乳頭状髄膜腫の二例

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乳頭状髄膜腫の二例
佐藤 雄一、黒瀬 顕、澤井 高志
岩手医科大学
脳梗塞で発症した脳原発丁綱胞性リンパ腫の一例
黒瀬 顕、佐藤 雄一、澤井 高志
岩手医科大学
稀な髄膜腫である乳頭状髄膜腫を二鰐経験したので病理学的特徴を報告する.【症
脳梗塞で発症した脳原発cytotoxic/suppressor T−cell lymphomaを経験したので報
例1】38歳男性.平成18年9月より右下肢の脱力を自覚. C孚,MRIで左円蓋部
告する.1症例172歳女性.痙攣発{乍にて発症.それ以薄に神経症状なし。画像上
壱大脳半球簸CA領域に梗塞性病変がみられた。脳梗塞として6ヶ月閲治療された
が痙攣発作の増加、病変の拡大がみられた.原羨不曝の脳廠管閉塞姓病変として同
都が切除された.ATLA抗体陰性.1病理所見ほか】多発性の出血性梗塞の所見を
呈しており壊死部周囲の小撫管や毛継艦管属匪に中型不整形核を喬する異型細胞が
集籏性に認められ血管から離れた部位にもびまん姓に浸潤していた.また反応牲小
型リンパ球やマクロファージも多数まじえていた.病変周囲の脳組織では甑管周
に8.5x8.5x5cmの腫瘤が認められた.腫瘍全摘後,神経脱落症状なく経過し退院.
【症纏2159歳男1生平成18年より右下肢の脱力を露覚.CT,MRIで左円蓋部に
4x4x3cmの腫瘤が認められた.腫瘍全摘後,一時的な蔭片麻痺を認めたが徐々
に改善し退院.【病理所見1いずれも死較的小型で良く揃った核を有する睡瘍細胞
が密に増生していた.症例iでは慮管爆囲の無核帯が多数認められたが症例2では
一部にみられるのみであった.いずれも腫瘍の一部に乳頭状構造がみられたが形態
的には腫霧細胞の二次的離開による偽乳頭状構造と呼べる所見であった.免疫親織
学的に上皮牲マーカーは乳頭状構造以外の部僚にも発現がみられ,症例圭では乳頭
状溝造都での発現が強かったが化生性変化によると推測された.【考察】乳頭状髄
膜腫は日常経験することは稀であるが乳頭状構造に主隈を躍くと見逃される可能性
があり.無核帯の存在や腫蕩緯胞の密な増生などとともに二次的に生じた偽乳鎮状
構造であることを念頭に置くことが大切である.
囲にマクロファージの集籏がみられた.異型緯胞はCD3,α)8,granzyme B購{生,
CD20,CD79a,CD56.CD4陰牲。またパラフィン切片からの遺伝子検索でTRβ遺
伝子再構成あり.全身検索では脳以外に病変は認められず,脳原発丁耀胞性リンパ
腫と診断した.1考察1脳原発1『細胞性リンパ騰は稀な疾患であり,それらの籔告
では本例のように硬塞が初発症状となった綱は確認されない.侮故本綱が脳梗塞を
来したか,腫瘍細胞,瓶管内皮綱胞の接着國子や総胞障害因子の発現をもとに考察
し発表する.
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GFAP陽牲meningiomaの蓬例
末梢神経発痙のdi伽se large B−cell lymphomaの1剖検例、
平馨 公一、栗樋 義賢、辻 求
大阪薩科大学医学部 病院病理部
田中 さやか1、大畠 尚子主、石神 浩平i、芝 郁恵!、若狭 朋子2大
澤 政彦i、若狭 研一1
i大阪市立大学窪学部附属病院 診断病理学、2大阪赤十字病院 病理部
1症鰐165歳の女牲。8肩牢旬頃より、頭痛・右眼痛が串現し、9月下旬に、右上肢
のしびれ・贋こり・右眼視力低下を認めた。頭部MRIにて脳腫瘍が疑われ、入院
した。1入院時勝見1意識混濁(JCS−1〉、高次脳機能瞳害なし。爾眼視野および視
力瞳害・右眼瞼下垂・右眼内転陳害を認める.左三叉神経知覚障害みるも、聴力低
下・耳鳴り・めまいはなし。舌の軽度友方鰯泣あり。左半身の知覚減還・麻痺を認
める。【画像販見】右膿窩から右中頭蓋窩に腫瘍あり、浮腫を伸う。1肉眼所見1頭
蓋底の懸への侵入が強く鼻部を形成する部位まで達しており、完全に手術で摘繊で
きなかった。【病理所見】腫瘍はクモ膜腔から大脳実質に浸潤し、地図状壊死、血
管反応を認め、石灰沈着を散見する。腫瘍緬胞の核は類円形から短紡錘形で、異型
は強くないが、細胞密度は高い。免役染色ではEMA(+〉、GFAP(+〉、S−IOO蛋
白(+)、synap[ophysi腕(一〉.Mib−1陽性率はま6.圭%です。1まとめ】GFAP陽牲は
meningiomaとしては非典型的だが、発生部位、KΣの形態よりmeningiomaと考え
られた。GFAP醗性のmen1pgiomaの報告溺を文献的に考察した、
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小児巨大側頭葉腫瘍の1例
尾崎 義丸
中村記念病院 病理科
【症鋼】6歳男児。2週間薦より頭痛、魑吐が鐵現する。当駐受診し、軽度の意識障
害、右上肢不全麻痺、左動眼神経麻痺を認めた。M痘(P)では左摸…願葉にT1で
孚2で不均一な信号を呈する最大径8cmの巨大腫蕩を認めた尋入院後2日
目に開頭腫蕩摘鐵術を施行した。腫瘍は硬く、贋囲との境界は此較的明瞭で肉眼的
に全摘出した。【病理所見】RE染色では、紡錘形緬胞が東状に配列し充実性に増殖
する所見であった.壊死や核分裂像も散見され、悪牲腫瘍を示唆するものであった。
破骨纈胞雛の挺綱胞もみられた亭また、接の編在した短紡錘形紹胞も頻繁にみられ
た.免疫染色では、vlmentin、RMA、αSMAが腫蕩綱胞に陽性、GFAP、NFP
は一部のみ陽性、MIB−1indexは47.2%であった。核の偏在したrhab601d cellの鑑
男liに、更NI−1染色を施行したところ腫瘍紹胞に陰性であった、以上より、通常より
も問葉系の姓格が強く現れているものの、atyplcalterato1δ1rhaめdo1d撮mor(AT/
RT〉を考えている。諸先生方のご教示を賜りたい
悪牲リンパ腫の神経病変としては中枢神経原発のものが多く、末梢神経原発は数%
である.今園我々は宋梢神経に発症し中枢神経病変を伴わなかった症鰹を経験した
ので報告する.1症溺170歳代男性.約1年前から右下肢の筋力低下が出現し.次
第に疹痛を搾うようにな}),半年後には完全麻痺になった.腰機MRI,髄液検資に
よりL3−5神経根の悪性リンパ腫が指摘されたが,生検ではneuropatl隈yの駈見であっ
た.この時点での全身糖査では他病変を認めていない.特発性神経炎としてステロ
イド治療されるも反応なく,全身状態悪化.死亡1ヶ月前に皮疹が出環し,皮講生
検においてdi鉦し1se large B・cell lympbomaの駈見であった.その後,呼吸状態・循
環状態悪化し死亡.1病理解義所見1宋梢神経(舌,甲状腺,酋立腺,膀胱,腸腰筋),
右L3,4神経濃(髄膜内・髄膜外〉,気管支分岐部リンパ節(4cm),右鎖骨上窩リ
ンパ簸(i.5cm〉,舌(上皮化)に異型リンパ球を認めた.中枢神経および脊髄には
腫蕩を認めなかった.直接究因は急性気管支炎(左肺6馬g,右腕7GOg/であった.
【まとめ1今回希少な症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.