牛 - 土木学会

で
た!
㎝
京理科大学西村先生の手づくり。
28
土木学会誌 vol.96 no.5 May 2011
昔 の技術
まし
やってみ
を、
聖牛に挟めば、
完成‼
05
直 接、
聖 牛 を 組 み あ げ ていった と
る! 実 験 前の 水 深 は ・ m。
水の流 れは 青 色 染 料 で可 視 化 す
木製の聖牛ととてもマッチしてい
がいら ず、
腐 食しないこと が利 点
る。
これで準備は万端。
いよいよ聖
現代では鉄筋コンクリートでつ
くられた聖牛もあるようだ。
重り
中合掌木
のようだ。
今回は、
鉄筋と鉄線のみ
で、
鉄筋製の聖牛も作成してみた。
開水路の準備
幅 ・6mの 開 水 路 で
実 験 は、
行った。
余談だが、
この開水路は東
0
いう。
まさに聖牛職人!
微調 整しているうちに、
聖牛は
縛 られている だけなので、
優 れた
実際の河川でも、
急 流の 中 で 柔 軟
図1 聖牛の設計図
側面
棟木
前合掌木
上面
cm
cm
スケール)
を作 成し
柔構造だと気づいた。
そのうえ、
三
分の
木棒
( ・ ㎝角 )
学 生 班 は、
本と、
タコ糸、
流しの排水口用ネッ
牛の
込み、
安定していくそうだ。
三角錐
にしなることで徐々に川底に食い
角 錐の骨 格をつくる。
効率よく組
は、
実に合理的な構造だったのだ。
)
。
木 棒 を タコ糸 で 縛 り、
三
み立てることや、
安定させるのが
排水口用ネットに石を詰めた蛇籠
27cm
6cm
18cm
伝統的
桁木
27
15
河
)
牛」後編
聖
「
法
川工
岸
河
日本
」
牛
「
守
⁉
正体
体験(
制技術
水
第4回
8
角 錐 という 形 は 絶 対に崩 れない。
5
ト、
石を用いて、
木製の聖牛(大聖
0
とても難 しい⁝。
当 時 は 川の 中 で
た( 図
1
背面
写真2 聖牛で流れが遅
くなった!
聖牛を作ろう!
、聖
一 つ「
技術の
制
水
した
河 川に
が考案
丸 太を
玄
た
信
て
立
田
流
に組 み
で は、武
変 わり、
三角錐
先 月号
り道 が
た。
通
し
の
介
、水
果が
て紹
組 みで
水制効
につ い
牛」
単な仕
などの
簡
護
う
保
当 然で
河岸
るとい
るの は
防止や
設置す
ま
掘
弱
洗
が
床
の
ば、流 速
まる。河
らけな
を置 け
速が弱
隙間だ
、
物
え
害
い
障
。
あ
とは
てい た
不 安も
な い。
得られ
の か? かもしれ
な
る
錐
れ
三角
ないで
思わ
な んで
みるしか
は? と
て
?
め
か
か
の
が ある
やって確
った!
に効果
とは、
こ
た
取りかか
っ
に
思
り
に
く
づ
疑問
速聖牛
るが、
班は早
生
学
しょう!
0
30
1
18
写真1 聖牛を配置した様子
学 生 記 事
水制の位置
0.12
0.06
実験前の水深
河岸側の水深
︵m︶
5・4
5・1
4・8
4・5
4・2
3・6
3・3
3・0
2・7
牛を設置し、
流速や流路の変化を
くなってしまった。
何群も置くこと
が変わるだけで、
下 流で 流 速 が早
路が安定したのである!
で、
聖牛間の水深は深く保たれ、
流
見ていく!
聖牛の効果はいかに⁉
脱帽するばかりの実験であった。
強い思いが原動力となり生み出さ
れた、
素晴らしい技術であった。
昔
の 人 び と を 見 習って、
自 分の 中の
た。
流速が遅くなったことから、
河
聖牛 が流れ
今回の実験により、
に与 え る 影 響 を 見 る こ と が で き
と思った学生班であった。
る、
何 か をつく り 出 していき たい
実験を終えて
床の洗掘防止、
河岸保護の効果も
「こうしたい!」
という思いを改め
開水
聖牛の配置は、図 の通り。
路の約半分が河岸側の聖牛、
もう
蛇 籠 がない分、
水の流 れに与 える
確実に期待できる。
また、
三角錐と
しっかり果たしていたのだ。
とわかった。
だせる、
考え尽くされた形なのだ
少ない材料で大きな効果がつくり
く御礼申し上げる。
池尻さん、
太田さん、
佐藤さんに厚
生、
三田先生、
松本さん、
町島さん、
東
実 験に協 力 して く だ さった、
京 理 科 大 学 土 木工 学 科 の 西 村 先
て思い起こし、
人 び と の た め にな
半分が川の内側
(河川側)
という想
影 響 は 少 ないのだ。
簡 単 なつく り
いう形は、
柔軟性と安定性の高さ、
鉄筋の聖牛。
次は、
定だ。
の 蛇 籠 で も、実 は 水 制 の 役 割 を
聖牛は、
三角錐の骨格と蛇籠の
両 方 が 揃って 聖 牛 なの だ。
昔の 技
水 深は 若干
木 製の聖牛と比べ、
低いが同様の効果 があった(図 )
。
水深は、
実験
まずは木製の聖牛。
、
流 速 は、
前 よ り も 深 く な り( 図 )
聖牛側が河川側よりも遅く、
聖牛
の先端付近ではさらに遅くなって
術者の知恵とアイデアにつくづく
学生編集委員 山崎 廉予 松尾 幸二郎
いた。
聖牛の効果だ!
聖牛技術は、
昔の人の
「氾濫する
河 川 を な ん と か し たい!」
という
驚くばかりであった。
本 が 水の 流 れ
明 治 以 降にオランダより
次に、
導入された、
近代的なケレップ水制
近年の水制
聖牛を背面から見ると、 本の
木 棒 が 水 面 か ら 出 てい
た。
この
を 複 雑にし、
流 速を遅 く
し ていた の だ。
ここで ふ
と思った。
たとえば立方体
を狭め、
低 水 路 を 維 持 す る 技 術で
の実験を行ってみた。
構造物で流路
の聖牛は? 組むには木
本 必 要 だ が、
水面
ある。
コンクリートブロックを聖牛
棒が
本。
そう
と 垂 直 なの は
と同様に設置すると、
水深は、
聖牛
。
ま
倍 も 深 く なった( 図 )
き る 構 造 な の だ。
ここ で
ク間では流れが完全になくなった。
た、
河 川 側に水 が 流 れ込 み、
ブロッ
の ・
も ま た、
三 角 錐の理 由 が
大きな重機やコンクリートがあれ
か! 三 角 錐 は、
少 ない
本数で最大限有効活用で
見えたような気がした。
ば、
水制は簡単にできるのだ。
そん
な もの が な く て も 木 材 と 蛇 籠 だ
う だ。
単 独で
何群
設 置の仕 方では、
も置くことが大 事なよ
2
2・4
図2 聖牛の配置図と水深の変化
5
け で 簡 単 かつ合 理 的 な 水 制 技 術
5
4
群 だけ置
1
をつくり出した昔の人 びとには、
写真5 実験成功!
2・1
1・8
1・5
1・2
0・9
0・6
0・3
0
2
距離
(m)
写真3 闘牛⁉ 鉄筋製の聖牛
写真4 ブロックで流れがなくなった !
2
5
12
いた 実 験 で は、
水の流 れ
土木学会誌 vol.96 no.5 May 2011
29
木製の聖牛+蛇籠
鉄筋の聖牛
コンクリート
0.18
2
1
河岸
0.6
開水路
河川