことになる .乾燥設備 他のCEよりも大き いが,北部CEは処理量が他のCEより は2 0tIhの ものが 2系列配 置され,日荷受量 (計画 2倍程度多 いこと ,平田 CEは乾燥が電力のみに 依存 す は平均 1 6 8t,最大 2 0 2tである. る除湿乾燥方式であること による.各部門の電力設備容 ( 6) 余目 2次CE ( 循環乾燥) 量は必ず しもそれぞれの使用電力量を表すものでないが, 余目 2次CE ( 以下, 余目 CEと略称)は大型循環型 乾 乾燥工程関連の電力容量 をみると, 北部 CEでは 5 91 kW 燥機を基本 とす るシス テムで C型に属する . なお ,乾燥 で総電力設備に対する 比率 は約 4 5%であるが,累積混合 機は間隙サイロの位置 に配置されており,ニュー ドライ 乾燥方式の大山CEでは 446kWで比率は 93%と高い .ー ドーム方式といわれる .施設設計の コンセプ ト及び運転 方,乾燥中の籾の移動や通風を行わない籾殻混合乾燥方 操作は北部CEと同 じであ る.乾燥機は容量 9 0tのもの 式のみずほ CEでは ,乾燥関連電力設備量 は97. 4kWと小 が 5基配置され,日荷受量は平均 3 8 0t,最大 45 6tであ さく総電力設備に対する 比率 も4 1%と低い . る. 乾燥処理(計画量)の単位量当りの電力設備総容量 を 2)主要 CEの電力設備 CEの電力設備は一般に荷受け・搬送,粗選 別,自主 みると 北部 大 山CE等熱風乾燥を基本とする CEでは 0 .1 5kW/t程度であるが,電力依存度の高い常温除湿乾 検査,乾燥,精選 ・籾摺,計量 -出荷,集排塵などの部 燥の平田 CEで 、 は0 . 2 6 kw/tと大きく ,一方,籾殻混合乾 門に分けられている.電力設備の状況を表 - 2に示す. 燥のみずほ CEは0 . 0 7 6 kW/tで平田 CEの約 3分の lであ 電力設備の各部門の容量は施設の規模や乾燥方式の 違 い 表 Z 受 2 乾燥関連電力設備容量 北部信 備 る.また,乾燥関連電力容量 についてみると ,平 田CE 大山 CE 平田 α 三 みず l ま佳 1, 3 11 .0 504. 6 1 , 271 .5 2 3 6 . 3 591 .0 4 6 6 . 9 720. 0 97. 4 45. 1 92. 5 56. 6 41 .2 ( d )計画処理量(乾籾 : 1 ) 8, 662 3, 543 4, 778 126 3, ( e ) = a / d( k W / I ) 0. 1 5 1 0. 1 4 2 0. 266 0. 076 ( f )= b / d( k W / t ) 0 . 0 6 8 0. 1 3 2 0. 1 5 1 0. 031 ( a )総電力設備容量 (kW) ( b )乾燥関連電力容量 (kW ( c ) = b / a( % ) 表 -3 庄内地方の CE基本設計条件 米籾籾 玄乾生 1 ) 10a当り収量 630kg/10a 787.5kg/10a 976kg/10a 3) 実荷受期間 23日 16日(晴天率 70%) 4) 荷 受 水 分 24% 5) 仕 上 げ 水 分 1 5 . 5% 2) 荷受期間 6) 日平均荷受量 生籾総処理量/実荷受日数 7)日最大荷受量 8) 荷受時間 .2 日平均荷受量 xl 7時間(1l1 8時) 9) 処理方法 1 0 ) 荷受品種 2品 種 プール処理 2 3 7 ① ②=①/0.8 ③=②/0 . 9 山形大学紀要(農学)第 13巻 第 3号 48 は0 . 1 51kW/tで最も大きく,籾殻混合乾燥のみずほ C E ローテ イション等乾燥関連設備の駆動などに消費し た電 Eの10分の l 以下である. は0.013kW/tと小さく,平田 C 力量を入力エネルギに含めた. Eに お い て 荷 受 開 始 乾燥消費電力量については,各 C 4 . 乾燥効率の計算 か ら仕上げ乾燥終了までの乾燥処理期間に供給された総 一般に乾燥で用いら れる 熱効率は,その系に供給さ れ 電力量を用いた .乾燥工程における 灯油は通常籾の 乾 燥 る燃料の熱エネルギ(入力)に対する水分蒸発に要した (通風空気の加温)のために用いられるが,籾殻混合乾 潜熱(出力)の比で表わされる 5人 燥方式(みずほ C E )で は 灯 油 は 籾 殻 乾 燥 用 燃 料 と し て ところで, CEは一つのシステムとして稼働するから, 乾燥工程におけるエネルギ収支を考える場合は,乾燥機 使用される.また,常温除湿乾燥方式(平田 C E)では灯 池は使用されない. を通過する籾や通気のもつエンタルピ,また ,乾燥機に 5 .C Eの荷受状況 直接供給されるエネルギだけでなく,乾燥機への材料の 張り込みや排出のためのエネルギ(電力)をも考慮する 庄内地方における 必要があろう.とくに ,調 査 対 象 C Eの 乾 燥 方 式 は 循 環 ¥ を表 -3に示す 7 乾燥,累積混合乾燥,籾殻混合乾燥,常温除湿乾燥等多 CE設置の基本設計条件(前提条件) 基本的には , 2品種,平均水分 24%の籾を荷 受期間 23 様である ことから,こ こでは ,乾燥効率の計算に当たつ 1 ては空気の加熱(灯油)と送風(電力)など乾燥に直接 設の規模は対象面積の大小によって決定される. 関わるエネルギの外に ,荷受及び乾燥工程における籾の 表 庄内の CE の規模をみると , 貯蔵 能力で 2 , 500 ~3 , 500 t 平成 10年 平成9年 十 荷受期間{日数) 実荷受日数 実J: 荷受期間(日数} 実荷受日数 CE施 4 施設別年度別荷受期間 平成8年 M!& 実荷受期間 1 6日で荷受するよう計画される. 実I t 十 荷受期間{回数} 実荷受日数 実I t 十 25 5 1 0月 7 1 .5 6 9月 1 18 1 . 13 9月 1 5-10月 9 2 0 1 .2 5 9 月1 9-1 0月1 1 22 0 1 .3 8 9月 18-10月 1 1 7 1 .06 9月 1 8-10月 7 1 7 1 .06 平田 9 月2 2 1 0月11 20 1 .2 5 9月 20-10月 9 1 5 0 . 9 4 9月 20-10月 1 3 1 9 1 . 19 みずほ 9 月1 8 1 0月1 9 22 0 1 .3 8 9月 20-10月 1 1 7 1 .06 9月2 1-10月 14 20 1 .2 5 袖浦 9 月26-10月1 2 16 3-10月 1 0 1 .00 9月 2 1 3 0 . 8 1 9月 26-10月 1 2 1 3 0. 8 1 9月 21-10月 1 3 1 9 1 . 19 北部 9 月1 7 1 0月1 8 大山 余目 ; 主:計画実荷受回数 =16日 表 -5 施設別年度別処理量及び荷受籾平均水分 施枝 (生籾:1 ) 処理量 ( 1 ) 北部 9, 636 平成9年 平成B年 計画処理量 1 ) 水分(%) 処理量 ( 実 / 骨 十 8, 671 .6 0. 90 2 7 . 0 平成 10年 1 ) 実I t 十 水分(%) 処理量 ( 8. 45 0. 9 0 . 8 8 4 2 3. 7, 7 4 2 . 8 実11 十 水分(%) 0 . 8 0 4 23. 大山 3, 942 3, 2 4 0. 4 0 . 8 2 2 6 . 6 2, 9 9 0 . 5 0. 76 2 3. 2 2, 7 5 2 . 6 0 . 7 0 2 5 . 0 平田 5, 314 4, 560. 8 0 . 8 6 2 6 . 2 4, 258. 1 0. 80 2 3 . 7 4, 1 5 5 . 1 0. 78 2 4 . 6 みずほ 3, 478 2, 6 0 9 . 0 0. 7 5 2 6 . 1 2, 3 8 7 . 3 0 . 6 9 22. 3 2, 302. 4 0. 66 2 3 .1 袖 , 甫 2, 691 2, 2 2 7 . 2 0. 83 2 4 . 1 2, 0 9 2 . 6 0 . 7 8 1 9 . 9 1 .7 5 6 . 5 0 . 6 5 2 2 . 3 3 2 2 . 5 4, 0 . 7 1 2 3 . 6 2 1, 3 0 9 . 0 0 . 8 5 26. 4 2 0, 1 7 9 . 4 0 . 8 1 2 3 . 0 031 .9 23, 0 . 7 4 2 3 . 7 余目 計・平均 6, 067 31, 128 主 ; (1)処理量は荷受け盆(生籾)を表わす、 (2)実 : 実処理量、 238 (3) 計 ・ 計画処理量 4 9 カントリエレベータの利用及び乾燥効率 一 上出 成1 0 年度は 9 00haに減少している. 程度の施設が多いが, 北音:~CE の 9 , 000 tは全国的にみて も最大規模(秋田県大潟村の公社を除く)である . 荷受籾の平均水分は,平成 8年度はいずれの CEも計 Eの施設別年度 別の荷受期間を表 -4に示す . 画水分を上回っていたが,平成 9 ・10年度は 23%台で計 調査 C なお ,ここでは ,特殊 な事情で著しく遅れた少量の荷受 画水分を下回っていた Eにおける日別荷受量(3カ年の施設 図 -4に調査C け籾は含まれていない .荷受期間は品種構成や気象条件 等によって左右されるが,年によって大きな変動はなく, 合計)と籾水分(3カ年平均)を示す 5日から 1 0月1 5日の 1カ月間で,実荷受日数 多くは 9月1 0月に入ると計画水分 ほぼ27%と高く推移しているが, 1 は 13~25 日の範囲にあった.袖浦 CE の実荷受日数は計 を下回る 2 3 %前後で経過 している . 画日数と同程度かそれより少なかったが,他の C Eの実 籾水分は 9月は 北部-大 平成 8年度の品種別の荷受け状況を図 - 5 ( 荷受日数は計画荷受日数より1. 2 ~ 1 .4 程度上回っていた. 山 -平田-みずほ C Eの合計 ) に示す .収穫適期は品種 5に示す.いずれの CEも 年度の C E利用 実荷受量は計画量を下回っている.平成8 によって 5~ 1O日程度である 9 ) が,実荷受け期間をみる 施設別年度別の荷受量を表 といずれも適期幅を若干上回 ってい る.同一品種であっ 率すなわち C Eの設計計画量に対する実荷受量は平均 85 ても普通栽培,有機栽培,直播栽培によって収穫適期が %程度 であったが, 平成 9 ・ 10年度は 80~ 75 % と低下し ずれ,“ササニシ キ “はえぬき" は荷受けが長期に及 ている .C Eの利用は,受益農家が利用組合を組織し, 0 年の品種別の荷受け状況は んでいる.なお,平成 9,1 農家の生産籾の全量処理を原則として行われている.平 年 とほぼ同様であ った . 平成8 CEによっては若 図 -6は荷受け量からみた品種構成を平成 8年と平成 干減少しているところもあるが,水田の受・委託による 1 0 年について示しで ある.品種構成をみると,各 CEと 成 8~ 1O年における利用組合員数は, 耕作がなされているので,利用組合員の受益面積には殆 も“はえぬき"を主体とし,これに“どまんなか ど変化はない.このことから平成 9 ・1 0年度における “ひとめぼれ“ササニ シキ"を組み合わせた CE利用率の低下は生産調整いわゆる減反面積の拡大に Eにおいては,平成 よるものである.ちなみに,北部 C 6年の C E設立時の計画面積すなわち荷受面積は l , 1 1 5ha 種構成とな っている .なお,“はえぬき“ひとめぼれ" であったが,生産調整によって平成 9年度は 9 81 ha,平 年で 1 C分の は増加傾向にあるが,消費動向を反映し, “ササニシ キ “どまんなか"は減少傾向にあり,特にどまんなかは 2 CEの利用率の拡大の 点 lに減少している 5. 000 35 盟国 荷受量 (1) 4, 000 →一平均水分( %) 30 余 (JF ) n u n u nunu V育 内 u u ︽ 。,﹄ 一 戸 ) 刷 出m綜 qu 25 1 .000 田町 FRDF 2 3 9 田 FFRDF 図 -4 日 別 荷 受 量 友 び 平 均 水 分 田 由 民OF DF 荷受月日 田 hRDF 国 凶R F RDF 田 町 RDF 囚 回 目 N町 田 国 h N町田 NR 白 国的 田町NR 白 田 FNR由 回 目 F R由 囚 h F R由 回 出 F R由 。 3~ 4品 20 5 0 山形大学紀要(農学)第 1 3巻 からは,単一品種よりも収穫時期の異なる 2-3品種を 第 3号 動化はもとより,荷受・選別-乾燥に至る工程はコンピュー 組み合わせるのが望ましい. タによる制御がなされている.したがって,オベレータ は操作盤を監視しながらの機器の操作であり,肉体的労 6 . 乾燥操作及び乾減率 CEでは,乾燥後の籾は品位検査を受けた後,多くは 働の負担は大きくはない. 翌春までサイロに貯蔵し保管される.このため,乾燥処 蔵管理の良否が大きく影響することから,各 CEにあっ 理は必ずしも短期間に終了する必要はなく,品質面を重 てはマニュアルに基づいたきめ細かい管理が行われてい CEにおける籾の品質については,乾燥操作の他に貯 視したきめ細かい乾燥操作により計画的に荷受がなされ る.本研究では,全 CEで の 品 質 調 査 は 実 施 し て い な い ている.また,いずれの CEにおいても,自主検査の自 が,例えば北部 CEでの平成 9年 産 米 の 貯 蔵 後 (5月中 1.600 1.400 1.200 1.000 て3 H 岡 800 権 600 正 H 400 200 平成 1 0年 図 -6 荷 受 量 か ら み た 品 種 構 成 2 4 0 田 hFRo- 平成 8年 回 凶 FRDF 図 -5 平 成 8年 度 の 品 種 別 荷 受 状 況 田 町 FRDF 月/日 田 FFRDF 回 目 RDF 田 hROF 田 町 RDF 田 町 RDF 国 FROF 回目同町田 回 h N陵町 回 凶NR由 田 町NR 白 町田 F 田 FNR由 田由 F町 田 国 h F R白 回凶 。 カントリエレベータの利用及び乾燥効率 上出 5 1 旬)の調査によると,籾水分(平均 1 4.9%), 脂 肪 酸 度 乾減率は品種,荷受時期,籾水分によって異なる.乾燥 9. 3)及び食味値(平均 7 6. 2)か ら み て 貯 蔵 中 の 品 (平均 1 初期(水分24~27%) の毎時乾減率は 0.12%/h 程度であ 2日目 質劣化は認められなかった .また各 CE とも,平成 8 ~ るが,乾燥の進行とともに順次乾減率は低下し, 1 0年度産の出荷米の l 等 米 比 率 が 90%を 越 え て お り , 乾 0日目頃までは 0.02%/hで経過し, 1 5日間でほぼ乾 以降 1 燥貯蔵方式の違いによる優劣はつけられないものであっ 燥は終了する.籾水分が 15%台になると通風を止め ,装 た. 置による撹持のみを行なっている . 各C Eの乾燥操作の状況を以下に述べる. ( 3 ) 平田 CE E (1)北部 C 荷受された籾は粗選機・計量器を経て貯蔵乾燥ピンへ 荷受けされた籾は粗選別後に直ちに乾燥機へ投入され 投入される.ピンは角型で撹祥装置は付いていない. し る.荷受籾の水分によって乾燥工程を l 次(水分 24~ 1 7 たがって累積的な投入は行わずに,ピン替えローテーショ %)と 2次(水分 1 7から 15%) に 分 け て 乾 燥 す る . 毎 時 ンによって乾燥が進められ,乾燥仕上げまでに .6%/h, 2次で 0.5%/hになるように制 乾j 成率は l次で 0 のローテーションがなされている.乾燥が終了すると籾 御される.また ,乾燥機通風温度は 4 8"Cであるが,籾排 はそのままどン内に貯蔵される. 出時には 1時間程度通風のみを行い,籾温度を常温まで ( 2 ) 大 山C E 貯 蔵 乾 燥 ピ ン は l基 5 0t容 量 の も の が l 系列に 1 0基 , 1 0系列で 1 0 0 基が配置されている.風量の調節は各ピン のダンパの開閉によって行っている.通風静圧は 3 0 0 m m 荷受け籾は貯蔵乾燥ピンに累積的に投入し混合乾燥さ H20以下になるように調節され,乾燥ピンへの通風量が 下げている. れる 7~ 8回 常温に近い温度での乾燥に留意し,通風温度は 3 0 多い場合は空ピンのダンパを聞けて調節している. ( 4 ) みずほ C E ℃ 以下または「常温+5C J を超えないようにしている. 0 また,品質の安全確保の面から,各ピンごとに堆積量に 荷受水分によって籾殻混合比と反復回数は異なる. 籾 対する風量比に基づいて,荷受水分による安全荷受可能 殻混合比は水分22~23% で 1 数量を算出し,その日の最大荷受量を決定している. 1:l. 5~ l .8としている.また反復数は,高水分の場合 は 図 7に各ピンの水分変化の一例(平成 1 0年)を 示す. :2 ,水分20%以 下 の 場 合 は 3~4 回,水分20% 程度の場合は 2 回である. [ひとめぼれ】 水分値 3 0 . 0 ーベト-Al ・ . -x -1 l1 . 0-s 2 . A 2 2 6 . 0 2 2 . 0・ 1 8 . 0 1 4 . 0 s 塁塁里ミ型空要望里史里空電~ ~ ー ~ ー ~ ー ~ 【 ~ 【 ~ 目 ~ 。 ~ミ m m m m o m m m 回【【 。 ~ ~ ~ ~ ~ 【はえぬき] 2 6 . 0 • .A3 -<>-A4 a ・ 1 2 2 . 0 旦 a 。 ¥ < ! 0 問 、 。 - 1 4 . 0 m < ! 0 -x トー 0 3 0 5 ィ 一x~ 。 、 。 。 、 。 ロ ザ 問 回 ー ¥ ~ ¥ 件 叫 国 ¥ 。 2 言 ¥ o 司 、 。 ¥。 副 図 -7 累積混合乾燥における乾燥速度 2 4 1 ~一一一一-ーーーー」 5 2 第 3号 3 巻 山形大学紀要(農学) 第 1 乾燥のための籾殻との混合貯留時間はほぼ 8時 間であ ンクに投入される.乾燥工程は. 1次乾燥で 1 7% まで 3 る.また,サイロへの張り込みや排出時間はパケ ッ トコ 回のテンパリングを行いなが ら乾 燥 3回 , 冷 却 1 回の計 ンベアの 能力(12 t /h)に よ っ て 左右 され . 1サイ ロ当 4回乾燥機を通過させる . 2次乾燥では 1 7%か ら 仕 上 げ 0時間を要することから,籾殻混合→混 りそれぞれ 6-1 乾燥 まで 2回のテンパリングを行いなが ら乾 燥 2回,冷 合貯留→籾殻分離の 1サイクル所要時間は 2 4時 間 程 度 に 却 1回の計 3回乾燥機を通過させる.乾燥機滞留時間は なっている . 約3 0分/回で,乾燥時の籾 温 度 は 35"C以下 に 設 定 し て い 本方式は吸湿乾燥であることか ら原則として混合乾燥 7%以下で,サイロ投入 る 半乾貯留に当た っては水分 1 中に通風は行わないが, 高水分籾の場合 は 少量 の通風を 0" C以下 または外気 温度 +5"C以下で行 って 時 籾 温度 は2 行 っている.この場合,乾燥に対する通気の 寄 与 率 は 1 0 いる . -40%ある 6) ことが報告 されている .乾 燥 速 度 は 籾 水 分 ( 6 )余目 CE や籾殻混合比 によって 異 なるが, 山形 県 の 試 験 結 果 6) か 乾燥操作及び乾減率 は北部 C Eと同じ である ら整理すると ,籾殻混合貯留時 間当 りの 乾減率 は図 -8 に示 すように 0 . 1-0.4%の範囲にある.新仕様による C E 7 . 乾燥効率の比較 では乾燥工程における品 質低下を防 ぐため,温度管 理 を 前項で述べたように. CEで は 必 ず し も 乾 燥 時 間 の 短 縮は重視していない .む しろ, 高温による急速乾燥では 徹底し ,乾 減率 を出来 るだけ抑制していることが特徴と 胴割の発生 な ど 米 の 品 質 を 損 ね る こ と か ら , 新 仕 様 の してあげられる. 3 - 3%まで乾燥したものは籾殻貯蔵サイロ ( 500m 及び CEにあ っては低温あるいは常温に近い温度で緩やかに 乾燥を行う方式をとるものが多い .調 査 C Eお け る 荷 受 3 ) に一時 貯 蔵 さ れ る . 籾 殻 の 乾 燥 温 度 は 平 成 9年 800m から仕上げ乾燥 (2次 乾 燥 ) ま で の 乾 燥 時 間 を み る と , 度では約 8 0" C( 排風温度 4 7" C)であ ったが,籾 殻 を乾燥 乾燥方式に違いがあるにもかかわらず,乾燥期 間 には大 後直ちに使 用する 場合 は,混合籾殻温度は 4 8' C程 度 と 高 きな差はなかった. 籾殻の乾燥は連続流下式乾燥機によって行い,水分 2 く,これが米の品質に及ぼす影響を考慮して平成 1 0年に 乾燥効率 の計算では外気のエンタルピは含めないから, 0"Cに下げている.混合時の籾殻温度 は籾殻乾燥温度を 6 自然、乾燥のように常温の外気をそのまま利用する場合に は30-3T Cである. は乾燥効率 は無限大になる.また,通風空気 の 加 熱 を 少 ( 5) 袖浦 C E には乾燥効率 は高くなる. 乾燥機に空きがない場合は,荷受 け籾はまず荷受けタ 一、EF 一8 5 - 一一 - ,一 一 11 φ ; ; (一 ・ ⋮今 6 一 ・ o ・ -ae o -: : ー : ー ー ー :lil 'L :::e 戸 JF 一 一 e i- 一 26 ( ; I l 1 11 P 1 1 1 - ト h一 図 - 8 籾穀混合乾燥における乾燥速度 2 4 2 h , 7 H 一 一 l - 籾水分(%) 一 一 一' 4, ・ 一 t一 一 J 一一 世, 4 F・ ⋮ 一 一 a F ゆ HH ー ー .,一 ー -‘ . : : ゐζ :l o ・ l l aI i ts よ ::;o・e ¥¥一 リ 一 一 4E hB F , 一 nd , 一 一 白 JF⋮ 1 i・ e ‘ge 0・ eo :。 e -占﹃I I II I I l l i ::J L id u 戸川一 ー 24 一 ド μ. 戸 22 一 . . ,一汁リ 一。 fi 一 2 ' 't , 一 旨 I l l L i l l i 1 1 1 1 !II l i 1 ! j j j I l I I l l i i jI i -j !l V ; : 一¥ 十 い 十 .一 09S ⋮H i l l i -叫 - 戸( 一 , . 一 戸 20 ::;; :::; 。 - 一 1l ﹂ h - ﹄吋吋川 a 一比一 一合一 一 一J 一一 ⋮一 - t' -- ゐ, 4141 ti 、 子 7 18 一 H u 16 --斗Illi--::::ー一 fillip U 一 一 一一 一 一 ・ ・ 0. 1 殻一ーーー 籾 一 - 0. 2 4 ポ)側提蝉 (Z¥ 0. 3 字一 数一一一〆 ool 内一 E )l- 一 0. 4 ま一 叶 寸-↑ 0. 5 : : なくし,外気のエンタルピに依存する割合 が 大 き い 場 合 28 カン トリエレベ ータの利用及び乾燥効率 新仕様の CE では ,品 質(食味)重視の 観 点から乾燥 5 3 上出 全体 としてエネ ルギ消費が少なかった 籾 殻 混 合乾燥 温度を低 〈抑 えてい るため, 総じて乾燥効率が高かった . (みずほC E)は熱エ ネルギが間接的 に利用 され るこ とか 各 CEにおける 電力,灯油の消 費量及 び乾燥効率 を表ー ら, 熱損失が大きいため乾燥効率 は 20 ~ 34 % と低かった . 6に示す.また,図 -9は乾燥効 率 を年度別に 示 した. いずれのCEにおいても ,平成 8年の乾燥効率 が平成 9, 北部及び余 自のC型 CEにおいては乾燥が自己完結的 に行 1 0年 に比べて高いのは, 荷受籾水分が高か ったためと考 わ れる た め 熱損失 は少な く , 乾燥効率 は 50 ~ 70 % と A 型 えられる . 精玄米 1k g当りの乾燥エネル ギを みると, 北 部 CE, CE ( 袖浦)に 比べて 2倍程度高かった. また,累積混合 乾燥 ( 大 山CE) では 送風温度を極力 抑 え常温 に 近 い 状 大山 CE,平田 CEは,およそ 6 3 0 k J/ k gで同程度で、 あ った 態で乾燥を行うため , 乾燥効率は 60~65% と高かった . が,乾燥効率の低い袖浦及びみず ほ CE では 1 , 000~ 1 , 2 0 0 筆者 らが 1 9 9 1年に行った累積混合乾燥の 現 地 試 験 けにお kJ/kg で前者の 1. 6~ 1 .9 倍であった .ま た,籾 水 分 1 k gの いて ,送風用電力 と灯油 をベースとした場合の乾燥効率 乾減に要する エネルギ量 ( 比エ ネルギ消費量)は, 北部, 8 7 %が得られているが,今回の大山CE (累積混合乾燥) 大 山 , 平田の各 CEではおよそ 4M J/ k g水で ,これま で の荷受け・ 搬送等の乾燥関連消費電力を 加 えて求 め た乾 報告された値 4 )と同程度であった が,籾殻混合乾燥 及 び 燥効率は妥当 な値といえよう .常温除湿乾燥 ( 平 田 CE) 連続流下式 (A型 )で 、 は平均 9 MJ / k g水 ( 7 . 5 -1 1 .8M J / k g一水) と大 きく ,熱エネ ルギの有効利用 の面 で前 者 においては, 消費エネルギは総て電力で供給れてい るが , 表 -6 各 CEのエネ ルギ消費量及び乾燥効率 平成 8年 G J ) 荷受量( kWh) 灯油 ( kg) 消費エネルギ ( 1 ) 除去水分 ( kg) 同左潜熱( GJ) 乾燥効率( %)kJ/kg-玄坤 1 量 電力 ( 施 MJ/ kg7 ] < : 北部 236, 233 79, 712 4, 354 672 8, 1 .224, 218 997 2, 68. 8 730.8 3. 56 大山 181, 140 22, 400 1, 637 3, 240 442, 218 1 , 083 66. 1 .1 731 3. 70 平田第一 581, 940 2, 095 561 4, 600, 945 , 1471 70. 2 661 .3 3. 4 9 みずほ 137, 392 45, 257 2, 484 2, 609 699 340, 834 3 3 . 6 1, 368.8 7. 2 9 袖i 甫 138, 320 29, 742 1, 805 227 2, 238. 441 584 3 2 . 3 1, 1 34. 6 7 . 5 7 。 平成 9年 施 設 GJ ) 荷受量( 電力( kWh) 灯油 (kg) 消費エネルギ( 1 ) 除去水分 ( kg ) 同左潜熱( G J ) 乾燥効率 (%) kJ/kg-玄却 MJ/kg-水 北部 239, 686 47, 830 965 2, 8. 451 123 838, 2, 052 69. 2 486. 9 3.54 大山 150, 875 13, 600 1, 1 41 2, 990 289, 197 708 62. 1 528.0 3 . 9 5 平田第一 491, 170 1, 768 4, 258 435, 826 1, 067 ω. 3 578. 3 4 .06 みず l ま 111, 839 39, 040 119 2, 2, 387 205.027 502 23. 7 1, 213. 5 10.34 袖浦 1 14, 267 23, 693 , 1453 2, 093 096 123, 301 2 0 . 7 922. 0 .80 11 。 平成 1 0年 施 設 電力 (kWh) m ! l(kg) 消費エネルギ( G J ) 251 .480 65, 117 大山 142, 854 1 5 . 512 平田第一 560, 550 みず l ま 105, 012 000 32, 袖浦 118, 777 372 20, 余巴 173, 708 36, 800 2, 243 北部 。 3, 767 荷受量( 1 ) 除去水分 ( k g ) 同左潜熱 ( G J ) 乾燥効率( % ) kJ/kg-玄坤 MJ/kg-7 ] < : 7, 7 43 174 765, 1, 873 4 9 . 7 675.2 4 . 9 2 1 . 196 753 2, 323, 832 793 66. 3 615. 6 3. 69 2, 01 8 4, 155 289 469, 1 . 149 5 6 . 9 684. 4 4. 30 1 , 7 85 2, 302 219. 403 537 3 0 . 1 1, 070. 9 8. 14 1, 323 , 1757 150.853 369 2 7 . 9 030. 0 1, 8. 77 4. 322 437 . 3 30 , 107 1 47. 7 .6 721 5. 13 i 主〉電力熱量 =3. 600kJ/kwh. 灯油発勲量=43, 953kJ/ kg. 乾後水分=15%、水蒸発; 瞥熱=2, 448kJI旬、籾怨歩合 =80% 2 4 3 5 4 山形大学紀要 ( 農学)第 1 3 巻 第 3号 8. 矯 要 より劣っていることを示している . は各 CEにおける消費エネルギについて,電力 図 -10 山形県庄内地方には,平成 1 0 年現在,新仕様のものを 及び灯油の依存率を示す.灯油の依存度は籾殻混合乾燥 含め 2 4のCEが設置されており,その総貯蔵能力の収穫 で高 く , 累積混合乾燥で、は比較的低かった.また,循環 量に対する割合は 43%に当たる . 型及び、 連続流下型乾燥で、の灯油依存率は 7 0-80%で前 2 本研究では,庄内地方における新仕様の CEを含む代 表的な CEの利用状況を調査し ,併せて乾燥 方 式 の 異 な 者の中間にあ った るCEについて乾燥エネルギの面から比較検討を行った . このように各 CEの乾燥効率は乾燥方式の違いを如実 新仕様対応、の貯蔵乾燥ピン方式の CEと し て , 大 山 に表わしたものとなっている.なお ,乾燥効率を求める に当って,電力エネルギを 1kWh=3.6MJとして計算し ( 累積混合乾燥 ) ,平田 ( 常温除湿乾燥)及びみずほ ( 籾 ているが,発電効率を考慮し燃料ベースで計算すると, 殻混合乾燥)の 3施設, I 日仕様 CEとして A型は袖浦の l 電力依存度の高い乾燥方式では乾燥効率が今回得られた 施設, C型は北部,余目の 2施設で,調査対象 CEは計 6 数値よ りも低下するこ とになる . 施設である. 庄内地方における CEの利用 率 は概して 高く ,平成 8 年におけ る各 CEの,計画処理量に 対する利用 量 (荷 受 100 80 次 60 建 40 撃 説 自 20 み 袖 j t 大 平 み 袖 j t 大 ず i 甫 部 山 田 ず 浦 部 i 王 山 l 王 袖 , 甫 ほ 平成 10年 平成9年 平成8年 み ず 余目 山 平田 j t 大 部 平田 。 図 -9 各 CEの乾燥効率 1 . 0 0 0. 90 0. 80 0.70 (・)凶宵起 E 0.60 0. 50 0 . 4 0 0. 30 0. 20 0. 10 0. 00 みずほ 大 平田 北 部 山 袖 余 浦 目 図 -10 消費工ネルギにおける電力・灯油の依存率 2 4 4 5 5 カントリエレベータの利用及び乾燥効率一上出 量)は,平成 8年は平均 85%であった.しかし,減反面 を頂いた .ここに各位に対し深く感謝申し上げる 0年は 75%と利用 積の拡大によ って平成 9年80%,平成 1 に,実験調査,データの取りまとめに当っては 学部卒論 率は年々低下している. 学生の協力を得た .謝意を表する次第である. 荷受け期間は栽培年,地域によって若干異なるが , 9 さら なお,本研究は平成 9~ 1 0年度に文部省科学研究補 助 月1 5日から 1 0月1 5日の 1カ月で,うち実荷受け日数は 1 3 金(基盤研究 r C J,課題番号:0 9 6 6 0 2 6 7 ) の交付を受け て行ったもので,記して感謝する次第である. ~25 日の範囲にあった. Eとも“はえぬき"を中心に,“ひとめ 品種構成は各 C ほれ“どまんなか'¥“ササニシキ"等を組み合わせ た 3~4 品種であ.なお,“どまんなか“ササニシキ 参考文献 1 は減少傾向にある. 報告書,全農 最近の C Eでは,品質 (食味 ) を重視し低温での乾燥 となっている .乾燥期間中に消費した電力及び灯油をベー エレベータ, 1 9 9 7 3)全国米麦改良協会:RCおよびCEの設置状況,農機 新聞, 1 9 9 8, 6 累積混合乾燥,常温除湿乾 燥及び循環型乾燥 (C 型)では 60~70% と高かったが 4 )戸次英二 穀物水分 1kgの乾減に要するエネルギ量, 農業施設, 3 0 ( 2 ),1 9 9 9 籾殻混合乾燥及びA 型仕様の乾燥効率は 20~34% と低かっ 5)山下律也他:新版農産機械学,文永堂出版, 1 9 9 1 6)山形県:籾殻混合乾燥試験報告書, 1 9 9 7 た 謝 9 9 1 施設資材部, 1 2)カントリエレベータ協会・新時代に向けたカントリ を行っているが,そのことから乾燥効率の高い乾燥方式 スと する乾燥効率をみると )上出順一:穀類貯蔵乾燥技術開発のための現地試験 辞 7)山形県庄内経済連:初乾燥調製貯蔵施設基本設計条 9 9 4 件書, 1 本研究の遂行に当っては,山形県農業試験場,山形県 庄内経済連, JA鶴岡市農協, JAみどり農協, JA袖浦農 8)山形農林統計協会・山形農林水産統計年報 協 , JAあまるめ町農協からはご指導と多大のご協力を 頂き,また,各 CE関連メーカ,各 CE利用組合長及びオ ベレータの方々からは実験調査に当ってご便宜とご協力 年 1 9 9 7 9)山形県農林水産部・稲作指針, 1 9 9 6 2 4 5 平成 8 平成 9年 , 5 4,東北農政局山形統計情報事務所,
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