脳血管疾患患者の転倒転落防止への取り組み(PDF 737KB)

脳血管疾患患者の
転倒転落防止への取り組み
∼転倒転落の現状と脳の障害部位の特徴を検討して∼
6階西病棟
○力武裕子 徳永尚子 高井清美
渡島真由美 山口華奈子
遠江美佳 淵上直子
はじめに
脳神経外科、神経内科病棟
全入院患者に転倒転落リスクのアセスメント
ハイリスク患者を予測し様々な対応
全病棟でヒヤリハット報告件数が2番目に多い!
なぜ、転倒転落は減らないのか?
脳血管疾患と、
転倒転落の関係性が
分かれば、効果的な対策が
見つかるのでは・・・・??
Ⅰ・研究目的
ヒヤリハット報告症例を分析し、
転倒転落を起こしやすい脳の障
害部位の特徴を明らかにする。
Ⅱ・研究方法
1・実態調査研究
2・データ収集期間:H19年10月∼H21年8月
3・対象:H20年1月∼H20年12月までの入院患者(脳疾患)でヒヤリ
ハット報告のあった事例
4・データの収集方法・分析方法
1)ヒヤリハット報告書を各当看護師が記入
2)1)をもとに事故要因表へ看護研究メンバーが記入し収集する。
3)データはExcelに入力
5・以下の項目に着目し傾向を分析する。
1)発生日 2)意識レベル 3)麻痺側 4)障害部位(左右)
Ⅲ結果
1・対象者:41名
2・性別:男性28名(68%)
女性13名(32%)
3・年齢平均:64歳
4・疾患別の割合
n=4
12%
27%
12%
29%
20%
疾患別の割合
脳梗塞
脳出血
その他の出血
てんかん
その他
5・障害部位別の割合
7%
37%
n=41
56%
障害部位別の割合
右脳障害
左脳障害
両側障害
6・意識レベル分類
n=41
15%
GCS4.4.6
5%
GCS4.5.6
48%
32%
意識レベル分類
GCS4.4.5と
4.3.6
GCS4.3.5
7・麻痺側別の割合
27%
n=41
44%
29%
麻痺側別の割合
麻痺なし
右麻痺
左麻痺
8・発生病日
60日目
n=41
50日目
40日目
11∼20日目
7∼10日目
6日目
5日目
4日目
2日目
0
5
10
発生病日
15
名
Ⅵ考察
1・右脳障害と転倒発生
左脳の働き
計算力
状況の推測
概念的思考
文字を書く
言葉を話す
右脳の働き
瞬間的に
行う
空間認識 力
全体像をとらえる
判断力
直観力
危ない!!
倒れる!!
とっさに右脳を働かせ、判断
することが重要です★
2・意識レベルと転倒発生
GCS4・4・6は 、な ぜ 転 倒 し や す い?
★グラスゴーコーマスケール(GCS)
開眼(E):自発的に開眼する →④
呼びかけにより開眼する →③
痛み刺激により開眼する →②
まったく開眼しない →①
最良言語反応(V):正確な応答ができる →⑤
混乱した会話 →④
理解不能の声 →③
まとまりのない会話 →②
全く声を出さない →①
最良運動反応(M):命令に従う →⑥
疼痛部を認識 →⑤
四肢の逃避運動 →④
四肢の異常な屈曲運動 →③
四肢の伸展反応 →②
まったく動かない →①
3・発生病日
日にちとともに・・・。
・入院による環境の変化
・混乱
・神経機能の変化
・脳浮腫(脳の腫れが強
い時は、意識がはっき
りしなかったり、症状が
強いことが多い)
・脳浮腫が発症から7
日目以降に軽減して
くる。
・入院にも慣れてくる。
・症状が改善してくる。
自分で出来る?
転倒
Ⅴ.結論
6階西病棟の転倒の特徴・・・
転倒しやすい患者
麻痺のない意識障害
(会話の混乱)
右脳障害
入院後7∼20日
おわりに
・麻痺がない患者やADLが拡大されるなか
で、自分自身で「やりたい」という意欲を損
なわないような指導と援助が必要である。
・今回の研究により脳疾患患者の転倒の特
徴が明らかになった事で、病棟独自のアセ
スメント、防止対策、患者へのアプローチを
考える必要がある。