- 2 - Ⅳ 2月の発生予報および防除上の注意事項 向こう1か月間 - 沖縄県

Ⅳ
2月の発生予報および防除上の注意事項
向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は次のように予想されます。
沖縄群島
1
マンゴー
○開花期の病害虫防除対策
a ビニール被覆前は、風雨により炭そ病、かいよう病、軸腐病等の発生が助長される。
b 1月中旬以降、一部園地周辺でタイワンキドクガ幼虫の発生が多かった。
c 防風垣の剪定や施設内外の除草をおこない、ハウス内の通気性を良くすると同時
に、病害虫の発生源をなくす。
d 花穂に発病すると防除が困難であることから、予防的に薬剤防除を行う。
2
キャベツ
(1)菌核病
発生程度 : 並
予報の根拠
1月下旬の調査の結果、発病株率は0.2%(前年0%、平年0.6%)と平年並であった。
今 年
1.5
発病株率(%)
平 年
並の範囲
1
0.5
0
9
10
11
12
1
2
3
4
5
月
キャベツにおける菌核病の発生推移
防除上注意すべき事項
a 発病株は菌核を生じないうちに除去し、焼却等の処分をする。
b 例年発生時期に当たるので、予防防除に努める。
c 平成18年度病害虫発生予察情報第11号(本号)の表紙参照。
- 2 -
(2)コナガ
発生程度 : 並
予報の根拠
1月下旬の調査の結果、株当たり幼虫+蛹数は0.92頭(前年0.05頭、平年0.97頭)と
平年並であった。
今 年
3
虫数/株
平 年
並の範囲
2
1
0
9
10
11
12
1
2
3
4
月
5
キャベツにおけるコナガ(幼虫+蛹)の発生推移
防除上注意すべき事項
a 圃場周辺のアブラナ科雑草の除去および収穫後の残渣処理を徹底し圃場衛生に
努める。
b 薬剤散布は低密度時が効果的であるので、多発する前に散布を行う。
c 薬剤抵抗性が発達しやすいので、同系統薬剤の連用を避ける。
3
かぼちゃ
(1)うどんこ病
発生程度 : やや多
予報の根拠
1月下旬の調査の結果、発病葉率は14.1%(前年10.8%、平年6.4%)と平年より
やや多く、発病度は3.6(平年2.4)と平年並であった。
15
40
今 年
平 年
30
平 年
並の範囲
並の範囲
10
発病度
発病株率(%)
今 年
20
5
10
0
0
12
1
2
3
4
かぼちゃにおけるうどんこ病の発生推移
月
12
1
2
3
4
月
かぼちゃにおけるうどんこ病の発生推移
防除上注意すべき事項
a 摘葉残渣や老葉は本病の発生源となるため、ビニール袋に入れるなどして圃場外へ持
ち出し処分する。
b 多発すると防除が困難になるので、葉の表裏をよく観察し、早期発見、早期防除に
努める。
c 薬剤抵抗性が発達しやすいので、同系統薬剤の連用を避ける。
- 3 -
(2)ハモグリバエ類
発生程度 : 並
予報の根拠
a 1月下旬の調査の結果、寄生葉率は6.0%(前年0%、平年17.1%)と平年並であっ
た。
b 気象予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い確率が50%と予想されてお
り、本種の発生が助長されやすい。
80
今 年
60
並の範囲
寄生葉率(%)
平 年
40
20
0
12
1
2
3
月
4
かぼちゃにおけるハモグリバエ類の発生推移
防除上注意すべき事項
a ハモグリバエ類は初期防除が重要である。多発してからは防除が困難になるため、
早期発見に留意する。
b 発生源となる圃場内外の雑草を除去する。
(3)アブラムシ類
発生程度 : 並
予報の根拠
a 1月下旬の調査の結果、葉当り虫数は0.99頭(前年1.54頭、平年0.63頭)と平年
並であった。
b 気象予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い確率が50%と予想されてお
り、本種の発生が助長されやすい。
今 年
6
平 年
並の範囲
虫数/葉
5
4
3
2
1
0
12
1
2
3
4
かぼちゃにおけるアブラムシ類の発生推移
防除上注意すべき事項
a アブラムシ類はカボチャのモザイク病を媒介する。
b 発生源となる圃場内外の寄主雑草を除去する。
b 葉裏に多く寄生するので、早期発見に留意する。
- 4 -
月
4
きゅうり
○べと病の防除対策
a 1月下旬の調査の結果、一部圃場で発病葉率15.0%(前年1.8%、平年1.6%)と高
かった。
b 気象予報によると向こう1か月の降水量は平年より高くなる確率が40%と予想されて
おり、本種の発生が助長されやすい。
c 敷草をして水の跳ね上がりを防ぐ。
d 排水不良箇所の改善や施設内の換気をよくし過湿防止に努める。
e 草勢が衰えた時に発生しやすいので、肥料切れしないよう適切な施肥を行う。
f 老葉を除去し透光通風を良くする。
すいか
(1)ミナミキイロアザミウマ
発生程度 : やや多
予報の根拠
a 1月中・下旬の調査の結果、葉当たり成虫数は0.02頭(前年0.01頭以下、平年0.01
頭)と平年並であった。
b 気象予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い確率が50%と予想されてお
り、本種の発生が助長されやすい。
0.15
今 年
平 年
0.12
成虫数/葉
5
並の範囲
0.09
0.06
0.03
0
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
月
すいかにおけるミナミキイロアザミウマの発生推移
防除上注意すべき事項
a 本種は、灰白色斑紋病を媒介する。
b 植付時は健全苗を選定し、育苗施設内で薬剤防除後に本圃へ導入する。
c 成虫の飛来侵入を防ぐため、入口には2重カーテンを設置し、天窓、側窓には防虫
ネット等を張る。
d 施設外に蔓や葉を露出させないように、すそのビニールは土に埋め、側窓の防虫
ネットは固定する。
e 青色粘着テープ等により早期発見し、早期防除に努める。
f 残渣は本種の発生源になるので、ビニール袋に入れるなどして施設外へ持ち出し処
分する。
g 薬剤抵抗性が発達しやすいので、同系統薬剤の連用を避ける。
- 5 -
6
にがうり(施設)
(1)うどんこ病
発生程度 : 並
予報の根拠
1月下旬の調査の結果、発病葉率は4.2%(前年2.8%、平年5.9%)と平年並であった。
今 年
40
平 年
発病葉率(%)
並の範囲
30
20
10
0
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
月
にがうり(施設)におけるうどんこ病の発生推移
防除上注意すべき事項
a 老葉や病葉は発生源となるので、施設内に放置せず、ビニール袋等に入れるなど
して施設外に持ち出し処分する。
b 薬剤抵抗性が発達しやすいので同系統薬剤の連用を避ける。
c 多発すると防除が困難になるので早期発見、早期防除に努める。
(2)モザイク病
発生程度 : 並
予報の根拠
1月下旬の調査の結果、発病株率は9.0%(前年6.6%、平年10.7%)と平年並であった。
今 年
30
平 年
発病株率(%)
25
並の範囲
20
15
10
5
0
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
月
にがうり(施設)におけるモザイク病の発生推移
防除上注意すべき事項
a 施設の入口、天窓、側窓には防虫ネット等を張り、ビニール・ネットの破れを補修す
るなどしてアブラムシ類の飛来侵入を防ぐ。
b 施設周辺の雑草は媒介虫であるアブラムシ類の発生源となるので除草を行う。
c 発病株は、感染源となるので、見つけ次第抜き取り、ビニール袋に入れるなどして密
閉し、施設外に持ち出し処分する。
d 本病は汁液伝染するので、ハサミや手の消毒、洗浄を行う。
e 草勢が良いと病徴が軽くなることがあるため、やむを得ず発病株を残す場合は肥培
管理を適切に行い、収穫管理作業は最後に行う。
- 6 -
7
レタス
(1)菌核病
発生程度 : 並
予報の根拠
1月下旬の調査の結果、発病株率は0.28%(前年0%、平年0.96%)と平年並であった。
今 年
2.5
平 年
並の範囲
発病株率(%)
2
1.5
1
0.5
0
9
10
11
12
1
2
3
4
5
月
レタスにおける菌核病の発生推移
防除上注意すべき事項
a 発病株は菌核を生じないうちに除去し、焼却等の処分をする。
b 例年発生時期に当たるので、予防防除に努める。
c 平成18年度病害虫発生予察情報第11号(本号)の表紙参照。
8
トマト
○トマト黄化葉巻病の防除対策
a 平成19年1月上旬、沖縄県では未発生であったトマト黄化葉巻病が確認された。
b 平成19年1月30日現在、発生が確認されている市町村は、豊見城市、糸満市、南
城市、八重瀬町、名護市、今帰仁村である。特に、豊見城市と今帰仁村では発生圃
場が多い。
c 本病は、タバココナジラミ(シルバーリーフコナジラミと同じ)によって媒介されるウイ
ルス病で、発症すると、上位葉の黄化、葉巻、萎縮や落花などが起こるため、生産
量に影響する。
d 本病の防除対策は、罹病株の除去、タバココナジラミの徹底防除、野外に生えてい
る管理されていないトマトの除去、栽培終了後の蒸し込み処理などがある。
e 本病の特徴や防除対策の詳細は、平成18年度病害虫発生特殊報第2号(平成19
年1月17日付け)または、平成18年度病害虫発生予察注意報第3号(平成19年2月
1日付け)を参照。
9
さやいんげん(平張り)
○菌核病の防除対策
a 1月下旬の調査の結果、一部圃場で多発生が見られた。
b 気象予報によると、向こう1か月の降水量は平年並もしくは多い確率ともに40%であ
ることから、本病の発生が助長されやすい。
c 発病株は、菌核が形成されない前に除去し、ビニール袋に入れるなどして圃場外へ
持ち出し処分する。
d 例年発生時期にあたるので、予防防除に努める。
e 平成18年度病害虫発生予察情報第11号(本号)の表紙参照。
- 7 -
(1)タバココナジラミ(シルバーリーフコナジラミ)
発生程度 : 並
予報の根拠
a 1月下旬の調査の結果、葉 当たり成虫数は0.10頭(前年0.05頭、平年0.13頭)と平年
並であった。
b 気象予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い確率が50%と予想されてお
り、本種の発生が助長されやすい。
今 年
0.8
平 年
並の範囲
成虫数/葉
0.6
0.4
0.2
0
10
11
12
1
2
3
4
月
さやいんげん(平張り)におけるタバココナジラミの発生推移
防除上注意すべき事項
a 本種はさやの白化を引き起こすので、 黄色粘着テープ等により早期発見し、早
期防除に努める。
b 入口の防虫ネットは二重にするなどして施設内への飛来侵入を防止する。
c 摘葉等による残渣は本種の発生源となるので、ビニール袋に入れるなどして圃場外へ持
ち出し処分する。
d 発生源となる周辺雑草の除去に努める。
e 平成18年度病害虫発生技術情報第2号(平成18年9月1日付け)参照。
10
小ギク(彼岸出荷用)
(1)アブラムシ類
発生程度 : 多
予報の根拠
a 1月の調査の結果、茎当たり虫数は0.9頭(前年0.4頭、平年0.3頭)と平年より多かっ
た。
b 1月の調査の結果、発生圃場率は29.2%(24圃場中7圃場)であった。
c ほとんどがワタアブラムシであったが、1圃場でヒゲナガアブラムシ類が確認された。
d 気象予報によると向こう1か月の気温は平年より高くなる確率が50%と予想されてお
り、本種の発生が助長されやすい。
今 年
1.2
平 年
虫数/トラップ
1
並の範囲
0.8
0.6
0.4
0.2
0
12
1
2
3
4
月
小ギクにおけるアブラムシ類の発生推移
防除上注意すべき事項
a 圃場内及び周囲の雑草は発生源になるので除去する。
b 薬剤は芯葉部や葉裏に十分かかるように散布する。
c 発生初期の防除を徹底し、同系統薬剤の連用を避ける。
- 8 -
※
県広報番組
「うまんちゅひろば」
放送のお知らせ
以下の内容で放送予定です。ぜひご覧ください。
○放送テーマ
沖縄県の農業を守る ∼重要病害虫の防除∼
*カンショ・ウンチェーを久米島に持って行かないで!
*ミカンコミバエ防除用の誘殺板つり下げにご理解下さい!
*カンキツグリーニング病(HLB)のまん延防止にご協力下さい!
○放送日時
琉球放送
琉球朝日放送
沖縄テレビ
2月3日(土)
2月3日(土)
2月4日(日)
6:15
11:30
11:30
∼
6:29
∼ 11:44
∼ 11:44
沖縄県病害虫防除技術センター
ホームページアドレス http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/cateview.jsp?cateid=119
本
所
〒902-0072 那覇市字真地123
TEL 098-886-3880、098-886-0227
FAX 098-884-9119
北 部 駐 在
〒905-0019 名護市大北1-16-15
TEL 0980-51-1537
FAX 0980-51-1538
宮 古 駐 在
〒906-0012 宮古島市平良字西里2071-40
TEL 0980-73-2634
FAX 0980-72-6474
八重山駐在
〒907-0003 石垣市平得地底原1178-6
TEL 0980-82-4933
FAX 0980-83-1157
- 13 -