山口県薬剤師フォーラム2015 メトホルミンファーマシーセミナー 拝啓 先生方に於かれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 さて、下記の通り「山口県薬剤師フォーラム2015メトホルミンファーマシーセミナー」 を開催させていただきます。 今回は、山口県済生会山口総合病院 内科部長 藤田 直紀 先生をお迎えし特別 講演を行います。 ご多用中と存じますが、先生方のご参集を賜りますよう、ご案内申し上げます。 敬具 記 □日 時 : 平成27年12月6日(日) 12:00~13:00 □場 所 : 山口県総合保健会館 2F 山口県山口市吉敷下東3-1-1 □情報提供: メトグルコ錠 【大日本住友製薬(株)】 □特別講演 座長: 山口県薬剤師会常務理事 山本 武史 先生 演題: 『糖尿病診療におけるメトホルミンの 使用について』 講師: 山口県済生会山口総合病院 内科部長 参加費無料・軽食を準備しています 藤田 直紀 先生 主催 大日本住友製薬(株) [所属] 山口県済生会山口総合病院 内科部長 藤田 直紀 先生 [略歴] S63年 山口大学医学部卒業 山口大学医学部 第3内科入局 H 元年 済生会山口総合病院 以後、周東総合病院、山口大学医学部付属病院、小野田市立 病院などで勤務 H 7年 山口大学医学部付属病院勤務 H 8年 山口大学医学部 第3内科助手 H 9年 医学博士 H 9年 済生会山口総合病院 勤務 現在に至る [資格など] 日本内科学会認定内科医 日本糖尿病学会専門医 人間ドッグ学会認定医 日本内科学会中国支部評議会 山口大学医学部臨床講師 [所属学会] 日本内科学会 日本糖尿病学会 日本内分泌学会 日本血液学会 日本人間ドッグ学会 ■糖尿病診療におけるメトホルミンの使用について ビグアナイド薬は1950年代に開発され、米国ではフェンホルミン、ドイツではブホルミン、フランスで はメトホルミンが主に使用されていた。メトホルミンは日本では1961年に発売されたが、同効薬フェン ホルミンによる乳酸アシドーシスの多発により1977年頃より約30年間ほとんど実質的には使用されな くなった。 2000年に入って2型糖尿病の病態の解明が進んだことや、英国で行われた大規模臨床試験 (UKPDS ; UK Prospective Diabetes Study)の結果がビグアナイド薬の臨床効果と安全性の再評 価につながった。これによりビグアナイド薬が全世界で広く再び使用される契機となり、その使用量 は増加している。この一連の経緯がメトホルミン・ルネッサンスを迎えたと言われるゆえんである。現 在、広く使用されているの・ヘメトホルミンであり、ビグアナイド薬は欧米では2型糖尿病治療の第一選 択薬と位置づけられている。 メトホルミンの細胞内における作用メカニズムの少なくともその一部はAMPキナーゼを介する作用と 考えられており、血糖降下の作用機序は主に以下の3点にまとめられる。 1)肝での糖新生を抑制するとともに糖放出を低下させる。 2)筋・脂肪組織への糖取り込み率を高め、グリコーゲン合成を促す。 3)消化管からのブドウ糖吸収を抑制する。 糖尿病治療において、ビグアナイド薬はインスリン抵抗性改善薬に属する薬剤として単独あるいは 多剤との併用で用いられる。単独投与では低血糖をおこしにくい、体重増加を来たしにくい、脂質や 血圧の低下作用などの薬理的効果に加え、安価である点など糖尿病治療にいて有用な作用をもっ ている。近年広く使用されるようになったインクレチン関連薬や新規薬剤であるSGLT2阻害剤と併用し た際の効果や安全性にも注目したいところである。 最も注意を要する副作用は乳酸アシドーシスであり、添付文書上では乳酸アシドーシスをきたしや すい腎機能低下例、透析患者、肝機能障害、アルコール多量摂取例などは投与禁忌となっている。 ヨード造影剤を使用する場合には、一過性の腎機能低下から乳酸アシドーシスをきたす危険がある ことより、ビグアナイド薬の投与を一時的に中止するなどの処置が必要となる。 服薬指導に際しては、このような患者背景、状況をふまえて医師との情報交換や連携も必要である とともに、他の副作用である消化器症状、低血糖やシックデイおよび絶食検査時における対応につ いての指導などが特に重要である。
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