2009年7月 参考資料1 地域における エネルギー有効利用計画制度の概要 − 2010年1月施行 − 東京都環境局都市地球環境部 1 目的・特定開発事業等 ❏ 目 的 大量かつ高密度なエネルギー需要が発生する大規模開発において、エネルギー有効利用を推 進し、環境への負荷の低減を図る。 ❏ 対象:特定開発事業 一の区域において一又は二以上の建築物の新築若しくは増築を行う事業(開発事業)で、新築 若しくは増築するすべての建築物の延べ面積の合計が50 000㎡を越えるもの 若しくは増築するすべての建築物の延べ面積の合計が50,000㎡を越えるもの ❏ エネルギー有効利用指針の作成 知事は、特定開発事業者等が特定開発事業において、エネルギーの有効利用を図るための指 針を作成する。 ❏ 省エネルギー性能目標値の設定 特定開発事業者は、下記について省エネルギー性能の目標値を設定しなければならない。 特定開発事業者は 下記について省エネルギ 性能の目標値を設定しなければならない (1) 適用対象 新築(増築)する延べ面積が10,000㎡超の建築物において、延べ面積2,000㎡以上の用途 (工場、駐車場、倉庫は除く) (2) 目標値 ➢ 建築物の熱負荷の低減(PAL低減率) ➢ 設備システムのエネルギー利用低減率(ERR) ※目標値は、省エネルギー性能基準以上の値を設定しなければならない。ただし、省エネルギー性能基準の ※目標値は 省エネルギ 性能基準以上の値を設定しなければならない ただし 省エネルギ 性能基準の 定めのない住宅用途では、建築物の熱負荷の低減及び設備システムの省エネルギーは段階2以上(建築物 環境計画書制度)を勘案して設定しなければならない。 2 有 利用 有効利用が可能なエネルギーの導入検討 能 ネ 導入検 ❏ 有効利用が可能なエネルギーの利用設備の導入検討 特定開発事業者は、下記の有効利用が可能なエネルギー(利用可能エネルギー)の 利用設備の導入を検討しなければならない。 特定開発区域及び その境界から1kmの範囲 □ 清掃工場排熱 □ 下水汚泥焼却に伴い発生する 排熱 □ 下水処理水の温度差 □ 河川 河川・海水の温度差 海水の温度差 特定開発区域及び 近接する街区 □ 建築物の空調により発生する 排熱(ビル排熱) ☞ 河川の温度差利用 ▶対象河川 ▶対象河川・・・最小水深50cm以上か 最小水深50 以上か つ平均流量8,000㎥/日以上 ☞ ビル排熱 ▶特定開発区域・・・冬期(12月∼3 月)の冷熱需要が日平均10 000M 月)の冷熱需要が日平均10,000M J以上が想定される場合 ▶近接する街区・・・延べ面積50,000 ㎡超の建築物 ☞ 地下鉄排熱 ▶地下鉄駅舎・・・平均乗降客数10万 人以上/日 一 次 検 討 二 次 検 討 特定開発区域 □ 地下鉄排熱 □ 太陽エネルギー(太陽光発電・ 太陽熱利用) 利用可能エネルギーの有無 導管敷設の地域的な制約条件の検討 ※地域的な制約:河川、鉄道、地下構造物等 利用可能エネルギー発生施設における 対応可能性の検討 ※開発スケジュールに合わせた施設改修 利用可能エネルギー量の把握 利用可能エネル ギーを活用する 利用可能エネル ギーは活用できない 3 地域冷暖房の導入検討 冷暖房 導入検 特定開発事業者は、エネルギー有効利用指針に基づき、地域冷暖房の導入を検討し なければならない。 ❏ 概括検討 括検 特定開発事業が、地域冷暖房について適性を有するか検討 (適性判断の例) ➢ 建築物が複数棟ある。1棟でも周辺の開発や既存建築物への拡張性がある。 ➢ 最大熱需要が21GJ/h以上が期待できる。 ➢ 住宅用途以外の用途が大半を占め、事業性が期待できる。 ➢ 駐車場、倉庫、工場等以外の熱需要密度の高い用途が大半を占め、エネルギー有効利用、事業性 が期待できる。 ➢ 有効利用が可能なエネルギーの活用が期待できる。 清掃工場排熱、下水汚泥の焼却排熱、下水処理水・河川・海水の温度差利用、ビル排熱、地下鉄排熱 など ❏ 詳細検討 熱源等のスペース、導管ルート、事業性、事業主体について検討 地域冷暖房を導入 地域エネルギー供給計画の作成 地域冷暖房は導入しない。 近接する地域エネル ギー供給事業者からの 熱の相互利用の検討 個別熱源の検討 4 エネルギー有効利用計画書の作成等 ネ 有 利用 作成等 ❏ エネルギー有効利用計画書 特定開発事業者は、エネルギー有効利用指針に基づき、エネルギー有効利用計画書を作成し、 特定開発事業において新築 増築する特別大規模特定建築物(延べ面積10 000㎡超)のうち 最 特定開発事業において新築・増築する特別大規模特定建築物(延べ面積10,000㎡超)のうち、最 初に建築確認申請を行う日の180日前までに提出しなければならない。 ➢ ➢ ➢ ➢ ➢ 特定開発事業の概要、特定開発区域の範囲 省エネルギ 性能目標値の設定 省エネルギー性能目標値の設定 省エネルギー性能目標値の検証方法(省エネチューニングの実施) 有効利用が可能なエネルギーの利用設備の導入検討 地域冷暖房の導入検討 特定開発事業者及び知事は、エネルギー有効利用計画書を公表しなければならない。 建築物環境計画書において、省エネルギー性能目標値を確保するよう措置を講じる。 ❏ 地域エネルギー供給計画書 特定開発事業者は、地域冷暖房を導入する場合は、地域エネルギー供給計画書を作成し(地域 エネルギー供給事業者に作成させ)、特定開発事業において新築・増築する特別大規模特定建築 物(延べ面積10,000㎡超)のうち、最初に建築確認申請を行う日の120日前までに提出しなけれ ばならない。 ばならない 特定開発事業者等及び知事は、地域エネルギー供給計画書を公表しなければならない。 5 地域エネルギー供給実績報告・その他事業者の 協力等 ❏ エネルギーの有効利用にかかわるその他 ❏ 地域エネルギー供給実績報告 事業者の協力等 地域エネルギー供給事業者は、毎年度、 地域エネルギ 供給事業者は 毎年度 地域エネルギー供給実績報告書を提出 ❖ 有効利用が可能なエネルギーが生じる事業活 動を行う事業者 ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ エネルギー供給区域 地域冷暖房区域の指定状況 エネルギー供給種別・量 利用可能エネルギー活用実績 熱のエネルギー効率の値・評価 排出ガスNOx濃度など ☞公 表 地域エネルギー供給事業者、知事は、地 域エネルギー供給実績報告書を公表。 ■熱のエネルギー効率の評価 段階評価 エネルギー効率 AA 0.90以上 A+ 0.85以上 A 0.80以上 A− A 0 73以上 0.73以上 B 0.65以上 C 0.65未満 → 特定開発事業者が行う有効利用が可能なエネル ギーの導入検討に対する協力義務 ・開発スケジュールと施設改修の整合性の検討 開発スケジ ルと施設改修の整合性の検討 ・提供可能エネルギー量の検討 ❖ 近接する地域エネルギー供給事業者 → 特定開発事業者が行う熱の相互利用の検討に対す 特定開発事業者が行う熱 相互利用 検討に対す る協力義務 ❖ 熱供給を受ける建築物の建築主、所有者又 は管理者・使用者 → 地域エネルギー供給事業者が行う下記の措置に対 する協力義務 ・ 供給温度、供給圧力の緩和 ・ 供給規程見直しの協議 ❖ コージェネレーション(CGS)の設置者又は所 有者・管理者 → 熱需要に応じた最適規模のCGS設置努力義務、効 率的な熱の提供努力義務 6 地域冷暖房区域の指定及び取消 ❏ 地域冷暖房区域の指定 ❏ 地域冷暖房区域指定の取消 知事は、特定開発事業者又は地域エネルギー供 給事業者の申請に基づき 地域冷暖房区域を指定 給事業者の申請に基づき、地域冷暖房区域を指定 することができる。 ☞指定基準 知事は基準を下回り、改善の見込みがない 場合は 指定を取消すことができる 場合は、指定を取消すことができる。 ➢地域エネルギー供給実績報告書において、 連続する3ヵ年度、指定基準を満たさない場 合(NOx濃度は60ppmを超える場合) ➢改善計画の提出を求め、改善の見込みに ついて審査 (改善計画の審査内容) ・・一定期間内に基準を満たすこと 定期間内に基準を満たすこと ・技術的に実施可能な内容であること等 新設地域冷暖房 冷房又は暖 房・給湯の熱 需要 排出ガスNOx 濃度 エネルギー効 ネルギ 効 率 既設地域冷暖房 最大21GJ/h以上 40ppm(O2=0%換算)以下 0.9(熱供給媒体 0 9(熱供給媒体 に蒸気がある場 合、0.85)以上 0.8 0 8 (熱供給媒体 に蒸気がある場 合、0.65)以上 (注)既設地域冷暖房基準は上記は2012年12月まで エネルギー効率= (年間冷熱販売量+年間温熱販売量)(GJ/年)/年間一次エネル ギー消費量(GJ/年) ※下記エネルギーの一次エネルギー消費量はゼロとする。 清掃工場排熱、下水道事業に伴い発生する排熱等 ※指定基準の設定方法 ▶現行制度の指導基準0.8以上の地域冷暖房のエ 現行制度の指導基準0 8以上の地域冷暖房の ネルギー効率平均とする。 ▶ただし、エネルギー効率に大きな影響を与える要 因として、熱供給媒体を考慮 (既設地域冷暖房) ▶既存地域冷暖房の実態を考慮 ▶新設基準以下の地域冷暖房のエネルギー効率の 平均とする。 ▶ただし、熱供給媒体に蒸気がある場合、誘導的な ただし 熱供給媒体に蒸気がある場合 誘導的な 水準を設定 ▶3年程度ごとに見直し、引き上げを検討 7 熱供給の受入検討等・今後のスケジュール ❏ 熱供給の受入検討義務 地域冷暖房区域における次の者(熱供給の受入 検討建築主等)は 地域エネルギ 供給事業者と 検討建築主等)は、地域エネルギー供給事業者と 熱供給の受入について協議し検討しなければなら ない。 ➢以下の建築物を新築・増築する建築主 住宅、工場、駐車場、倉庫の用途を除く延べ面積 が10,000㎡超、または、住宅用途の延べ面積が 20 000㎡超 20,000㎡超 ➢以下の熱源機器の更新をする建築物の所有者・ 管理者 上記と同規模の建築物で、延べ面積の過半に熱 を供給する熱源機器の熱供給能力の過半を更新 する場合 ▶検討事項 ・熱需要、熱負荷特性 ・供給エネルギーの効率 ・利用可能ネルギーの活 用状況 ・供給条件 ▶協議事項 ・導管敷設状況、計画 ・プラント容量 ・工事スケジュールとの 整合 ・供給条件 協議・検討結果を知事に届け出なけれ ばならない。 ▶新築等の場合:建築物環境計画書を 提出する日まで ▶更新の場合:更新に着手する60日前 まで ❏ 指導・助言、勧告等 ➢ 知事は、エネルギー有効利用指針に 基づき、必要な指導・助言を行う。 ➢ 上記の指導・助言に正当な理由なく従 わない場合は、勧告し、その旨を公表す ることができる ることができる。 ❏ 施行日 ▶2010年(平成22年)1月 ❏ 今後のスケジュール ▶2009年7月中に施行規則を公布 ▶7月末(予定)エネルギー有効利用指 針等を策定 ▶9月15日に制度説明会を開催(予定)
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