米国環境情報 - 日本産業機械工業会

情 報 報 告
シカゴ
●米国環境情報
世界の二酸化炭素排出量、2011 年に史上最高
化石燃料の燃焼によって排出される世界の二酸化炭素量が、2011 年に前年比で 3.2%増加
し、316 億トンという史上最高値を記録したことが、国際エネルギー局(IEA)から 5 月 24
日に報告された。エネルギー関係の CO2 排出量の内訳は、石炭が 45%、石油は 35%、天然
ガスが 20%である。2011 年には、非 OECD(経済協力開発機構)国からの排出量が 6.1%増
加した反面、OECD 諸国における排出量は 0.6%減尐した。とりわけ中国は、主に石炭の消
費増加により前年比 9.3%増の 7 億 2,000 万トン増加し、
またインドは、
同 8.7%増の 1 億 4,000
万トン増加したことでロシアを抜いて、中国、米国、EU(欧州連合)に次ぐ世界第 4 の排
出国となった。米国の排出量は前年比で 1.7%減尐したが、これは発電所の燃料が石炭から天
然ガスへ転換したことと記録的な暖冬が主な要因と考えられる。EU の排出量は、不況によ
る工業生産の減尐および暖冬の影響により前年比で 1.9%減尐した。また日本は、原子力発電
所の事故後に化石燃料の利用が大幅に増加したことから同 2.4%増加した。
世界の炭素クレジット市場、2011 年に 1,760 億ドルに達する
世界の炭素クレジット市場は 2011 年に前年比で 11%増加して 1,760 億ドルに達し、取引
量は 17%増の二酸化炭素 103 億トン相当にまで成長したことが、ワシントン DC に本部を持
つ世界銀行から 5 月 30 日に報告された。『炭素市場の状況と動向(State and Trends of the
Carbon Market)2012 年』によると、この成長の背景には、経済混乱や EU 排出量取引制
度(ETS)での長期的な過剰供給、および炭素価格の急落がある。炭素市場の最大部分を占
めるのは EU のアロウワンスで、昨年の取引高は 1,480 億ドルであった。ポスト京都議定書
オフセットは、認証排出削減量(CER)市場と排出削減単位(ERU)市場で流動性が増加し、
昨年は前年比 43%増加して二酸化炭素 18 億トン相当が取引された。取引量は増加したもの
の、炭素クレジット価格は 2011 年の後半には 1 トン当たり$10 以下にまで落ち込み、温暖
化ガス排出量削減を促すには安すぎるという懸念も生まれている。
DOE、北米の炭素回収貯留が可能な地層と量をマップ化
DOE は、カナダの天然資源省、およびメキシコのエネルギー省と協力して、北米で二酸
化炭素の貯留が可能な地層とその潜在貯留量を示す地図を初めて作成し 5 月 1 日に公開した。
『北米炭素貯留地図(North American Carbon Storage Atlas:NACSA)』によると、北米
には 500 年分以上の CO2 排出量を貯留できる地層があり、工業的な排出源や発電所からの
炭素を貯留するのに利用可能だという。この地図では、北米の油田、ガス田、炭田、塩湖に
対する貯留可能量に加えて、およそ 2,250 ヶ所の大型定置排出源の所在地も特定しており、
潜在的な炭素回収活用貯留(CCS)プロジェクトによる恩恵と機会を評価するのにも役立つ。
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今回、控えめに推定した潜在貯留量の内訳は、油田とガス田からの排出量 1,360 億トン、炭
田から 650 億トン、塩湖から 1 兆 7,380 億トンで、合わせて 500 年分以上の排出量に相当す
る。
マイクロソフト社、カーボンニュートラルへ向けて自己課税方式
世界最大のソフトウェア企業で世界 100 ヶ国以上に施設を持つマイクロソフト社は、カー
ボンニュートラルへの取り組みとして、社内の排出量に自己課税するという画期的な方式を
採用することを 5 月 8 日に発表した。同社は、現在 1 年間で 150~200 万トンの炭素を排出
しており、本社では水素電気自動車や太陽光エネルギーを利用しているものの、他の地域で
は石炭や天然ガスによる電力を使用し、業務上の省エネや出張の引き締めに関しても意識が
統一されていない。今後は、マイクロソフト社が活動するそれぞれの国や部門ごとに排出コ
ストに対して責任を持つよう、7 月 1 日から出張や日常業務に使われる炭素量を計算してカ
ーボンフィーを課すという。集められた基金は、再生可能エネルギークレジットを購入し、
カーボンニュートラルを実現するために使われる。
G8 首脳会議、化石燃料への補助金を段階的に廃止することで合意
世界の最先進国 G8 の首脳が、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料への補助金を段階
的に廃止していく方針で 5 月 19 日に合意した。オバマ大統領のほか、カナダ、フランス、
ドイツ、イタリア、日本、ロシア、イギリス、EU の各代表がキャンプ・デービッドに集ま
り、無駄の多い消費を促す中期的で非効率的な化石燃料への助成金を合理化し、段階的に廃
止していく努力を強く支持することを宣言した。また一方で、辺境地における石油開発や、
深海掘削や水圧破砕テクノロジーを利用する環境的リスクのある石油開発も、最良実例を通
してリスクを抑え環境への懸念を考慮しつつ行う場合、支持していく事を宣言した。
中国の太陽光パネル企業に、ダンピング防止関税の仮決定
米国の商務省は 5 月 17 日、中国の太陽光パネルメーカーや輸出者が中国政府の不適切な
補助金によって恩恵を受け、その製品を米国市場で不当廉売してきたという米国企業からの
訴えを認める仮決定を行った。商務省は 10 月上旬に最終決定を下す予定であり、国際貿易
委員会も不当廉売による国内産業への影響を認めた場合には、中国の太陽光パネル企業に対
して懲罰的なダンピング防止関税
(AD)が課されることになる。
今回の商務省の調査により、
サンテック・パワー社やトリナ・ソーラー社といった中国の大手太陽光パネル企業へのダン
ピング防止関税率は約 31%になると考えられる。中国企業は売上の 60%以上を輸出に頼って
おり、中国官営の銀行から巨額の融資を受けて、ヨーロッパと米国政府の奨励金で支援され
た市場に製品を不当廉売していると批判を受けていた。ヨーロッパ市場の補助金廃止や過剰
供給、相殺関税の引当金によって、中国企業の第 1 四半期の利益は急激に落ちており、原料
供給者と仕入れ値の再交渉や工員のレイオフを行うところもある。
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中国の風力発電タワーに、相殺関税の仮決定
米国の商務省は 5 月 30 日、太陽光パネルにつづき、中国の風力発電タワーが中国政府か
ら生産コストの 14~26%に相当する補助金を受けていることを認め、中国の風力タワーメー
カーや輸出業者に同率の相殺関税(CVD)の引当てを求める仮決定を発表した。この鋼鉄風
力タワーは、現地組み立て式で地上 100m 以上にまで伸びて巨大な羽根やタービンを支える
ものであり、1 本が約 60 万ドルと高額である。商務省は 8 月中に最終決定を下すことにして
おり、かつ国際貿易委員会によって国内産業への影響が認められた場合には、中国の風力発
電パワー企業に対して相殺関税が課されることになる。中国はこういった一連の動きに対し
て反発を強めており、米中間の貿易緊張を危惧する専門家もいる。
内務省、米国初の沖合い風力発電の海底送電線プロジェクトで前進
内務省と海洋エネルギー管理局(BOEM)は 5 月 14 日、大西洋中部沖合い風力発電の送
電線プロジェクト案への応募にアトランティック・グリッド(Atlantic Grid)社 1 社のみで
競合者がないため、次段階の環境調査へ進むことを発表した。この送電線は、デラウェア、
メリーランド、ニュージャージー、ニューヨーク、ヴァージニアの沖合いに建設予定の
7,000MW 風力発電施設からの電力を、海底の高圧直流送電システムを通して本土のグリッ
ドに送電するものである。米国で初めての沖合い送電線となり、全体で長さ 790 マイルに達
する。送電線の建設は、沖合い風力発電施設が操業開始する時期に合わせて段階的に行われ
る。敷設権は幅 200 フィートで長さは約 790 マイルになると予想され、建設の完成には約
10 年かかると考えられている。
連邦税額控除の打ち切り前に、大規模風力発電プロジェクト 2 件が中止
クリーンエネルギーへの連邦政府の生産税額控除(PTC)の期限が 2012 年末に迫るなか
で、風力発電開発業者のイベルドロラ・リニューアブルズ(Iberdrola Renewables)社は、
ペンシルバニア州内に計画していた大規模風力発電プロジェクト 2 件を廃止することを 5 月
14 日に発表した。同社によると、連邦の生産税額控除が消滅する以上、計画していた 24 タ
ービンと 40 タービンの風力発電所は建設できず、2012 年は先行き不透明な政策のなかで既
存の風力発電所の運営に焦点を絞っていくという。再生可能エネルギーの生産税額控除は
1kWh につき 1.8 ㌣で、当初は 1999 年に廃止される予定だったものが数回にわたり延長さ
れて現在に至っている。米国風力協会によると、2012 年第 1 四半期には前年同期比 50%増
の 1,695MW もの 788 タービンが 17 州で新設されたという。
DOE 長官、議会にクリーンエネルギー税額控除の延長を求める
DOE のスティーブン・チュー長官は 5 月 22 日、デュポン社のオハイオ州サークルビル太
陽光部品工場の拡張を祝い、議会に対して期限切れの迫るクリーンエネルギー税額控除の成
果を説いて延長を求めた。デュポン社の太陽光部品工場は、連邦のクリーンエネルギー税額
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控除 5,000 万ドルを受けて拡張され、太陽光モジュールの性能と耐久性を強化する薄型フィ
ルムを生産する。同社は、今回の拡張によって年間 10GW 以上の太陽光モジュールを生産す
ることが可能となる。またこの拡張には、2 億 9,500 万ドルが投資されて数百人の建設作業
員が雇用され、70 人の恒久的な工員が生み出された。
EPA、グリーン電力を自発的に利用するトップ 50 企業を発表
EPA は、太陽光、風力、環境負荷の尐ない水力発電など、再生可能なグリーン電力を自発
的に利用する企業の上位 50 社リストを 4 月 23 日に発表した。単独企業としてグリーン電力
を最も多く利用するのはインテル社で、2008 年以来トップを守っており、国内使用電力量の
88%に当る年間 25 億 kWh をグリーン電力から賄っている。2 位の Kohl’s(小売業)は、
使用電力量の 100%をグリーン電力から賄っており、マイクロソフト社は、初めてトップ 50
入りして堂々の 3 位となった。上位 50 企業は、それぞれ年間 1 億 kWh 以上のグリーン電力
を利用しており、全社の使用量は合計で年間 150 億 kWh を超える。これは、米国の住宅 130
万戸以上の使用電力量に相当するという。4 位以下には、ウォルマート(小売業)、Whole
Foods(食品小売)
、Staples(オフィス用品小売)、ヒューストン市、スターバックス、オー
スティン市、ヒルトンホテルと続く。
欧米の自動車メーカー8 社、急速充電テクノロジーの標準化で合意
米国とドイツの自動車メーカー8 社は、15~20 分で電気自動車に充電できる急速充電テク
ノロジーを互いに標準活用していくことで 5 月 7 日に合意した。アウディ、BMW、クライ
スラー、ダイムラー、フォード、GM、ポルシェ、フォルクスワーゲンの 8 社は、今後の欧
米の電気自動車の充電システムを、この一体型充電システム付き直流急速充電(DC Fast
Charging with a Combined Charging System)という単一ポートの急速充電方式に従って
いく。このシステムは、家庭における単相交流充電、急速 3 相交流充電、直流充電、さらに
公共ステーションでの超急速直流充電を、自動車の 1 つの差込口に統合できるものである。
この標準化によって、EV 利用者は、電源の種類を問わず既存の充電ステーションで充電す
ることが可能になる。このシステムを使った充電装置は 2012 年末に、この技術を採用した
電気自動車は 2013 年から市場に登場する予定である。
EPA、ガソリンスタンドのガソリン蒸気回収システムを段階的に廃止
EPA は 5 月 10 日、ガソリンスタンドに対するガソリン蒸気回収システムの義務付けを段
階的に廃止していくことを決定した。1994 年以来、大気質が基準に満たない地域のガソリン
スタンドでは、給油中に気化する有害なガソリン蒸気を回収するシステムの設置が義務付け
られていた。しかし 1998 年以降は、大気浄化法(Clean Air Act)によって、給油蒸気回復
(ORVR)テクノロジーを自動車に搭載することが自動車メーカーに義務付けられ、現在は
自動車全体の 7 割がこのテクノロジーを搭載している。重複して不要になったガソリンスタ
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ンドのシステムを廃止することによって、都市部の約 31,000 件のガソリンスタンドで、年
間 3,000 ドル以上を節約できるという。
DOE、燃料電池の導入台数が 1,000 台を超えたことを発表
DOE は、米国再生・再投資法による支援のもとで配備された燃料電池が 1,000 台を超え
たことを 5 月 14 日に発表した。過去 3 年間で 1,200 台近い燃料電池が、非常用の補助発電
やフォークリフトなどマテリアルハンドリング機器として配備され、エネルギー費の節約と
石油使用の削減に役立っている。これまで、約 700 台の燃料電池が、同法の 1,850 万ドルの
助成金を受けて補助発電として配備された。また 500 台以上が、970 万ドルの助成金を受け
てリフトトラックの動力として利用されている。燃料電池は静かな上に、石油を必要としな
いため有害な大気汚染物を排出しない。また、一般的にメンテナンスも最小限で済む上に、
遠隔操作も容易である。DOE の燃料電池導入プロジェクトは効を奏し、業界では DOE の支
援なしにさらに 3,000 台の燃料電池フォークリフトを購入する計画である。
NASCAR、EPA とグリーンイニシアティブ
EPA と NASCAR(全米自動車競走協会)は 5 月 21 日、環境に優しい製品への意識を高
め米国の環境問題に取り組んでいく覚書に署名した。NASCAR は、何百万という熱狂的な
ファンと多くの企業に支援されており、環境に優しい製品への意識を高める強力なプラット
フォームになると期待されている。具体的には、EPA の DfE(環境のためのデザイン)ラベ
ル製品を NASCAR のレースでの使用や、サプライヤーに対して、エネルギーと原料の使用
量を抑えて環境への影響を減らしつつ国際市場での競争力を高める『E3(Economy, Energy
and the Environment)チューンナップ』を推奨する。NASCAR は、既にグリーン燃料の
採用やオイルのリサイクルなど環境への努力を行っている。
家庭用洗濯機と食器洗い機に、新しいエネルギー効率基準
DOE は 5 月 16 日、
家庭用の洗濯機と食器洗い機に新しいエネルギー効率基準を発表した。
新基準に従うと、ドラム式洗濯機は 15%の節電と 35%の節水、縦型洗濯機は 33%の節電と
19%の節水ができ、洗濯機 1 台の寿命を通じて約 350 ドルを節約できるという。また食器洗
い機は、15%の節電と 20%の節水ができ、米国全体として家庭洗濯機と食器洗い機を合わせ
てエネルギーと水を 200 億ドル節約できると試算している。オバマ政権は、2009 年から約
40 種類の製品に対して省エネ基準を設定しており、これらの基準を通して米国全体として
2030 年までに 3,500 億ドルが節約できると期待される。現在のところ洗濯機と食器洗い機は、
家庭の電力使用量の約 3%、
屋内の水使用量の 20%以上を占めており、
洗濯機の新基準は 2015
年から、食器洗い機の基準は 2013 年から施行される。
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DOE の新しい商業用屋上エアコン省エネ目標に、ダイキン社が初めて合格
DOE は 5 月 24 日、
同省の屋上型エアコンの省エネ目標を、
ダイキン・マックウェイ(Daikin
McQuay)社のリベル(Rebel)屋上エアコンが初めて満たしたことを発表した。DOE は、
商業用エアコンの省エネと性能向上を目指して、エネルギー使用量が現在機種の半分という
極めて厳しい省エネ仕様を目標として設定していた。ダイキン社のほか、キャリア(Carrier)、
レノックス(Lennox)
、7AC テクノロジーズ、リーム(Rheem)の 5 メーカーが参加し、
2013 年 4 月 1 日までに目標値を満たせるか個々に評価を受けることになっていた。お手頃
価格の省エネ商業用エアコンに対する関心は極めて高く、DOE の商業ビルエネルギー同盟
(Commercial Buildings Energy Alliances)には、ターゲット、ウォルマートなど大企業が
名を連ねる。仕様目標を満たす製品に対しては、実証試験を行う施設やエネルギーとコスト
節約分を正確に予測する分析ツールも開発している。
カナダ、オンタリオ湖の湖底堆積物キャッピングプロジェクト
カナダ政府とオンタリオ州政府は、汚染された湖底の堆積物を砂で封じ込めるカナダ初の
浄化プロジェクトを開始することを 5 月 14 日に発表した。オンタリオ湖のペニンシュラ湾
は、地域の製糸工場(2009 年に閉鎖)からの歴史的な汚水放出と表流水により、水銀と PCB
(ポリ塩化ビフェニル)で汚染されている。この汚染堆積物を厚さ 15~20cm の清浄な砂の
層で覆って封じ込める(キャッピング)ことで、化学物質が植物や魚介類に露出することを
抑えるとともに、ほかの水域にまで汚染が拡がることを防ぐ。五大湖は、カナダ人にとって
飲料水の水源であるとともに憩いの場であり、漁業や海運業など年間 70 億ドルの雇用を支
えている。
DOE、レア・アースなど緊要物資のエネルギー革新拠点に出資
DOE は 5 月 31 日、レア・アース元素など緊要物資の寿命全体にわたる問題を特定し、ソ
リューションを開発するエネルギー革新拠点(Energy Innovation Hub)に、今後 5 年間で
最高 1 億 2,000 万ドルを拠出していく計画を発表した。レア・アースをはじめとする緊要物
資はエネルギーテクノロジーの分野で極めて重要であるが、供給については混乱と危険が多
い。研究対象になるのは、米国内におけるレア・アースとそのほかの緊要物資の安全な供給、
また緊要物資の必要量を減らすための効率性向上と代替物の発見である。米国は、電気自動
車、風力タービン、省エネ照明といったエネルギー関連製品で世界をリードすることを目指
している。現在、学究機関や研究所、民間企業からの提案を受け付けており、今秋に拠点を
選定する。
サウザーン・カリフォルニア・エディソン社の冷蔵庫リサイクル、100 万台を突破
EPA は 5 月 24 日、カリフォルニア州の電力会社サウザーン・カリフォルニア・エディソ
ン社が電気製品リサイクルプログラムを通じて回収した冷蔵庫が 100 万台を突破したことを
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発表した。同社は、EPA の『責任ある電気製品廃棄(Responsible Appliance Disposal)』プ
ログラムに発足当初から参加しており、2012 年にはエネルギースター持続優秀賞にも選ばれ
ている。100 万台の大台を記録したのは、サウザーン社が初めてである。同社は 1994 年以
来、まだ使用可能な古い冷蔵庫や冷凍庫を$35 で買い上げて無料で回収し適切にリサイクル
しており、オゾン層破壊物質 17 万 7,000 ポンド以上、二酸化炭素 390 万トンの排出を防ぐ
とともに、79 億 kWh の節電と 10 億ドルの節約に貢献した。
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