BIO VIEW 45号 | 簡単・迅速・高感度にマイコプラズマを検出!!

新製品のご紹介
簡単・迅速・高感度にマイ
・高感度にマイコプラズマを検出 !!
MycoAlertTM Mycoplasma Detection Kit
Code FL071
10 回用
Code FL072
25 回用
Code FL073 100 回用
¥20,000
¥38,000
¥95,000
Cambrex 社の製品です。
●
20 分以内に検出が可能。
●
サンプルに試薬を添加し、ルミノメーターで測定するだけ。
●
すべてのマイコプラズマ属が検出可能。
MycoAlertTM
アッセイ
マイコプラズマは培養細胞や培地などの汚染菌としてよく
PCR 増幅
知られ、汚染率は15%以上であることを示唆する研究もあり
ます。
蛍光染色法
マイコプラズマの感染は、細胞の増殖速度を低下させるとと
もに、細胞機能に深刻な変化をもたらします。例えば、細胞の
14 – 21
Days
培養法
遺伝子発現に大きな影響をもたらすことが知られており、数
百個の遺伝子の発現パターンが変化したという報告 1)もあり
0
1
3
4
5
6
Time( hours)
ます。このように、
マイコプラズマの感染は実験結果に多大な
影響を及ぼすため、その感染の有無を知ることは重要です。
2
図1 種々の検出法で要する検出時間の比較
最小の原核生物であるマイコプラズマは、通常のフィルター
を通り抜け、またほとんどの抗生物質に抵抗性があるため、
ルシフェラーゼ発光反応によって検出します。発光検出はル
除去することが困難です。そのため、細胞の継代ごとにマイ
ミノメーターを用いて行います。
コプラズマの検査を行い、早急な処置を行うことが必要不可
欠です。
従来のマイコプラズマ検出法では、判定までに数時間∼数
ルシフェラーゼ
−−→
ATP + ルシフェリン+ O2 −−−−−−
Mg2+
オキシルシフェリン + AMP + PPi + CO2 + 光
日を要しましたが、本製品では 20 分以内で判定を行えます
(Emission at 565 nm)
(図 1)
。しかも、2 種類の試薬を用いるだけで簡単に検出を
実際には、MycoAlertTM Reagent をサンプルに加えて細胞を
行うことができ、かつ高感度です(表 1)
。
溶解した後、MycoAlertTM Substrate を添加する前(A)と後
■測定原理
(B )のサンプル中の ATP レベルを測定し(図 2 )
、その比
本キットでは、マイコプラズマが特異的にもつ、ある種の酵
(Reading B/Reading A)を求めます。サンプル中にマイコ
素の活性を測定することで、生きたマイコプラズマを検出し
プラズマが存在すれば、その比は 1.0 を大きく超えます。
ます。この酵素がMycoAlertTM Substrate に作用すると、ADP
本キットを用いて測定し、その比を算出した例を表 2 に示し
が ATP に変換されます。この生成したATP をルシフェリン/
ます。
表1 種々のマイコプラズマ検出法による検出感度の比較*1(Cambrex 社データ)
検体
MycoAlertTM
培養法
蛍光染色法
A. laidlawii
0
20
200
20,000
200,000
−
+
+
+
+
−
+
+
+
+
−
−
+
+
−
−
+
+
+
+
M. hyorhinis
0
20
20,000
200,000
−
−
+
+
−
−
−
+
−
−
−
+
−
+
+
+
*1:検体として、A. laidlawii と M. hyorhinis が感染した HepG2 細胞を用いた。陽性を+、陰性を−と表示した。
*2: PCR は、35サイクル、1 ラウンドで行った(A 社キット使用)
。nested PCR を行った場合、感度は上昇する。
34
PCR*2
cfu/ml
●
BIO VIEW No.45
■プロトコール
Luminescence(RLU)
10,000
本キットによる検出プロトコールの概要を図 3 に示します。
M. hyorhinis infected:B/A ratio 114
Uninfected control:B/A ratio < 1
1,000
Reading A
Reading B
MycoAlertTM Assay Buffer を用いて、MycoAlertTM
100
Reagent および MycoAlertTM Substrate 溶液を調
10
製し、15 分ほど室温に放置する
1
0
2
4
6
8
10
12
14
16
d
Time(minutes)
図2 マイコプラズマ感染細胞と非感染細胞を検体とした場合の発光
反応のキネティクス
マイコプラズマ感染細胞の場合では、MycoAlertTM Substrate の添加により発光
が増大し、Reading B/Reading A 比が1 を大きく超える。一方、非感染細胞の
場合では、その比が 1 を大きく超えることはない。
表2 MycoAlertTM アッセイによるマイコプラズマ感染細胞と非感染
細胞の判別例
サンプルに MycoAlertTM Reagent 溶液を添加し、
5 分間放置する
d
ルミノメーターで発光を測定(Reading A)
d
MycoAlertTM Substrate 溶液を添加し、
細胞株
感染細胞
K562
A549
U937
HepG2
非感染細胞
HL60
COS -7
Reading B/Reading A 比
123.26
4.10
8.26
1.27 *
判定
陽性
陽性
陽性
ボーダーライン、
24 時間後に再テスト
10 分間放置する
d
ルミノメーターで発光を測定(Reading B)
d
Reading B / Reading A の比率を求め、サンプル中
のマイコプラズマの有無を判定する
0.72
0.46
陰性
陰性
図3 本キットによるマイコプラズマの検出プロトコール
*:比率が1.0 をわずかしか超えていない場合は、24∼48 時間後に再テストを
行い、比率が増加するか否かを確認する。
【参考文献】
1)Miller, C. J. et al. : Mycoplasma infection significantly alters microarray
gene expression profiles.(2003)BioTechniques 35, 812-814.
■性能
感 度:PCR 法、蛍光色素法で偽陰性となるサンプ
ルでも、検出可能。
検 出 限 界:50 cfu/ml 以下
検出可能な菌:Mycoplasma 、Acholeplasma 、Ureaplasma
なお、酵母、大腸菌を検出することはない。
BIO VIEW No.45 ●
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