PHENIXとSTARの華と穴 -- これであなたもRHIC通?--- 比較!RHIC二大実験 -- 理研-BNL 研究センター Masashi Kaneta, RBRC, BNL このお話の概要 • Relativistic Heavy Ion Collider • RHICでの物理 • PHENIX検出器とSTAR検出器 • 観測出来る物理の違い • 得意と不得意 • データ収集(シフト) • 解析環境 • コラボレーションの運営形態 • まとめ Masashi Kaneta, RBRC, BNL Relativistic Heavy Ion Collider • 周長3.83 km, 2つの独立した超伝導磁石を用いた加速器 • 最大100 GeV の金、250 GeV の陽子ビーム – 2003年には 100 GeV の重陽子ビーム • 五つの実験グループ : PHENIX/STAR/PHOBOS/BRAHMS/pp2pp BRAHMS pp2pp PHOBOS PHENIX Masashi Kaneta, RBRC, BNL STAR RHICでの物理 • QGP探索 – PHENIX, STAR, PHOBOS, BRAHMS • Spin asymmetry – PHENIX, STAR, pp2pp • pp 弾性散乱断面積 – pp2pp Masashi Kaneta, RBRC, BNL PHENIX検出器とSTAR検出器 • PHENIX • STAR – レプトン測定がメイン – ハドロン測定 • ハドロンの種類を同定 • (p,K,p)+それらに崩壊 する粒子 • しかし、光子、ハドロン (p,K,p)も同時に測る – event mixing – topology method Year 1 Year 2 Next year or later Time Projection Chamber Magnet Coils Silicon Vertex Tracker TPC Endcap & MWPC yr.1 SVT ladder FTPCs Silicon Strip Detector ZDC ZDC Endcap EMC (half in 2003) Vertex Position Detectors Barrel EMC (install over 4 years) Central Trigger Barrel + TOF patch RIC H Masashi Kaneta, RBRC, BNL 4m 観測出来る物理の違い • 目的は同じ – QGP探索とSpinプログラム • しかし、測定器の設計上、観測出来る測定量に違いがある • PHENIX – 高横運動量 – 3-4GeV/cまでの識別され た荷電ハドロン – 光子/レプトン/ハドロンと 測れるけど、どちらかと言 うと光子/レプトン観測をメ インとする – ハード・プロセスをプローブ とする Masashi Kaneta, RBRC, BNL • STAR – pT~50MeV/cから測定可 – pT<1GeV/cでp/K/p分離 – 一応 Electro-Magnetic Calorimeter もあるけど ハドロン中心 – ソフトなプロセスに着目 得意と不得意 • 高いDAQレート • 狭いアクセプタンス – df=p, |h|<0.35 • DAQレートは ~20Hz(Au+Auで) • 広めのアクセプタンス – 方位角は2p, |h|<1.5 • 衝突点付近に検出器 を置いてない • 衝突点付近から物質 がごちゃごちゃある – 全体の物質量は低い – In-flight-decayするもの を測るのは難しい(L,X,W 等) – 二次発生粒子の問題 – 磁場中に軌跡検出器があ るので何処で粒子が発生 したか、崩壊したかを topologicalに見ることが 出来る Masashi Kaneta, RBRC, BNL データ収集(シフト) • PHENIX – shiftのアサインは自分で登録できる けど、実は募集が始まった時点ですで に埋まっていることが多かった(run3) – shift member • Shift leader • DAQ operator • Shift assistant 1 – 検出器のオペレート • Shift assistant 2 – ガス・チェック – online monitoring – 検出器の責任者に学生が投入されて いる • 責任者にもシフトの義務がある Masashi Kaneta, RBRC, BNL • STAR – shiftをどの週のどのスロットに取るか は完全に早い物勝ちで、その意味で 平等 – shift member • Shift leader – DAQ操作の責任も持つ • Detector Operator • Shifter – ガス・チェック • Online monitoring Shift leaderとDetector Operator には 1 shift、現場で研修を受けない となれない(trainee 制度) – 検出器の責任者はポスドク以上 • 責任者はシフトから免除される(run2 から) 解析環境 • PHENIX – run1の時は大変だった(らし い) – コンピューター環境は、物理屋 が兼業で管理しているので、 (こういっては何だけど)何かま とまりがないような。。。 – ライブラリの管理は各ユーザの 自主性にまかされている Masashi Kaneta, RBRC, BNL • STAR – run1の時点でライブラリは殆ど 完成していた – プログラム・ライブラリの管理者、 シミュレーションの責任者、DST プロダクションの責任者を、その 役割としてBNLのSTAR group が雇っている – ライブラリは管理者グループが 一括して扱っていて、彼らが チェックした上でリリースされて いる コラボレーションの運営形態 • PHENIX – 議院内閣制、風 – 割と平等に民主的に運営され ているように見える • 権限が分割されすぎて誰に責 任があるのかよく分からないこ ともある – 永宮さんからBill Zajcへのス ポークスパーソンの交代は、波 が立たずに行われた(ように自 分には見える) Masashi Kaneta, RBRC, BNL • STAR – 皇帝と元老院、風 – 普通は民主的に運営されてる • PWGや、コンピューティングの 責任者の権限が強く強権が発 動されることもある – John Harris から Tim Holman への交代は一波乱 あった(らしい) まとめ • PHENIXとSTAR、それぞれ一長一短ある • が、個人的な観点では – PHENIX • 検出器を扱えるようになるように学生を鍛える場としてはよい • 日本人が多いので、英語の上達が遅い • High Luminosity に対応出来るように設計されてるので面白いの はこれから – STAR • 解析環境はすでに整っていてドキュメントもあるので、外からやって きても割とすぐに解析が始められて、ポスドクには良い • In-flight-decay するハドロンを測ることができるので、ハドロン測 定を中心とした物理が好きな人には楽しい所 • Berkeley は住むにはとっても良いところ – LBNLのポスドクに興味がある人は金田までどうぞ » ボスのHans Georg Ritter をはじめいろんな人に紹介できます » 理論屋だと Xin-Nian Wangにも Masashi Kaneta, RBRC, BNL
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