同種培養真皮と 6 倍自家分層メッシュ植皮を 併用した壊死性筋膜炎の 1 例

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日皮会誌:114(6)
,
1131―1137,
2004(平16)
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併用した壊死性筋膜炎の 1 例
同種培養真皮と 6 倍自家分層メッシュ植皮を
上田 武滋1)
久保健太郎3)
要
伊藤
黒柳
旨
理2)
能光3)
柏
尚裕2)
ている.この CDS は線維芽細胞をヒアルロン酸とアテ
ロコラーゲンからなる 2 層構造のスポンジに組み込ん
壊死性筋膜炎により生じた皮膚欠損に対して 6 倍自
だもので,北里大学医療衛生学部人工皮膚研究開発セ
家メッシュ植皮術を施行し,その生着と上皮化を促す
ンターで製造され,安全性を確認された後,冷凍宅配
目的で同種培養真皮を貼付し,良好に上皮化した症例
便で各施設に供給されている4).
を経験したので報告する.症例は 88 歳の女性,慢性関
当科では深達性重症熱傷など広範囲の皮膚欠損に対
節リウマチのためステロイド内服中であった.突然の
して,高倍率の自家メッシュ植皮を施行し,その被覆
激しい腰痛と壊死性局面及びショック症状より壊死性
保護として CDS を適用し,植皮片の生着と上皮化の促
筋膜炎と診断し,緊急デブリードマンを実施後,呼吸,
進効果を確認している9).今回,88 歳の女性の壊死性
循環の管理と併行して抗生剤の投与及び局所洗浄等
筋膜炎による広範囲皮膚欠損に対して,デブリードマ
行った.約 2 カ月後,左側腹から腰殿部におよぶ広範
ン後,6 倍自家メッシュ植皮と CDS を併用して治療
囲の皮膚欠損となった.その一部に 6 倍自家メッシュ
し,良好な上皮化が得られたので報告する.
植皮し,同種培養真皮を貼付した.40 日目でほぼ上皮
化が終了した.高齢で低栄養状態にも関わらず,植皮
症
例
の生着,肉芽形成,上皮化が促進されたのは,同種培
患 者:88 歳,女性.
養真皮の基材による創傷治癒促進効果と線維芽細胞か
初 診:平成 13 年 9 月 22 日.
ら持続的に放出されるサイトカイン等によるものと考
既往歴:50 年前虫垂炎.40 年前肋膜炎.23 年前左膝
えられる.
蓋骨髄炎.20 年前より慢性関節リウマチの加療中.
はじめに
現病歴:慢性関節リウマチのため,平成 13 年 2 月よ
りステロイド(プレドニゾロン 10mg!
day)内服してい
近年,再生医療が新しい医療として注目を集めるよ
た.CRP 高値となったため,8 月 24 日よりステロイド
うになり,様々な研究が行われている.皮膚科領域で
がプレドニゾロン 20mg!
day に増量された.9 月 20
は,細胞組織工学を応用した培養皮膚等の開発に関す
日激しい腰痛を主訴に近医に入院.WBC 7,600!
mm3,
1)
2)
る研究があり
3)
,黒柳ら はアテロコラーゲンのスポ
CRP 24.9 mg!
dl と炎症所見を認め,脊椎カリエスの疑
ンジに線維芽細胞を組み込んだ同種培養真皮(alloge-
いで生検をうけた.9 月 22 日には WBC 18,700!
mm3
neic cultured dermal substitutes 以 下 CDS と 略 す)
と上昇し,血圧の低下と腰臀部の紅斑が認められ,毒
を開発し,145 症例の臨床研究を報告している.この臨
素性ショック症候群を疑われ当院 ICU へ転入院した.
床結果を基盤としてさらに改良を加えた CDS を開発
4)
∼8)
し
初診時現症:初診時,腰臀部の約 30×20cm の範囲
,厚生科学再生医療ミレニアムプロジェクトの
に表面に水疱を伴う暗紫紅色局面を呈していた(図
一環として全国 30 施設で CDS の臨床研究が展開され
1)
.他に左側腹,右前腕にも紫斑および壊死を認めた
が,びまん性の紅斑は認めなかった.意識はやや不明
1)
尾道市立市民病院皮膚科
2)
香川県立中央病院形成外科
3)
北里大学医療衛生学部人工皮膚研究開発センター
平成15 年 4 月30 日受付,平成16 年 2 月20 日掲載決定
別 刷 請 求 先:(〒822―8503)尾 道 市 新 高 山 3 丁 目
1170―177 尾道市立市民病院皮膚科 上田 武滋
瞭で全身状態は悪く,血圧は低下し敗血症性ショック
の状態と考えられた.
入院時の主な検査所見:
総蛋白 3.8g!
dl,尿素窒素 65.5mg!
dl,クレアチニン
1.8mg!
dl,AST 34IU!
l ,ALT 28IU!
l, グルコース
1132
上田
武滋ほか
図1 初診時患部:側腹から腰臀部にか
けて広範囲に水疱形成した暗紫紅色局面
図 3 植皮(2 回目のデブリードマン)直
前:靱帯の露出した 39cm×28cm の皮
膚欠損
図4
6 倍メッシュ植皮
壊死性筋膜炎への CDS の適用
1133
図5
同種培養真皮適用
図 6 同 種 培 養 真 皮 適 用 14 日 目:メ ッ
シュ植皮の生着とメッシュ間の上皮化
傾向を認める
図 7 同種培養真皮適用 40 日目:一部を
除きメッシュ間のほとんどが上皮化
1134
上田
図2
245mg!dl,CRP 34.2mg!dl,CK 401IU!l ,Na 128.3
mEq!
l ,K 5.2mEq!
l ,Cl 97.1mEq!
l.
武滋ほか
治療経過表
所的には消毒,洗浄,皮膚潰瘍治療剤の外用などの保
存的治療を行った(図 2).一時,感染壊死は拡大した
RBC 315 × 104 !mm3 , Hb 10.0 g !dl , Ht 28.7% ,
が,全身状態の改善とともに,局所の感染は徐々に軽
MCV 91.1fl,MCH 31.8pg,MCHC 34.9,血 小 板 6.0
快し,肉芽も形成してきたため(図 3)
,12 月 5 日再度
×104!
mm3,WBC 17,000!
mm3.
デブリードマンを施行した.左側腹から腰部,臀部,
一般細菌検査:創部より S. aureus が検出された.感
背部にかけて 39cm×28cm の皮膚欠損となり,正中部
受性検査ではペニシリン系には抵抗性であったが,セ
では靱帯が露出した.背部より電動デルマトームで
フェム系,カルバペネム系,アミノ配糖体等には感受
1,000 分の 10 インチの厚さで採皮し,正中より左側の
性を有していた.
約 27cm×13cm の部に 6 倍(連結部は 6 倍以上)自家
病理組織学的所見(腰部壊死部分)
:
メッシュ植皮を施行し,その他の部分は 3 倍メッシュ
表皮は萎縮し,無数の表皮下水疱を形成し,真皮深
植皮を施行した(図 4)
.その上に CDS を貼付し(図
層から皮下(筋層も含む)にかけて血栓形成,好中球
5)
,さらにその上に硫酸フラジオマイシンガーゼをお
性血管炎,膠原線維や筋線維の変性,壊死を認め,グ
き,ガーゼをあてて固定した.術後,全身状態の悪化
ラム陽性球菌が多数存在した.以上より壊死性筋膜炎
により体位変換が難しく,7 日目に第 1 回目の CDS
と診断した.
の交換を行った.創部の感染は無く,メッシュ植皮は
治療及び経過:9 月 22 日入院後直ちに,全身麻酔下
ほぼ生着していた.その後は 6∼7 日目毎に交換し,
にて緊急デブリードマンを施行した.壊死部は脂肪層
CDS の上に硫酸フラジオマイシンガーゼをおき,その
よりも深く,深筋膜を越えて筋層に達していた.周囲
上にガーゼをあてて固定した.正中部の靱帯露出部は
へは筋膜のレベルで拡大していた.可及的に壊死組織
3 倍および 6 倍自家メッシュ植皮の上に CDS を貼付
を除去した後に開放創とした.術後,ICU にて全身管
して同様に固定した.術後 14 日目に第 2 回目の交換を
理を行うも,血圧低下,鬱血性心不全,胸水貯留等で
行った.6 倍自家メッシュ植皮を被覆した部分は,メッ
一進一退であった.抗生剤の全身投与を行いつつ,局
シュ間への上皮化が進んでいた.幅の狭い 3 倍自家
壊死性筋膜炎への CDS の適用
1135
メッシュ植皮部はほぼ上皮化が完了した(図 6).術後
真皮はマトリックスを使用し真皮を形成する点で似て
21 日目に第 3 回目の交換を行った.6 倍自家メッシュ
いるが,人工真皮はマトリックスの骨格を長期間残存
植皮部もメッシュ間の上皮化が完了した部分も認め
させ,その中に線維芽細胞と毛細血管を侵入させて真
た.その後 28,
34,
40 日目に CDS を交換したが,創部
皮様組織を形成させるように設計されている16).しか
の感染もなく靱帯露出部も順調に上皮化が進み,術後
し,難治性皮膚潰瘍の場合,創面から線維芽細胞と毛
40 日目では大部分が上皮化し,上皮化していない部分
細血管が積極的にマトリックスに侵入して真皮様組織
も良好な肉芽形成を認めた(図 7).一部褥瘡で悪化し
を形成することを期待するのは難しい.これに対して,
た部もあったが,術後 2 カ月で創部全体の上皮化がほ
CDS はマトリックス自身が創面で 1 週間以内に分解
ぼ完了した.なお経過中にびまん性の紅斑や手足の膜
されるように分子間架橋を調節してある.これにより
様落屑を認めなかった.
ヒアルロン酸とコラーゲンが分子レベルとなって創傷
全身的には心不全,呼吸不全のため,呼吸循環の管
治癒を促進するように設計されている.ヒアルロン酸
理が必要な状態が残ったが,軽度の褥瘡の管理のみと
分子は細胞の移動を促進する作用をもっており17),コ
なったので,平成 14 年 2 月 20 日紹介元に転院した.
ラーゲン分子は線維芽細胞に対して走化性因子として
考
作用する18).
察
創傷治癒因子を供給する点では CDS は bFGF 製剤
線維芽細胞はコラーゲンやフィブロネクチンなどの
に近い.しかし bFGF 製剤は単一のサイトカイン製剤
創傷治癒に必要な細胞外マトリックスを産生する他
であり,スプレー式で投与する方法のため創面に有効
に,VEGF や IL-6 等種々のサイトカインを産生放出
濃度の bFGF を保持するためには連日の投与を必要
し,表皮細胞との間にサイトカインを介して相互の細
とする.これに対して,CDS は,分子間架橋が外れて
胞増殖を促すネットワークを形成するなど創傷治癒に
ゲル状となったマトリックス内に線維芽細胞が残留し
重要な役割を果たすことが知られている10)∼12).この
て VEGF,bFGF,PDGF,KGF,TGF-β,IL-6,IL-8
ため培養線維芽細胞を使用した CDS は通常の治療法
などの複数のサイトカインを産生放出するように設計
では治療の困難な皮膚欠損創に対して創傷治癒促進効
されている13).この他に創傷治癒促進に不可欠なフィ
果が期待できる.今回使用した CDS は,発酵法で製造
ブロネクチンなどの細胞外マトリックスも産生される
されたヒアルロン酸と牛皮由来のコラーゲンを酵素処
ように設計されている6).
理して得られるアテロコラーゲンより作成された 2 層
壊死性筋膜炎は浅筋膜を主病変とする皮膚軟部組織
構造のマトリックスのコラーゲン表面に同種培養線維
感染症で,急激に発症し発熱,全身倦怠感などの全身
芽細胞を播種して培養する方法で,北里大学人工皮膚
症状が認められる.皮膚病変は激しい疼痛を伴う浸潤
4)
研究開発センターにおいて製造された .この CDS の
性紅斑で始まり水疱,紫斑形成後,びらん,壊死とな
線維芽細 胞 か ら は,VEGF,bFGF,PDGF,KGF,
る.血液検査では左方移動を伴う白血球の増加,CRP
13)
TGF-β,IL-6,IL-8 が放出される .この他フィブロ
の著明な上昇などを認める.治療としては発症から手
ネクチンも産生される6).また,ヒアルロン酸とコラー
術までに長時間を要した症例は死亡率が高くなるの
ゲンからなるマトリックス自体も創傷治癒促進効果を
で19),診断後できるだけ早くデブリードマンを施行
もっている5).このため深達性熱傷や難治性皮膚潰瘍
し,全身管理のうえで大量の抗菌剤の投与を行うこと
に 対 し て,肉 芽 形 成 お よ び 上 皮 化 促 進 効 果 が あ
が必要である20).創閉鎖については,デブリードマン
14)
15)
る
.また,創管理に十分な注意を払えば,血管新生
15)
後も進行が止まらず繰り返しデブリードマンを必要と
による感染の抑制効果も期待できる .自験例のよう
する症例も多いので,感染が消退し,良好な肉芽がで
に創傷治癒因子の少なくなった高齢者や低栄養状態の
てきた時点で植皮術等によ り 修 復 さ れ る こ と が 多
患者に対しても良い適応となり,包交が困難な場合で
い21).
も 1 週間位は貼付したままで効果が十分に発揮され
る.
自験例の場合は,発症から 2 日以上経過していたた
め,局所的には壊死は筋層に及んでおり,全身的には
現在,難治性皮膚潰瘍に対して国内で市販されてい
敗血症性ショックを呈していた.そのため,緊急デブ
るものに人工真皮と線維芽細胞増殖因子をスプレーで
リードマンを施行し,開放創として手術を終了した.
局所投与する製剤(bFGF 製剤)がある.CDS と人工
術後も全身状態が悪く,感染及び壊死が拡大したが,
1136
上田
武滋ほか
徐々に感染が軽快したので再度デブリードマン施行
3 週目で上皮化したが,全体の上皮化の完了はメッ
し,皮膚欠損部にはメッシュ植皮術を施行した.壊死
シュ植皮間が広いため,3 倍メッシュ植皮部の上皮化
性筋膜炎による皮膚欠損に対して大原は 1.5 倍メッ
の完了より約 3 週遅れた.靱帯露出部では血流が少な
21)
シュ植皮を推奨している が,熱傷など広範囲の皮膚
く,メッシュ植皮が脱落してもやむを得ないと思って
欠損では通常は 3 倍メッシュ植皮とすることが多い.
いたが,組織からの滲出液が同種培養真皮の線維芽細
6 倍メッシュとした場合は著者らの経験では植皮の生
胞の生物活性を維持し,その間に持続的に放出される
着不良を起こしたり,肉芽の中に植皮が埋没したりす
細胞外マトリックスや種々のサイトカインが肉芽形
るなど術後経過が良くないことも少なくない.自験例
成,血管新生を促して植皮片を生着させ上皮化を促進
の場合,体位の関係で採皮部が限られることや,術後
させたものと考えられる.その結果,88 歳という高齢
の全身状態の悪化もしくは再感染で植皮が生着せず,
で低栄養状態やステロイド投与による細胞増殖抑制な
脱落する可能性もあった.さらに正中部の靱帯露出部
ど創傷治癒には極めて不利な状態でしかも全身状態が
には生着しない可能性が高いと思われた.したがって,
悪く,連日の包交に耐えられないにも関わらず順調に
少しでも採皮面積を小さくするために,皮膚欠損の約
上皮化が終了した.
半分の 27cm×13cm の範囲に上皮化促進効果,感染防
これまで同種培養真皮を臨床応用した報告例はある
止効果,ドレナージ効果を期待して 6 倍自家メッシュ
14)
15)
が
植皮と同種培養真皮の併用を適用した.残りの部分は
り,6 倍メッシュ植皮の被覆保護として適用した報告
3 倍メッシュをやや幅を狭くして植皮術を施行した.
例は本研究のみである.高倍率自家メッシュ植皮と同
術後 7 日目に第 1 回目の同種培養真皮の交換を行っ
種培養真皮の併用は表皮細胞と線維芽細胞の形成する
た.6 倍メッシュ植皮と同種培養真皮の併用した部は
サイトカインネットワークが有効に働き,メッシュの
ほぼ生着していた.術後 14 日目に第 2 回目の交換を
生着と早期上皮化を図る目的に合致し,植皮片を創面
行った.メッシュ間の上皮化が始まっており,その後
と同種培養真皮でサンドイッチの様に覆い創傷治癒を
も順調に上皮化が進んでいった.このことはメッシュ
促進させるという新しい発想である.さらに採皮面積
間に良好な肉芽が形成されることで生着が強固とな
も少なくできるので,高齢で全身状態が悪く,低栄養
り,従来のように不良肉芽に巻き込まれ脱落すること
状態の症例の広範囲の皮膚欠損を早期に閉鎖する方法
もなく,順調に上皮化が進んでいったと考えられる.
としては,極めて有効な治療法の一つになるものと考
6 倍メッシュ植皮部の上皮化は良好で早いところでは
えられる.
文
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8)Kubo K, Kuroyanagi Y : Development of cultured
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hyaluronic acid and atelo-collagen combined with
fibroblasts ; Cryopreservation , Artif Organs , in
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9)Kashiwa N, Ito O, Ueda T, Kubo K, Matsui H ,
Kuroyanagi Y : Treatment of full-thickness skin
defect with concomitant grafting of 6-fold extended mesh auto-skin and allogeneic cultured
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壊死性筋膜炎への CDS の適用
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,克誠堂出版,
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11)小野一郎:創傷治癒におけるサイトカインの役割
とその臨床応用の可能性,形成外科,41 : 909―916,
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12)金子史男:皮膚細胞の増殖と炎症,皮膚病診療,
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1137
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derivatives(Hyaff)implanted in rats, Biomater, 14 :
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床,41 : 985―990, 1999.
21)大 原 國 章:壊 死 性 筋 膜 炎,皮 膚 科 の 臨 床,34 :
1243―1248, 1992.
Treatment of Necrotizing Fasciitis with Concomitant Grafting of Six-fold
Extended Mesh Auto-skin and Allogeneic Cultured Dermal Substitute
Takeshige Ueda1), Osamu Ito2), Naohiro Kashiwa2), Kentaro Kubo3)and Yoshimitsu Kuroyanagi3)
1)
Department of Dermatology, Onomichi Municipal Hospital, Onomichi
Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Kagawa Prefectural Central Hospital, Takamatsu
3)
R and D Center for Artificial Skin, School of Allied Health Sciences, Kitasato University, Sagamihara
2)
(Received April 30, 2003 ; accepted for publication February 20, 2004)
The aim of this clinical study was to evaluate an allogeneic cultured dermal substitute(CDS)as a biological dressing for highly extended mesh auto-skin grafting. Allogeneic CDS was prepared by seeding fibroblasts
onto a spongy matrix of hyaluronic acid and atelo-collagen. The patient was an 88-year-old female suffering
from necrotizing fasciitis on the back lumbar region(size 39×28 cm).Necrocectomy was first performed up
to the fat layer, and 6-fold extended mesh auto-skin fragments were grafted onto the debrided wound(size 27
×13 cm)
, followed by application of allogeneic CDS. A conventional ointment-gauze dressing was used to protect the CDS. The CDS was applied repeatedly at intervals of 5 to 7 days. Take and epithelization of the
grafted skin were good on day 28 after grafting. The cicatrices were thin and soft, indicating good condition.
The application of 6-fold extended auto-skin graft in conjunction with allogeneic CDS appears to be an effective method for treatment of extensive full-thickness skin defects.
(Jpn J Dermatol 114 : 1131∼1137, 2004)
Key words : necrotizing fasciitis, 6-fold extended auto-skin graft, allogeneic cultured dermal substitutes, fibroblast, cytokine