KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL 間欠型カオスの統計力学的定式化(基研長期研究会「カオ スとその周辺」,研究会報告) 佐藤, 信一; 本田, 勝也 物性研究 (1989), 51(6): 792-793 1989-03-20 http://hdl.handle.net/2433/93573 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 研究会報告 間 欠 型 カ オ スの統 計力 学 的 定 式 化 静 大 ・教 養 佐藤 信一 名 大 ・工 本凹 勝 也 力 学 系 の マ ル チ フ ラ ク タル 性 が 注 目 さ れ て 以 来 、 そ の 定 式 化 が 熱 力 学 的 定 式 化 と対 応 す る こ と は数 多 くの 論 文 が 述 べ て い る。 我 々 は、 一 連 の 熱 力 学 形 式 に対 す る考 察 に基 づ い て、 単 純 化 した 間 欠 塾 カ オ ス の モ デ ル に 挽 計 力 学 的 定 式 化 を適 用 し、 マ ル チ フ ラ ク タル ・スペ ク トラ ム を 議 論 した。 ま ず、 統 計 力 学 的 議 論 を展 開 す る た め に、 間 欠 型 カ オ ス を 2状 態 の ラ ン ダ ム 変 数 の 確 率 過 程 に 単 純 化 す る。 2状 態 + 1、 - 1を と る ラ ン ダ ム変 数 を s iと し、 部 分 列 tsl.S2, - ・.S。) が 観 測 され る確 率 を p (sl ,- ・.S。)と す る。 + 】が 時 系 列 に お け るバ ー ス ト状 態 を 表 し、 - 1が 層 流 的 状 態 を表 す。 ま た、 i番 目 の 状 態 s iを 知う た と き に 部 分 列 生 じ る条 件 付 き 確 率 を p (s i Is い ( S い 1. ・・・.S い 。) 1. ・・・.S i.n)とす が る。 こ こ で 、 次 の 式 で 表 され る 間 欠 型 カ オ ス の モ デ ル を 考 え る 。 p (1卜 l )= a. p (-Iレ (1. a) p(l J 1)- b l.・... -1.1)- 。 了 ・ リ () =1. 2...) (1. b) (I. b)式 は、 - 1の 次 に j - 1個 の - 1が 続 き、 j 番 目 に 1が 来 る条 件 付 き 確 率 を 表 す 。 確 率 の 保 存 則 か ら a +b だ し、 Eは R i e man1 1 の ゼ r タ関 数 ) 。 =1、 C=(古 くV)〉 で あ る (良 -1 こ・ の モデ ル に 対 し て、 更 に 次 の対 応 を 考 え る :時 間 軸 を l次 元 空 間 と 見 な し、 + i- 粒 子 占 有 状 態 、 - 1空 状 態 を対 応 さ せ る。 これ に よ り、 我 々 は 間 欠 型 カ オ ス と 1次 元 格 子 気 体 との 対 応 を 得 た 事 に な る。 以 下 で は、 す べ て 格 子 気 体 と の 対 応 に基 づ い て 述 べ る こ と に す る。 距 離 jだ け離 れ た 隣 合 う粒 子 間 の 相 互 作 用 エ ネ ル ギ ー I J(j)は (I. a)、 (1.b)式 よ り U (j)=- 1n b =-1n a- for j=l 1 n c+l n(j - 1) for ja2 (2) と な る。 逆 温 度 を ( _ 1 (た だ し、 - … ≦ q ≦ c o) と し、 サ ・ . (ズ n の 格 子 系 で ( 1 ・ l個 の 粒 子 を 含 む 系 の 分 配 関 数 を Z n.m(q)と す る。 そ して、 次 の 母 関 数 己 を斗 人 す る。 -7 9 2- 「カオス とその周辺」 . I , ≡( p. q ./ ) =冒 n=1 ' i , =1 -P n 〃m e e m Z n. m 3 ) (q) ( こ こで P は 圧 力 に、 〃 は ケ ミ カ ル ・ポ テ ン シ ャル に対 応 す る。 己を関 数 U(、 i )を 用 い て 書 き下 す と (4) =(P .q ,F L)= 1/ (1- 0(P .q・)i 0 0 (5) 申 (P .q )= ∑ exp I-P j- q U' (j)) 、 i =1 と な る。 後 は 統 計 力 学 の 処 方 毒 に 従 っ て 、 サ イ ト当 りの ヘ ル ム ホ ル ツ 自 由 エ ネル ギ ー f(q)を 計 算 す る と熱 力 学 的 極 限 に お い て f(q)ニー P (q) た だ し、 。(P ,q)= 1 が 容 易 に 示 さ れ る。 も と も と の 間 欠 型 カ オ ス の 時 系 列 との 対 応 を 考 え る と f(q)=(q-1)K qが 得 られ るの で ( l次 Renyiエ ン トロ ピ ー K . が 代数 方程 式 (7)の 解 と して 求 め られ る。 (7)式 に 対 す る考 察 か ら、 q = 1が相 転 移 の 臨 界 点 で あ り、 臨 界 指 数 の V 依 存 性 か ら相 転 移 の タ イプ が 三 つ に 分 煩 され る こ と が分 か る = V>3. CaseH = 2<V<3,CaseH l= 1<V<2: (easel Caselと Casell が 1次 相 転 移 で あ り、 CaselH が 2 次 相 転 移 で あ る )。 実 際 に 観 測 す る物 理 量 は q = 1に お け る 値 で あ り、 そ れ が ち ょ う ど臨 界 点 に対 応 して い る 事 は 間 欠 型 カ オ ス の 局 所 軌 道 拡 大 率 の 大 き な ゆ ら ぎ、 過 渡 的 カ オ ス の 存 在 が 相 転 移 の 臨 界 性 に 由 来 して い る こ と を示 して い る。 - 793-
© Copyright 2024 ExpyDoc