フロス制御による石炭灰の品質改善手法とテール灰の性状に関する基礎

フロス制御による石炭灰の品質改善手法とテール灰の性状に関する基礎的研究
研究目的
フロス制御による石炭灰中の未燃カーボンを除去するため、未燃カーボンの除去装置を開発し、その装置の性能を検証すると共に、石炭
灰中の未燃カーボン除去の最適条件を検討した。また、品質改善後の石炭灰の性状を分析し、品質改善後の石炭灰で作成したモルタルの
強度について実験を行った。
研究結果
14
12
10
8
6
10
8
6
6
4
4
2
2
2
0
a灰-1 a灰-2 a灰-3 a灰-4 a灰-5 a灰-6
0
a灰-8 a灰-9 b灰-1 b灰-2 b灰-3 b灰-4
図2
散気管による浮遊選鉱の強熱減量の変化
a灰-9 b灰-2 b灰-3 c灰-2 a灰-7 a灰-10b灰-1'b灰-3'
0
-1
テール灰
50
分析値(%)
1
60
40
30
20
-2
図4
10
粒子径(μm)
100
頻度差と粒子径の関係
0
SiO 2
Al 2O3
Fe 2O3
CaO
TiO 2
K2O
SO 3
SrO
P 2O5
MgO
ZrO 2
NiO
PdO
C
1
30
20
10
10
-3
0.1
S65-35
N65-35
65-65
40
圧縮強度(N/mm 2)
2
熱分析による迅速測定
50
原粉
b灰-1
b灰-4
a灰-8
図3
装置に違いによる強熱減量の変化
70
3
テール灰と原粉の頻度差(%)
8
4
0
電気炉による結果
熱分析による結果
12
強熱減量(%)
強熱減量(%)
強熱減量(%)
原粉
テール灰(実験Ⅱ)
テール灰(実験Ⅲ)
12
10
図1
14
14
原粉
テール灰
図 5 成分の比較
0
0
5
図6
10
15
20
材齢(日)
25
30
圧縮強度の経時変化
(1) 散気管を用いて石炭灰中の未燃カーボンを除去する実験では、回収したテール灰の強熱減量が減少する傾向が窺えず、この方法にて
浮遊選鉱を行う場合、未燃カーボンを除去しにくいことが明らかになった。
(2) マイクロバブル発生装置により浮遊選鉱を行った場合、マイクロバブルは一般的な気泡より小さく、気泡粒径分布のばらつきが小さ
いので、散気管を用いた時より優れた未燃カーボン除去効果が確認できた。
(3) 循環型マイクロバブル発生装置を使用すると、全ての石炭灰が強熱減量 5%以下に低減でき、開発した未燃カーボン除去装置の有効
性が検証できた。
(4) 今回の実験において圧縮強度が低下し始めるのは 60N/mm2 付近の中強度領域から強度停滞が認められ、近似曲線は顕著に折れ曲が
ることが明らかになった。
(5) フロス制御による浮遊選鉱法で未燃カーボンを除去した石炭灰(テール灰)と原粉の成分構成の違いはほとんどなく、テール灰を使
用したモルタルの強度性状は、未燃カーボンを除去せずに使用できる石炭灰と同様の性状を示した。