対カメルーン共和国 事業展開計画 2011年7月現在 【外交政策上の特記事項等】 ・中部アフリカ共同体(CEMAC)の内陸国(中央アフリカ、チャド)への輸送の根幹として、ドゥアラ商業港とカメルーン国内道路が重要な役割を担っている。 ・カメルーンは、石油、ガス、鉄鉱石、ボーキサイト、コバルト等のエネルギー鉱物資源、金、ダイヤ、サファイア等の貴金属を埋蔵する。 ・カメルーンは、コンゴ流域地域でも比較的政情が安定しており、同地域における環境保全対策(生物多様性、気候変動)を効果的に実施するために重要なパートナー。 【援助重点分野】 【開発課題】 人的資源開発 【現状と課題】 ・カメルーンでは教育へのアクセスを重要課題の1つとし教育セクター開発が行われているが、2000年の初等教育無償化により児童 数が急増し、絶対的教室数の不足から児童たちは過密教室、二部制、老朽化した施設など劣悪な教育環境を強いられている。 ・予算不足のため長期にわたり正規教員採用が見送られていた。2010年よりドナー支援による臨時雇用が行われ、現任の非正規雇用 職員も段階的に正規雇用となる予定であるが、引き続き教員不足による教育の質の低さが懸念される。 【開発課題への日本の対応方針】 ・我が国支援の代表事例である小学校建設を継続し、適切な就学環境を提供する一方、研修を通じて教員の能力強化と教育の質向 上にも貢献する。ボランティア派遣を通じ、就学前教育及び小学校での情操教育と保健衛生教育の導入や、技術教育・理数科教育 の改善と教員の能力強化を支援し、教育の質向上を図る。(教育分野に関しては、新教育政策2011-2015を念頭に置いた取り組みを 行う) 実施期間 協力プログラム名 協力プログラム概要 教育の質の向上を目的とし、小学校建設 による就学環境の整備、研修事業による 教育関係者や行政官の能力強化、ボラン ティア派遣による教育現場での教員の質 の向上等を通じて包括的な支援を実施す る。 人的資源開発 教育拡充支援プログラ ム プロジェクト名 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 備考 (億円) 第四次小学校建設計画 (一般プロジェクト無償) 無償 11 第五次小学校建設計画 (コミュニティ開発無償) 無償 9.66 2011年11月瑕疵検査予定 2011年7月E/N、G/A署名予定 ンバンジョック村小学校5教室建設計画 草の根無償 0.08 2009年9月G/C署名 レイ・ブバ小学校分校建設計画 草の根無償 0.09 2010年12月G/C署名 小学校教諭/幼児教育隊員 (17人うちSV1人) JOCV / SV 初等教育分野教職員、及び行政官の能力向上 関連研修 初中等理数科教育(英・仏) 校内研修による教育環境の改善 その他 スキーム 教師教育(基礎教育分野)、理数科分野におけ る教授法/教科指導法改善研修等 課題別研修他 第三国研修 SMASE プロジェクト(実施国:ケニア) フォローアップ PCインストラクター(中等教育・2人) JOCV 初等及び中等レベル教員及び教員研修者に対するNICTEを用いたエイ ズ予防に関する遠隔地研修 マルチ 68万ドル UNESCO人的資源開発日本信託基金 (対中部アフリカ) 【援助重点分野】 【開発課題】 経済開発 【現状と課題】 ・カメルーンは、石油や木材を中心とした資源輸出により最近5年間においては、年平均3.4%の実質経済成長率を達成している。し かしながら、一見良好に見える経済成長も、国民全体にその裨益が行き渡っておらず、国民生活の質向上に寄与するまでには至って いない。このことから、カメルーン政府は、民間セクター活性化を重要課題の一つとし、経済成長促進のための開発政策を推し進め ている。 【開発課題への日本の対応方針】 ・中小企業振興マスタープランを策定し、政策支援や研修等を通じて中小企業振興・社会経済・手工芸省の能力向上を図ることによ り、新規起業数の増加、GDPにおける同セクター占有率の向上、就業者数の増加を目指す。 ・一村一品運動の拡大・普及可能性を検討する。 実施期間 協力プログラム名 民間セクターの活性化 協力プログラム概要 カメルーン中小企業振興マスタープラン の策定及び実施支援、カウンターパート 機関・中小企業振興関連民間セクターの 人材育成によりカメルーンの貧困削減及 中小企業振興プログラ び経済成長に貢献する。 ム プロジェクト名 中小企業振興マスタープラン作成計画 中小企業振興政策支援 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 開発計画 課題別研修他 フォローアップ 【現状と課題】 ・カメルーンとナイジェリアは、各々が属する地域経済圏(カメルーン:中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)、ナイジェリア:西ア フリカ諸国経済共同体(ECOWAS))において中核的な国であるが、隣接する両国を接続する道路輸送網の整備は遅れている。近年、アフ リカ諸国において、国境を越えた広域的な経済開発の重要性が認識される中、両国間の輸送ルート整備は中部アフリカ・西部アフリカ 両地域の経済活性化に関し重要課題とされている。 ・当国は水力発電に関して豊富な資源を有しており、開発可能な包蔵水力はアフリカ大陸で2番目となる20GWと推測されているもの の、実際にはその5%程度しか利用されていない。そのため、国内電化率は22%、地方部ではわずか3.5%にとどまっており、低い電 力供給能力、需給ギャップ等について早急な改善が求められている。 【開発課題への日本の対応方針】 ・基幹インフラ整備におけるアフリカ開発銀行との協調融資の実施により、道路整備を図るとともに、国境間の通関業務の簡素化 支援(OSBPワンストップ・ボーダー・ポスト)により貿易・経済の促進を図る。 ・同じくアフリカ開発銀行との協調融資による現存の送配電網の強化・拡充及び効率的なエネルギー活用策の検討により、電力エネ ルギー輸送能力の強化及び未電化世帯の電力アクセスの改善等を通じて民間投資環境の整備を図る。 実施期間 協力プログラム名 基礎インフラ整備 協力プログラム概要 国際幹線道路、電力網等の経済インフ ラ、及び周辺の社会インフラの整備を通 地方基礎インフラ整備 じ、民間投資環境の整備による経済開発 促進、及び地域住民の生計向上に寄与す プログラム る。 備考 (億円) 個別専門家 中小企業振興政策策定及び実施に関する中小企業・社会経済・手工業 省職員の能力向上、一村一品運動関連研修 「一村一品運動」普及 【開発課題】 スキーム プロジェクト名 バメンダーマムフェーエコック間及びマフムーアバカリキーエヌグ間道路 交通促進事業 スキーム 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 備考 (億円) 有償 45.4 アフリカ開発銀行との協調融資 送配電網強化・拡充計画 有償 29.39 アフリカ開発銀行との協調融資 省エネルギー 関連研修 課題別研修 【援助重点分野】 【開発課題】 農水産業/農村開発 【現状と課題】 ・カメルーンの貧困ライン以下の人口割合は2001年の40.2%から2007年の39%までほぼ横ばいであり、その間の人口増を考慮すると貧 困者の総数は増加しているといえる。一方、貧困者の多くが地方に居住しており(2001年では85%が、2007年では89%が地方居住 者)、毎年約3%(2003-06)の経済成長が認められる中、悪化する農村部の貧困問題が大きな課題となっている。 ・当国政府は、地方の給水率を2001年の31.3%から2015年には75%に上げることを目標としているが、地方における給水状況は不十 分であり、安全かつ十分な給水システムの恩恵を受けているのは全人口の半分にも満たない。そのため水因性感染症による乳児死亡 率の上昇及び平均寿命の低下等を招き、村落の開発を妨げている。 【開発課題への日本の対応方針】 ・地方部における安全な水の供給及び水へのアクセス改善を始めとした基礎生活の向上に取組み、また、農村のポテンシャルを活 かした自立的および持続的なコミュニティ開発を支援し、コミュニティレベルでの貧困削減を図る。 実施期間 協力プログラム名 協力プログラム概要 安全な水へのアクセス改善等による生活 環境の改善を図るとともに、農村の社会 状況の改善を目的としたコミュニティ開 発を支援する。 農村開発 農村コミュニティ開 発プログラム プロジェクト名 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 5.3 UNDPアフリカンミレニアムビレッジ(AMV)活動 の一環 2012年8月まで リバンダ・コンゴ給水計画 草の根無償 0.05 2010年3月G/C署名 村落開発 関連研修 青年研修等 フォローアップ 村落開発/野菜 (10人) JOCV 【現状と課題】 ・農業はカメルーンの基幹産業であり、近年大都市圏を中心にコメの消費が急速に高まりつつあるが、多くは輸入に頼っており、作 物の多様化、食料安全保障の観点から国内コメ生産の振興が必要とされている。 ・カメルーンでは、乱獲によるエビなど重要な水産資源の減少により、多くの水産物を近隣国から輸入しており、漁業セクターの抱 える問題になっている。国外への依存度を抑え、また外貨の流出を防ぐためにも、漁獲収量の改善や養殖生産量の増加が重要な課題 となっている。 【開発課題への日本の対応方針】 ・稲作栽培技術の移転等を通じ、農作物の多様化による農民の生計の安定を図る。 ・零細漁民への支援や持続的な水資源の活用の推進により、水産業の振興を図る。 実施期間 協力プログラム名 協力プログラム概要 農業技術向上、及び零細漁業の持続的な 発展等のための取り組み等、農漁村の経 済多様化による成長の強化を図る。 農水産業振興 プロジェクト名 熱帯雨林地域陸稲振興プロジェクト 稲作発展にかかる技術開発支援 関連研修 農水産業振興プログラ ム 備考 (億円) 無償 コミュニティ参加を通じた村落環境整備計画 (UNDP連携コミュニティ開発無償) 農村女性能力向上 【開発課題】 スキーム スキーム 技プロ 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 備考 (億円) 3 陸稲品種選定技術、小規模水稲普及、アグリ ビジネスの実施と振興研修等 課題別研修他 極北州村落穀物倉庫整備計画 草の根無償 水産業の持続的発展にかかる能力向上 関連研修 青年研修他 マガ養殖・漁業管理センター製氷機設置計画 草の根無償 2011年5月開始(3年間) 0.09 2010年12月G/C署名 水産資源マネジメント 等 0.1 2009年12月G/C署名 【援助重点分野】 【開発課題】 環境保全 【現状と課題】 【開発課題への日本の対応方針】 ・コンゴ河流域はアマゾンに次ぐ世界第2位の熱帯雨林であり、森林資源を始め固有種を含む野生動植物の生息地として、また気候変 ・技術協力、機材供与などによりコンゴ河流域における森林資源の持続的な管理及び保全を図る。 動の観点から国際的にもその保全の重要性が注目されている。 ・熱帯雨林の保護と住民生活の両立を目指し、大学間の共同研究等による研究人材の育成を図り、持続的な環境保全を支援する。 ・多くの住民が森林資源に依存して生活しているが、過剰伐採など不適切な森林利用のため資源の減少が顕著であり、持続可能な活 用と生態系の保全が喫緊の課題となっている。 実施期間 協力プログラム名 協力プログラム概要 コンゴ河流域の熱帯雨林地域において、 地域住民の生計手段を確保しつつ、持続 可能な森林資源管理と保全を目指す。 自然環境の保全 熱帯雨林管理・保全プ ログラム プロジェクト名 スキーム 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 備考 (億円) コンゴ盆地持続的森林管理アドバイザー(COMIFAC) 個別専門家 2011年4月派遣。 コンゴ盆地森林生態系保全アドバイザー(COMIFAC) 個別専門家 2011年6月派遣。 森林保全 関連研修 コンゴ盆地周辺国森林保全研修、国家森林モニタリン グシステム整備のための人材育成 等 課題別研修他 森林保全計画 (環境プロジェクト無償) カメルーン熱帯雨林とその周辺地域における持続的生業戦略の確立と 自然資源管理:地球規模課題と地域住民ニーズとの結合 カメルーン火口湖ガス災害防止の総合対策と人材育成プロジェクト 無償 8 2010年3月E/N署名 科学技術 4 2010年3月R/D署名(5年間) 科学技術 4.2 2011年5月開始(5年間) 草の根無償 0.09 2009年7月G/C署名 その他 ヤウンデ市ゴミ収集及び女性職業訓練計画 【援助重点分野】 その他 実施期間 協力プログラム名 協力プログラム概要 地域・分野横断的課題や右重点分野に含 まれない課題に対応する案件 その他開発課題 プロジェクト名 ノン・プロジェクト無償 ヤウンデ市内消防車・救急車配置計画 その他のプログラム 母子手帳普及による保健システム強化プロジェクト スキーム 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 支援額 2014 年度 2015 年度 備考 (億円) ノンプロ 6 草の根無償 0.07 2010年3月E/N署名 2009年12月G/C署名 フォローアップ バカシ半島に於けるコミュニティ・ラジオ及びマルチメディアセンターの開 発 マルチ 放送 (1人) JOCV 22.6万ドル UNESCO人的資源開発日本信託基金 【凡例】 「協準」(=全ての協力準備調査)、「詳細設計」(=詳細設計)、「技プロ」(=技術協力プロジェクト)、「開発計画」(=開発計画調査型技術協力及び旧来の開発調査)、「個別専門家」、「個別機材」、「国別研修」、「課題別研修他」(=課題別研修及び青年研 修)、「JOCV」(=青年海外協力隊)、「SV」(=シニア海外ボランティア)、「第三国専門家」、「第三国研修」、「科学技術」(=科学技術協力(技プロ型及び個別専門家型))、「草の根技協」(=草の根技術協力)、「○○省技協」(=外務省・JICA以外の省庁及び独 立行政法人等が実施している技術協力)、「無償」(=以下に特記するサブスキームを除く全ての無償資金協力)、「ノンプロ」(=ノン・プロジェクト無償)、「草の根無償」(=草の根・人間の安全保障無償)、「日本NGO」(=日本NGO連携無償)、「一般文化」(=一般文化 無償)、「草の根文化」(=草の根文化無償)、「有償」(=円借款)、「マルチ」(=国際機関等を通じた多国間協力スキーム)、実線「―――」(=実施期間)、破線「- - - -」(=実施予定期間)
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