KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL P32 タンパク質分子の粘弾性的挙動(基研研究会「ソフト マターの物理学」,研究会報告) 岡嶋, 孝治; 荒川, 秀雄; Alam, M. T.; 関口, 博史; 猪飼, 篤 物性研究 (2002), 79(2): 277-277 2002-11-20 http://hdl.handle.net/2433/97311 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 「ソフ トマ ターの物理学」 P 3 2 タンパ ク質分子の粘弾性的挙動 ( 東工大生命理工) 岡嶋孝治、荒川秀雄、M. T. Al am、関 口博史、猪飼篤 1 AFM による単 一分子 レオ ロジー測 定 原子間力顕微鏡 ( AFM)は、高分解能なイ メー ジング装置 として だけではな く、合 成 ・生体高分子 の単一分子計測 に用 いる ことができる。 図 1は、 タ ンパ ク質 の一分 子 レオ ロジー測定法の概念図である。AFM探針 と基板 との間 にタ ンパ ク質分子 を挟 み込み、分子 には定常的な微 小外場振動 を与えてお く ( 点線矢 印)。 この状態で、 探針 と基板 との間の距離 を変化 させて いき ( 実線矢印)、分子 の延伸距離 に対す る su i 【 1] 等 によ り初 めて 実現 され たが、装置 外場応答 を計測す る。本計測法 は、Mut の安定性の問題な どで秒オーダー の外場応 答のみが計測できてい た 。 今回、我々は、 Zh それ を用 いてタ ミリ秒の計測 を可能 にす る新 しいAFMレオロジー装置 を試作 Lt ンパ ク質分子 の粘弾性 的挙動 を調べて い る。分子 の静的延伸特 性 が良 く分か って き BCA) という酵素タンパ ク質の結果 を報告す る。 ている炭酸デ ヒ ドラターゼ ( 2 結果 AFM t i p 全長が 約 94nm のBCA分子 を、 微小振動 ( 周波数 :約 40- 10 0Hz、振幅 :約 10nm) させ なが ら延伸測定 を行 った。そ の結 果、酵素活性 をもつ、すなわち天 然構造 をもつタンパ ク質が、逆位 相 を含む力学応答 を示す ことが分 か った。 この結果 は、分子が微小 距離収縮す る ときに、収縮方向に "過剰な力"が生 じて いる ことを 示唆 して いる。 この過剰 力の大き さは約 100pNであった。 一方で、活性 をもたない ( 構造 が完全 にコンパ ク トではない)分 千 こ 二 i 図 1 AFMによる単一分子レオロジー測定法の概念図。 子では、常 に同位相の応答 を示す ことが 分かった。 参考文献 [ 1】 K・Mi t s uietal .Bi ochem.Bi ophys.Res.Commun.272( 2000) 55. S91( 2001 ) 、 日本物理学会第 【 2間 鴨孝治他、生物物理学会第 39回講演予稿集、41, 57回講演予稿集、2,317( ZOOZ) . - 27 7-
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