第14回(20150716) ・歯車伝動の特徴とインボリューと歯車の特徴についての説明を行なった。 詳細な内容は以下のメモを使って復習してください。 5.2インボリュート曲線とインボリュート歯 車 1)接触の幾何学条件と運動の伝達 ①接触点において,両表面は共通の法線を持つ ②接触を保つ(離れない)ため,接触点において 両表面の法線方向の速度は同じである. ③回転速度の比 i は である. 2)回転速度比 i は一定となる条件 通常,振動・騒音の低減,運動伝達の安定性のた め,特殊な場合を除いて歯車動力伝動装置において, 回転速度比は一定でないといけない.そのため,前記③から i)r1 と r2,或いは,O1C と O2C は一定である. ii)r1/r2,或いは,O1C/O2C は一定である. のどちらに満足しなければならない. したがって, 両物体の回転中心を固定した場合,各接触点の法 線と両物体の回転中心を結ぶ中心線との交点Cが動 いてはならない. 3)インボリュート曲線とインボリュート歯形 インボリュート曲線:一つの円筒に巻き付けた糸を 弛まないように引っ張りながら解き,糸上の一点の 軌跡はインボリュート曲線である.円筒の外周を基 礎円と言う. 基礎円の直径によってインボリュート曲線の形が決 まる. インボリュート曲線の特徴: ①SQ=PQ ②直線PQはインボリュート線上P点の法線であり, - 33 - 基礎円と接する(基礎円の接線である) ③一本のインボリュート曲線には一つの基礎円しかないので,インボリュート曲線 上各点の法線は同じ基礎円の接線である. インボリュート関数: "SOP = # , "POQ = $ , OS = OQ = rb ! インボリュート歯車は歯形にインボリュート曲線の形を取った歯車のことである. 学習に用いられる web: http://www.khkgears.co.jp/ 4)インボリュート歯車のかみあい 推理: ①かみあい点Pにおいで,(接触の幾何学 条件から)共通の法線を持つので,N1, P,N2 は一直線上にある. ②インボリュート曲線の特徴から,直線 N1N2 はそれぞれの基礎円に接すること になる. ③通常一つの歯車には一つの基礎円しか なく,また,歯車(基礎円)の中心 O1,O2 が固定されているので,両基礎円の共 通内接線は一本しか存在しない. ④接触点は常に直線 N1N2(作用線)上あ る. ⑤前述の回転速度比の計算式によれば,回 転速度比iは ⑥rb1,rb2 は一定であるので,インボリュー ト歯車の回転速度比は全ての接触点に おいて同じである.(伝動の平滑性) ⑦中心距離にずれがあった場合でも,作用線の向きが変わるが,⑥rb1,rb2 が不変 であるので,回転速度比は変わらない. (中心距離の誤差は回転速度比に影響 与えない) - 34 - 第15回(20150723) 5)インボリュート歯車の加工(歯切り) 成形法:歯と歯の間の形状を取った工具で歯切りを行う方法 創生法:工具の移動で得られた多数工具外形の跡から形成した包絡線で歯形を作 成(歯切り)する方法(ホブ,ラック等を用いる) 6)インボリュート歯車の特徴 ①伝動の平滑性:速度比は常に一定である. ②組立誤差につよさ:中心距離が多少変わっても,回転速度比が幾何学上常に一 定である. ③加工しやすさ:歯切り加工しやすく,高い加工精度が得られる. 作用線上で移動する接触点の確認:https://ja.wikipedia.org/wiki/歯車 7)標準歯車の諸元 ラックで歯切りの場合,被削材(歯車ブランク)の円周速度がラックの移動速 度と同じとなる円を基準ピッチ円或いは歯切りピッチ円と言う. ラック歯のピッチp:隣接する歯の対応点の距離 ラックの基準ピッチ線:ラックの歯の厚さはラックのピッチpの半分と成る線 を基準ピッチ線. 標準歯車:ラックの基準ピッチ線と歯車のピッチ円と接して歯切りされた歯車. 基準ピッチ円において,歯車の歯数をzとして m はモジュールである.モジュールは大きくなると歯が大き くなる. 基準圧力角:ラック歯形断面の角度α 基礎円直径 db - 35 - 期末試験までの連絡: 小テストⅣ: ・ これまでの宿題の参考回答を丸写して提出してください.宿題用紙を用いること ・ 小テストⅣの点数は1または0であり,期末試験の成績と小テストⅣの成績の積 で最終成績を計算する. ・ 最終提出期限は 8 月5日午後5時とする.訂正時間を考慮して早めの提出がお勧 め.最終提出分の成績は0となった場合,再受講となる. ・ 早めの提出は7月23日から受け付け開始,チェック後随時返却する.修正が必 要な場合,再提出すること. 期末試験: ・ 8 月6日(木),7 ・ 最終成績は36 8時限,B209教室 59点の学生は再試験を受けられる.再試験の予定はキャリア 支援システムで案内する. ・ 持参できるものは,筆記用品,関数電卓(プログラム機能付き電卓は不可) ・ 試験範囲は以下の到達目標に記載している内容 ・ 宿題と小テストの類似問題,教科書の例題 本授業の達成目標 (ねじ) 1)ねじに関する専門用語を覚えること リード,リード角,ピッチ,条数,有効直径,谷径,外形,内径,三角 ねじ,角ねじ,メートルねじ,摩擦角,自立と自立条件 2)ねじの力学を理解すること 接線力 Q と締結力 P との関係(締付ける場合と緩める場合),両者関係 を示す図(図2・18(b)) 3)三角ねじと角ねじと比較(摩擦力の大きさ,自立条件)して,長短所を言 えること. 4)外力が加わったとき力と伸びとの関係(図2・23)を描け,各部の伸び と荷重を示し,それを用いてボルトの内力係数を調整できること. 5)ねじの緩み対策を2例以上あげられること (軸と軸受) 1)軸に関する専門用語を覚えること 伝動軸(主な荷重),車軸(主な荷重),機械軸(剛性要求),基本定格寿命 - 36 - (90%信頼度寿命),基本静定格荷重,基本動定格荷重,静等価ラジアル荷重, 動等価ラジアル荷重 2)軸に使われる主な材料 3)ねじりモーメント T のみ,曲げのみモーメント M,T も M も受ける場合の応力 計算,強度設計方法 4)危険速度とそれを求める手順 5)例題3・1,3・2の復習 6)軸受の役割と分類,構成 7)軸受の荷重(基本定格荷重,基本静定格荷重,基本動定格荷重,等格ラジアル 荷重) 8)軸受の寿命計算(寿命係数,速度係数等) 9)軸受の選定手順 (ベルト伝動) 1)ベルト伝動の長所と短所 2)ベルトの種類 3)速度比,軸間距離,ベルトの長さ,接触角の計算とそのためのベルト伝動のス ケッチ及び各量の表記 4)ベルトの張力計算(力の釣合スケッチ,微分方程式等) 5)最大値 Ft max の計算,伝達動力を大きくする方法 6)V ベルトの特徴,見掛けの摩擦係数とは何か 7)ベルト伝動の設計手順(①から⑤までの説明と各式の理解) ! 8)例題4・8の徹底的理解 (歯車伝動) 1)インボリュート曲線の描き方 2)インボリュート歯車の長所 3)二つの滑らかな曲面の接触点の速度ベクトル,法線方向と接線方向の速度の計 算,接触を保つ条件 4)基礎円,ピッチ円,作用線の描き方 5)標準インボリュート歯車の諸元(モジュール,基準ピッチ円直径,基準圧力角, 基礎円直径,中心距離,円ピッチ,歯先円直径,歯底円直径) 小テストⅣは受取・返却(C426 室前)実施中. 再 が書かれているペー ジを再提出してください. - 37 -
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