KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL 頻尿,尿失禁に対する塩酸テロジリンの臨床経験 杉山, 高秀; 際本, 宏; 朴, 英哲; 栗田, 孝; 梅川, 徹; 高村, 知 諭; 井口, 正典; 今西, 正昭; 片岡, 喜代徳; 石原, 宏; 辻橋, 宏 典; 内田, 亮彦; 永井, 信夫; 池上, 雅久; 中西, 淳; 川村, 正喜; 大西, 則夫; 門脇, 照雄; 西岡, 伯; 光林, 茂; 江左, 篤宣; 神田, 英憲 泌尿器科紀要 (1990), 36(11): 1371-1377 1990-11 http://hdl.handle.net/2433/117032 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 泌 尿 紀 要36=1371-1377,1990 1371 頻 尿,尿 失 禁 に対 す る塩 酸 テ ロ ジ リンの臨 床 経 験 阪和 泉 北病 院 泌 尿器 科(医 長:杉 山 高秀) 杉 山高 秀*,際 本 宏 内 田 亮 彦****,永 近 畿 大学 医学 部 泌 尿器 科 学 教室(主 任:栗 田 朴 英 哲**,栗 田 徹,高 PL病 孝 教授) 孝 市 立 貝塚 病 院 泌 尿器 科(部 長:井 梅川 耳 原総 合 病 院泌 尿 器科(部 長:永 井 信 夫) 村 知 諭***,井 池 上 雅 久*,中 口正 典) CLINICAL 宏,辻 西岡 POLLAKISURIA 脇 照雄 伯*,光 林 茂) 茂 阪 和病 院 泌 尿器 科(部 長:神 田 英憲) 江 左 篤 宣,神 橋 宏 典* OF 村正喜 神 原病 院泌 尿 器科(部 長:光 林 岡 喜 代徳 EFFECT 淳,川 大 西 則 夫*****,門 豊 川総 合 病 院 泌尿 器科(医 長=辻 橋 宏 典) 石原 西 富 田林 病院 泌 尿 器科(部 長:門 脇 照雄) 口正 典 泉 大津市 立 病 院 泌尿 器 科(部 長:片 岡喜 代徳) 今 西 正 昭,片 井信夫 院 泌尿 器科(部 長:川 村 正 喜) TERODILINE AND URINARY Takahide Sugiyama and Hiro Kiwamoto Fromthe Department of Urology, HanwaSenbokuHospital Young-Chol Park and Takashi Kurita Fromthe Department of Urology, Kinki UniversitySchoolof Medicine Tohru Umekawa, Chisato Takamura and Masanori Iguchi Fromthe Department of Urology, Kaizuka City Hospital Masaaki Imanishi and Kiyonori Kataoka FromtheDepartment of Urology, IzumiotsuCityHospitai Hiroshi Ishihara and Hironori Tsujihashi From the Department of Urology, ToyokawaGeneralHospital HYDROCHLORIDE 田英 憲 ON INCONTINENCE Akihiko Uchida and Nobuo Nagai From the Department of Urology, Mimihara General Hospital Masahisa Ikegami, Atsushi Nakanishi and Masaki Kawamura From the Department of Urology, PL Hospital Norio Ohnishi and Teruo Kadowaki From the Department of Urology, Tondabayashi Hospital Tsukaga Nishioka and Shiheru Mitsubayashi From the Department of Urology, Kanbara Hospital Atsunobu Esa and Hidenori Kanda From the Department of Urology, Hanwa Hospital Efficacy and safety of terodiline hydrochloride were studied by treating 38 patients who complained of pollakiuria and incontinence with this drug. Terodiline hydrochloride in a dose of 24 mg once or 12 mg twice a day was administered to these patients for 4 weeks and the conditions of the patients before and after the treatment were evaluated. According to the subjective symptoms, pollakisuria during the daytime and at night, incontinence, anischuria at night and frequency of urination were all reduced significantly. Objective symptoms detected after the treatment a tendency of increase (p<0.1) in the bladder volume at the time of maximum micturition. However, no change in the urination volume and the maximum urine flow was observed before and after the administration. A significant decrease (p<0.05) in residual urine was noted after the treatment. *現=近 畿 大学 医 学 部 泌尿 器科 学 教 室 **現=豊 川 総 合 病 院 泌尿 器 科 ***現=新 仁 会 病 院 泌 尿器 科 ****現=阪 *****現=市 和 泉 北病 院 泌 尿器 科 立 堺 病 院 泌尿 器科 1372 泌尿 紀 要36巻11号1990年 The results were favorable with overall improvement of 78.4% and efficacy of 75,7%. Side effects were observed in 3 of the 38 cases (7.9%), but all the symptoms were slight. (Acta Urol. Jpn. 36: 1371-1377, 1990) Key words : Terodiline hydrochloride, Urinary incontinence, Urinary frequency, Urodynamic study Table2.患 者背景 言 項 例数(%) 目 失 禁 を 訴 えて 来 院 す る患 者 に 対 し 性 別 13 て,種 々の薬 物療 法 が 試み られ て きた が,そ の 効果 お 24 従 来,頻 尿,尿 ∼49 4 年 齢 院 外 来 今 回 われ わ れ は,頻 尿,尿 失禁 を 訴 え て来 院 した患 慢性前立腺炎 まで に近 畿 大学 医 罹病期間 しつ らい1時 間 に1回 程度2回 3つ らい30分 に1回 な 過敏症 とい うこ と もあ る3回 併用療法 常 生 活 に支 障 あ り 4日 3)夜 常 生 活 にか な り支 障 あ お むつ を あて て い て も下 着 ま り でぬれる 間遺 尿 程 1な 立 腺 肥 大症 術 後 患者 の うち,試 験 の 同意 の 得 られ た38 なお,あ らか じめ,16歳 未 満 の患 者,幽 門,十 二 指 腸 また は 腸管 が 閉 塞 して い る患 者,高 度 の 下 部 尿路 閉 以下 32∼3日 併用薬 名 であ る. 度 し 2週1回 4毎 お むつ をか え る必 要 が あ る 21 常 生 活 にや や 支 障 あ り お むつ をあ て る ほ どで も ない 3日 16 2日 2 度 し 35 程 明 13 既往歴 り 不 24 以上 失禁 し あ し り し り し り に1回 以 上4回 1射 な あ な あ な あ 常 につ らい30分 合併症 4 2少 以下 明 2 間 に1回 以下1回 間 31 ら くない2時 夜 23 間 14 昼 度 1な 5年 ∼ 不 16 間頻尿 1つ 4非 1年 ∼5年 覚症 状 の程 度 5 程 症 一1年 U 1)昼 間頻 尿,夜 重 5 TableL自 症 中等 度 2 性 膀 胱 炎,慢 性前 立 腺 炎,軽 度前 立 腺 肥 大症 お よび前 軽 重症度 18 よび 尿 失禁 を 主 訴 とす る神 経 因性 膀 胱,神 経 性 頻 尿,慢 17 学 部 泌 尿器 科 お よび 関 連9病 院 を外 来 受診 した 頻 尿 お 原疾患( 脊髄疾患 神経 因性膀胱) 不 明 5 か ら1989年2月 5 脳疾患 対 象 は1988年6月 2>尿 9 TUR・P 象 6 軽度前立腺肥大 3 対 象 な らび に 方法 2 慢性膀胱炎 診断名 3 神 経 性 頻尿 全 性 に つ い て検討 を 行 った の で,結 果 を報 告 す る. 4 神 経 因 性 膀胱 者 に対 し,塩 酸 テ ロジ リンを投 与 し,そ の有 効 性 と安 19 入 院 ・外 来 1 均 入 別 入 院 ・外 来 平 12 頻尿 治療 薬,塩 酸 テ ロジ リ ンの臨 床 検 討 が行 われ,そ ε 6 70∼ ン作 用 とカ ル シ ウム拮 抗 作 用 を有 す る新 しい タイ プの の有 用 性 が示 唆 され てい る1・2). 60-69 16 近 年,各 種 疾患 に 伴 う頻尿 ・尿失 禁 に対 して 抗 コ リ 11 50∼59 か った. 1.対 6 1婁 よび 副作 用 の 点か ら必 ず しも満足 す る結 果 を 得 て い な 糊 鯛騒 幽 解 瀦 驚 潔 剛嗣㎜鵬 岡罵 鵬鵬 羅 緒 に1回 日の よ うに あ る 塞性 疾 患 患老,緑 内障患 者,心 ・肝 ・腎 に 重 篤な疾 患 の み られ る患 者,妊 婦 また は妊 娠 して い る可 能 性 の あ る患 者 は,対 象 か ら除外 した. 杉 山,ほ 2.投 か:塩 1373 酸 テ ロ ジ リソ ・頻 尿 与方 法 3日 間 の平 均値 を算 出 して検 討 した. 2.他 投与 方 法 につ い て は塩 酸 テ 言 ジ リ ン24mg(12mg 錠2錠)を1日1回 した.本 試 験 開 始 に先 立 ち,他 剤(ブ 覚所見 投 与 前 後 で 尿流 母 測 定,膀 胱 内圧 測 定,残 尿 量 測 定 ない し2回 に わ け食 後 に 経 口投 与 を 行 った.膀 胱 内圧 測定 は 圧 媒体 に 二 酸 化炭 素を 使 用 ラダ ロン⑪,ト フラ ニ ー ル⑫,ブ ス コパ ン⑪,プ ロバ ンサ イ ン⑪等) し,注 入 速 度 は150ml/minと washout期 3.副 間 を1週 間 以 上設 け,本 剤投 与4週 間後 に最終 評価 を行 った. 作 用 お よび 臨 床検 査 受 診 時の 問 診 お よび 治療 日記 か ら副 作 用 の有 無 を 確 な お,本 期 間 中,平 滑 筋 弛 緩 剤 抗 コ リン剤,精 神 認 し,副 作 用 と思わ れ る症 状 が 出現 した場 合 は,そ の 程 度,種 類,経 過 な どに つ い て観察 した. 安定剤 な どは使 用 しなか った. 主観察 項 目,評 価 方法 1.自 した. 臨 床 検査 は,本 剤 投 与前 後 で 血液 学 的 検査,血 清生 覚 症状 化 学 検査,尿 検査 を 実 施 し,異 常変 動 の有 無 を 確 認 し た. 以前 わ れ われ が 行 った検 討 と同様 に 治療 日記 を 作成 し,投 与 開 始 後4週 間 の排 尿 回 数(昼,夜)お よび 頻 4.効 果判定 尿,尿 失 禁,夜 間遺 尿 の程 度 を 観 察 した.ま た,医 師 投 与 終 了時 に治療 日記 あ るい は 問診 に よ り観 察 した は 日記 と問 診 に よ り,各 症 状 に つ い て投 与前,投 与 後 後,自 覚症 状,他 覚所 見 の推 移 を総 合 的 に み て,最 終 2お よび4週 後 の それ ぞれ 来 院 前3日 間 の平 均 的 な 状 全般 改善度 を著 明 改善,改 態 をTablelに 化,判 定不 能 の6段 階 に 判定 し,さ らに概 括安 全 度, 示 した基 準 に 基 づ き4段 階 に分 け て 評価 した(Tablel)・ Table3.層 改善率% 認 鴛 霧 。・ 罵 研 。・ 。・ 謬 ㏄㎝ 雛 ㎝ ㎝器 龍 難 。・ 8 6 8 7 7 8 5 8 1 7 7 6 1 1 8 7 8 6 7 8 5 6 7 8 8 7 7 7 1 鴛 24 13 6 4 11 16 12 24 1 19 4 3 2 3 6 9 5 5 17 18 2 5 11 5 16 14 23 35 2 併用療法1紮 1年 一 一5年 轟 計 合併症{鮎 症 一 一1年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 重 騙 期間 症 中等 度 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 軽 重症度 判定不能 脳疾患 原疾 患 脊髄疾患 (神経 因性 膀 胱)不 明 3 5 1 1 3 3 5 3 0 5 1 1 0 0 1 2 1 2 5 2 1 2 3 1 2 3 5 8 0 TUR・P 化 慢性膀胱炎 慢性前立腺炎 軽度前立腺肥大 変 診断名 不 入院 ・外来 神経因性膀胱 神経性頻尿 悪 媛 6 4 1 1 3 5 4 6 0 7 1 1 1 0 0 3 3 1 2 7 1 0 1 2 7 3 7 8 2 入 院 ・外 来 ll=69 やや改善 ,。=銘 9 4 2 2 5 4 1 1 1 1 5 1 0 0 3 4 2 1 2 8 5 0 3 3 2 5 6 7 1 3 0 齢 善 年 隈 改 別 6 0 2 0 0 4 2 4 0 2 1 1 1 0 1 2 0 0 2 4 0 0 4 0 2 2 4 6 0 性 別成 績 著明改善 目 や 改善,不 変,悪 全般 有 用 度 を判 定 した.な お,何 らか の理 由 で途 中 中 なお,排 尿 回数 の 推移 は 各 終 末 項 善,や 1374 泌 尿 紀要36巻11号1990年 止 した 例 につ い て は 中止 時 点 の成 績 か ら上 記判 定 を 行 ±O.7が った. 1.1と 結 L背 投 与 後2週 間 で2.0±1.0,4週 い ず れ に つ い て も2週 2)尿 景 失 禁,夜 間遺 尿 尿 失 禁 を 示 す ス コ ア は 投 与 前2.4±0.5で 投 与2週 間 で1.7±0.7,投 は1週 間 以 降来 院 せ ず,安 全 性 のみ 解 析 対 象 とした. 有 意 に 改 善 を 認 め た.夜 また,他 の2名 は2週 間以 降 来 院せ ず 最 終来 院 日に効 で あ った が,投 果 判 定 を行 った.配 分,性,年 ±0.0と 齢,診 断名 をは じめ, 与 後2週 与 後4週 間 遺 尿 は,投 3)排 昼 間 投 与 前 で1日10.9±5・1回 1.8±0.7と 与2週 間 後 で1.9±0.7,4週 で2.7±1.7回,投 間 後で た.昼 な った.夜 間 頻尿 に つ いて は,投 与 前2.8 層 3.0 与 後4週 間,夜 . 一 F24 ・ , n=27 ■ 9 一 ⑩ 0 ∩ ∠ 4■ 自覚症状 の程度 一 一 ■ . n昌15 *零 一 寧卓 n旨25 ■ . . 一 一 ■ 0.0 o , ■ 口 前 2週 後 4週 後 Fig.1・ (MAEN±SD 8 n.富17 . 胴 o昼 間頻尿 ● 夜 間頻尿 躰P<O.01 n;22 卓 自覚 症 状 の推 移 3.0 o尿 失禁 ● 夜間遺尿 聯P<0.01 0` n ∠ (MAEN±SD) 0 ﹂ 1 自覚症状の程度 0.0 2週 後 前 Fig.2.自 覚症 状 の推移 4週 後 与 後2週 間 で2.1±1.2回 間 排 尿 回 数 と も,投 に 減 少 した(Fig・3). 一 とな り と な っ た. 夜 間 排 尿 回 数 は 投 与 前3.1±2.0回,投 昼 間 頻 尿 の程 度 を示 す ス コアは投 与 前2.6±0.7で あ った のが,投 で あ っ た も の が, 間 目 よ り有 意 に 減 少 し,8.5±3.1回 4週 間 後 で は,7.4±3,3回 間頻 尿,夜 間頻 尿 間 で1,0 尿 回数 の 推 移 投 与2週 覚症 状 の 推移 与 前2.3±0.7 な っ た(Fig.2). 立 った 特 色 は な く,層 別 成 績 で も特 記 す べ き 差 は み られ なか った(Table2,3). あ っ た が, 間 で1.5±0.7と 間 で1,8±0.8,4週 37例 の患 者 の あ らゆ る背 景 因子 に お い て は,特 に 目 1)昼 目で 有 意 に 改 善 を 認 め た(Fig.1). 果 本 検討 の 対 象 と な った症 例 は38名 であ ったが,1名 2.自 間 で1.9± 目,4週 与4週 間 と なっ 間 後 には 有 意 杉 山,ほ か:塩 1375 酸 テ ロ ジ リ ソ ・頻 尿 (回) 15 0昼 間 14 13 ●夜間 12 *P<0.05 n=33 11 **P<O.Ot 排10 尿 回 数 (MEAN±SD) n冨31 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 n冒27 林 n=33 n=30 前 n=26 ホ 2週 後 Fig.3.排 4週 後 尿 回数 の 推移 ml 300 O初 発尿意時膀胱容量 ● 最大尿意時膀胱容量 250 †=P<o」 (M[EAN士SD) † 200 221.1±58.7 150 155.3圭99.5 100 83.2±43.8 95。1±33,7 50 0 投与前 n=10 Fig.4.初 投与後 n=10 発 尿 意 時膀 胱 容量 と最 大 尿 意 時膀 胱 容量 の推 移 ml i50 O排 尿量 ● 残尿 量 紫=Pく0.05 118.1±50.7 (MEAN±SD) 尿 100 103.2±51.9 置 50 22.5±16.2 7.1±11.6 * 0 投 与前 n=:12 Fig.5.排 投与後 n=12 尿 量 と残 尿 量 の 推 移 1376 泌尿 紀 要36巻ll号1990年 ml/sec 20 O最 大 尿流量 ● 平均 尿流 量 尿 F O 1 (MEAN±SD) 流 O 1 量 率 5 0 投 与後 n=12 投 与前 n=12 Fig.6。 Table4.全 尿流 量 測 定各 パ ラ メー ターの 推 移 般 改善 度 全体 課 轄 諜 不変 悪化 雑 4・ 全般 改善 度 鍵 総 合的 な 改善 度 判 定 では 著 明 改善6例,改 鑓 376131080051.4%78.4% 善 以上 で78.4%で 5.安 Table5.安 全度 3 や改 あ った(Table4). 全度 副 作用 お よび臨 床 検査 成 績 の結 果 を 総 合 的 に考 慮 し 全体奪講 響 鑛 禽舗 輸 鵠 蹴 雛 3835 善13例, や や 改善10例 で あ った.改 善 以 上が51.4%,や 0 て得 られ た 安 全度 判 定 で は,副 作 用 の み られ た 症 例 は 38例 中3例(7.9%)で 100% 0 あ った.い ず れ も症 状 は,口 渇,胃 部不 快 感 と軽 度 な もので あ った(Table5). 6.有 Tabe6.有 用度 用度 最 終 全般 改善 度 お よび概 括安 全 度 を総 合 して有 用 度 を 判 定 した が,有 全 礁 有 用署 磁 罐 糊 里朧 75.7%で 用 以 上 が59.5%,や や 有用 以上 が あ った(Table6)・ 37517690059.5%75.7% 考 3.他 覚所見 1)初 頻 尿,尿 失禁 を 訴え る患 者 の基 礎疾 患 として は,神 発 尿 意 時 膀 胱 容 量,最 初 発 尿 意 時 膀 胱 容 量 は,投 与 後95.1±33.7mlで 経 因性 膀 胱 をは じめ,膀 胱,尿 道 の 各種 炎 症 性 疾 患, 大尿 意 時膀 胱 容 量 下 部尿 路 通 過障 害 とい った 疾患 が あげ られ,き わ め て 与 前83.2±43.8ml,投 あ っ た.最 投 与 前155.3±99。5m1,投 り,増 大 尿 意 時膀 胱 容 量 は は 最 近外 科 的 治療 法 や経 皮 的電 気 刺激 や 排 尿訓 練 な ど 意 差 は 得 られ な か っ た の 方法 が 確 立 され つ つ あ る.一 方 薬 物 療 法 に つ い て は,対 象 の 高齢 化 とい う意 味 か らも よ り安 全 で効 果 的 (Fig.4). 尿 量,残 排 尿 量 は,投 ±5Lgmlで が,投 3)最 多 岐に わ た ってい る。排 尿 障 害,特 に 尿 失禁 に つ い て な 与 後221.1±58.7m1と 加 傾 向 が み ら れ た が,有 2)排 察 尿量 な ものが 必 要 とされ て きてい る.本 剤 の安 全性 につ い 与 前 でll8・1±50,7m1,投 あ っ た.残 与 後7.1±1L6mlと 大 尿 流 量 率,平 与 後 で103.2 尿 量 は 投 与 前22.5±16.2ml 有 意 に 減 少 した(Fig.5)。 均 尿 流量 率 尿 流 量 測 定 を 行 っ た 結 果,最 大 尿流 量 率 に つ いて も て は,数 多 くの臨床 検 討 の 報告4・5>からも 明 らか な よ う に 口渇 とい った軽 度 の ものが 大 半 で あ るが,留 意 す ぺ き副作 用 と して,下 部 尿 路通 過 障 害 の患 者 に お け る排 尿 困 難 の 出現 と思 われ る.わ れ わ れ の 今 回の 検 討 では, 口渇 とい った 軽 度 な副 作 用 が38人 中3例(7.9%)に 認 平 均 尿 流 量 率 に つ い て も投 与 前 後 で 有 意 な 変 化 は み ら め られ た だけ で,排 尿 困難 は認 め られ な か った.し か れ な か っ た(Fig.6). し,他 施設 で の 臨床 試 験6)に お いて は 尿 閉 の 出現 が 報 杉 山,ほ か:塩 告 され て お り,投 薬 前 に は下 部 尿 路 通過 障 害 の チ ェッ クは十 分 に行 い,投 与 後 も定期 的 に排 尿 状 態 を注 意 深 1377 酸 テ ロ ジ リン ・頻 尿 5)以 上 の結 果,塩 酸 テ ロジ リンは 頻尿,尿 失 禁 を主 訴 とす る各種 疾 患 患者 に 有 用 な薬 物 で あ る と思 われ た. く観 察 す る こ とが 大 と思わ れ る.膀 胱 内圧 測 定 の 結 文 果,他 の 報告 と同様 に最 大膀 胱 ・容 量 は増 加傾 向を 認 め た5).興 味 深 い こ とに 排 尿量 に 変 化が ない のに もか 1)米 山 威 久,小 献 川秋 實 か わ らず残 尿量 に つ いて は投 与 後 で 有意 な減 少を 認 め 田 泰 敬,井 川 靖 彦,柳 てい る.こ の理 由 は不 明で あ るが,少 な くと も排 尿 効 敏,藤 博,内 率 を悪 化 させ る こ とは な い といえ よ う。 尿 流 量測 定 の 各 パ ラメー タ ーに つ いて は,投 与 前 後 で変 化 は な く, 排 尿 に関 す る利 尿 筋 の生 理 的 な収 縮 の機 能 に は影 響 を 与 えてい な い こ とが わか った 。塩 酸 テ ロジ リンは抗 コ リン作用 と カル シ ウ ム拮 抗 作 用を 併 せ持 ち,基 礎 的 実 芝 本 伸 彦,中 福 井 準 之 介,和 沢 山 俊 介,会 本 富 夫,渡 酸 テ ロ ジ リ ン(TD-758)の 篤 宣,杉 を認 め た.こ の こと よ り神 経 因性 膀 胱 患者 な どで よ く 山 高 秀,金 西 規 夫,際 昌宏 昭,中 塚田 惇 隆,増 原 正 男,鈴 木 明彦,神 徳 重 郎,山 語 末,赤 一 ,小 覚 症状 に つ いて は,投 与4週 間 で 有意 差 を も 善 効 果 は患 者 背 景 の如 何 に かか わ らず,ほ ぼ 同様 であ った. に29例(78.4%)に 作 用 は38例 中3例(7.9%)に 城 木 和 雄,畑 瀬 淳 林 知 幸,三 北川元 橋 孝, 尿 感 を 主 訴 とす る排 尿 障 害 に 豊,遠 倉 功 一 郎,片 西 友 典,村 尿紀 崎 臨 床 効果 、 淳,高 野 藤 博 志,村 海 装 吾,北 上 信 乃:無 学,並 木 山 直 人,石 村 温,香 川発 村 衡 抑 制 収縮 を 有 す る神 1988 川秋 實 6)小 島崎 淳,三 矢 英 輔,宮 崎 孝,橘 直 矢,花 岡 一 雄=頻 尿,尿 terodilinehydrochloride(TD-758)の 薫,栗 田 失 禁 に対 す る 臨床 薬 効 評 価.医 学 の あ ゆ み140:231-247,1987 7)HustedS,AnderssonK・E,SommerLand antagonisticeffectsofterodilineinrabbit urinarybladder.ActaPharmacolToxicol 認 め たが,い ずれ も軽度 であ った.ま た,臨 床 検 査上 異 常変 動 は 認 め なか った. 左 経性頻 OstergaardJR=Anticholinerg1candcalcium 塩 酸 テ ロジ リンの有 用 性 を認 め た, 4)副 宏,江 経 因 性 膀 胱 患 者 に 対 す る 塩 酸 テ ロ ジ リ ン(TD758)の 長 期 使 用 経 験.西 日泌 尿49=1957-1967, ジ リンを投 与 し,有 用 性 と安 全 性 の検 討 を 行 った. 3)37例 尿,残 泌 尿 紀 要34=196-200,1988 5)安 田 耕 作,長 篤 薫,島 頻尿,尿 失 禁を 主 訴 とす る各種 疾 患患 者 に塩 酸 テ ロ 2)改 日泌 孝:神 阿 曽 佳 郎,鈴 田 宏 昭,広 対 す る 塩 酸 テ ロ ジ リ ン(TD-758)の 化 がみ られ なか った. 藤 尿 に 対 す る 塩 酸 テ ロ ジ リ ンの 臨 床 的 検 討.泌 常 臨床 に おい て 頻 尿,尿 失 禁の 治療 薬 と して有 望 な薬 減 少す る結 果 を得 た.排 尿量,尿 流量 率 に つ いて は変 本 田 丸 山 正 昭:頻 1)自 淳,近 臨 床 的 検 討.西 残 尿量 を低 下 させ,自 覚症 状 の 有意 な改 善 を認 め,日 って 改善 を認 め た,他 覚 所 見で あ る残 尿 量 につ い て も 藤 神 健 志,片 山泰 純,金 重 哲 三, 子 茂 男,栗 要35:537-540,1989 4)中 野 優,田 島 塩 酸 テ ロジ リンは,尿 流量 率 を変 化 させ る こ とな く, 結 加藤 経 性 頻 尿 お よび 刺 激 膀 胱 に 対 す る 塩 尿49:1947-1952,1988 3)朴 英 哲,内 田克 彦,大 残尿 量 を減 少 させ,な おか つ 自覚的 症 状 の有 意 な 改善 剤 と思 われ る. 中正 地 弘 貞, 下高 暁 橋 洋 三,近 捷 嘉,難 波 克 一,棚 橋 豊 子,白 弘,朝 日俊 彦,赤 枝 輝 明,吉 本 武 田 克 治=神 に 効果 的に 作 用 してい る もの と思わ れ る.以 上 よ り, 田 靖 夫,福 辺 節 男,松 帝己要33=319-326,1987 2)大 森 弘 之,大 橋 輝 久,大 てい る7)。 み られ る無 抑 制収 縮 とい った 異 常 な収縮 を抑 制 す る の 食 正 之,富 辺 健 二,田 隆 司,市 川 硯 夫,竹 崎 徹=神 経性 頻尿 や膀 胱 刺 激 症 状 に 対 す る塩 酸 テ ロ ジ リ ンの 臨 床 効 果.泌 尿 験 か ら も膀胱 平 滑 筋 の収 縮 を 抑制 す る こ とが 認 め られ わ れわ れ の 結果 で は,尿 流 量 率を 変 え る こ とな く, 温,渡 46:SupplI:20-30,1980 (ReceivedonJune4,1990AcceptedonJane8,1990) (迅速 掲載)
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