300 日本大腸肛門病会誌(年間1−10号〉第60巻第5号 2007年5月・第65回大腸癌研究会(2006年7月7日) 0−2g進行・再発大腸癌症例に対するFOLFOX及び O−31大腸癌補助化学療法の有用性について=年代による CPTllベースの治療と抗癌剤感受性試験(CD−DST法)結果 変化= との関係に関する検討 佐伯 泰愼,山田 一隆,緒方 俊二,辻 順行,久野 三朗,福永 光子,谷村 修,志田誠一郎,高野 正太, 目片 英治,遠藤 善裕,村田 聡,園田 寛道,奥村 憲二,谷 徹 高野 正博 (滋賀医科大学外科学講座消化器外科) (大腸肛門病センター高野病院外科) 【はじめに】大腸癌治療に用いる抗癌剤としてFU剤,イリノ 【目的】大腸癌術後補助化学療法が再発,予後を改善させるか テカン(活性体:SN38),オキサリプラチン(1−OHP)がKey Drugであり,奏効率はFOLFOX,FOLFIR工では40%以上 検討【対象/方法r82』01の大腸癌1496例対象・年代を10 年間で区別.生存率,無再発生存率,再発症例,再発危険因 と高い奏効率である.しかし,2ndline,3rdlineの治療では 子,補助化学療法の有効性を検討.【結果】(1)結腸癌:補助化 無効となる症例が経験される.抗癌剤感受性試、験が治療効果 学療法別の生存率,無再発生存率有意差なし.年代別 について予測しえるか否かについて検討した.【方法】対象は DukesB,C生存率は後半群で有意な向上.再発率,血行性再 発が年代前半群で有意に多い.再発期聞,再発形式は補助化 進行・再発大腸癌,評価薬剤は5FU,SN38,1−OHPとした. 薬剤濃度は5FUで1μg/ml,SN38で0.3μg/m1,1−OHPで 0.諏g/ml接触時間は24時間とした.治療はFOLFOX11例, 及びCPT−11ベースの治療(FOLFIR工,TEGAFIRI)を7例 行った.【結果】FOLFOX11例中(lst2例,2nd5例,3rd 5例)有効であったのは3例(27%),CPT−11ベース7例中 (1st4例,2nd2例,3rd1例)有効であったのは4例(57%) であった.CD−DST法との比較を行ったところ,いずれかの KeyDrugのT/Cが60%であった症例では臨床上有効であ 学療法別で有意差なし.再発危険因子は組織型,Dukes分類, 年代が因子.(2)直腸癌:補助化学療法別の生存率,無再発生 存率はDukesB生存率であり群が有意に高い.年代別で DukesA生存率,無再発生存率が後半群で有意な向上.再発 率,局所再発が年代前半群で有意に多い.再発期間,再発形 式は補助化学療法別で有意差なし、再発危険因子はDukes 分類,年代が因子・【考察】検討では補助化学療法は再発を抑 制効果はなかったが,現在は多剤併用により効果が期待でき ると判断された. る.また投与期間の違いによる効果も更なる検討が必要. 0−30 切除不能・再発大腸癌に対するlrinotecanとOx− 0−32 大腸癌の術後化学療法の長期成績 aliplatinを用いたsequentialtherapyの有用性 西村 洋治,八岡 利昌・浅香 晋一,岡田洋次郎,清水 硲 彰一,近藤 浩史,岡 正朗 (山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学(第2外 尚,倉林 誠小泉 正樹,安部 仁,川島 吉之,網 倉 克己,坂本 裕彦,田中 洋一 科)) (埼玉県立がんセンター消化器外科) 【はじめに】工rinotecan(SN−38)代謝酵素(UGT)の遺伝子 【目的1大腸癌術後系統的に補助療法を行わなかった前期症 型別の推奨投与量を決定し,secondlineにmFOLFOX6, 例と,系統的に下記療法を行ってきた2001年以降の後期症 third lineにmFOLFIRIを選択し,良好な成績を上げている 例に分け,当科の成績を報告する.【対象】後期は,3a期で単 ので報告する.【対象および方法】1.倫理委員会承認ICが得 独UFT1年,3b期と4期の根治度BでRPMIレジメン,ま たはUFT+UZEL療法を5∼10クール施行した.側方リン られた切除不能・再発大腸癌患者を対象とし,Irinotecanと 5’一DFUR併用(FURTIRI)第1相試験を施行した.UGTIA1 遺伝子のTArepeatで正常型(6/6)と変異型(6/7)に分類 パ節腫大例は全骨盤に40Gy術前照射した.4期の根治度C し,別個に第1相試験を施行.2.FURTIRI無効症例には2 nd lineにmFOLFOX6,3rd lineにmFOLFIRIを施行.【結 果】Irinotecanは正常型(6/6)では150mg/m2が,変異型 (6/7)では70mg/m2がRD.FRUTIRI以降mFOLFOX6は ll例に対して施行され,PRが2例(PRinを含め4例)と良 法に変更した.【結果・結論】3a期の5年粗生存率は前期 好な結果が得られた.平均生存期間は19.5ヶ月であり,現在 も延長中.3rdlineのmFOLFIRIでは腫瘍制御効果が認めら れた.【結語】遺伝子多型に基づいたFURTIRIレジメンとそ れに引き続くmFOLFOX6,mFOLFIRIによるsequential therapyは,切除不能・再発大腸癌患者に対する有用な治療 法と考えられる. には当初はDeGramont法を,その後FOLFIRI・FOLFOX 82.0%,後期87.7%で有意差はなかった、3b期ではそれぞれ 52.5%,79.4%で有意差はなかったが,後期で数値が高い傾向 があった.4期の根治度Bでは前期で29.7%,後期で32.9% であった.4期の根治度Cではそれぞれ0.0%と12.0%で,有 意に生存率が向上した.
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