会議録(平成20年2月8日開催)(PDF 212KB) - 稲沢市

稲沢市地域自立支援協議会〔第 2 回会議=第 1 部会〕 議事録
【日時】平成20年2月8日(金)
、午後2時~午後4時10分
【場所】稲沢市役所政策審議室南
【出席者】(稲沢市地域自立支援協議会委員第1部会・敬称略)
酒井 倫子
稲沢市社会福祉協議会主事補
栗田 恒彦
愛知県身体障害者療護施設はなのき寮長
只井 秀明
樫の木福祉会樫の木園管理者(圏域アドバイザー)
伊藤 加奈
北津島病院精神保健福祉部医療相談員
土山 典子
一宮保健所地域保健課主査
長谷川 和代 稲沢市保健センター副主幹 健康推進グループリーダー
三浦 記代
日本音楽療法学会認定音楽療法士
加藤 喜雄
稲沢市障害者福祉団体連合会副会長
加賀 時子
稲沢市民生委員・児童委員
山田 典広
明治市民センター地区まちづくり推進協議会青少年育成部会副部会長
田中
一宮児童相談センター主査
列
和田 仁美
稲沢市児童課指導保育士
<事務局>
早川 由信
稲沢市福祉課長
桜木 三喜夫 稲沢市福祉課主幹 障害福祉グループリーダー
水谷
豊
稲沢市福祉課主査
【議事次第】
○あいさつ
1 協議事項
(1) 稲沢市の社会資源のリストアップについて
(2) 稲沢市における困難事例について
(3) その他
【議事内容】
○福祉課長あいさつ
・ 障害者自立支援法については、国において見直しが進められてきたところですが、年末に国
の平成 20 年度予算案が示され、緊急措置が取られることになりました。
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・ 1点目は、利用者負担の見直しで、低所得世帯の負担上限額が現行の半額程度に引き下げら
れます。また、世帯の範囲の見直しにより、本人と配偶者のみを勘案することになります。
・ 2点目は、事業者の経営基盤の強化で、4月から通所サービスの単価を約4%引き上げるな
どの改善が図られます。
・ 市としても、制度が変わってまいりますので、しっかりと対応していきたいと考えています。
・ 委員の皆様方には、それぞれの専門分野からのご経験あるいは知識に基づいた多様なご意見
を賜り、この会議が実り多いものとなりますようにご協力をお願いします。
1 協議事項
(1) 稲沢市の社会資源のリストアップについて
・ 事務局から社会資源のリストアップとして、市でまとめた①「指定事業者等名簿」と、②「障
害福祉ガイドブック」について説明。
↓
・ ①の「指定事業者等名簿」は、福祉サービスごとに名称、所在地、電話・FAX、営業日な
どを一覧表に取りまとめた。
・ ②の「障害福祉ガイドブック」は、主に障害者手帳を所持している方が利用できる制度やサ
ービスについて、その概要を紹介している。
・ これまで本市では、社会資源を系統的に整理した資料がなかった。本協議会の提案により、
今回整備することができ、早速、市民や事業者からの照会に対して説明資料として活用して
いる。今後、内容の充実や活用方法について、委員の皆様のご意見をいただく中で、さらな
る充実に努めていきたい。
【主な意見】
・ 社会資源は、障害者から相談があったときの武器になる。一人で問題を抱え込まずに、法制
度や財源の制約はあるが、みんなで考えていくネットワークの基礎となる。
・ 解決を図るより、まず解決方法を考えるというスタンスを持ちたい。本協議会も、障害者や
困っている人の代理人として、検討する場に集まっているという気持ちで参加してほしい。
・ 社会資源にリストアップされている施設から、紹介を兼ねて説明をお願いしたい。
↓
・ はなのき寮=身体障害者療護施設。入所が長期化する傾向があり、施設で亡くなる方も増え
てきている。
・ やすらぎ荘=精神障害者が、長期入院後に入所されるグループホーム。入院から地域へとい
う流れの中で、大きな施設より家庭的な施設が求められている。グループホーム自体が少な
いので、地域や家族からの要望も多い。
・ 相談支援=市から委託を受けて障がい者サポートセンターい~なとして、相談支援事業を行
っている。最近の傾向として、精神障害者に係る相談が急増している。
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・ 障害福祉ガイドブックの説明があったが、発達障害の部分も今後盛り込んでほしい。
↓
・ 発達障害については、きちっと決まったしくみがまだできていない状況である。本市では、
手帳がなくても未就学児の方には福祉サービスを利用していただけるようにしている。また、
就学児は、医師の意見書等により手帳がなくても利用できるようにしている。
・ 発達障害については、よく相談がある。自分の子どもに障害があるとは認めたくない。障害
がわかりにくく、この部会の中でも大きな課題である。
・ 社会福祉協議会の事業の中で、障害児を対象に音楽療法を行っている。この療法は、身体・
知的・精神の児と者でやり方が分かれている。音楽の持つ生理的・社会的なよさを生かして、
働きかけを行うものである。
・ 社会福祉協議会では、8人・年12回を5年間やっていただいている。ボランティアの中で
も、音楽療法を提供できる方もあるので、派遣も可能である。
・ 保健センターで障害が発見された子は、保育園やひまわり園で対応している。
ひまわり園=1歳~就学前までの母子通園施設。登録者は40数人で、1日20人までを対
象に、基本的な生活習慣の指導を行っている。
・ 検診で障害のグレーゾーンと判断された方は、うちの子は違うという思いが強い。そのため、
福祉サービスを受けるための医師の診断書などを取るにも時間がかかる。普通の子とちょっ
と違うだけで、少し手伝ってあげれば普通にできることを伝えていくことが大切である。
・ 手帳にたどり着くまでの方のサポートも必要である。手帳の取り方を知らなくて困っている
人も大勢いる。
【部会長のまとめ】
・ 障害のレッテルを貼られることに抵抗感があり手帳を取ることに迷いがある人、どんな福祉
サービスを受けたらいいのかで困っている人などの相談に応じるのが、「相談支援事業」。
人口 10 万に3か所必要と言われているが、稲沢市には社会福祉協議会1か所しかなく、もう
少し必要と言える。
・ 障害者やその家族、事業者、そして関係者が困ったときに、本日提示された社会資源を活用
することによって、みんなで解決に向けて連携していけたらいいのではないか。
(2) 稲沢市における困難事例について
○<ケース1>親子で精神障害のケース
・ 対象者は統合失調症の女性。母親も精神障害の疑いがある。隣家に包丁を持って現れたり、
大声でわめいたりと、問題行動が多発するようになっている。
・ もし、皆さんに相談が来たらどうするかを考えてほしい。一番大変なのは、当事者。少しで
もいいから、何か提供できたら…という思いで考えてほしい。
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【主な意見】
・ 問題は、両親が障害を認めていない。キーパーソンが不在で、解決に向けて取り付く島がな
い。主治医にも相談したが、両親が認めていない以上、仕方がないと言われた。
・ 医者としては、これ以上動けない。また、警察も包丁を見ただけでは動かない。
・ 娘が可愛ければ、しっかり治療を受けさせるべき。しかし、認めたくないという気持ちがあ
るのでは…。
・ こうしたケースは、本人以上に周りが困っている。どうして認めたくないのか?
・ 精神の場合は、本人に病識がないことが多い。親としても、やはり認めたくない。粘り強く
対応するしかない。
・ 父親の実家にも働きかけをしている。病院や保健所にも相談に行っているとおっしゃると、
それ以上求めることができなくなってしまう。
・ 父親にケースワーカーから話してもらってはどうか。
・ 父親に対しては、様々な人から話をしてもらっているが、それ以上は進まない。家庭内では
さほど問題ではなく、世間的には大問題という感じ。親自身が高齢になったときが心配で、
娘にはできることを何でもやらせたいと思っているようだ。
・ 最悪のケースを考えるべきではないか。例えば、父・母・娘が自殺するようなケース。何か、
予防できる方法はないのか。
・ 自傷他害のときだけ、強制的に介入できる方法がある。
・ DV、虐待、ネグレクト、あるいは両親の育児能力が低いなどの事実が確認されれば、対処
する方法もある。
・ 家族は困っていない。周りが困っているだけ。
・ 以前は保健師が訪問していたが、母親からの関わらないでほしいとの申し出と、主治医から
も関わらないほうがいいとの判断から、現在は訪問していない。両親の関係は仲が悪く、母
親が強い。父親を支えながら、治療を優先すべきだと思う。
・ 父親は、これでいいのか。父親を連れてきて、話し合いをする必要があるのではないか。
・ 以前、役所・父親・父親の実家が集まって協議したことがある。
・ 関係者が集まって、もう一度、方針を協議すべきである。
【部会長のまとめ】
・ 問題が起こったときに、一人で抱え込まない。そのための協議会である。
・ 関係者が、テーマによって集まって協議すれば、議論は深まる。ぜひ、この問題についても、
関わりの深い関係者が集まって協議する機会を設けてほしい。
・ 本日は、「<ケース2>パニックになりやすい、体格のいい知的障害のケース」も議題にな
っていたが、時間の関係で議論できなかった。今後の機会にまわすこととするが、こうした
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相談がもし自分に寄せられたらという思いで気付くことがあったら、事務局に寄せていただ
きたい。
(3) その他
①映画「ふるさとをください」について
・ 情報提供として、稲沢市民会館で上映される映画について事務局から紹介。
②次回日程
・ 5月に全体会として開催予定。日程については、改めて通知させていただく。
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