資料第14-2号 BSS免除レベル取り入れについての欧州調査 出 張 期 間: 2003年5月19日(月)∼28日(水) 訪 ドイツ連邦環境・自然保全 ・原子力安全省(ボン) 問 先: フランス原子力安全・放射線防護局(パリ) イギリス保健安全執行部(HSE)(ロンドン) 欧州委員会エネルギー局放射線防護ユニット(ルクセンブルグ) 出 張 者: 米原英典、斉藤卓也( 放射線規制室) 森本靖之(原子力規制室) 調査の目的 IAEAのとりまとめた国際基本安全基準(BSS)で規定された免除レベルについ て、現在多くの国で法令への取り入れが行われている。わが国においても、放射線 審議会による技術的検討、放射線安全規制検討会による法令取り入れのための具体 的事項の検討を踏まえ、放射線障害防止法の改正を時期 通常国会で行う予定である 。 また、自 然起源の放射性物質(NORM)については、現在基本部会で、BSS免除レ ベル導入との整合性を考慮 した規制のあり方について 検討が行われている。 今後、法令改正の検討を本格的に行うにあたり、改正項目の詳細の検討や今後の 国会、関 係機関への説明のため に必要な情報について、欧州主要各国および欧州 委 員会における本件担当部局を訪 問し、最新の状況を調査した。 調査内容(免除レベル)の概要 各国の概況については、別表1を参照 (1)ドイ ツ ○規制当局 ・輸送を除いて、すべて連邦環 境・自然保全・原子力安全省(BMU)が規制してい る。 ・型式承認については、メーカーが連邦物理技術研究所に申請し、放射線防護庁 が官報で告示する。 1 ○人工放射線源 ・2001年8月に法令改正した。 (医療は1年後) ・免除レベルの値は、トリチウム、C-14について環境省では厳しい値を考えた が、 連邦の参議院で却下され、すべてEU指令書Annex I Table(IAEA BSSと同じ値) と同じ値を導入した。 ・ 医 薬 品 の 利 用 に つ い て は 、 BSSの シ ナ リ オ よ り 厳 し い 条 件 が 想 定 さ れ る た め 、 例外であり厳しい値を用いている。 ・現在のところ、導入後の 規制について特段の問題点 は生じていない。 (2)フ ランス ○規制当局 ・2002年2月の行政改革により、原子力安全と 放射線防護を一元的に担当する部 局が設置された。 ・人工放射線源および濃縮されている核燃料物質は国の機関である原子力安全・ 放射線防護局が規制し ているが、それ以外の NORMは基本的に地方政府が規制 している。 ○人工放射線源 ・2002年に法令改正を行った。 ・すべての放射線機器について、従 来どおり承認が必要である。 ・使用者からは簡単な届出のみであり、許可や届出など規制のクラス分けは行っ ていない。 ・使用許可は5年ごとの更新制。 ・複数の免除レベル以下の線源で、免除レベルを超えた線源については規制しな い。 (3)イギリス ○規制当局 ・放射性物質の放出につい ての規制は、環境庁(イングランド 、ウ ェー ルズ )、 スコットランド環境防護庁 (スコットランド)、環境 汚染および放射化学物 質管理局(北アイルランド )が行い、使用・保管・輸 送については、環境輸 送地方省(DETR)が、職業被ばくの規制は、保健安全安全行政部(HSE)が行って いる。 2 ○人工放射線源 ・1999年に法改正を行っている 。免除レベルは、EU指令書Annex I Tableに加え て、その他の核種について算出 した値を導入している。 (4)その他の欧州諸国(欧州委員会) ○人工放射線源 ・EU指令書の取り入れについては、昨年11月の時点で、ポルトガル、フィンラ ンドを除いて、すべての国 で、すでに取り入れられて いる。フィンランドは すでに取り入れの方針 は確定している。 ・免除レベルについては、デンマークを除いてすべての国が、EU指令書Annex I Tableの値を導入している。デンマークはNORMについては、RP-122の値を導 入したが、人工放射線源については 、免除しないとしている。 ・加盟国の免除レベルの取り入れ状況について調査を行ったが、その結果報告書 は9月ごろ発行される予定。 3
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