2 - 宮崎大学

研究分野
研 究 の概 要
氏
名 鈴 木 祥 広
所
属 工学部 土木環境工学科 環境制御講座
職
名 准教授
(すずき よしひろ)
環境水質工学、水環境化学、水処理工学
人間活動による水環境へのインパクトの実態調査と影響評価、汚染物質の起源と環境動態の解
明、ならびに自然の浄化能力と水循環も鑑みた水質保全・改善技術の開発の 3 つの複合的ア
プローチから研究を推進している。
(3)ゼロエミッションを目指した閉鎖循環式養殖システムの開発
魚類の高効率生産と環境への負荷削減の両立を目指して、泡沫分離法を利用したゼロエ
ミッション型の閉鎖循環式魚類飼育システムを開発した。複数の魚類を対象として、本シス
テムを用いて長期間に渡る飼育実験を実施し、排水や汚濁物を排出しない条件におい
て、魚の成長が良好で生残率の極めて高い超高密度飼育に成功している。現在、宮崎大
学農学部、鹿児島大学および地域の関連機関と連携し、ウィルスフリーのクルマエビの種
苗生産技術の開発を進めている。
その他・共同研究・特許・応用分野など
・タンパク質を用いた泡沫分離法による細菌の選択的
な分離回収装置及び分離回収方法
(特願 2005-4507)
一言アピール
・異分野であった農学部水産科学の先生方・研究室
(伊丹研究室、吉田研究室、酒井研究室)と連携す
ることによって、閉塞気味であった研究テーマが大
きく展開できる見通しが立ちつつある。広く「水」に関
わる分野のグループ、機関、企業と連携していきた
い。
水環境、水質、病原性微生物、ゼロエミッション、完全閉鎖循環式、養殖システム
キ ー ワ ー ド 気泡、泡沫分離法、水質浄化、汚濁物質除去
境
研 究 テーマ
(2)気泡を利用した汚染・汚濁物質の新規除去法の開発
タンパク質を利用した泡沫分離法による懸濁物除去に関する研究に着手し、凝集と泡沫
分離のプロセスを組み合わせることによって、汚濁排水の高効率かつ高速度の処理技術
を開発した。タンパク質を水処理の薬剤に利用する試みは、国内外において他に例を見
ない研究である。本法の適用が確認された汚濁排水は下水、油濁排水、微細粘土懸濁水
である。本法は、淡水や海水を問わず、短時間に極めて効率的に懸濁物・微細粒子を分
離・除去できることから、従来、処理困難とされる汚濁廃水の処理技術を飛躍的に向上さ
せる可能性を秘めている。
環
(1)水環境における環境ホルモンと病原性微生物のフィールド調査・研究
環境ホルモン等の微量化学物質汚染、名水の大腸菌汚染、温泉のレジオネラ菌汚染、大
淀川のコイヘルペス、カキによるウィルス性下痢などにも見られるように、一見、清浄・健全
と判断されがちな水環境においても、衛生学的には高いリスクに遭遇している可能性を否
定できない。そこで、真に安心して生活できる地域都市の構築をめざし、水環境フィールド
における水質や細菌などの調査による正確なデータ・情報の収集と解析、ならびに調査結
果に基づく保全・改善対策の研究を進めている。