高エネルギー重イオン衝突の実験 - kek

資料5−9
プロジェクト名:
重イオン加速器による高エネルギー重イオン衝突実験(PHENIX)
代表者名: 浜垣秀樹
プロジェクトの持つ学問的意義
◎ 高エネルギー物理学研究全般の中で当該プロジェクトの持つ意味は何か?
「高エネルギー重イオン衝突の実験(PHENIX)」は、衝突により高温、高密度の状態を生成し、
極端条件下における強い相互作用をする多体系(
QCD 物質)の性質を研究することで、基本
的な相互作用である強い相互作用の基本的な性質、およびその多体系としての性質の理解を
目指す。
◎ 我が国の高エネルギー物理学分野における当該プロジェクトの必要性、独
創性、有効性はどうか。また影響や成果はどのようなものがあるか。
強い相互作用の基本的な性質である「閉じ込め」は依然として良く理解されていない基本的
な問題である。QCD 物質は、高温状態において、クォークの「閉じ込め」の破れた状態、クォー
ク−グルーオン プラズマ、へと相転移するものと予想されているが、「高エネルギー重イオン
衝突の実験(PHENIX)」は、強い相互作用をする多体系の性質を調べることで「閉じ込め」に迫
るというユニークなアプローチの仕方を提供する。この研究により、基本的な相互作用である強
い相互作用の持つ基本的な性質が理解され、陽子・中性子等の物質の素の起源が明らかと成
り、さらには初期宇宙の性質の理解が進むと期待される。
プロジェクトの実施に関すること
◎ 当初の研究計画はどのようにたてられ、実施されているか。また変更があ
った場合にはそれによって効率性・効果性が高められたか。
研究計画は、大きくふたつの時期に分けられる。前半(1993年∼1999年)は、実験のため
の検出器の概念設計、建設・組み立てから総合調整まで、後半(2000年∼2002年)は、実際
の衝突を用いた検出器の立ち上げ、較正からデータ収集・解析まである。後半に関しては、今
も続行中である。
建設に先立って、PHENIX 実験の概念設計がおこなわれたが、日本グループはその時点か
ら積極的に参加し、必要検出器の仕様を定めるのに大きな寄与をした。また、日本グループの
主な担当検出器である RICH、TOF、BBC は、日本グループが重要と見定めた物理と建設実
績・能力から自然な形で定まった。
実際の建設に際して、国内における研究者の集まりである PHENIX-J 組織を作り、国内の意
見集約、意思決定を図った。PHENIX 実験建設全体を掌る検出器委員会に、担当検出器に即
して3名の委員(浜垣、三明、杉立)が指名され、国内的にはこれら3名と研究代表者(早野)か
らなるPHENIX-J 幹事会を中心に、各年の実行計画の立案、予算要求、及び最終的な配分案
を定めた。建設期間を通じて、研究計画に大きな変更の必要は生じなかった。
建設期から後期に移行するに伴い、代表者が早野から浜垣に交代したが、その他大きな変
更は無い。各年の実行計画の立案、予算要求、及び最終的な配分案は、PHENIX-J 幹事会メ
ンバーが案を作成する方式は、現在もそのまま踏襲している。
◎ 研究プロジェクト遂行のための責任体制は明確になっているか。
プロジェクト関係者間の連絡調整は十分かつ適切に行われたか。
PHENIX-J 組 織 は 意 見 調 整 ・集約、意思決定に十分な機能を果たしてきた。また、
PHENIX-J の幹事会は本研究に実質的な責任を持つ人の集まりである。
◎ 当該プロジェクトへの国別、機関別参加者数
(平成 15 年度の数字とするが、共同研究が既に終了したグループについて
は、把握可能な最新の数字とします。機関数が多い場合は別紙にまとめて
いただいて結構です)
別紙
○ 研究者・大学院生等プロジェクト関係者の現地の滞在期間は適切か。
おおむね、適切である。現地に事務担当を供出しているが、ある個人が非常に長期にわた
って滞在する例が過去にあり、現在もまたそのような状況に陥りつつある。研究者が長期にわ
たって滞在することは研究を進めるという立場からはむしろ望ましいことであり、研究専業であ
る場合は問題無いが、そのような恵まれたケースが常々なわけではない。ケースバイケースで、
KEK として考慮をお願いしたい。
○ 科研費などの外部資金をどれだけ獲得して充てたのか。
資金区分
科研費(特別推進研究)
予算総額
期間
239,000 千円 H6 年度∼H10 年度
科研費(基盤研究(B)(2))
15,200 千円 H11 年度∼H12 年度
科研費(基盤研究(B)(2))
13,600 千円 H12 年度∼H14 年度
科研費(基盤研究(A)(2))
42,600 千円 H14 年度∼H17 年度
○ 共同研究においてどれだけ大きな役割を果たしたか(企画・遂行のために担
った役割、分担した作業の重要性等)。
担当した検出器
−主に粒子識別用のもの。PHENIX 実験において非常に重要な装置群を担当した
・ リングイメージングチェレンコフ検出器(
RICH):電子識別の主要装置
・ 粒子飛行時間測定装置(TOF):ハドロン識別の主要装置
・ ビームビーム検出器(
BBC):事象のトリガー、TOF のスタート
・ 中央磁石のコイル
・ ドリフトチェンバー用読み出し半導体素子
日本人研究者の役割
・
実験代表者:永宮正治(1997 年 11 月まで)
・
Executive Council
PHENIX 実験の運営委員会に、常に数名の委員が参加し、研究の方向・方針の作成
に大きな寄与をしている。
-
1997年11月∼2000年11月:永宮、浜垣、延與
-
2000年12月∼2001年12月:浜垣、延與、秋葉
-
2001年 12 月∼2002年 12 月:延與、秋葉
・
検出器委員会(Detector Council)
浜垣、三明、杉立の三名が委員として参加。検出器の建設、組み上げ、立ち上げ、運
転、保守を統括している。
・
物理ワーキンググループ
データ解析を推進するため、テーマごとにいくつかのサブワーキンググループが作られ
ている。日本グループは、解析においても積極的な寄与をおこなってきた。ワーキング
グループは BNL において開催される。そのまとめ役(
2 年任期:重任不可、助手クラス
の若手研究者)は現地にいる事が期待されるため、日本グループは不利であるが、こ
れまでに、浜垣、秋葉、江角を送り出している。
○ 研究に必要な施設・設備・物品については計画どおりに整備できたか。
幾つかの検出器部品等について、製作の遅れや制作費が予想以上になる等があったが、そ
れらの原因のほとんどが、製作前の開発準備の段階が不十分な事が原因であった。しかしな
がら、総じて概ね順調に進んだといえよう。実際、2000 年の 6 月に RHIC での初めてのランが行
われたが、日本グループが担当した検出器群は読み出し回路も含めて全てのインストールが
終了しており、Year-1 ランの実験で実際にデータ収集に用いられた。
○ 施設・設備の建設がある場合には当初予算計画に見合ったものを計画どお
りに製作できたか。またその利用状況はどうか(含利用時間)。
日本国内においては、使用施設・設備は既存の実験室を改造して使用した。米国内におい
ても、二三の実験室を取得し改造して使用した。その改造は多少時間的に遅れぎみではあっ
たが、最終的には必要十分な機能を持つ施設を得る事が出来た。それらの施設は建設終了後、
米国側機関へ返却した。
○ 米国研究所との連携はうまくとれていたか。
建設期に検出器委員会を統括していたプロジェクトマネージャーの Sam Aronson BNL 主任
研究員の個人的な能力の高さもあって、日本側主要検出器の担当委員を含む検出器委員会
が良く機能し、おおむね良い連携が確立されていた。
プロジェクトの成果に関すること
◎ 予算(校費)の執行状況
別紙
◎ レフリー付きの国際誌への掲載論文数。
10 年度
6
11 年度
8
12 年度
7
13 年度
5
14 年度
10
◎ 発表された論文の引用数
評価対象期間(1998年度∼2002年度)において発表された論文のう
ち、主要なもの5編以内を対象とします。
論文タイトル
論文に書かれている成果に関し
て日本グループが果たした役割
SUPPRESSION OF HADRONS WITH
LARGE TRANSVERSE MOMENTUM IN
CENTRAL AU+AU COLLISIONS AT
S(NN)**(1/2) = 130-GEV.
Phys.Rev.Lett.88:022301,2002.
CENTRALITY DEPENDENCE OF
CHARGED PARTICLE MULTIPLICITY IN
AU - AU COLLISIONS AT S(NN)**(1/2) =
130-GEV.
Phys.Rev.Lett.86:3500-3505,2001.
CENTRALITY DEPENDENCE OF PI+ /
PI-, K+/ K-, P AND ANTI-P PRODUCTION
FROM S(NN)**(1/2) = 13-=GEV AU+AU
COLLISIONS AT RHIC.
Phys.Rev.Lett.88:242301,2002
MEASUREMENT OF THE
MID-RAPIDITY TRANSVERSE ENERGY
DISTRIBUTION FROM S(NN)**(1/2) =
130-GEV AU + AU COLLISIONS AT
RHIC.
Phys.Rev.Lett.87:052301,2001.
TRANSVERSE MASS DEPENDENCE OF
TWO PION CORRELATIONS IN AU+AU
COLLISIONS AT S(NN)**(1/2) =
130-GEV.
Phys.Rev.Lett.88:192302,2002.
実験の遂行。
中性パイ中間子データの解析
引用数
133
実験の遂行
衝突中心度の決定
119
実験の遂行
TOF による粒子識別
データ解析
85
実験の遂行
61
衝突中心度の決定
電磁カロリメーターデータの解
析
実験の遂行
二粒子相関データの解析
53
◎ 国際会議における講演担当数。
日本側当該グループが参加した主要な国際会議において、当該グループ
を代表して発表した講演を対象とします。
別紙
◎ 研究・実験による学位取得者の数。
進路
10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度
大学等の教官
1
在外研究員(ポスドク)
1
民間会社研究員等
○ プロジェクトはどれだけの研究成果をあげることができたか。それは当初
予想されたものと比べどうか。目標どおりに成果をあげることが出来たか。
実験装置については、ほぼ当初の予定通りのものが実験開始に間に合って完成した。実験
開始から3年余りが経ち、既に、多くの新しい注目すべき結果が得られつつあるが、当初目標と
していたとおりの成果が挙げられているわけではない。特に、レプトン対生成等のレアプロセス
に関しては期待された結果は未だ得られていない。PHENIX 実験全体の建設・整備が遅れたこ
とも一因ではあるが、主因は米国の研究予算が予想通りには得られていないことである。その
為、毎年の実験期間が短縮され、また時間と加速器エクスパートの制限のため加速器スタディ
が思うようになされておらず、そのため加速器性能、とりわけルミノシティが思ったほどあがって
いない。
○ プレスリリースの実績の有無。ある場合には報道状況。
平成15年6月16日(月) KEK よりプレスリリース
6月16日:時事通信、6月17日:毎日新聞、産経新聞、読売新聞、6月25日:朝日新聞
KEK プレスリリース URL:
http://www.kek.jp/press/2003/j-usbnl01.html
○ プロジェクトに関するインターネット上のホームページを有しているか。
有る場合には適切な時期に成果等を公表しているか。公表している情報は
適切か。(URL もご記入ください)
プロジェクト全体のホームページ:http://www.phenix.bnl.gov/
日本国内のホームページ:http://phenix.cns.s.u-tokyo.ac.jp/phenix-j
国内の情報に関しては、あまり効果的なアップデートはなされていない。片手間でやるのは
困難であるが、専任を雇うにはプロジェクト規模が中途半端。
○ 研究の成果が他分野に与える影響はどうか。(波及効果)
プロジェクトの今後に関すること
○ プロジェクトの今後の計画はあるのか。またそれは十分に計画され、ビジ
ョンを明確に持っているか。
今後5年間程度の(中期)研究計画について、現在プロジェクト全体で議論が進んでおり、具
体的な目標が設定されつつある。
○ (プロジェクトを終了する場合)製作した施設・設備をどのように処理若し
くは活用していくのか。
米国内に整備した大型の施設・設備は建設終了後、既に返却した。国内の実験室について
は、検出器の保守や新しい検出器の開発に使用している。
日米科学技術協力事業に関する意見
◎日米科学技術協力事業に関する意見や感想を率直に述べてください。
KEK の関わり方、役割が不明確・不十分ではないか。特に BNL においてスピンプログラムを
推進している理研のやり方との対比で強くそのことを感じる。同じレベルで比較することにあまり
意味は無いかもしれないが、財政的・人的サポート体制、政治的な立ち回り等、その落差はあ
まりにも大きい。多少でも改善するためには、例えば、事務官を配置すること、大型プロジェクト
について KEK としての人的なサポートを考慮願いたい。
別紙:
プロジェクト参加者数(平成15年度)
(括弧内:大学院学生数)
国名
米国
ブラジル
フランス
ドイツ
スウェーデン
ロシア
ハンガリー
イスラエル
中国
台湾
インド
大韓民国
機関名
Abilene Christian Univ.
Brookhaven National Lab
UC – Riverside
University of Colorado
Columbia University
Florida State University
Georgia State University
University of Illinois
Iowa State University
Lawrence Livermore National Lab
Los Alamos National Lab
Univ of New Mexico
New Mexico State Univ
Oak Ridge National Lab
RIKEN BNL Research Center
Stony Brook University, Chemistry
Stony Brook University, Physics and Astronomy
University of Tennessee
Vanderbilt University
Universidade de Sao Paulo
Lab Leprince-Ringuet, Ecole Polytechnique
LPC, Universite Blaise Pascal
IPN-Orsay, Univ Paris Sud
Dapnia, CEA Saclay
SUBATECH
University of Muenster
Lund University
Institute for High Energy Physics (IHEP)
Joint Institute for Nuclear Research
Russian Research Center ``Kurchatov Institute"
PNPI, Petersburg Nuclear Physics Institute
St. Petersburg State Technical University
Debrecen University
ELTE, Eotvos Lorand Univ.
KFKI Research Inst. for Particle and Nuclear
Phys. (RMKI)
Weizmann Institute
China Institute of Atomic Energy (CIAE)
Peking University
Inst. of Physics, Academia Sinica
Banaras Hindu University
Bhabha Atomic Research Centre
Cyclotron Application Lab, KAERI
Kangnung National Univ
参加者数
8
32
10
3
10
4
7
3
15
4
15
9
8
21
5
7
18
5
4
6
12
4
5
6
9
7
10
11
10
16
12
4
0
3
5
(
(
(
(
(
(
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(
(
(
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(
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(
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(
(
(
(
(
(
(
(
(
6)
0)
3)
0)
4)
1)
4)
0)
4)
0)
0)
5)
4)
0)
0)
2)
8)
3)
0)
1)
1)
1)
0)
1)
1)
1)
3)
0)
0)
1)
0)
3)
2)
1)
0)
7(
6 (
3 (
1 (
3 (
5 (
1 (
2 (
1)
3)
2)
0)
0)
0)
0)
0)
日本
Korea University
Myongji University
Seoul National University
Yonsei University
北海道大学
KEK
筑波大学
筑波技術短期大学
東京大学
早稲田大学
京都大学
広島大学
長崎総合科学大学
4
2
3
6
1
4
9
1
15
1
1
10
3
(
(
(
(
(
(
(
(
(
(
(
(
(
2)
1)
2)
3)
0)
0)
6)
0)
5)
0)
0)
7)
2)
別紙:
平成
JFY
ハ ー ト ゙ RICH 検出器
ウエア
TOF 検出器
BB 検出器
TMC LSI チップ
共通読出回路
イベントビルダー
LVL1 トリガー
インナーコイル
エアロジェロ
PHOS
小計
そ
の
他
解析装置
テクニカルサポート
検出器保守
消耗品等
現地経費
10 年度
1998 年
114,900
16,000
26,500
7,000
164,400
予算(校費)の執行状況
(単位:千円)
11 年度
12 年度
1999 年
2000 年
41,300
18,000
13,300
17,000
6,200
12,000
4,300
12,000
34,000
89,000
1,900
34,000
168,000
13 年度
2001 年
4,000
4,500
6,000
14 年度
2002 年
7,500
3,000
6,700
21,000
7,000
55,000
11,000
115,000
97,500
7,800
24,000
24,000
84,000
39,800
25,700
9,000
33,000
23,000
20,000
24,000
8,000
18,000
21,000
24,000
22,000
22,300
19,300
22,600
17,400
33,000
27,500
9,500
23,000
22,000
小計
65,600
62,000
115,000
130,500
91,000
合計
230,000
230,000
230,000
228,000
175,000
別紙: 主要な国際会議における講演担当数
会議名
開催期間
場所
Instr99
1999 年 11 月
浜松
ICHEP2000
2000 年7月 27
日∼8 月 2 日
大阪
クォークマター2000
2001 年 1 月
14 日∼20 日
ストニーブル
ック(米国)
講演題目
Development of front end electronics for
PHENIX RICH
DELTA++ PRODUCTION AND ELLIPTIC
EMISSION OF K+ AND PI+ IN 158 A-GEV
PB+PB COLLISIONS
PARTICLE IDENTIFICATION
CAPABILITY OF THE PHENIX
EXPERIMENT
PARTICLE RATIOS IN PHENIX AT RHIC
ELECTRON MEASUREMENT AT RHIC
Int. Nuclear Physics
Conf.
2001 年 7 月
30 日∼8 月 3
日
バークレイ(米
国)
クォークマター2002
2002 年 7 月
18 日∼24 日
ナント(仏)
PANIC 02
2002 年 9 月
30 日∼10 月 4
日
大阪
NEUTRAL PION MEASUREMENT AT
RHIC-PHENIX
RESULTS OF IDENTIFIED HADRONS
FROM THE PHENIX EXPERIMENT AT
RHIC
TWO PARTICLE CORRELATIONS
MEASURED BY PHENIX IN AU-AU
COLLISIONS AT S(NN)**(1/2)=200-GEV
IDENTIFIED CHARGED PARTICLE
AZIMUTHAL ANISOTROPY IN PHENIX
AT RHIC
HIGH P(T) IDENTIFIED HADRON
RATIOS IN S(NN)**(1/2) = 200?GEV AU +
AU COLLISIONS
MEASUREMENT OF THE NEUTRAL
PION CROSS-SECTION IN
PROTON-PROTON COLLISIONS AT
S**(1/2) = 200 GEV WITH PHENIX
EVENT ANISOTROPY MEASUREMENT
IN 200 GEV AU+AU COLLISIONS AT
RHIC-PHENIX
Measurement of J/psi -> e+e- in Au + Au
collisions at sqrt(s_NN) = 200 GeV at
RHIC-PHENIX
Results from Identified Hadron Spectra from
the PHENIX Experiment at RHIC