〔ヒノキ科〕 埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類 〔和名〕ミヤマビャクシン(カイヅカイブキ) 全国カテゴリー 〔学名〕Juniperus chinensis L. var. sargentii Henry に適応した結果、 本種が生じたものと考えられている。 【摘要】南千島、北海道、本州、四国、九州(屋久島ま 維 管束 植 物 本種を園芸的に改良したのがカイズカイブキである で)に分布。国外では樺太や朝鮮半島にも分布する。 が、自生のミヤマビャクシンは貴重である。 海岸や高山の岩場に生育する。 【形態の特徴】常緑針葉の低木で、幹は横に伏して著し 【生活形】常緑で針葉の低木。 く屈曲し、枝は斜上する。母種のビャクシンと同様に 【減少の要因】森林伐採、産地極限。 鱗片状と針形状の2型の葉を付けるが、老木では鱗片 【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。 葉を付けるものが多い。ビャクシンがより厳しい環境 蘚 苔 〔ヒノキ科〕 類 〔和名〕ネズミサシ(ネズ) 埼玉カテゴリー 準絶滅危惧 全国カテゴリー 〔学名〕Juniperus rigida Siebold et Zucc. の溝は白色の気孔帯で、その幅は両縁の緑帯の幅より 【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、北アジ 藻 狭い。葉の樹脂道は1本。 ア。日当たりのよい丘陵地および花崗岩地の森林に生 育する。県内では低地から山地丘陵のやせ地に自生す 【生活形】常緑で針葉の低木ないし高木。 る。 【減少の要因】産地極限。 類 【形態の特徴】直立する低木で雌雄異株。葉は針状で3 【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間郡 市に記録がある。 輪生。長さ8~25mm。枝は垂れ下がり、毬果は径8~ 10mm、肉質で球形、黒紫から褐色で粉白部がある。葉 地 衣 〔ヒノキ科〕 埼玉カテゴリー 準絶滅危惧 〔和名〕ホンドミヤマネズ 全国カテゴリー 〔学名〕Juniperus communis L. var. hondoensis Satake 類 み、白色帯の幅(0.7~0.9mm)は両縁の緑色帯の幅よ 【摘要】本州(関東・中部)。寒帯の岩・礫地に生育する。 り広い。毬果は肉質球形、青黒で粉白部がある。 県内では亜高山帯にまれに見られる。 菌 【形態の特徴】旧版植物誌でミヤマネズとされていたが、 【生活形】常緑で針葉の低木。 葉の形状や毬果の先がやや平たいことなどから、ホン 【減少の要因】産地極限。 ドミヤマネズと同定しなおす。葉は3輪生で、長さ5 【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。 類 ~10mm、幅1.2~1.7mm、少しわん曲し、上面は浅く凹 〔ヒノキ科〕 〔和名〕アスナロ 埼玉カテゴリー 準絶滅危惧 全国カテゴリー 〔学名〕Thujopsis dolabrata Siebold et Zucc. なることがある。植栽される。 【摘要】本州、四国、九州に分布。中間温帯~冷温帯の 【生活形】常緑の針葉の高木。 森林に生育する。 【形態の特徴】樹皮は紫褐または灰褐色。葉は肉厚の鱗 片状で対生。表裏の葉は舌状、裏側は粉白色、両脇の 【減少の要因】森林伐採。 【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。 葉は舟形。葉は数年落葉せず成長し続け、幅7mmにも 〔イチイ科〕 〔和名〕イチイ 埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類 全国カテゴリー 〔学名〕Taxus cuspidata Siebold et Zucc. 【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、 mm。先は鋭く尖るが痛くはない。裏は黄緑色で気孔の 東アジア。温帯上部から亜寒帯の森林に生育する。県 列がある。樹脂道はない。雌雄異株、雌花は葉腋に1 内では亜高山から山地に自生する。庭園にも植栽され 個ずつつきピンク色に熟す。ピンク色の部分は仮種皮 で上が凹み内に種子が見える。 る。 【形態の特徴】小枝の先端部の葉は羽状に(一平面に収 まるように)互生する。葉は長さ15~30mm、幅2.5~3 【生活形】常緑で針葉の高木。 【減少の要因】産地極限。 ― 78 ― 【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間・南埼玉郡市に 〔ヤナギ科〕 埼玉カテゴリー 準絶滅危惧 全国カテゴリー 〔学名〕Salix japonica Thunb. しべ2本。雌花穂は緑色でやや下垂する。雌花の花柱 【摘要】本州(中部以北) 、伊豆諸島。中間温帯の浅い山 は短く、柱頭は2裂する。雌雄異株。 地や丘陵および路傍、岩・礫地に生育する。 【生活形】夏緑性の低木。 は垂れるものが多い。葉は長楕円状披針形、若い頃は 【減少の要因】山林開発。 紅色で下面に白絹毛があるが、後に緑変し、毛も落ち 【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ る。 る。若葉と共に細長い花穂を出す。雄花穂は黄色で雄 蘚 【形態の特徴】茎の長さ1~2m、枝は水平に分岐し先 維 管束 植 物 〔和名〕シバヤナギ 記録がある。 苔 〔和名〕シライヤナギ 埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類 全国カテゴリー 〔学名〕Salix shiraii Seemen 【生活形】夏緑性の低木。 に生育する。 【形態の特徴】枝は褐色で先が少し垂れる。葉は、卵状 【減少の要因】自然遷移、動物食害。 【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。 若葉には伏毛があり、後脱落する。雄花の雄しべは2 埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類 全国カテゴリー 衣 〔学名〕Alnus maximowiczii Call. 細かな二重鋸歯がある。側脈は10~12対。雄花穂は枝 ア、東アジア。亜寒帯から寒帯にかけての森林に生育 の先か上部の側芽に単生し、雌花穂はそれより下方の する。 側芽に総状でややまばらに付く。 【減少の要因】産地極限。 卵円形で先は尖り、基部は円形かやや浅い心形、縁に 【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。 菌 【生活形】夏緑性の低木ないし高木。 岐する。葉は深緑色で厚く下面は淡色で粘る。葉身は 類 【摘要】北海道、本州(中部地方以北) 。国外では北アジ 【形態の特徴】、樹皮は暗灰褐色で、下部よりやや太く分 地 〔カバノキ科〕 類 披針形、下面は粉白色で、葉の基部は浅心形か円形。 藻 本、腺体が1個ある。雌花の子房は無毛で長柄がある。 【摘要】本州(中部以北)に分布。中間温帯の岩れき地 〔和名〕ミヤマハンノキ 類 〔ヤナギ科〕 類 〔カバノキ科〕 〔和名〕チチブミネバリ 埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類 全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類 〔学名〕Betula chichibuensis H. Hara サロメチール様の臭いはない。秩父山地で初めて採取 【摘要】本州(岩手県、群馬県、東京都下) 。秩父山地の され名づけられた。 中間温帯から冷温帯域にかけての石灰岩地帯に自生す 【生活形】夏緑性の小高木。 る。 【形態の特徴】樹皮は褐色で小枝に腺点はない。葉は卵 状楕円形、側脈は14~18対で不揃いの鋸歯があり、下 【減少の要因】石灰採掘、動物食害。 【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。 面脈上には白毛が密生する。葉形はミズメに似るが、 〔カバノキ科〕 埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類 〔和名〕ヤエガワカンバ(コオノオレ) 全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類 〔学名〕Betula davurica Pall. 鋸歯がある。オノオレカンバは側脈9~10対で葉の下 【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア。 面に腺点があるので区別される。 冷温帯域の日の当たる山地に生える。 【形態の特徴】樹皮は灰色で縦横に粗い割れ目を生じ、 【生活形】夏緑性の高木。 鱗片状に剥げる。小枝は灰褐色で腺点が多く有毛。葉 【減少の要因】森林伐採。 は菱状卵形で側脈は6~8対、下面脈上に毛がある。 【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。 シラカンバの葉に似るが、より小形で硬く、不揃いの ― 79 ―
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