The world of borderless - タテ書き小説ネット

The world of borderless
みなじゅん
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of
borderless
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world
︻小説タイトル︼
The
︻Nコード︼
N5705T
︻作者名︼
みなじゅん
︻あらすじ︼
whole
new
worldと世界観が同じ話。
明俊は仕事帰り、ふと寄った公園にてちょっとした出会いをする。
A
1
深夜、辺りは閑散とした商店街。いずれの店もシャッターが閉めら
れ、営業時間をとうに過ぎていることがわかる。
住宅自体もあるが、数十軒に一軒程度しか灯りは見当たらない。
そんな中、一人の男が千鳥足で歩いていた。
﹁ふ∼、酔った酔った⋮﹂
男は激しく酔っていた。
明るい抑揚でぶつぶつと独り言を言いながらふらふらと歩く。
男は余程良い酔い方をしたようでかなりの上機嫌だ。
しばらく歩くと、目の前には見慣れた公園が現れた。男の近所にあ
る公園で、もうすぐ彼の家に到着することがわかる。
ベンチと砂場とちょっとした遊具、そしてトイレ。こじんまりとし
た公園である。
男はぶるっと身震いをした。どうやらトイレを見ることで、尿意を
催したようだった。家まで我慢はできそうにはない。
トイレは電気が灯ったままで、男はふらりと光に誘われる虫のよう
に入る。
﹁う∼、漏れる漏れる﹂
暗闇に紛れてはっきりとしなかった男の容姿が光で露になる。
エボリューション
つわもの
男は小太りで人の良さそうな顔をしている。気分の良さも重なり常
タイプ
に笑っているように見える福顔。名を和久田明俊。
ノンケからゲイ、そしてバイセクシャルへと性愛が変革した剛の者
である。
2
﹁ふぃ∼﹂
チャック
社会の窓を下ろし、己の男根をむんずと掴む。
ぼろんと露出した男根から放尿を始めた。
﹁ふぁ∼﹂
しゅばばばばと、まるで便器に穴が開きそうな程勢いよく放たれる
尿。数十年放たれ続ければ、石に穴を穿つ水滴のように穴が開くは
ずである。
余程溜まっていたらしく、勢いは増すばかりだ。
そこにコツリと明俊の背後から靴の音。
スッと明俊の隣に立つと、便器に向かって放尿を始めた。
男の容姿はやや小太りだが筋肉質で、身長は明俊とあまり違いはな
い。
ただ脂肪か筋肉かという程度の体格差である。
頭はドレッドへアで、ヒゲをはやしたちょい悪アジア系外国人とい
った様子だ。
たくましさ
ふと気付けば、その男は明俊の股間を凝視していた。
おとこ
明俊の視線を気にすることなく、堂々と。
その堂々とした漢ぶりは、古き良き日本男児の心意気。
一足先に放尿を終えた明俊は、わざと男根と便器との間に隙間を作
り、局部が見えるような姿勢にする。
その行為に対する男の態度を見て、明俊は驚愕した。
3
男はそれを見て舌なめずりしたのだ。
彼はゲイに違いなかった。紛れもなくゲイだった。
明俊はふと男の目を見た。
するといつの間にか男も明俊の目を見ていた。濡れるような瞳で。
アイコンタクト
明俊と男は互いに股間を露出したまま向き合った。
うた
その視線のみによるやり取りで、互いに理解し合った。
無言での二人の間には、奇妙な友情の詩が流れていた。
男はUGとだけ名乗った。明俊も自らの名を名乗った。
それだけで充分だった。二人は障害者用のトイレへと入った。
広々としており、行為をする上では満足できる部屋だ。
鍵をかけ、お互いに視線を合わす。舐めまわすような視線。体全体
を観察し合う。それは視線による愛撫だった。
しかしそれもある一点で止まる。明俊はUGの股間に、UGは明俊
の股間に止まる。
隆々と屹立した二本の男根が、今かいまかと待ち構えていた。
尖端からはぬめぬめとした透明な汁がちろりと少しだけ出ている。
﹁はぁ⋮⋮⋮はぁ⋮⋮はぁ⋮はぁはぁはぁはぁはぁ﹂
ヒートアップ
男根を見ているだけで徐々に興奮が増していく。
二人は強く抱き合った。互いの股間が触れ合い、どこよりも熱い体
温が伝わり合う。
目を合わせ、濡れた視線を交わした瞬間、キスが始まった。
初っぱなから激しいディープキス。
お互いの舌を貪り合う。
4
﹁んっ⋮ちゅっ⋮んぶっ⋮ちゅううう⋮ぴちゃぴちゃ⋮んふぅ﹂
トイレの個室内に響く濡れた音。その淫靡な音がさらに官能を刺激
する。
ローション
体と体をこれでもかというほどに擦り寄せ、結果的に男根と男根が
擦れ合う。
棒と棒が二本の蛇のように絡み合う。互いの我慢汁が潤滑油だ。
このまま互いの陰毛が絡み合ってほどけなくなればいい、とまで思
うほどの興奮。
UGは明俊をテーブルに寝させた。それは本来、母親が赤子のオシ
メを替える為に使用するテーブル。
用途は違うが、得てして明俊自体は、赤子がオシメを替えるような
姿勢となっていた。
それは正常位をとろうとしたが、テーブルが細く短い為、尻までし
かせられないという結果の体位だった。
蛙がひっくり返ったような姿勢で明俊は挿入の瞬間を待った。
﹁うぐぅ﹂
UGは尖端をあてるやいなや根元まで突き入れた。
一瞬痛みがあったが、我慢汁がローション代わりになった為、すん
なり挿入することができた。
﹁⋮あぁ﹂
明俊は濡れた瞳でUGを見上げる。その瞳に触発されたUGは激し
く腰を動かし始めた。
﹁UHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!﹂
5
野獣のような声でUGが吠えた。その荒々しさ、猛々しさに、明俊
は原始を視た。
まるで原始人のようなたくましい交尾。明俊はされるがまま、野性
に、快楽に身を委ねる。
時折UGは明俊の唇を求めた。
﹁んっふむぅんんんんんん﹂
﹁mmhmmgm∼nn⋮﹂
アグレッシブ
腰の動きはより強く、より激しく、より攻撃的に。
上からと下からの攻めに、明俊の頭は恍惚となった。何も考えるこ
とができない。
﹁もっと!もっと!突いてくれ!もっとッッ!﹂
﹁URYYYYYAAAAAAHOOOOOO!!!﹂
﹁おおおおお!﹂
ピストン運動をするたびに、ぐっちょぐっちょと粘着性のある音が
響き渡る。
そして野獣と化した二人の咆哮が最大級に達した時、UGの男根か
ら精液が弾けた。
元々は﹃入れる﹄より﹃出す﹄穴、すぐさま全ての精液が体外に溢
れ出た。
へたり込むUG。明俊は間髪入れずにUGの口元へ向かって己の男
根を誇示した。
そこには未だ射精できずに我慢汁でギトギトになった男根。勃起し
て血管がビクビクと脈動する男根。
仮性包茎だが、勃起することによって亀頭が全て露になっており、
6
きむすめ
スカイツリー
生娘の頬のようにピンク色に染まっている。
﹁綺麗にしてください﹂
明俊が静かに呟いた。
UGはその意味を即座に理解して、その突起物を口に含んだ。
﹁ngggg⋮﹂
マリアージュ
喉を鳴らしながら激しく愛撫する。
我慢汁と唾液の合わさった液体が、明俊の男根にからみつき、かつ
UGの胃に吸収されていった。
﹁あ⋮あぁ⋮いい⋮⋮⋮⋮⋮う⋮うぅ⋮⋮⋮え?⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮
⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮おおおおおぉぉぉぉ﹂
明俊は母音のみでひたすら感じ続けた。
下手に子音を使う必要など無い。感じていることを伝えるには母音
だけで十中八九伝わる。そんな明俊の素直な心意気だった。
しかし、二人の蜜月も、明俊が絶頂を迎えようとする事で終わりを
迎えようとしていた。
﹁⋮mgmgmgmgmg⋮﹂
﹁あっあっあっあっ⋮いいい⋮ううううううえおおおおおおおおお
おおおおおおおお!!!﹂
激しい快感が明俊を襲った。とうとう堪えきれずに体の赴くままに
射精した。
びゅるっ!!!びゅるっ!!びゅるっ!と精液が三度UGの顔を叩
く。UGはそれを清水を浴びるかのように受け止めた。
7
この瞬間、二人の間に国境はなかった⋮。
二人は水道で愛液を流し、服を着た。そして風のようにUGは去っ
ていく。
去り際に振り向いたUGに向かって、明俊が言った。
じゃあな
﹁アディオス﹂
UGは微笑んで応えた。
﹁じゃあな﹂
それは流暢な日本語。
そしてUGは明俊の前から姿を消した。
明俊はUGの残り香に包まれながら、最後の言葉を反芻し、ある確
信を得た。
﹁⋮日本人だったのか⋮﹂
UG
そう呟いて、明俊は勇治との再会を願った。
8
PDF小説ネット発足にあたって
http://novel18.syosetu.com/n5705t/
The world of borderless
2013年1月16日06時20分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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