Document

殿
省エネ・環境に優しいアイスリンク
「エコ・アリーナ」の御提案
提出日:平成25年4月17日
は じ
め に
現在の日本は、様々な問題を抱えています。また、昨年3月11日の東日本大震災における福島
第一原発事故の影響は日本社会の隅々に及んでいます。全ての国民に節電努力が求められ、エネル
ギー問題に関する日本人の意識は、これまで以上に深まっていることは間違いありません。
現在の日本状況は、こうしたネガティブな側面ばかりに目が行きがちですが、日本人を元気づける
素晴らしい出来事もあります。スポーツ分野において、それは顕著です。日本の女子サッカー選手達
は、決して恵まれているとはいえない状況のなかで努力を重ね、世界一を獲得し、そのプレーに多く
の人々が感動しました。また、フィギュアスケート選手の華々しい活躍も日本人を元気づけています。
物事に真剣に取り組むことの美徳をストレートに伝え、見る者の心に刻み込む力が、スポーツには
あります。物事に真摯に取り組むことの清々しさ、美しさ、充実感を取り戻すことが、現代の日本社
会を覆う沈滞感を吹き払う上で、何よりも大事なことでしょう。
弊社は、スケート業界の専門業者として、長い間この業界に携わってまいりました。今改めて、持
てる力をフルに発揮し、スケート業界を取り巻く環境を改善し、日本の未来社会のために真摯に取り
組んでいく所存でございます。
コンセプト
1 省エネルギー
2 良質なアイスコンディション
3 安心して使える装置
コンセプト
1.省エネルギー
1.アイスリンク製氷用の冷棟機に、NH3/CO2冷媒専用機で、省エネルギー(従来機比較で20%
の効率向上)と安全性(ノンシール)を兼ね備えている市場専用開発機「NewTon-S」
を提案いたします。
2.二次冷媒に「液体二酸化炭素」を用いたリンク冷却システム
・粘度が低く、搬送熱密度が高い「液体二酸化炭素」をリンク冷却液に使用することにより、
ポンプ動力を1/10に削減
・熱伝導性に優れた新開発の鋼製冷却管採用により、低コストで製氷が可能(特許出願中)
従来型ブライン方式に比べて、システム全体で年間消費電力量・CO2排出量30%以上の
削減を実現します。
◎総合省エネ率:従来方式の50%減 (目標)
コンセプト
2.良質なアイスコンディション
1.本方式では、アイスリンクに送られるCO2と、冷凍機に戻るCO2の温度にほとんど差がない
ため、アイスリンク面での温度ムラがなく、均一な氷面温度を維持します。
2.全自動運転
・各種競技に適した氷温制御
・事務所、監視員室等からパソコン・タッチパネル等による遠隔監視が可能
・氷温、機器状態等のデータを蓄積
各種競技に対応した氷質、更に均一な氷温の維持が可能です。
コンセプト
3.安心して使える装置
1.環境対応型設備
・地球温暖化に対し影響が極小である自然冷媒を使用しています。
冷凍機内の1次側冷媒にアンモニア(NH3)を採用
アイスリンク冷却の2次側冷媒に炭酸ガス(CO2)を採用
2.充実のアフターサービス:装置の安定した運転
・日常管理の自動化 ⇒ 運転状態のモニタリング
・最寄の直営サービス拠点から出張保守対応
・遠隔監視システム ⇒ ・運転データの解析・傾向管理
・トラブル前の予知保全・確実で安心な保守作業の提供
・保全診断システムにより、設備管理をサポート
3.装置安全面を追求
・冷媒充填量の極小化、専用の半密閉冷凍機の採用、アンモニア除害設備、地震センサー、漏洩センサーなど、
あらゆる側面から安全性を高めています。
従来型ブライン冷却方式
ブラインタンク
スケートリンク
ブライン
ブライン
冷却塔
フロンガス
(規制対象冷媒)
-7℃
冷却水
ブラインポンプ
冷却水ポンプ
ブライン
蒸発器
(ブラインクーラー)
水冷凝縮器
-10℃
膨張弁
圧縮機
水冷式
ブラインクーラーユニット
小口径冷却管露出方式
間接冷却方式
NH3/CO2冷却システム
NEWTON-S(パッケージ部)
CO2液化器
凝縮器
屋
外
アイスリンク(60m×30m)
NH3冷媒
冷却塔
CO2液化器
凝縮器
NH3冷媒
冷却水
ノンフロン冷媒の採用
CO2液化器
凝縮器
パッケージ側はNH3冷媒、リンク側にはCO2冷媒を
循環し冷却します。従来のブライン方式と違い、濃度
NH3冷媒
管理や、劣化の心配がありません。
CO2冷媒
NH3でCO2冷媒を冷却します。
ポンプでCO2をリンクに送ります。通常のブライン
と比べ1/10の動力と省エネです。
参考フロー図
ブライン送り/戻りの温度差が
ほとんど無い
⇒ 均一な氷質を実現
CO2冷却用
水冷式クーリングユニット
冷却塔
CO2/NH3
熱交換器
水冷凝縮器
膨張弁
CO2液・ガス戻り
(-8℃)
CO2
受液器
冷却水ポンプ
圧縮機
CO2液送り
(-8℃)
CO2ポンプ
CO2
NH3
熱交換器
特殊冷却管採用
スケートリンク
CO2保冷用
小型冷凍機
☆製氷方式
スケートリンクにCO2液を送り、製氷で熱を奪ってガス化し、液ガスの状態で戻る。
(CO2の蒸発潜熱を利用して冷却する)
冷却水
二次冷媒別の利点と欠点
利 点
●エチレングリコール系
・取扱いが簡単である。
・温度上昇があっても圧力が上昇しない。
欠 点
・溶液の酸化による機器、配管等の腐食が
発生する。
・保管が容易
・濃度が薄くなる。
・価格が安い。
・比重、粘性が大きい為、動力が大きい。
・顕熱利用の為、循環量が多い。
●CO2(二酸化炭素)
・粘性が低いので動力小さくてすむ。
・高圧ガス保安法で規制される。
・潜熱利用なので循環量が非常に少ない。
・高圧ガスであり、取扱いが難しい。
・価格が安い。CO2(二酸化炭素)
・使用時の圧力が非常に高い。
( 常用圧力3MPa前後 )
・保管が難しい。
・漏洩ガス濃度によっては危険。
(濃度15000PPM以上)
施設イメージ
アイスリンク
30m×60m
冷却塔
リンク冷却管
NEWTON-S
メインヘッダー
スクラバー
アンモニア冷媒はパッケージ内のみを
(NH3除害設備)
循環し、外部への漏洩はありません。
散水タンク
補機動力制御盤
散水ポンプ
CO2タンク
CO2循環ポンプ
既設設備のリニューアルにも対応可能です。
CO2冷却の仕組み
本冷却方式は、液化CO2の気化熱(蒸発潜熱)を利用してい
ます。
気化熱とは、液体が気体になるときに周囲から吸収する熱のこ
とです。
液体が蒸発するためには熱が必要で、その熱は液体が接して
いるものから奪って蒸発します。
冷媒君が氷の持っている
熱エネルギーを奪います。
エネルギーを奪われた氷は
温度が下がるのです。
氷から熱を奪って
蒸発し、気化
(ガス化)します。
ここでは、液体のCO2が蒸発する時に氷から熱を奪って気化
します。その分、氷の温度が下がるというわけです。
打ち水をすると涼しくなるのも、同じ気化熱の仕組みです。
(撒いた水が蒸発することで熱を奪って気温を下げる)
風呂上りや、汗をかいたままで拭かずに濡れたままでいると、
どんどん体が冷えていきますね。
体が濡れていると、表面の水滴が体温を奪って蒸発する
から寒くなるのです。 これも同じ仕組みです。
CO2冷媒 ⇒ 「冷媒君」
液状でリンクへ
液化CO2をつくる
新型冷凍機ユニット
液ガス状で戻ってくる
☆特徴☆
①毒性・可燃性が無く安全、しかも安価
②オゾン破壊係数が0「ゼロ」
地球温暖化係数が1「イチ」地球に優しい物質
Newton-Sについて ①
仕様
電
源
圧
縮
機
型式
C O 2 供給温度
冷却能力
動力
動力電源
制御電源
使用冷媒
圧縮機型式
駆動方式
電動機型式
法定能力
乾燥重量
適応市場
N ew Ton S
-11℃
1 8 5 kW
6 3 kW
AC 4 0 0 / 4 4 0 V×5 0 / 6 0 H z
AC 2 0 0 / 2 2 0 V×5 0 / 6 0 H z
一次冷媒:アンモニア 2 次冷媒:C O 2
半密閉スクリュー単段圧縮機
インバーター
IPM モータ
4 0 .4 トン
6 ,0 0 0 kg
●アイススケートリンク
本システムは、競技・規模を問わず、
あらゆるアイスリンク施設に適しています。
Newton-Sについて ②
<性能向上>
弊社既存冷凍機に対して消費電力20%削減を実現
・IPMモータ :従来の誘導式モータよりも効率の高い、永久磁石を埋め込んだIPMモータを採用
(アンモニア半密閉式のIPMモータを搭載したスクリュー冷凍機は世界初)
消費電力のロスを抑え、5~10%の効率向上
インバーターモーター採用で、低負荷時でも省エネ
IPMドライバによる最適運転制御 ⇒ 負荷変動時の省エネ性能向上
・専用インバータ:専用インバータを採用し、更に無段階回転数制御を標準装備
従来方式に比べ、省エネ化に大きく貢献
Newton-S
・新歯形のスクリューローター:高効率と低騒音化を実現
<安全性向上>
・半密閉構造冷凍機の採用 :自社開発高効率IPMモーター、
IPMモーター
高精度スクリューローターを一体化
・アンモニア充填量を大幅削減するために、新型熱交換器を搭載
⇒ 装置の小型軽量化にも貢献
新歯型
スクリュー
ローター
MLP軽井沢氷研究所(実験・モデル施設)
<所在地> 長野県北佐久郡軽井沢町追分703-1
株式会社パティネレジャー 軽井沢営業所内
<施設概要>屋内カーリング3シート
現在、新型冷却管の実証試験の他、冷凍機のデータ計測、氷質データ採取等のテストを行っています。
この施設を利用して練習を重ねた中部電力の女子カーリングチームは、2011年2月に開催された第28回カーリング日本選手権で優勝しまし
た。
施設内
施設全景
電力使用量の削減効果
年間電気代推定比較
1.従来ブライン方式 ノンフロン
2 ,5 0 0
2 ,0 0 0
1 ,5 0 0
2.従来ブライン方式 代替フロン
3.新方式
リンク条件
屋内ホッケーリンク リンク面積 1,800㎡
運転条件
通年稼動(稼働率は都内通年リンク実績 負荷率は弊社実績値)
電力単価
基本料金:1,260円/kW 使用料金 夏季:11.07円/kWh その他季:10.06円/kWh
基本料金
4,690,000
5,140,000
3,550,000
使用料金
13,890,000
15,680,000
7,900,000
電気代合計
約18,580,000円/年
約20,820,000円/年
約11,450,000円/年
CO2排出量
713t-CO2/年
835t-CO2/年
420t-CO2/年
1 ,0 0 0
☆従来型代替フロンブライン方式に比べて、システム全体で年間消費
電力量及び CO2排出量を約50%削減します。
500
(年間差額約950万円)
0
年間電気代
(万円)
1.使用料金
2.使用料金
3.使用料金
1.基本料金
2.基本料金
3.基本料金
※CO2排出係数:0.555kg-CO2/kWhにて試算
メンテナンスについて
・汎用ユニットによる部品安定供給
モジュール化冷凍機ユニット
NewTonシリーズ
・保安責任者不要
・汎用にて取扱いが容易
・弊社サービスマンと同じ目線で対応
装置の安定した運転が
フルメンテナンスサービス
トラブル前に予知保全
監視できる
スクリュー圧縮機による長寿命と予知
緊急対応も容易
☆メンテナンス契約を結んで頂くことにより、7年間の機能保証
交換部品も無駄が無い
メンテナンスについて
(遠隔監視 P-CASシステム【NewTonのみ】)
スクラバーユニットに関して
冷凍機から直接吸気しスクラバーへ送気
排気ダクト
排気口
スクラバー装置
安全弁放出管
ファン
冷凍機
冷凍機
保有水槽
冷凍機
散水ポンプ
<装置動作概要>
排
気
口
スクラバーはアンモニア漏洩センサーの作動と連動して動作する。
動作後30分除害を行い、さらに手動で10分除害できる能力を有する。
安全弁放出管は保有水槽に接続する。
地震発生時は感振器の作動により設備を強制停止する。
保有水槽
停電時もバックアップの発電機等により上記動作が可能とする。
冷凍機ユニット
散水ポンプ
感震器
排気ダクト
安全弁放出管
制御盤