九州工業大学 学生フォーミュラチーム KIT-formula

九州工業大学
学生フォーミュラチーム
2014年5月分
活動報告書
はじめに
日頃より九州工業大学学生フォーミュラチー
ム(KIT-formula)の活動に対し,多大なるご
支援・ご協力をいただきまして,ありがとうご
ざいます.
この度,2014年5月分の活動報告書を作成致
しました.
今後とも私たちの活動にご協力・ご声援いた
だければ幸いです.
【行事報告】
1.学内走行
5月10日(土)に当校敷地内にて学内走行会を行い
ました.今回の走行はシェイクダウン以降,二度
目でありチーム内での疑似的な車検も実施しまし
た.レギュレーション違反のパーツが複数見つか
り,次回のチーム内車検までに修正することとし
ました.
走行では吸気システムの異音やブレーキ面など
でまだまだ課題はありますが,先月の走行よりも
長時間にわたって走らせることができ,非常に充
実した時間となりました.
今後は問題点をひとつひとつ解決し,完成度の
高いマシンに仕上げていきたいと思います.
Fig 1.
チーム内車検
Fig 3.
学内走行
Fig 2.
チーム内車検
2.デザインレビュー
5月20日(火)にコンセプトに沿ったマシン開発が
行われているかをチーム全体でチェックし,設計方
針を確認する機会としてデザインレビューを実施し
ました.
各パーツ5分ほどのプレゼンテーションを行い,企
画書に記した目標やその達成手法及び達成度合いを
報告しました.また今後のマシンアップデートに必
要となるデータやテストについても述べました.質
疑応答の時間も設け,パーツの情報共有の良い機会
となりました.
今回のデザインレビューをもとに,デザインレ
ポート(※1)を作成していきます.
Fig 4.
デザインレビュー
※1 デザインレポート:
設計の独自性や,マシン性能向上のための工夫や採用した技術な
どを明記した書類で,デザイン審査における提出物となっていま
す.
3.支部学生フォーミュラ連絡会
及びトークショー
5月23日(金)に「人とくるまのテクノロジー展」
の自技会ブースにて行われた,学生フォーミュラ活動
PRのトークショーに参加しました.
東北,関東,中部,関西,九州など全国の学生
フォーミュラチームの代表者が集まり,それぞれのマ
シンや活動の様子のPRを行いました.
鳥人間コンテストやロボットコンテストといった他
のものづくりコンテストに比べ,学生フォーミュラ活
動の知名度はまだまだ低いことを実感しました.今後
もこのような機会を通してアピールできたらと思いま
す.
Fig 5.
トークショーの様子
Fig 6.
チーム紹介
4.響灘東地区走行会
5月25日(日)に北九州市若松区響灘東地区で走行会
を実施しました.
走行会ではブレーキテスト・旋回練習・オーバル走
行等々を行い,走行確認とドライバーのフィーリング
の確認をしました.
サスペンションのフィーリングが良いとのドライ
バーの意見も得ることができ,今後の参考となる走行
会にすることができました.しかし今年度車両での全
開走行が初めてだったこともあり,初期トラブルが多
発し,修正箇所も多く見つかりました.今後はこの走
行会で取得したデータを用い,さらにマシンのレベル
を向上させ,走行会を重ねていく予定です.
Fig 7. 走行の様子
【パート進捗報告】
(1)フレーム
今月の活動目標はシートステイ及びファイヤー
ウォールステイの製作,フレームの塗装でした.5月
25日の響灘東地区走行会前にこれらを無事終えるこ
とができました.
来月の活動目標は,コストレポート(※2)作成を
終えることです.
Fig 8.
フレーム塗装
Fig 9.
ファイアーウォールステイ
Fig 10.
シートステイ
※2 コストレポート:
マシン1台を製作するにあたって必要な金額を算出したもので,
製作した部品の材料費・加工費はもとより,組み立てに必要な
人件費などすべてを計上した価格を示した書類です.
(2)カウル
当初は5月の活動目標を積層まで終えることとして
いましたが,発泡体をコーティングする樹脂の発送
が遅れたため作業に遅れが生じました.
進捗としては樹脂のコーティングや,パテを盛っ
て型の形状を整える作業まで終えています.6月は静
的審査の提出書類であるコストレポート,デザイン
レポートの作成があるため製作と並行して進めてい
きたいと思います.
Fig 11.
製作中の型
(3)アップライト,ブラケット
5月の活動目標としてはパーツの最終確認とアライ
メント調整,コストレポートの作成を予定していま
した.
パーツの最終確認を行い,アライメントを測定し
トーとキャンバーを調整して,5月25日に行われた走
行会に臨みました.サスペンションのフィーリング
が良いとのドライバーの意見を得ることができまし
た.またコストレポートに関しても裏付け資料・エ
クセルシートを終えています.
6月の活動目標はデザインレポートとコストレポー
トの完成です.
Fig 12.
フロントアップライト
Fig 13.
リアアップライト
(4)ハブ
今月の目標は,ドライブシャフトとの干渉があっ
たスプライン部分の追加工用の図面作成及び提出で
した.
今月は二度の走行会を予定していたため,25日の
走行会に間に合うように図面の作成および提出を行
い,追加工を済ませ無事干渉を解消することが出来
ました.
来月の目標は,コストレポートの作成,フロント
ハブカラーの製作です.
(5)ステア
今月の目標は,シャフトステイの再溶接,シャフ
トの全周溶接及び車検適応でした.
シャフトステイの中心からのずれは,ラックと
シャフトを組み付けた状態で位置出しをして修正し
ました.シャフトの全周溶接は,ユニバーサルジョ
イントに過剰に熱が入らないよう,冷ましながら行
いました.車検適応については,ユニバーサルジョ
イントのカバーを,昨年度同様伸縮性のある水道管
用のホースを用いて製作しました.
来月の目標は,コストレポートの作成です.
(6)スタビライザー
今月は製作を終えることを活動目標としました.
先月に発注していた材料が届いたため,製作を開始
しました.リアのスタビライザーには,SCM440調質材
を使用しました.
スタビライザーの調整機構や,パイプの端面加工は
加工が困難なため,大学内の実習工場に依頼し,製作
していただきました.当初の設計では,フロントの調
整機構は,軽量化のため端を落とした形状としていま
した.しかし実習工場の方から,端を落とすと先が広
がってしまうとのご指摘を受け,設計を変更しました.
CAD上では描けても,すべてが実現できるわけではな
いということを改めて感じました.
実習工場で加工していただいたパーツと自分で加工
したパーツを溶接,塗装し,スタビライザーが完成し
ました.直後の走行会ではリアは調整機構の調整をス
ムーズに行うことができ,設計時の目標を達成するこ
とができました.今後はドライバーと相談しながら,
セッティングを出していく予定です.
来月は静的審査の書類作成,セッティング出しに取
り組む予定です.
Fig 14.
フロントスタビイザー
Fig 15.
リアスタビライザー
(7)電装
5月は回転数をデータロガーに入力する為の基盤と
サブハーネスを製作し,燃調の調整を行いました.
サブハーネスにより,容易なデータロガーの取り外
しが可能となりました.来月はサブハーネスへの配
線追加を予定しています.
(8)吸気
5月の活動目標はスロットル周りの改善と,コスト
レポートの作成としていました.
コストレポートには着手しており,裏付け資料と
コストシートを作成しています.また走行会におい
て,シリコンホースを締結しているホースバンドの
不具合により異音が生じてしまったため,総取り換
えを行いました.
Fig 16.
コストレポート用作成図面
(9)排気
5月の活動内容としては,静的審査提出書類の作成
を中心に行いました.
今月実施した走行練習の中で,騒音の計測を行い
ました.排気音量がA特性で106dB,C特性では111dB
の測定結果が得られました.大会ではA特性を使用す
るため許容範囲内ではありますが,グラスウールの
耐久性を考慮して,パンチングパイプにステンの
ウールを巻き,その上にグラスウールの巻きなおし
を行う予定です.
6月は今月に引き続き静的審査提出書類の作成と,
サイレンサーのグラスウールの巻き直しを行う予定
です.
(10)ブレーキ
当初,5月の活動目標をペダルユニットの塗装とコ
ストレポート作成としていました.ペダルユニット
の製作は問題なく終え,コストレポートの作成に着
手しています.サブアッセンブリのコストレポート
や図面出しまで終えているため,来月のチーム内提
出期限に向けて取り組んでいく予定です.またデザ
インレポートの作成及び,残りの部品製作を行う予
定です.
(11)シフタ
5月はロッドのリンク比の改善とシフトノブの曲げ
を行いました.シフトノブがショートストロークで変
速出来るようにリンク比を改善しましたが,更に
ショートストロークが良いという要望が出ているため
下部リンクの設計変更を今後行う予定です.
6月の活動予定
6月1日
自動車開発・製作セミナー
6月11日
デザインレポート,デザインスペックシート提出
6月20日
コストレポート提出
6月22日
学内走行
6月29日
走行会【於 北九州市若松響灘東地区(予定)】
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