広報せら20ページ

救急外来受診の手引き⑿
―動悸編―
はためらうことなく直ちに受診して
ください。またそこまでのひどい症
ような時にしてみて頂きたいことが
います。その検査だけで診断がつく
動悸の症状のある方が来られた際
には一般的には心電図検査をまず行
以上のような緊急を要するもので
はなくても、動悸がする状態という
れば上室性頻拍、房室ブロックなど
お話ししたいと思います。①失神し
またどのような時には救急で受診
すればよいのか、という点について
おすすめします。
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広報
2014.9 No.120
状はなくても先ほど述べたように脈
拍数140回以上が続いている場合
などには長時間その状態が続くとし
んどくなることが多いので早めの受
診をおすすめします。また常に脈が
不規則にうっている状態は心房細動
という不整脈の可能性が高く、脳梗
あります。それは自分で脈をふれて
こともありますし、場合によっては
のは不安なものです。そのような自
公立世羅中央病院 内科部長 亀田 直毅
「動悸がするんです」私たちが日
常の診療中によく耳にする言葉です。
みることです。誰でも手首のあたり
貧血、甲状腺機能の異常からくる脈
覚症状がある方は早めに医療機関を
塞などの原因となることもあります
では動悸とは一体なんなのでしょう
で脈をふれてみたことがあるのでは
拍の異常などを考え血液検査を行っ
一度は受診し、ご相談されることを
ピールしているわけです。まずその
か。
ないでしょうか。脈をふれることが
時間心
電図を付けて頂くホルター心電図と
いう検査を行ったりすることもあり
の不整脈の可能性が高いです。また
たり、目の前が暗くなるような感じ
ます。
もある、ということです。
脈がバラバラであれば心房細動、期
ので早期の受診をおすすめします。
辞書などで調べてみると「胸がど
きどきすること、そういう自覚症
たり、心臓の超音波検査、
より早くうつこと」などの説明がさ
ているのか ②脈と脈の間隔が規則
できたら①一分間に何回くらいうっ
れています。つまり実際に心臓が早
く鼓動していることをさすこともあ
れば、そうとは限らず、どきどきし
「動悸」がする状態というのは気
持ちのよいものではありません。い
外収縮などの不整脈を考えます。
脈拍数が一分間に140回以上で
あったり、 回未満であるようであ
正しいのか、バラバラなのか につ
いて調べてもらえれば、と思います。
状」あるいは「心臓の鼓動がいつも
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つもは動いていることを自己主張し
ている、という自覚症状をさすこと
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がするとき ②胸痛、呼吸困難など
の症状を伴うとき これらの場合に
ない心臓が何か変であることをア
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