対中円借款におけるJBICと地方自治体との主な連携事例(PDFファイル)

対中円借款におけるJBICと地方自治体との主な連携事例
2005年5月末現在
番
承諾
案件名
案件概要
連携先
連携の経緯
連携内容
号
年度
① 湖南省 1997 湖南省の都市・工業汚水による湘江水質 福岡市 福岡市は廃棄物処理における「福岡方 本案件の事務所委託調査団として、福
式」の知見・ノウハウの途上国への移転を 岡市と国連ハビタット福岡事務所の職員
湘江流 1998 悪化を改善するとともに、大気汚染を改
進めていたことから、調査、セミナーの開 が湖南省を訪れた。また、その機会を利
域環境
善し、ゴミ処理を推進するために、下水
催を依頼したもの。
用して、「福岡方式」の中国での適用可
汚染対
道整備事業、排水処理設備拡張事業、
能性について、河南省でゴミ処理行政に
策事業
ガス供給事業、ゴミ処理場建設事業等を
携わる地方自治体関係者等を集めてセ
行い、あわせてモニタリング機器の導入
ミナーを実施した(2002年度)。
を行うもの。
② 甘粛省 2001 甘粛省において道路整備を行うことによ 秋田県 甘粛省は道路建設事業にあわせて、道 秋田県の協力の下、道の駅の理論面の
道路建
り、市場等へのアクセス向上と地域開発
の駅を建設・運営することで地方の活性 インプットが手際良くなされた。
設事業
の促進を図り、内陸部の民生向上・貧困
化を図りたいと企図したが、経験・ノウハ 秋田県内の道の駅を実地に視察し、中
対策に資するもの。
ウが不足していた。このため、同省と友好 国の事業実施責任者が、体制づくり・マ
関係にある秋田県が、道の駅にかかる ネージメント上の工夫を学習した(2003年
様々なノウハウを友好の証として同省に 度)。
秋田県の道の駅関係者が甘粛省を訪問
移転することとしたもの。
し、現地でワークショップを開くなどして
道の駅のノウハウを伝授した(2004年
度)。
③ 河南省 2002 河南省内の5市において天然ガス供給 大阪府 (財)地球環境センターは、中国側(重慶 (財)地球環境センター、大阪府及び大
大気環
設備を整備し、石炭等の燃料を天然ガス 大阪市 市)と天然ガス転換効率化にかかる共同 阪市の専門家が、本事業に係る大気環
境改善
へ転換することにより、大気環境の改善
研究を実施した経験があり、大阪府及び 境改善につき、河南省にて調査、提言を
事業
を図るもの。
大阪市は同センターの出資者である。 行った。
④ 宜昌市 2002 湖北省宜昌市において、下水道施設の 神戸市 湖北省を含む長江流域との交流プロジェ 神戸市の環境専門家が本案件の調査
クトとして「上海・長江交易促進プロジェク ミッションに同行し、宜昌市の総合的水
水環境
整備を行うことにより市内河川の水質改
ト」を推進する神戸市は、同地域におい 管理に関する助言・提言を行った。
整備事
善を図るとともに、上水道施設の改良を
て各種の協力交流事業を行っているた
業
行うことによって給水の質の改善を図るこ
め、専門家の派遣を依頼したもの。
とにより、都市の持続可能な発展を促進
するもの。
⑤ 南寧市 2002 広西壮族自治区南寧市において、下水 熊本県 熊本県は広西壮族自治区と友好関係に 熊本県の洪水制御専門家が本案件の調
あり、同区に対して協力事業を行ってい 査ミッションに同行し、南寧市の市内河
水環境
道施設の整備を行うことにより市内河川・
るため、専門家の派遣を依頼したもの。 川の洪水対策及び水質改善に関する助
整備事
湖沼の水質改善を図るとともに、市内水
言・提言を行った。
業
路の環境整備を行うことによって治水能
力の向上を図り、以って都市の持続可能
な発展を促進するもの。
⑥ 江西省 2003 土壌流出軽減、生態環境保全及び貧困 岐阜県 岐阜県は江西省と友好関係にあったた 岐阜県立森林文化アカデミー学長がアド
層の生活改善等、森林の多面的機能の
め県内の有力施設の専門家の知見・提 バイザーとして江西省、湖北省を対象と
植林事
回復を図るため、防護林を主な目的とす
言を求めたもの。
した本事業調査ミッションに同行し、実施
業・
る植林等を行うもの。
機関に対し事業目標を達成する上での
湖北省
農民の負担を減らす方策や農民のイン
植林事
センティブを高める為の工夫、措置につ
業
いて提言を行った。
⑦ フフホト 2003 フフホト市において、下水道施設の整備 富山県 富山県は環日本海環境協力センターと 同案件の調査ミッションに同行し、事業の
市水環
を行うことにより、市内河川の水質改善を
いう組織を有し、日本海の海洋汚染が深 運営管理(需要想定、料金設定、処理水
境改善
図り、以って都市の持続可能な発展を促
刻化している状況に対し中国に起因する の再利用等)、環境モニタリングの必要
事業
進するもの。
環境問題の解決のためにも積極的な協 性・工夫につき提言を行った。
力をしているため、専門家の派遣を依頼
したもの。
⑧ 内陸部・ 2003 寧夏回族自治区にて、地域活性化・交 島根県 島根県は同自治区と93年に友好協定を 島根大学及び島根県立大学の職員が本
締結しており、2001年には知事自ら出向 案件アプレイザルミッションに同行し、寧
流、市場ルール強化及び環境保全にお
人材育
き県をあげての留学生派遣・受入に関す 夏大学側と研修生受け入れ可能性につ
いて重要な役割を果たす2大学を対象
成事業:
る協議書を調印。また島根大学と寧夏大 いて協議。今後本案件円借款を活用し
に、ハード面改善(校舎・設備等の整
寧夏回
学は友好提携を結び交流が盛ん。
て寧夏大学・寧夏医学院から日本への
備)・ソフト面強化(研修等の実施)を通じ
族自治
研究者派遣・研修が実施されるに際し、
て人材育成を行うもの。
区
島根大学・島根県立大学など島根県を
挙げて支援する予定。
⑨ 内陸部・ 2003 黒龍江省にて、地域活性化・交流、市場 新潟県 新潟県は黒龍江省と友好関係にあり、ま 新潟大学職員が黒龍江省を訪問し、省
た新潟大学積雪災害情報センターでは 内大学側と研修生の受け入れ可能性に
ルール強化及び環境保全において重要
人材育
平成4,5年に文部省の助成を得て、黒龍 ついて、また黒龍江工程学院側とは共同
な役割を果たす9大学を対象に、ハード
成事業:
江工程学院と「中国東北部道路雪害」に 研究の応用段階への移行について協
面改善(校舎・設備等の整備)・ソフト面
黒龍江
議。今後省内各大学から新潟大学への
関する共同研究を実施。
強化(研修等の実施)を通じて人材育成
省
研修・派遣が予定されている他、黒龍江
を行うもの。
工程学院との共同研究が進められる予
定。
⑩ 内陸部・ 2003 江西省にて、地域活性化・交流、市場
岡山県 岡山県は「バイオアクティブおかやま」と 岡山県・岡山大学職員が江西省を訪問
人材育
いう産官学連携構想を有する。
し、江西省の3大学との共同研究や学内
ルール強化及び環境保全において重要
成事業:
企業と岡山県産業界との連携可能性等
な役割を果たす9大学を対象に、ハード
江西省
について協議。
面改善(校舎・設備等の整備)・ソフト面
強化(研修等の実施)を通じて人材育成
を行うもの。
⑪ 陝西省 2004 陝西省地方都市において上水道設備の 京都府 京都府は同省と友好関係にあり、同案件 京都府企業局の職員が調査ミッションに
水環境
整備を行うことにより、衛生的・安定的な
形成段階から協力を得ていたため、専門 同行し、料金設定といった運用管理面で
整備事
水の供給を図り、もって生活環境の改
家派遣を依頼したもの(2003年度)。
の提言を実施。また、京都府では実施機
業
善、地域経済の発展を図るもの。
関からの研修生受入を予定している。
(陝西省)
番
承諾
案件名
案件概要
号
年度
⑫ 陝西省 2004 陝西省西安市において、下水処理施
水環境
設、上水管網及び排水路を整備すること
整備事
により、市内河川の水質汚濁の改善、衛
業
生的な水の供給及び洪水被害の軽減を
(西安市)
図り、もって西安市の水環境改善、地域
経済の発展に寄与するもの。
⑬ 長沙市 2004 湖南省長沙市において、①新たな水源
導水及
を開発することにより、上水供給能力を
び水質
増強させ、同市の中心部を流れる湘江の
環境事
みからの取水に頼る状況を解消させる一
業
方で、②生活排水の処理能力も向上さ
せることにより、汚染が著しい湘江の水質
を改善させ、もって同市の生活環境を総
合的に改善するもの。
連携先
連携の経緯
連携内容
京都市 京都市は陝西省西安市と友好提携関係 京都市職員が調査ミッションに同行し、
にあるため同市に専門家の派遣を依頼 主に運用管理面(料金設定等)について
したもの(2003年度)。
提言を行った。また、京都市では実施機
関からの研修生受入を予定している。
鹿児島 長沙市と友好関係にある鹿児島市が本 鹿児島市、福岡市が、研修受入に協力
市
案件を支持したもの。また、長沙市では、 する旨を表明した。
福岡市 日本の都市と比し一人当たりの生活用水 また、福岡市水道局が審査に参加し、節
の一日の使用量が高めであるため、節 水/漏水対策、処理水・汚泥再利用、衛
水・漏水防止・雨水貯留等の日本ならで 生啓発などについて知見の移転を行っ
はの知見が本事業に投入されることで、 た。
案件実施の効果が高まることが期待され
るところ、この分野において日本で屈指
の知見・ノウハウを有する福岡市水道局
に協力を依頼したもの。
⑭ 新彊ウイ 2004 新彊ウイグル自治区伊寧市において、上 北海道 北海道及び札幌市は寒冷地特有の環境 北海道及び札幌市職員が本行アプレイ
下水道設備の改修・拡充、廃棄物処理 札幌市 インフラ整備に係る知見・ノウハウを有し ザルへ同行、本事業実施機関に対し上
グル自治
設備・熱供給・ガス供給設備の新設、生 福岡市 ている他、特に札幌市水道局は上水技 下水、廃棄物処理、植林等の各セクター
区伊寧
における知見・ノウハウを紹介。今後、北
術研修を通じた国際協力を積極的に
態防護林の形成といった環境インフラ整
市環境
行っていることから、本事業の研修生受 海道及び札幌市が、本事業円借款を活
備を進めることにより、上水供給、大気汚
総合整
入を依頼したもの。福岡市は廃棄物処理 用した本事業実施機関職員の研修を支
染・水質汚濁物質の削減、及び廃棄物
備事業
における「福岡方式」の知見・ノウハウの 援する予定。
の無害化処理等を図り、同市の環境改
途上国への移転を進めており、中国でも 福岡市職員が本行アプレイザルへ同
善及び住民の生活水準の向上に寄与す
パイロット的に同方式を導入した実績を 行、本事業実施機関及びその他関係者
るもの。
持つことから、アプレイザルへの専門家 に対し、廃棄物処理における「福岡方
式」の知見・ノウハウを紹介。
の参加を依頼したもの。
⑮ 包頭市 2004 内蒙古自治区内の主要工業都市の一つ 三重県 三重県にある(財)国際環境技術移転研 本行アプレイザル時に、ICETTの職員と
究センター(ICETT)は、とりわけ大気、水 四日市大学の専門家が同行し、三重県
大気環
である包頭市において、天然ガス・パイ
質等の環境汚染問題に知見を有してお の知見・経験等に基づく大気汚染シミュ
境改善
プラインを建設することにより、石炭から
り、途上国に対し研修・技術指導を行っ レーション手法に係るセミナーを開催した
事業
天然ガスへエネルギー転換を行い、包頭
ている。またJICAによる公害防止管理者 ほか、「公害防止管理者制度」に関する
市における大気環境の改善、包頭市の
制度の研修を行った経験もあり、環境モニ 研修内容を紹介した。また包頭市の大気
居住者の生活・環境水準のさらなる向上
タリング面での日本の先見・経験の教示、 環境保全事業運営の現状・課題への提
に寄与することを目的とするもの。
公害防止管理者制度の中国における導 言も行った。
入の慫慂を行っている。
⑯ 四川省
長江上
流地区
生態環
境総合
整備事
業
⑰ 貴陽市
水環境
整備事
業
2004 四川省の12県級行政単位において、植 広島県 広島県は同省と友好関係にあり、同案件 広島県の職員が調査ミッションに同行し、
形成段階から協力を得ていたため、専門 植林分野に係る広島県の経験・知見を
林・植草及び燃料用森林伐採削減に資
家の知見・提言を求めたもの。
紹介した。また、研修につき、広島県が
するべく代替燃料たるメタンガス施設の
協力の表明をした。2005年5月には四川
建設を行うことにより、同地域の森林面積
成都で 四川国際友好都市協力と発展
の増加、土砂流出の減少を図り、もって
ウィーク が開催され、四川省、広島県及
本事業対象地域の生態環境改善に寄与
びJBICの3者で本事業につき協力覚書
するもの。
の調印を行った。
2004 貴州省貴陽市において、下水処理場の 大阪市 大阪市は下水道事業の歴史が長く、明 貴陽市政府から、日本において下水道
建設及び下水管の敷設を行うことにより、
治27年から現在に至るまで、多種多様な の経営方法及び技術を習得したいとの
下水処理能力の向上及び汚染が著しい
下水管網及び下水処理場を建設・運転 申し出を受け、貴陽市政府と大阪市の下
南明河等の水質改善を図るもの。
してきた。その蓄積されたノウハウは、開 水道専門家がそれぞれニーズとアイデア
発途上国に見られる多種多様な条件・制 を出し合い効果的な研修プログラムの内
約のもとでも、柔軟に適用できると期待さ 容を策定した。研修プログラムについて
れるため、同市に専門家派遣依頼をした は、大阪市が協力を表明しており、日本
の知見・ノウハウの提供に加え人的交流
もの。
が期待される。
<案件の位置図>
⑭
⑧
⑮
⑨
⑦
②
⑪
③
⑫
⑥
④
⑩
⑥
①
⑯
⑰
⑤
⑬