18. カウンタの基礎

18.カウンタの基礎
このテーマの要点
 カウンタに関する基礎知識を習得する

同期式、非同期式カウンタの特徴を理解する

簡単なカウンタの構成法を理解する
教科書の該当ページ
 カウンタの基礎[p.82]
 非同期式カウンタ[p.84]
 同期式カウンタ[p.88]
カウンタCounterとは...
数をかぞえる回路、計数回路
Toggle-FFとカウンタ
Toggle-FF:クロックごとに
出力が反転するもの
D-FFによる構成
T-FFは2進カウンタ
0 1
0
1
0
1
0, 1,→桁上がりで 0
!

JK-FFによる構成
2進カウンタ
!Q は T
の2倍の周期
分周
2n 進カウンタの構成
Up/Downカウンタ
出力を次段のトリガとする
!T-FFの Q 出力を次段のトリガ
0, 7, 6, ... Downカウンタ
!T-FFの Q 出力を次段のトリガ
分周
分周
0 1
0
1
0
1
0
1
1
0
0
1
0
1
1
1
1
0
0
7
6
5
4
3...
0 1
0
1
0
1
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
1
1
下位bit
上位bit
0~7 8進カウンタ
0, 1, 2, ... Upカウンタ
非同期式・同期式カウンタ
非同期式
T
FF1
遅延 tpd が集積
FF2
FF3
FF4
!前段 FF の出力が次段のトリガ
!出力は FF1~FF4 へ順次変わる
t
!クロック速度: pd の限界まで
非同期
t
!カウント速度: pd の総和による
同期式
FF1
FF間の遅延なし
FF2
T
FF3
FF4
!各段へ並列にトリガが入る
!出力は FF1~FF4 が同時に変わる
t
!クロック速度: pd + FF間の信号伝達遅延時間
!カウント速度:最高クロック速度までOK
同期
非同期式・同期式カウンタの比較
項目
非同期式
同期式
回路構成
簡単
複雑
動作遅延
大きい
tpd × FFの個数
小さい
tpd + FF間の信号伝達時間
カウント値 難しい
全FFの動作完了後
の取り出し
容易
高い
低い
クロック
の上限
クロックの上限まで
FFの動作限界まで
FF間の信号伝達遅れまで
高速パルスの分周
低速回路向け
主な用途
非同期式の
半分くらい
通常の用途
(タイミング重視)
簡易な 2n 進以外のカウンタの構成

Preset, Clear の利用

EX. 7進カウンタ
!8 進カウンタを構成
!PRE:FFの初期出力を設定
!CLR:FFの出力を強制的に 0 に
!7=111 で強制リセット
桁上げしたい部分で各FFを
強制リセットすればよい
1
1
1
高速回路で
誤動作
!瞬間的に 111 が出力される