膀胱全摘術後に左腎孟尿管および回腸導管内に再発した移行上皮癌の

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
Title
膀胱全摘術後に左腎孟尿管および回腸導管内に再発した
移行上皮癌の1例
Author(s)
橋本, 純一; 高士, 宗久; 金城, 勤; 佐橋, 正文; 村瀬, 達良; 下
地, 敏雄; 三宅, 弘治; 三矢, 英輔
Citation
Issue Date
URL
泌尿器科紀要 (1987), 33(9): 1450-1454
1987-09
http://hdl.handle.net/2433/119265
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
1450
〔泌 尿 紀 要32巻9号i987年9月
〕
膀胱全摘術後に左腎孟尿管お よび
回腸導管内に再発 した移行上皮癌の1例
名古屋大学医学部 泌尿器科学教室(主 任:三 矢英輔教授)
橋本
純 一 ・高 士
宗 久 ・金 城
勤 ・佐 橋
正文
村瀬
達 良・ 下 地
敏 雄 ・三 宅
弘 治 ・三 矢
英輔
RECURRENCE
THE
OF
TRANSITIONAL
CELL
LEFT
PELVIS
AND
URETER,
AFTER
TOTAL
CYSTECTOMY
AND
CARCINOMA
ILEAL
: A CASE
IN
CONDUIT
REPORT
Junichi HASHIMOTO,
Munehisa TAKASHI,Tsutomu KINJO,
Masafumi SAHASHI,Tatsuro MURASE,Toshio SHIMOJI,
Koji MIYAKE and Hideo MITSUYA
Fromthe Department
of Urology,NagoyaUniversitySchoolof Medicine
(Director:Prof H. Mitsuya)
A 63-year-old male with transitional
cell carcinoma of the bladder underwent
total cystectomy.
Five years later sequential excretory urography and urinary cytologic examination
revealed tumor recurrence in the left pelvis and ureter; left nephroureterectomy
was performed in July, 1984. In December, 1985, he complained of macrohematuria
and urinary cytology was positive.
Ileal conduitgraphy
showed filling defects at the bilateral
uretero-ileal
anastomosis, where two papillary lesions were disclosed by endoscopic examination.
In ,January, 1986, total extirpation of the ileal conduit and reconstruction
of a new ileal
condut was performed.
Macroscopically the two lesions were found to be a papillary tumor
at left uretero-ileal anastomosis and e, polypoid tumor distal to right uretero-ileal
anastomosis. Histological examination revealed both tumors to be grade II transitional
cell carcinoma. This rare case is discussed and the literature
is reviewed.
Key words:
Ileal conduit,
緒
Transitional
cell carcinoma,
recurrence
が再 発 した1例 を 経 験 した の で,こ
言
尿 路 移 行 上皮 癌 の 特 徴 の ひ とつ は,同
Tumor
症
じ移 行.ヒ皮 に
こに 報 告 す る.
例
被 わ れ た腎孟 ・尿 管 ・膀胱 ・尿道 に 同 時 に 発 生 あ るい
患 者=63歳,男
は 時 を 前後 して 別の 部 位 に 多 発性 に再 発 す る とい う多
主 訴:肉 眼 的 血 尿
中 心 性 の 発生 で あ る,こ の こ とは,治 療 上,あ る い は
既 往 歴 お よび 家 族 歴:特 記 すべ き こ とな し
経 過 観 察 の うえ で,注 目 さ れ る問 題 と な って き て い
る.移 行 上 皮癌(以 下TCCと
略 す)が 膀 胱 に 発 生
後,腎 孟 ・尿 管 に再 発 す る頻 度 は,1.6%∼4%と
告 され2-U,比
報
較 的 少 な い.ま た 回腸 導 管 内再 発 は,
これ まで に,7例
者 は 膀 胱 の 工℃Cに
の報 告 を み るにす ぎない,今 回,著
対 して,膀 胱 全摘 術 を 施 行5年 後
に,左 腎 孟 と尿 管 にTCCが
円:発し,さ ら に そ の1
年6ヵ 月 後 に 回 腸導 管iワ1の
尿 管 回 腸 吻 合lli;を
こTCC
現a:1968年,肉
性
眼 的 血 尿 を 主 訴 と して来 院.膀
胱 鏡 検 査 に よ り膀 胱 腫 瘍 と診 断 し,経 尿 道 的電 気 凝 固
術 施 行.そ の 後,膀 胱 内再 発 を 繰 り返 し,経 尿道 的 切
除 術 を 施 行 した が,1979年2月,短
期 間 に お け る,頻
回再 発,多 発 性 の た め,経 尿 道 的 処 置で は コ ン トロー
ノ
し不 可 能 と判 断 し,根 治的 膀 胱C摘 術 お よび 回 腸導 管
造 設 術 を 施 行 した.そ の後,排 泄 性 腎 孟 造 影 を定 期 的
に施 行 し,経 過 をみ て いた が,1984年4月,左
無機 能
1451
橋 本 ・ほ か:回 腸 導 管 ・移 行 上 皮癌
馨
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齢
を
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』咳
・整 嘗
、
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Fig.3.Antegradepyelographyoftheleftkidney
showsfillingdefectsatthepelvisand
theupperportionoftheureter.
謙
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演 隣、
柑
観L
Fig.1.Excretoryurography:la;Normalfindings(May1979),lb;Irregularityofthe
leftureteralwallisnotedattheupper
segment(October1981).Ic;Irregularity
ofthewallandintraluminalfillingdefectsarenotedattheleftpelvisand
theupperportionoftheleftureter
(May1982).ld;DIPshowslackof
leftrenalfunction(April1984).
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残
Fig'.4.Resectedletitkidney:papillarybroad
basedtumorcanbeseenattheureteropelvicjunction.
造 影 で は,左 腎孟 内 の陰 影 欠 損,左 尿管 上 部 の壁 不 整
お よび 陰影 欠損 を認 め る(Fig.3).な
お左尿 管 回 腸
導 管 吻 合 部 は特 に 異 常 は認 め なか った.
Fig.2.AbdominalCTscandemonstratesleft
以 上 よ り左 腎 孟 尿 管腫 瘍 と 診 断 し,1984年7月12
hydronephrosis,thinrenalparenchyma
日,左 腎 尿管 摘 出術 を 施 行 した.左 腰 部 斜 切 開に て 後
andhighdensityareaintheleftpelvis.
腹 膜腔 に達 し,左 腎 お よび 尿管 を 周 囲 組織 とと もに 摘
腎 とな り,同 年6月ll日,精
Fig.1に
査 を 目的 に 入院 した.
院後 のCTで
排 泄 性 腎孟 造 影 の 経 時 的 変 化 を 示 す
は,左
水 腎症,左
め,ま た,左 腎 孟 内に は,一
分 がみ ら れ る(Fig.2).経
入
腎 芙 質 の菲 薄 化 を 認
部にhighdensityの
部
皮 的 腎 穿 刺 に よ る 左 腎孟
出 した が,尿 管 に つ い て は,尿 管 回 腸 吻 合 部か ら腎 側
5cmが,前
回 の手 術 に よ る癒 着 が強 く,剥 離 困 難 で
あ り残 存 した,摘 出 漂 本 の 肉眼 的 所 見 は,腎 孟 尿 管 移
行 部 に乳 頭 状 広 基 性 腫 瘍 が あ り,そ れ よ り約6cm末
梢 側 の 尿管 に 超 大 豆 大 の乳 頭 状 広 基 性 腫瘍 が認 め られ
1452
泌 尿 紀要33巻9号1987年
た,腫 瘍 部 以 外 の 腎 孟 壁 も,全
(Fig.4),組
体 に 肥 厚 して い た
織宇 的 所 見 は,こ れ は 腎孟 尿管 移 行 部 の
腫 瘍 の もの で あ るが,腫 瘍 細 胞 は,核 は ク βマチ ンが
卿騨
わ ず か に 増 量 しや や 大 型 で,狭 い 間質 を 伴 って 乳 頭状
に増 殖 し,粘
TCCで
膜 下 に 軽 度 浸 潤 の あ る,grade2の
あ った(Fig.5),ま
1.雛
鷺
た 尿 管 腫瘍 の組 織 学 的所
見は,乳
頭 状 で 粘 膜下 に は 浸 潤 の な い,gracle2の
Tccで
あ った.な お 尿 管 断 端部 に 悪 性 所 見 は,認
られ なか った.術 後,経 過 良 好 で7月23日
窮
物
藷
噸
め
退 院 した.
そ の後 外 来 に て経 過 観 察 して い た が,翌 年12月29臥
肉眼 的 血 尿 が 強 くな り高 度 貧 血 とな った た め 累 急 入院
した.
入 院時 現 症
身長155cm,体
go,脈 拍84/分,整.眼
重50kg.血
圧1881
身 蓼
瞼 結 膜 の軽 度 貧 血 と 顔 面 の軽
度 浮腫 を認 め た.胸 部 お よび 腹 部 身体 所 見 に 異 常 を認
Fig.7。Antegradepyelographyofthcright
め ず,左 側 腹 部 痛 が み られ た.
kidneydemonstratesmilddilatationof
theureterandstrictureattheure.
tero-ilealanastomosis,
懸講
薪
/濫
い
一 ..識'
・
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T,
翫.
Fig.5.Histopathologyofthepelvictumor
revealsgradeIItransitionalcellcarcinomawithsubmucosainvasion.
'黙
;
R(I
Fig.8.Resectedilealconduit:twopapillary
tumorsarerecognizedatthebilateral
uretero-ilealanaStOmOsis.
入 院 時 検 査 所 見:末
舞
梢 血 液 検 査;赤
lO4!mm3,Hb8.lg/dlと
低下
BUN24mgtdl,Cr3.8mgldlと
駕
麩
ソド㌧
灘
考/轡 甕
4.8mg/dl,フ
い た.血
血 球 数260x
血 液 生 化 学 検 査;
上 昇,ま
たCRP
ィ プ リ ノー ゲ ン586mg,idtと
沈;1時
間 値50mmと
充 進,尿
上 昇 して
細 胞 診;陽
性,
X線
学 的 検 査:回
腸 導 菅 造 影 で は,左
尿 管 お よび右
尿 管 と 回 腸 導 管 の 吻 合 部 付 近 に 陰 影 欠 損 を2ヵ
る(Fig.6).経
で は,右
所 認め
皮 的 腎 穿 刺 に よ る 右 順 行 性 腎 孟 造影
尿管 の軽 度 拡 張 と右 尿管 回 腸導 管 吻 含部 の 狭
窄 を 認 め る(Fig7)。
内 視 鏡 検 査:回
腸 導 管 内 を 膀 胱 鏡 に て 観 察 す る と,
導 管 口 よ り約10cmの
と こ ろ に,1、4cmxO.8cmの
atthebilatcraluretero甲ilealanasto-
乳 頭 状 腫 瘍 を 認 め,そ
の 導 管 口側 に も,0.9cm×0.6
MOSIS.
cmの
Fig.6.Ilealconduitgraphyshowsfillingdefects
乳 頭 状 腫 瘍 を 認 め た.そ
の 他 の部 位 は特 に 異 常
'講 藻難
1453
橋 本 ・ほ か:回 腸 導 管 ・移 行 上 皮癌
QrI
麗
鐘
ロ
る
難 饗鷺1蕪
霧
Fig.9.Histopathologyofthetumorattherighturetero-ileal
anastomosisrevealsgradeIItransitionalcellcarcinoma
withpapillaryproliferationorginatingintheureteral
mucosa.
Table1.Recurrenceoftransitionalcellcarcinomainilealconduit:8cases
症例
報告者
年齢
性別
膀 胱でTCCの 再発 膀胱 全摘後再 発
を繰 り返 した期間 までの期 間
10年
1Solowayら6)71女
再 発部位
月
1年1ヵ
月
右尿管 回腸導 管吻合部
1年7ヵ
左腎孟,右 尿管
2Solowayら6)53男
右尿管 回腸導 管吻合部
左尿管 回腸導管吻合部
2年
4年
3Wajsmanら7157女
4Banigoらel
69男
9年
5
Allan9)
56男
17年
6
西 本 ら10)
68男
7
Deaneら11)
8
著 者
右 腎孟
3年3ヵ
月
6年6ヵ
月
回腸導管
1年7ヵ
月
右 腎孟
左尿管 回腸 導管吻合部
3年
右尿管 回腸 導管吻合部,左尿管
2年
1年6ヵ
男
右尿管 回腸導管吻合部,回腸導管
月
尿管 回腸 導管吻合部
2年
63男
11年
を認 め な か った.
2年8ヵ
月
左 腎孟 尿管
6年10ヵ
月
左 お よび右尿管回腸導管吻合部
端,回 腸 導 管 の そ の他 の部 位 に は悪 性 所 見は 認 め られ1
以上 よ り移 行 上 皮 癌 の 回 腸導 管 内 の尿 管 吻 合部 に お
け る再 発 と診 断 し,1986年1月23日,回
な か っ た.
腸 導 管摘 出術
考
お よび 回 腸導 管 の再 造 設術 を施 行 した,手 術 所 見:正
中切 開 に て腹 腔 内に 達 し回腸 導 管 を剥 離 摘 出 した.回
腎 孟,尿
管,膀
察
胱,F.}び
尿 道 の 一 部 は 同 じ移 行 上 皮
腸導 管 は,尿 管 回 腸 導 管 吻 合部 の あ た りで 後 腹膜 との
に よ り内 腔 を 被 わ れ る が,そ
癒着 が 高度 で あ った.回 腸 導 管 の 漿 膜 側 へ の 腫瘍 の浸
は,多
潤は,肉 眼 的 に は認 め られ なか った.
再 発,す
病埋 学 的 所 見 ・肉眼 的所 見 は,前 述 の 内視 鏡所 見 の
よ うに,2個
の 乳 頭状 腫 瘍 を 両 側 の 尿 管 回腸 導 管 吻 合
部 付近 に認 め た(Fig.8).組
織 学 的 所 見は,左
尿管
TCCが
こ か ら 発 生 し たTCC
中 心 性 発 生 と い う 性 格 を 持 っ て い る.下
な わ ち 上 部 尿 路 のTCCの
発 生 す る こ と は 少 な くな く,そ
15-48%1)と
発 生 後,上
回腸導 管 吻 合 部 よ り発 生 した 腫 瘍 は,塩 基好 性 の胞 体
を 呈 し,ク ロマ チ ンが 増 量,粗 大 穎 粒 状 に分 布 した 核
報 告 に よ る とZinckeら'L)は,425例
を有 す る腫瘍 細 胞 が 乳 頭 状 に 増 殖 し,1部
Schellhammcrら
へ の浸 潤 を認 め たTCCgrade2の
Fig,9は
所 見 と判 断 した ・
そ の 遠位 側 の乳 頭 状 腫 瘍 で あ る が,右
尿管
らuは,500例
にBricker`)カ
橋
報 告 し て い る.回
ミ報 告 し て 以 来,広
わ れ て い る 尿 路 変 向 法 で あ る が,回
乳頭 状 に 増 殖 し,一 部 粘 膜'下 に 浸 潤 の あ る,TCC
が 発 生 した と い う報 告 は 稀 で,文
所 見 で あ った.な お,左 お よ び 右 尿 管 断
家の
中19例(4%),大
断端 部 の 尿 管 粘膜 上皮 よ り伸 び た 移 行 上 皮 に 連続 して
grlde2の
部 尿 路 にTCC
の 頻 度 は,諸
中19例(3.3%),
り)は,ti61例
中8例(1.6%)と
瀞 管 は1950年
りで は7例
胱に
の 発 生 率 が,
報 告 さ れ て い る の に 対 し 上 行 性 の 再 発,
す な わ ち 膀 胱 のTCCの
が 発 生 す る こ と は 比 較 的 少 な い.そ
粘膜 固 有 層
行性 の
発 生 後,膀
腸
く行 な
腸 導 管 内 にTCC
献 的 に調 べ え たか ぎ
の み で あ っ たE)(Tablel).こ
れ ら で は,
泌 尿紀 要33巻9号1987年
1454
回腸 導 管 造設 術 陵2∼6年
は6年10ヵ
で再 発 してい るが,自 験 例
月 で あ り,他V`比 べ て,再 発 まで の 期 間 が
瘍 が 多 発 し て い て,multifocalな
と考 え ら れ,こ
upが
や や 長 い.
尿 路TCCの
中 発癌 物 質,(3).不
結
瘍 細 胞 の 播 腫,(2).尿
安 定 な 尿 路 上皮 に起 こ る多 中 心 性
後 のfollow-
非 常 に 重 要 で あ る と 思 わ れ る.
易再 発性 お よ び 多発 性 の要 因 に 関 し
てShcrwo〔aら12)は,(1).腫
性 格 を 持 つTCC
の よ う な に 対 して は,術
63歳 の男 性 で,膀
語
胱TCCに
よ る 膀 胱 全摘 術 お よ
す べ て が 多中 心 性 発 生 と
び 回腸 導 管 造 設 術 施 行 後,左 腎孟,尿 管 お よび 回腸 導
は か ぎらず,単 一 の発 生 の もの も13.8%に み られ る と
管 内に 再 発 を きた した1例 を経 験 した の で ここ に報 告
い う報 告 もあ る2).こ の よ う な性 格 の腫 瘍 を 持 つ 症 例
し,若 干 の 文 献 的 考察 を行 な った.
を あげ て い る.た だTCCの
で は,腫 蕩 の再 発 お よび 多発 は 少 な い と考 え られ る.
膀胱TCCの
7inckeら2)は
膀 胱にTCCが
存 在 した 期 間 の長 さに
関係 す る とい って い る.本 症 例 で も膀 胱TCCの
初発
1)沼
回 腸 導管 へ のTCCの
香 川
征:腎
孟 尿 管
日 泌 尿44=981∼987,1982
radicalcystectomyforUladdercancer.J
管TCCの
Urol131:511∼52,1984
3)$chellhammerPFandWhitmoreWFJr:
回 腸導
管 周 囲 よ りの浸 潤,(4).尿
中 発 癌物 質 な どが 考 え られ
る.Tahlcよ
にTCCが
Transitionalcellcarcinomaoftheurethra
inmenhavin
4)大
の摘
橋 英 行
巌
れ らは,(1)の 機 序 が要 因に な って い るわ け で あ る.回
腸 導 管 の組 織 変 化 に つ いてDeaneらn)は,20例
,a,cystectomyforbladder
cancer.JUrol115:56∼60,1976
再 発 した 部 位
は,症 例3以 外 す べ て 尿管 回 腸 導 管 吻合 部 で あ る.こ
・山 田
・高 木 健 太 郎
拓
・水 尾 敏 之
・長 松 秀 樹
・大 島 博 幸:膀
腎 孟 腫 瘍 の1例.日
・福 井
胱 腫 瘍 に 続 発 し た
泌 尿 会 誌76=1`L55;1985
5)BrickerEM:Bladdersubstitutionafterpelvicevisceration.SurdClinNAmer30:
出標 本 よ り,(1).粘 膜へ の炎 症 細 胞 浸潤,(2).粘 膜 筋 板
の 断 裂,(3).粘
・GhazizadeliM・
urinar}'tracttransitionalcellcancerafter
尿 管 回 腸導 管 吻 合 部 に お け る尿 管 粘膜 上 皮 よ り の再
り回腸B内
明
2)'LinckeH,GarUefiPJandBeahrsJR:upper
再 発 機 序 に つ い て は,(1).
瘍 細 胞 の 播種,(3).尿
田
腫 蕩 の 臨 床 的 研 究.西
か ら膀 胱 全 摘 まで の 期間 が11年 間 あ る.
発,(2).腫
献
文
上 部 尿 路 へ の再 発 の しや す さに つ いて,
1511-1521,1950
膜下 層 の浮 腫 お よび リ ンパ管 の 拡 張 を
6)solowayMs,MyersGHJr,BurdichJHand
認 め,悪 性 化 の所 見 は 認め られ な か った とい う.よ っ
NlalmgrcnRH:Ilealconduitexfoliative
て 回 腸 導管 の腺 上 皮 そ の ものの 悪性 化 は少 な い の で は
cytologyinthediagnosisofrecurrentcancer.
と推定 ない か され る.す な わ ち,回 腸 導 管 内 にTCC
が再 発す る場 合,ほ
JUrol107:835-839,1972
とん どが 尿 管 回 腸導 管 吻 合 部の 尿
7)Wajsman7_,BaumgrartnerGandMerrinC:
'T
ransitionalcellcarcinomaofdealloop
管 断 端 粘膜 か ら発 生 す るわ け であ り,こ の こ とか ら回
腸 導 管 造設 術 時 の 尿 管 断 端 粘膜 の 悪 性変 化 の有 無 の 検
followingcystectomy.Urol5:255256,1975
8)BanigoOG,WaismanJandKaufmanJJ:
1'apillar}'(transitional)carcinomaiYianileal
索 が 非 常 に 重要 に な って くる と思 わ れ る.
検 査 法 と して,膀 胱TCCに
に つ い て,7inckcら2)は,定
よ る膀 胱 全摘 後 の患 者
期 的 な 尿細 胞 診,排
conduit.JUrol114:G26--627,197
9)AllanDMRecurrenttransitionalcell
泄
carcinomacomplica±ingilcalconduit.Br
性 尿 路 造影 お よび 逆 行 性 導管 造 影 を強 調 してい る.ま
た,西 本 ら10)は,他 に 回 腸導 管 指 診,内 視 鏡検 査 を あ
げて い る,尿 細 胞 診 に つ い て,回 腸 導 管 の 尿は 不 適 切
で経 皮 的 腎 孟 穿刺 に よ り得 られ た 尿 で 異 常細 胞 塊 が 発
見 され,確 診 を得 た とい う報 告 も あ る12).排IUI性 尿路
造 影 で 上 部 尿路 の再 発 が 疑わ れ た 時,逆 行性 導 管 造 影
では 上 部尿路 を描 出 しえ な い こ とが あ り,超 音波 ガ イ
JUrol84;60,1976
10)西
本
正
・根 本 良 介
・塩 谷
尚
・ 加 藤 哲 郎:移
上 皮 癌 再 発 に よ る 回 腸 導 管 狭 窄 の 一 例.臨
行
泌32:
975979,1978
11)DeaneAM,Woodhousecx
,JandParkinson
MC:Histologicalchangesinilealconduits.
,JUrol132:1108-1111,1984
1L)ScherwoodT:Upperurinarytracttumours
followingonhlacldercarcinoma:Natural
ド下に 腎 孟 を 穿刺 し,腎 孟 尿 管を 造 影,ま た,得
られ
た 尿 を 細 胞診 に 出す こ と も有用 と思 わ れ る.ま た,本
症 例 は,膀 胱 全摘 術 時 の 膀 胱 の摘 出標 本 で 膀 胱 内 に腫
historyofurothelialneoplasticdisease.Br
JRad44:137.141,1971
(1986年8月2i日
受 付)