感染性腸炎について 米の山病院小児科部長 田島 重吉 感染性腸炎とは、ウイルス(ロタウイルス・アデノウイルス・ノロウイ ルスなど)や病原性大腸菌(サルモネラ・O157 など) 、赤痢などの細菌が 原因となって胃や腸が炎症をおこす病気です。頻度はウイルス性のものが 多く、細菌性では粘血便を伴うことが多いです。 病原体によって症状は違いますが、突然吐き始めて、続いて水のような 下痢が頻回に現れ、高熱が出ることもあります。順調にいけば、数日から 1週間で回復します。 家庭での対応については以下のことに気をつけてください。 1.吐いた時の対応 *吐いた時は、水分を欲しがっても1∼2 時間は何も与えないで様子をみましょう。 *牛乳・ヨーグルトなどの乳製品は吐きやすいので、与えないようにしましょう。 *吐き気がおさまったら、お茶・さ湯をコップに 4 分の1入れ、少量ずつ飲ませて様子を見て下 さい。コップ半分以上を一度に与えると吐きやすいので注意して下さい。 2.脱水を起こさないようにするために 消化の良いものを与え、水分・適当な塩分・糖分を補給することが大切です。 ① 消化の良いもの *おかゆ(薄塩味にすると塩分・水分の補給になります) *野菜スープの汁、麩(ふ) 、うどん・そうめんの煮込み、白身の魚の煮付け 味噌汁の汁、豆腐、野菜のうらごし、つぶしジャガイモ *りんごの汁 ② 吐いたり、下痢しやすいので、与えてはいけないもの *牛乳、ヨーグルト、ヤクルト、プリン、ジュース、お菓子、冷たいもの *みかん、いちご、バナナ、柿、梨、りんご *油もの、肉類、繊維性の野菜(にんじん・たまねぎ・青物野菜) 3.水分補給について 脱水の時には、水分だけでなく、電解質(塩分・カリウム)も失われますので、お茶・さ湯だ けでは不十分です。以下のものを飲ませながら、あいだでお茶・さ湯を欲しがるだけ与えてく ださい。 ① 野菜スープの汁・うどんの汁・すまし汁のようなスープ ② 手作りのジュース さ湯:1000cc 塩:1∼1.5g(2つまみ) 砂糖 20∼30g(4 本指のスコップ 1 杯) オレンジ・レモンのしぼり汁 ③ ソリタ水 ソリタ顆粒 1 包を 100ccのさ湯にとかして飲ませます。 ④ 薬局で買えるアクアライトやOS1も利用してください。 4.以下の時には早めに受診してください。 *激しい嘔吐を繰り返し元気なく、ぐったりしてきた場合 *唇が乾いて、おしっこが少ない場合
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