【目的】 ウシ胚盤胞期までの培養系はこれまで詳細に検討 されてきたが

V29−15 ウシ胚伸張培養系における培養液の検討
V2946 マウス2−ce”bIock胚に対するアミノ酸添加効
果
○細江 実佐1・牛澤 浩一1・赤木 悟史2・高橋 透1
○小池 剛・早川 晃司・米田 明弘・渡辺 智正
1生物研・2畜草研
北大院農
hosoe@affrc.go.jp
ninzaburo_59_1121@yahoo.co.jp
【目的】特定のマウス初期胚は体外培養すると2−cell biock
【目的】ウシ胚盤胞期までの培養系はこれまで詳細に検討
されてきたが、透明帯から胚が脱出し、着床にいたるまで
の期間の培養系の検討は少ない。当研究室ではウシ栄養膜
の伸長過程を体外で再現し、伸長胚の遺伝子およびタンパ
ク発現の変化を調べることを目的として、今回はウシ胚伸
長培養系の改良を試みた。【方法】15℃で約24時問保存し
た卵巣由来の体外受精卵をIVD101(機能性ペプチド研)
区、IVD101にday1(媒精日をdayOとする)あるいはday7に
アミノ酸、クエン酸塩、イノシトールを添加した区(aaci
day1区,aaci day7区)、胎膜細胞と共培養して得られたコ
ンディションドメディウムをday7に半量添加した区(CM
区)の4区で培養した。いずれの培地にも、day7に27.7mM
グルコースと10%血清を加えた。脱出胚盤胞は、dayllに
直径1mmの穴をあけた2、4%アガロースゲルトンネルにい
れて伸長培養を行った。【結果】胚盤胞の伸長率は、
IVDlO1区で2.9%、aaci dayl区で1L7%、aaci day7区で
13.3%、CM区で6.5%であり、有意な差はなかった。伸長胚
の長さは、それぞれ最長6.2、8.0、11.3、15.4mmであった。
day11の胚の直径は、それぞれ315±134、416±152、
504±170・380±161μmであり、aaci day7区でIVD101区
と比較して有意に胚が大きくなった(p<0.05)。
を起こすことが知られているが、その分子メカニズムは明
らかにされていない。これまでに卵管上皮細胞との共培養
で2−cell blockは解除されることが報告されている。たとえ
ば、卵管内には多数のアミノ酸が存在していることから、
胚発生にはこれらのアミノ酸が利用されていると考えられ
る。そこで、本研究ではアミノ酸の2−cell blockに及ぼす効
果について調べることを目的とした。【方法】2−cell block
を起こす系統にAKR/Nマウスを用いた。胚の体外培養は
定法に従い、アミノ酸添加濃度は1mMに統一した。胚の
体外発生の観察は、培養開始から24時問目、48時間目、72
時問目および120時間目に行なった。【結果】20種類のアミ
ノ酸の効果を調べたところ、体外培養液にアスパラギン、
グリシン、プロリン、アルギニン、およびシステインを添
加すると、それぞれ61.9%、49.5%、42.8%、33.3%および
25.0%の割合で2−ceil blockが解除され、さらに胚盤胞まで
発生することが観察された。しかし、それ以外の15種類の
アミノ酸については2−cellblockを解除することはなかっ
た。このことにより、体内環境下において正常な胚発生の
進行にアミノ酸が利用されていることが示唆された。現在、
ペプチドの2−cell blockに対する効果について検討してい
る。
V2947 ブタICSI卵の体外培養におけるグルコース添
加培地への移動時間の検討
V29−18 遠心および電気融合処理により作出したブタ第
二減数分裂中期核置換卵の体外受精後の発生能
○小南 沙織・前泊 直樹・鈴鴨 知佳・中嶋 紀覚・柏崎 直
巳
○前泊 直樹1・菊地 和弘2・小沢 学2・中井 美智子2・野口
純子2・金子 浩之2・永井 卓3・柏崎 直巳1
麻布大獣医
1麻布大獣医・2農業生物資源研・3畜草研
aO3033@azabu−u,ac,jp
daO508@azabu−u.ac.jp
【目的】ブタ卵細胞質内精子注入(ICSI)卵は体外発生が
遅く、胚盤胞への発生率も低い。本研究は、ブタICSI卵の
体外培養(IVC)におけるグルコース添加培地への移動時
問がICSI卵の胚盤胞への発生に及ぼす影響を調べた。【方
法】体外成熟卵に、凍結融解精子の頭部をICSIした。ICSI
はピエゾマイクロマニピュレーターで行い、ICSI後1時間
目に電気刺激により人為的に活性化誘起処理した。その後、
NCSU−37メディウムにて38.5℃、5%CO2in air湿度飽和
の条件で培養した。電気刺激から48、53、58、および63時
問後にグルコース添加培地にICSI卵を移し、ICSI6日後の
胚盤胞への発生率および平均胚盤胞細胞数を調べた。1結
果】胚盤胞への発生率は48、53、58、および63時間後で
各々4.8%、2.1%、7.3%、47%で、また、平均胚盤胞細
【目的】第二減数分裂中期(M−II期)核置換は発生能の低い卵
胞数は各々29.0±3.g、38.5±3.5、30.1±7.3、3g.3±47であ
母細胞の発生能の賦与に有効な技術である。本研究ではブ
タ体外成熟卵を用い、遠心および電気融合処理により作出
したブタ核置換卵の体外受精(IVF)後の受精能および胚盤
胞の発生能を評価した。【方法】体外成熟卵を用いて遠心
処理および電気融合を行い、核置換卵を作出した(第99回
日本繁殖生物学会)。また、透明帯を除去した体外成熟卵
を対照区とした。核置換卵および対照区の成熟卵はブタ凍
結融解精子にてIVFを行い、体外培養10時問および6日後
に、受精能と胚盤胞への発生能を評価した。【結果】雄性
前核形成率は、対照区と核置換区の聞に有意な差は認めら
れなかった。胚盤胞への発生率は・対照区(26.3±9.0%)が、
核置換区(4.4±1.9%)に比べて有意に高い値を示した(P<
0.05)。【結論】遠心および電気融合処理により作出したブ
った。これらの各試験区の間に有意な差は認められなかっ
タM−H期核置換卵はIVF後の受精能および胚盤胞への発生
た(P>0.05)。【結論】グルコース添加培地への移動時問は
能を有することが示唆された。
培養開始48から63時間の間では、ブタICSI卵の胚盤胞への
発生能に影響を及ぼさないことが示された。
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