「(仮称)須磨海岸を守り育てる条例施行規則(案)」ほかに関する - 神戸市

平成 20 年 4 月 1 日
「(仮称)須磨海岸を守り育てる条例施行規則(案)」ほかに関するご意見に対する市の考え方
受付期間:平成 20 年 2 月 18 日∼3 月 18 日
受付件数:42 件(8 通)
項 目
意 見 要 旨
市 の 考 え 方
1.(仮称)須磨海岸を守り育てる条例施行規則(案)について
適用範囲
音量基準
拡声器等の禁止
施行期日
海岸北側について、民有地と国有海浜地との境界確定がなくとも、厳
密に適用範囲を定めることはできるのか。
環境基本法に定められている環境基準(療養施設等がある地域:昼間
50 デシベル・夜間 40 デシベル、住居地域:昼間 60 デシベル・夜間 45
デシベル)や騒音規制法に基づく規制基準(住居地域:昼間 60 デシベ
ル、夜間 45 デシベル)と比べて、今回の規則案である昼間の 70 デシベ
ル、夜間の 60 デシベルは高すぎ、工業地域並みの規制となっているう
え、近隣に病院があるのに規制の低減もない。すでに定められている規
制基準を遵守し、規制値の低減と時間の細分化をお願いしたい。
音量規制が厳しく、多人数の会話だけでも基準を上回る恐れがある。
海の家の通常の営業が可能なように、測定地点を考慮していただきた
い。
拡声器及び拡声装置の使用禁止について、具体的に禁止しているも
のの内訳が分からない。深夜に楽器を生演奏したり、肉声で大声を出し
続けた場合であっても、基準値以下であれば合法扱いになるのか。
海開きまでの間に現況調査や地元協議等を進め、可能な限り第三者
性や市民参画機会を担保する必要があることから、施行は4月1日にこ
だわらず柔軟に進めるべきだ。
-1-
条例の適用範囲は、須磨ヨットハーバー西端から西の海岸保全区域のうち、海浜と
しており、民有地部分は除きます。海岸内で一部民有地との境界が未確定な部分に
ついては、境界付近での規制取り締まりは困難ですが、それ以外の海浜において
は、規制できると考えています。なお、境界確定の作業は順次進めてまいります。
騒音に関する規制基準として、騒音規制法及び兵庫県の「環境の保全と創造に関
する条例」に基づくものがありますが、工場や特定事業場からの騒音を規制している
ものであり、須磨海岸では適用されません。須磨海岸では、夏場を中心にレクリエー
ションの場として多くの市民等が利用されるという地域特性に鑑み、一定量の音量が
そこに存在していることを考慮して、騒音規正法等の規制値も参考に定めています。
また、須磨海岸での騒音の主な発生源である拡声装置及び拡声器の使用は、午
後 9 時以降禁止することもあわせて定めています。
須磨海岸では、騒音の影響を受けるのが海浜の北側の区域であることから、騒音
の測定は音源の北方で行うこととします。建物内で発生する音の測定については、周
辺の音の影響をできるだけ排除し、騒音を特定する必要があることから、建物敷地北
側境界線上で行うこととします。
なお、普通の会話における音の大きさは、60 デシベル程度とされております。夜間
に、多人数で騒ぐことなどがないようにしていただくことが大切であると考えています。
拡声器及び拡声装置とは、音響機器やスピーカー設備など、音や音声を増幅する
装置のことを指します。楽器は、増幅器を備えないものであれば対象外となることか
ら、基準値以下の音量であれば条例違反とはなりません。深夜に、大声を出し続ける
ような行為や楽器の演奏などはしないようにしていただくことが大切であると考えてい
ます。
須磨海岸では、これまでもルールを守らない一部の利用者や事業者等によって、
花火や騒音などにより良好な生活・憩いの場としての環境が損なわれる事例が発生し
ていました。これに対し、市は、指導や啓発活動を行うことにより対応に努めてきました
項 目
その他
意 見 要 旨
市 の 考 え 方
住民と協働でより良い須磨海岸にするため、近隣の住民の意見を聞く
機会を設ける旨を明記していただきたい。
が、早急に効果的な対策を求める声が高まってきたことから、条例・規則ともに4月1
日に施行することにします。
従来から地域の皆さんと花火対策会議などを通じて意見を聞く機会があり、それらを
今後も引き続き実施していくことから、規則に明記することは考えていません。
2.海岸法に基づく須磨海岸における車両の乗り入れ規制についての告示(案)について
制限区域
海岸北側について、民有地と国有海浜地との境界確定がなくとも、厳
密に制限区域を定めることはできるのか。
一番マナーの悪い原動機付自転車を対象外にするのは理解できな
い。すべての車両を規制対象とすべきである。
規制対象
ユンボ等の重機やジェットスキー運搬用のトレーラー、ナンバープレー
トのない車両なども規制対象となるのか。
今回の告示で、具体的に何が、どう変わるのかが判然としない。
その他
地元自治会や漁協等による海岸管理運営委員会のような機関を設置
するなどし、乗り入れ許可に伴う日常的な管理業務を強化する必要があ
る。
制限区域は、須磨ヨットハーバー西端から西の海岸保全区域のうち、海浜としてお
り、民有地部分は除きます。海岸内で一部民有地との境界が未確定な部分について
は、境界付近での規制取り締まりは困難ですが、それ以外の海浜においては、規制
できると考えております。なお、境界確定の作業は順次進めてまいります。
二輪の原動機付自転車については、近隣住民や漁業者、警察官の巡回や郵便・新
聞の配達など、近隣住民の方の生活に密接に関係した利用が多いことから、一律に
規制対象とすることは困難であり対象外としています。
規制対象となるのは、道路運送車両法に基づく自動車、二輪車を除く原動機付自
転車である。重機で大型特殊自動車もしくは小型特殊自動車に該当するもの,及び
被けん引車両も対象となります。なお、ナンバープレートのない車両も、自動車であれ
ば対象となります。
罰則規定が適用されることになり、規制の実効性が高まると考えています。
車両乗入れの適正化等の管理業務については、関係者に規制内容等を十分に周
知するとともに、ゲートシステムの改良や海岸法の罰則適用などにより対応することと
しており、海岸管理運営委員会のような機関を設置することは考えていません。
なお、漁業関係者、海の家関係者など、車を海岸内に乗り入れる必要のある方々に
は、適正な利用についてご協力いただくことが大切であると考えています。
3.須磨海岸管理用通路通行許可に関する要綱(案)について
許可の基準
夏季の海の家の建設時や漁業者の資材の搬出入以外は全面的に入場
を禁止すべきだ。
ナンバーのない放置車両やバギー車、作業用のクレーン車、県外の車
両などが乗り入れていたりするが、もっと許可を厳格にすべきだ。
具体的にどのような場合に許可がなされ、また、許可されないのかの基
準がない。また、許可の期間や内容が、市民が見てすぐに分かるようにし
ていただきたい。
-2-
原則として自動車等の乗り入れは禁止しています。海の家や漁業者が業務上で必
要なもの、近隣住民が生活の上で必要なものなどについては許可すべきであると考
えています。
通行許可に関する基準に基づき、個々の事例について審査を行います。また、通
行許可証の掲出を義務づけています。
項 目
許可の手続き
その他
意 見 要 旨
市 の 考 え 方
通行許可の運用にあたっては、厳格に対処することが肝要である。例え
ば、釣船業者(A)やマリンレジャー業者の顧客(B)、近隣住民を訪ねる人
(C)が車を乗入れる場合や、海岸部の工事を請け負った業者(D)が資材
等の運搬のために出入する場合などはどのように対処するのか。
管理用通路の通行許可に関する基準の運用に当っては、要綱策定後に実際の許
可申請があった時点で審査し、どの基準に該当するのか否かについて、個別具体的
なケース毎に判断します。
海の家は組合、漁業者は漁協、住民は自治会から副申を取るなど、責
任の所在が明確になるようにすべきだ。
海の家の関係車両や漁業者の車両については、申請時に副申等による確認を行
っており、今後も用途を明確にするために継続していきます。また、近隣住民からの
申請については、居住場所や目的を確認します。
平成 18 年に許可車両の再登録を行い、毎年申請していただき許可することとして
います。今後も毎年申請の際に審査を行い、適切に許可をしていきます。
これまでもイベントの開催にあわせて臨時の通行許可を行っており、引き続き厳正
に許可を行っていきます。なお、車両の通行許可等について市民の皆さんにご協力
いただくことは考えていません。
条例施行を契機に、一切の既得権を認めず、すべての許可車両の
再審査を行っていただきたい。
イベント開催時の車両の管理はどのようにするのか。市民の参加は考
えているのか。
4.海岸保全区域における占用許可申請に対する処分の審査基準(改正案)について
審査基準8
その他
海の家の占用許可申請については、「組合の構成員からの申請」となっ
ているが、従来どおり、組合からの「副申」添付を申請の条件としていた
だきたい。
夏場のみでなく1年を通じて規制していただきたい。また、条例の内容
も審査基準に加えるべきである。
海の家の設置基準も条例に加えるべきである。
海の家の営業時間を日没までとし、8時には残務整理を終えてすべて
閉店するように基準に盛り込んでいただきたい。
占用許可を受けた者は、その内容を掲示することを義務付けていただ
きたい。
占用違反による許可の取消事由として、条例や他の法令等の違反も含
めるべきである。
地中の基礎・土台部分についても申告を求め、解体時に撤去し「原状
回復」を行ったかどうか確認できるように基準を設けるべきだ。
-3-
これまでも占用許可申請の際には、各海の家の組合から、申請者及び申請内容に
関して副申の添付を求めてきており、今後についても同様の取り扱いを継続すること
とし、ご意見をふまえて各組合の副申の添付という表現に改めます。
占用許可申請に対する審査基準は、市が管理者となっている全ての海岸保全区域
での占用許可申請に対する基準ですので、通年の審査基準です。また、海岸保全
区域の不適正な利用により、海岸法やその他の法令や条例に違反し、処分や罰則を
適用されていないことを基準に盛り込んでいます。
海の家の設置基準や営業時間などは、占用許可申請の審査基準で定めるもので
はなく、許可の際に必要な内容について許可条件として付していくべきものと考えて
います。
占用許可の取消しは、海岸法に基づく処分であり、条例や審査基準に規定できる
ことではありません。なお、占用許可申請に対する審査基準として、今回過去におけ
る占用許可の取消しなどの処分の有無は盛り込んでいます。
占用許可の審査基準として、海岸法施行規則第3条及び条例施行規則第4条に基
づく書類の提出を求めており、現状回復を確認することとしています。
項 目
意 見 要 旨
市 の 考 え 方
海岸に自生する海浜植物について、種を指定し、その抜き取りや踏み
付けに対して罰則を設けるとともに、行政自身が「守り育てる」施策を実
行する義務も明記すべきである。
条例案第7条第1項(竹木の伐採、植物の採取等の禁止)、第2項(たき
火、火気を利用する調理器具使用の禁止)についても罰則規定を追加
していただきたい。
近隣に海浜植物情報コーナーなどを設け、理科教育等での現地観察
などに便利なようにしていただきたい。
条例案についてのご意見ですが、罰則をもって禁止する必要がある行為は、これま
での対策や指導などでも改善されず、周囲への影響が大きく、海岸管理上支障があ
る悪質な行為に限定しています。他の禁止行為は、指導等により是正されることが多
い内容であり、禁止行為として明確化し、周知を図れば足りると考えています。
5.その他
罰則の追加
海浜植物情報の
提供
海岸管理の移管
植物の多い海岸部分の管理は、環境局・教育委員会などに移管すべ
き。
廃棄された船や廃車、魚網、漁業用具などの放置が目に付くが、漁協の
協力を得ながら美しい海岸にしていただきたい。
海岸の美化
市民参加による
監視
風致地区の明示
漁業関係の集約
ごみの投棄対策として、1日1回はごみ収集を行うなど、取り組みを強
化していただきたい。
須磨海岸の美化は、漁業組合の協力がなくては推進できない。市とし
て、もっと漁協と話し合いながら取り組むべきだ。
廃屋や廃棄物、廃材等が放置されているから、同じように捨てられてしま
うのではないか。
須磨海岸を見守るための住民参加による「(仮称)須磨海岸見守り隊」
等の設置を位置づけるべきである。
須磨海岸が風致地区であることを示す看板を設置していただきたい。
漁業関係者の用具類や釣り船の離発着は、須磨駅西の漁港に集約す
べきだ。
夜間等の監視人のいなくなる時間帯に問題が多く、取締りを強化すべ
きだ。
取締りの強化
-4-
須磨海岸西部の旧土砂運搬施設周辺については、柵を設けて立入禁止区域を設
定し、海浜植物に関する案内板を設置して、観察への便宜を図っていますので、近
隣に海浜植物情報コーナーを設ける予定はありません。
須磨海岸は海岸保全区域に指定されており、高潮対策や防災対策等の上から、海
岸管理者が管理することになっていることから、植物の多い一部分のみを環境局や
教育委員会などに移管することは考えていません。
須磨海岸では、年間を通じてごみの回収を行っているほか、海水浴期間中は、ビ
ーチクリーナーによる清掃を毎日実施しています。また、海の家やボランティアの皆さ
んにも清掃活動にご協力をいただいています。
今後は、より一層のマナー向上の啓発に努めてまいります。
従来から地域の皆さんと一緒になって花火対策会議などの取り組みを行っており、
ご提案のような組織の設置までは必要ないと考えています。
看板の設置については、関係部局と協議して検討していきます。
漁業関係者の用具類については、関係部局と協議して検討していきます。なお、従
前から行われている釣船の発着については、現在の場所で認めています。
これまでも7・8月は、花火騒音を防止するため、花火ルールに基づいて地域の皆さ
んとパトロールを行うとともに、警備員による監視を 24 時間行ってきました。今後も、そ
れらの取り組みを継続するとともに、監視体制の充実を図り、取り組みを強化していき
ます。
項 目
罰則の強化
規制の強化
定期協議機関の
設置
意見募集手続き
意 見 要 旨
市 の 考 え 方
罰則をもっと厳しくすべきだ。
バーベキューは禁止すべき。また、夜の花火も危険で迷惑である。
サンドバギーが砂浜を我が物顔で走り回っているが、事故が起きてから
では取り返しがつかない。
現行の海岸管理事務全体を見直し、透明性・第三者性を確保するた
め、海岸での不法行為・迷惑行為について定期的に話し合い、連携して
対応する定期協議機関を設置すべきだ。
今回の意見募集に際してどのように準備し、どんな態勢をとり、どう集約
しようとしていたのか。条例案の上程後も意見募集を続け、議案の意見
決定後もまだ集約できていないことについてどう考えているのか。
-5-
条例案の罰則については、他都市の同種の条例の罰則を参考にしながら設定して
います。
海岸でのバーベキューや夜間の花火、サンドバギーの通行は、いずれも条例案で
規制対象としています。
海岸管理に関する事務は、それぞれの法令等に従い適正に手続きを進めており、
ご提案のような協議機関の設置までは必要ないと考えています。
意見募集については、神戸市行政手続条例に基づき、適正に手続きを進めていま
す。条例の施行規則案は条例案に基づくものであるため、条例案の上程後に規則案
の意見募集を行いました。