トランジスタ発振回路

6 発振回路の波形観測
番号 氏名
<6−1>
本日の要点 : トランジスタ発振回路、
タイミング図作成、微積分回路波形
1.発振波形のタイミング図の作成
Rc2
1k
Rb2
200k
Rb1
100k
Rc1
Vc1
C1
C2
0.1μF
0.1μF
C
Vc2
C
B
Vb2
Vb1
B
Q2
Q1
E
2SC1815
E
2SC1815
(a)トランジスタ発振回路
(無安定マルチバイブレータ)
C
B
C1815
GR
1)正常動作しているかどうか、Vc1の波形を表示する
CH1のクリップをGND、
フックをQ1のcにつなぐ。
CH1の0[V]表示位置は、Positionで調整しておく。
2)Vc1の波形が表示できたら、Vc2波形をCH2で表示。
Vc1とVc2の2現象表示を行い、2波形をグラフに書く。
CH2の0[V]の位置も、Positionで調整しておく。
波形表示ができたら、水平軸1区間の時間、周波数値、
デューティ比等を記録しておく。
3) CH1はVc1のままにし、CH2をVb1につなぐ。
Vc1とVb1波形の関係が図6-2と同じことを確認し記録する。
4)CH1はVc1のままにし、CH2をVb2につなぐ。
Vc1とVb2波形の関係が図6-2と同じことを確認し記録する。
1k
トランジスタ回路の波形観測方法を応用し、時間軸をそろえて
「波形のタイ
ミング図」を描いてみよう。
まず図6-1の回路、無安定マルチバイブレータと呼ばれる発振回路を組み
立てる。電源+5[V]は、前回トランジスタ回路で使ったLED+390[Ω]、10[μF]
の電解コンデンサがつながっているものとする。
なお、オシロスコープで波形観測を行う時、
グランド(GND)にCH1、CH2の
クリップを取り付けるので、
ワイヤを取り付ける等、工夫してもらいたい。
この回路のタイミング図の例を図6-2に示す。観察作業は、以下の手順にな
らうとよい。
+5V
E
E C B
(b)ピン接続図
1k 茶黒赤金
100k 茶黒黄金
200k 赤黒黄金
(c)カラーコード
図6-1 トランジスタによる発振回路
Q1=off
5V
Vc1
Vc1
[V]
0V
5V
Q1=on
Q2=off
Vc2
Q2=on
0V
約0.7V
0V
Vb1
Vc2
[V]
-5V
約0.7V
0V
Vb2
-5V
トランジスタの「オン」
と
「オフ」
Vc1,Vc2は低い電圧と高い電圧の間を変化する。
低い電圧の時、
トランジスタはonであり、
高い電圧の時は、offである。
Vb1
[V]
図6-2 タイミング図の予想
Measureボタンによる計測結果
横軸の1区間の時間 [ms]
発振周波数 [Hz]
Vb2
[V]
図6-3 波形観察の結果
Vc1のデューティ比 [%] Vc2のデューティ比 [%]
Vc1の立上り時間 [μs] Vc2の立上り時間 [μs]
<6−2>
2.抵抗RとコンデンサCによる波形の観察
発振波形を利用して、RC積分回路の波形変化のようすを観察記録しよう。図6-4に、Vc2にRC部品を取り付けた実験回
路を示す。
この回路を製作して、Vc2とVcの波形を2現象観測し、図6-5に記録しなさい。
C1
C2
0.1μF
0.1μF
Vc1
Vc2
Vb2
Vb1
B
Q2
Q1
2SC1815
Vc
R
C
B
E
100k
0.1μF
C
Vc2
[V]
Rc2
1k
Rb2
200k
Rb1
100k
Rc1
1k
+5V
C
Vc
[V]
E
2SC1815
図6-4 RC積分回路による波形変化
図6-5 波形観察の結果
図6-6に、Vc2にCR部品を取り付けた微分回路を
示す。
この回路を製作し、Vc2とVRの波形を2現象観
測し、図6-7に記録しなさい。
Vc2
[V]
C2
0.1μF
0.1μF
C
Vc2
C
0.1μF
C
B
E
Rc2
1k
Rb2
200k
Rb1
100k
C1
Vb1
Q1
2SC1815
Vb2
B
Q2
VR
R 100k
Vc1
Rc1
1k
+5V
VR
[V]
E
2SC1815
図6-6 CR微分回路による波形変化
図6-7 波形観察の結果
3.課題
(1) 図6-3で、Q1=onの時間は、約0.7Rb2C2[s]、Q1=offの時間は0.7Rb1C1[s]となる。実験で使用した抵抗、
コンデンサの値で、
この時間値を計算しなさい。
(2) 図6-5の実験結果について、なぜVcのような波形になるのか、説明しなさい。
(3) 図6-7の実験結果について、なぜVRのような波形になるのか、説明しなさい。