平成 18 年 12 月4日 各 位 宮 城県 仙台 市泉 区明 通三 丁目 5番 株 式 会 社 日 本 セ ラ テ ッ ク 代 表 取 締 役 社 長 武 井 明 (コード番号:5345 東証第一部) ただし上記は登記上の本店所在地であり、 実際の業務は下記の場所で行っております。 宮城県仙台市泉区明通三丁目 24 番地1 執 行 役 員 問 い 合 わせ先 井 狩 利 一 総 務 部 長 電 話 番 号 022( 378) 9231( 代 表 ) 新技術開発に関するお知らせ 株式会社日本セラテックは、東北大学大見研究室と共同で「超緻密・耐食性に優れるセラミック ス膜:UCコート」の開発に成功しました。 記 概要 株式会社日本セラテックは、東北大学大見研究室と共同でコーティング用超緻密セラミックス膜 「UCコート」の開発に成功しました。「UCコート」は高緻密で耐食性に優れるため半導体・ 液晶製造装置部材の寿命の大幅な向上と金属汚染の大幅な低減を可能としました。これにより半 導体・平板ディスプレイ製造装置の性能を飛躍的に向上させ、エレクトロニクス情報産業用の高 性能半導体の性能行き詰まりを打破することが期待されます。 1)背景 ・半導体の超高集積化に伴う微細化により、半導体製造装置業界はその装置に用いられる部材か ら発生する汚染を極限まで低減することが要求されています。このため、エッチング工程等で 使用される腐食性のガス・プラズマに対し、高い耐食性を持つ材料が求められてきています。 ・化学的に安定で元素の結合力が強いものほど耐食性は高くなるため、自然界に存在する酸化物 の中で最も強固な結合を有する物質の一つであるイットリア(以下 Y2O 3)セラミックスが、高 プラズマ耐食性材料として半導体製造装置用部材に用いられてきています。 ・しかし Y 2O3 セラミックスは非常に高価であること、急激な温度差で簡単に破壊してしまうなど の理由で、限定された用途にしか使用できないという欠点がありました。 ・このような観点から、必要な部分にだけ Y 2O3 をプラズマ溶射でコーティングする技術が実用化 されて、低コストで材料の飛躍的な高寿命化が可能となりました。しかし、これら従来の技術 では、膜が比較的厚いために透過性を必要とする部材には適用できませんでした。また、依然 としてコーティング膜中に極微細な穴(欠陥)が存在する場合もあり、Y 2O 3 の持つ優れた特性 が十分に生かされているとは言えませんでした。 2)成果 ・以上のような背景から、当社は東北大学未来科学技術共同研究センター大見忠弘教授(67)の指 導で、欠陥の無い耐食性に優れるセラミックス膜(UCコート:商標名)の開発を進めてきま した。 ・セラミックスは結晶粒子から構成されますが「UCコート」は、原料から製膜工程まで精密に 制御することにより、この粒子間の隙間(粒界)やナノ・メートル(1/1,000,000 ミリ)サイ ズの欠陥をほぼゼロにした Y 2O 3 セラミックス薄膜(300 ナノ・メートル)です。 ・「UCコート」は、高い透光性を有し、透明な材料に製膜しても基材の透明度を損なわず、さ らに半導体製造のエッチング工程等で用いられる透過性の高い腐食性ガス・プラズマも遮蔽す る事(高耐食性)が可能となりました。この結果、従来の技術では不可能であった Y 2O 3 セラミ ックス焼結体と同等の耐食性を有する保護膜となり、プラズマ環境下での耐食性が大幅に向上 しました。 ・また「UCコート」の製膜には、真空容器などの特殊設備を必要としないため大型製品に対応 しやすく、また湿式工程で製膜するので複雑な形状でも容易にコーティング出来るなど、高い 形状適応性を有しております。 ・さらに、従来技術では膜表面の凹凸が大きいため、コーティング後に表面加工を施さないとい けないという欠点がありましたが、UCコートは超平滑であり基材の表面精度を損なうことは ありません。 3)効果・今後の展開 ・今後は Y 2O3 以外の種々のタイプの開発を行なっていきます。また、石英、シリコン、セラミッ クス、金属、セラミックスと金属の複合材料など種々の基材に対象を拡大し、さらなる機能性 付与及び付加価値向上を図っていきます。 ・本「UCコート」の開発により、半導体・平板ディスプレイ製造装置用部材の性能、耐久性が 飛躍的に向上し、これからの時代の大本命であるエレクトロニクス情報産業用の高性能半導体 の性能行き詰まりを打破することが可能となります。 ・また 10 兆円産業に発展するとも言われる平板ディスプレイ産業においても製造技術の向上と 耐久性に寄与し、低価格ディスプレイの製造に貢献できると考えております。 ・本年 12 月より、半導体・平板ディスプレイ製造装置用部材市場などへのサンプル出荷を開始 し、数年後には溶射膜と併せ当社の中核事業のひとつとする所存です。 ・なお、この成果は本年 12 月6日~8日に開催される「SEMICON Japan 2006(幕張メッセ)」に 出展(ブース No.8C-601)を予定しております。 以 上
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