【目的】 北里大学メディカルセンター (以下, 当院) では, 経腸栄養患者に

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アス ピ リン製剤 に対 す る簡易懸濁法適用 の可否 ∼バ イアス ピ リン ⑪とアス ピ リン
末の比較∼
○菅井 貴洋 1,青木 学 - 1
,
2
,田中 庸一 1
,
2
,高間 由美子2
,新井 隆史 2,柴崎 淳 2,
加藤 雅大 2,塩見 め ぐみ 1
,
2
,
安藤 航 1,
2
,渋谷 清 1
,
2
,久保田 理恵1
,
2
,鹿瀬 隆一3
,
小宮 山 貴子 1,
2(
1
北里大薬 ・
臨床薬学 ,2北里大 メデ ィカルセ ンター薬 ,
3
北里大 メ
デ ィカルセ ンター神経 内科 )
【目的】北里大学 メデ ィカルセ ンター (
以下, 当院)では,経腸栄養患者 に対す
る薬剤投与法 として簡易懸濁法が全病棟 で実施 されてい る.低用量アス ピ リン製
剤 のバイアス ピリン⑧錠 1
00mg(
以下,BA)は,血栓形成抑制作用 を期待 して脳神
経外科や 内科病棟 で多 くの患者 に処方 されている.BA は腸溶性 フイル ムコーテ ィ
ング錠であ り,簡易懸濁法実施 時はコーテ ィングを破壊す る必要があ り,腸溶性
が失 われ るこ とや コーテ ィング殻残液 によるチ ューブ閉塞が懸念 され る.そのた
め, 当院では簡易懸濁 は不可 としてお り,アス ピ リン末-処方変更 して懸濁投与
してい る. しか し,アス ピ リン末 には血栓形成抑制の適応 はな く,分解 しやすい
ことや,患者持参薬 の多 くが BAであるため,BAの簡易懸濁 に問題 がない ことが
確認 されれ ば,臨床現場 にお ける業務負担 を軽減 し,適応 のある製剤 を使用す る
ことができる.そ こで, これ ら二種類 のアス ピ リン製剤 について,簡易懸濁法の
適用可否 に関す る検討 を行 った.
【
方法】BA (
1錠) とアス ピ リン 「
ホエイ」 (
1
00
mg)について 55
℃ の温湯 で簡易
懸濁 し,紫外可視 吸光光度計 を用 いて各懸濁液 中のアス ピ リン濃度 を測定 した.
また,懸濁性及びチ ューブ通過性 について検討 した.
【
結果及び考察】アス ピ リン末の濃度 は BAに比べて低 く,ば らついた.アス ピリ
ン末 は注入 シ リンジ内に薬剤 が残 りやす く,懸濁や注入 の手技 に よって投与量が
少 な く,かつ大 き く変動す る可能性 があることが示唆 された.一方,BA は優れた
懸濁性 を示 し, コーテ ィング殻 によるチ ューブ閉塞 に注意す る必要があるが,BA
を簡易懸濁法 に使用す ることは臨床業務上の利点が大 きい と思われ る.