密閉式冷却塔コイルの凍結破損 整理番号:02-14 登録年月:2001 年 6 月 分類 コード 時期:竣工後 3 年 ①現象 101、114 ④設備部位 411 ②建物用途 207 ⑤発生時期 502 ③建築部位 301 ⑥原因 604 ● 不具合の概要 フリークーリングに使用していた密閉式冷却塔において、フリークーリング停止時に凍結防止制御 が働かず、コイル部分が凍結破損した。 <凍結防止制御の概要> ・外気温度1℃以下で凍結防止ポンプ運転、3℃以上で停止。 ・凍結防止ポンプ運転状態で凍結防止熱交換器制御開始(冷却塔出口温度3℃∼5℃) <フリークーリングの概要> 外気温度が低い中間期や冬季に水を直接冷却塔に流すことにより冷水を作るシステムをいう。 ● 原因 フリークーリング運転モードから停止モードへの切換時に切換バタ弁Dの閉確認リミットスイッチの不 作動によりシーケンスが進行せず、外気温度が低下しても凍結防止制御が作動しなかった。 (実際は切換 バタ弁 A、B、Dはすべて全閉になっていた。 ) リミットスイッチは、バタ弁軸に取付けてある「リミットスイッチ叩き」の固定ボルト先端及び弁軸が 配管の振動などで緩み、作動しなくなっていた。 フリークーリング運転モードから停止モードへの切換シーケンスは下記のとおり。 フリークーリング運転モード フリークーリング停止モード 凍結防止制御モード 切換バタ弁: BD 開、AC閉 ポンプ運転:冷水1次ポンプ 冷却水ポンプ ファン運転:冷却塔ファン 切換バタ弁:ABD 閉、C開 ポンプ停止:冷水1次ポンプ 冷却水ポンプ ⇒ ファン停止:冷却塔ファン 凍結防止制御 ・凍結防止ポンプ運転 ・凍結防止用熱交換器制御 ⇒ 18℃ 6∼11.5℃ 密閉式冷却塔 凍結防止ポンプ 凍結防 止用熱交 S T 冷却水 ポ ンプ C CS D R A B 吸収式冷凍機 18℃ CR 冷水 1次ポ ンプ 熱源システム配管系統図 ● 対策 ① 冷却塔のコイルを全て新品に交換した。 ② リミットスイッチ組付け部品を全て交換した。 ③ 凍結防止制御は他の制御シーケンスに関わらず単独で作動するシステムに改善した。 ● 再発防止策 ① バタ弁の開閉リミットスイッチは信頼性が低いため、作動しなかった場合のリスクを考えてシーケ ンスを組むこと。 (例:バタ弁の開閉指令を出力した後、一定時限後リミットスイッチの信号がフィードバックしな い場合に警報を出す等) ② 凍結防止制御等の危険防止回路は単独に作動するシステムとする。 備考 危険防止回路は、フェールセーフの考え方を取入れたシステムとする。 密閉式冷却塔のコイル凍結防止対策として、寒冷地では不凍液(ブライン)を使用する場合 もある。開放式冷却塔を使用し、熱交換器で冷凍機冷却水系と縁を切る方法もある。 55
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