平成26年 2月 7日 〈企画・編集 学校教育部〉 「それぞれの世界へはばたく“堺っ子”の育成にむけて~チーム力を生かして教師力・学校力を高める~」 をテーマにした「堺・教育フォーラム」の第2・第3分科会の概要を紹介します。 <会場:堺市民会館小ホール> 「秩序と活気のある学びの場づくり」 ~いじめ防止対策推進法から考える~ ≪パネル・ディスカッション≫ 【 パネリスト】熊野小学校 校長 岡本 健 ・泉ヶ丘東中学校 校長 山本 博章 茶山台小学校 教諭 土井 涼子 ・大泉中学校 教諭 中岡 久典 【コーディネーター】兵庫教育大学大学院 教授 新井 肇さん 「いじめ防止対策推進法」の施行を受け、いじめ防止等に向けて学校及び教職員は、何をすべ きなのか。家庭・学校・地域・関係機関の連携等について考えました。 コーディネーターによるいじめ防止対策推進法の概略説明の後、パネリストから各学校の取組 事例等を紹介し、課題となっている点についてディスカッションを行い、後半は、会場の参加者 から質問や意見を募り交流しました。 ◆パネル・ディスカッション ○いじめ防止対策推進法の眼目 1社会総がかりでいじめの防止に取り組む 2学校自らがいじめに対する取組を再点検する・・・「学校いじめ防止基本方針」の策定 3学校をウチとソトに開く・・・組織で対応する、保護者・地域・関係機関との連携 4重大事態への対処における公平性・中立性の確保 ○パネル・ディスカッションの内容 ・いじめを見つけることが大事、教師の感度を高める。認知件数の多さは、学校がよく取り組んでい ることの表れである。大切なのは、いじめの解消率である。 ・いじめは、管理職の入った組織で判断・対応する。勝手な思い 込みで過小評価しない。SC や SSW など、外部人材も学期に 1回程度は会議等に参加する。 ・関係機関とは、日頃から顔の見える関係づくりに努める。 ・ネットいじめに対する対応は? 携帯等の所持率は、中学生で 7~8 割、小学校高学年で半数、低学年でも1/3。スマホはどんど ん普及し、後戻りはない。リテラシーを身につけさせることが重要となる。 ◆指導助言:兵庫教育大学大学院 教授 新井肇さん ・基本方針策定は、全教職員で取り組み、生徒指導の問題を考える機会、契機にする。 ・新たな取組もよいが、子どもたちがいきいきと授業を受けられるような授業改善や、子どもが意欲的 に取り組めるような学校行事に見直す。 ・秩序と活気のある学びの場づくりをすすめ、授業規律を守りながら、子どもたちが、はきはきと意見 が言え、意欲的に行事に取り組み、活気ある学校を作っていくことが、いじめの未然防止につながる。 ・それぞれの現場、それぞれの家庭・地域で、子どものいじめが1件でも少なくなるように協力してい きましょう。 <会場:堺市民会館4階大集会室> 「“総合的な学力”の育成」 【実践発表】槇塚台小学校 教諭 東濱 和宏 赤坂台中学校 教諭 中林 【 講 師 】大阪教育大学 准教授 教諭 河野 笑香 徳彦 馬野 範雄さん 第3分科会では、チーム力を生かして、総合的な学力の育成に取り組んで いる小・中学校の実践発表を行いました。 学校全体や中学校区における組織的な取組例が示されました。 ◆実践発表 ○槇塚台小学校 ・総合的な学力の育成のためには、まず教員の授業力の向上が必要だと考え、全教員による公開授 業研究の実施、「マイクなし、メモなし朝礼」、「槇塚台小スタンダード」の指導、また、算数科 における自作単元テストの作成・実施に取り組んでいる。 ・「算数科」で、情意面を重視した問題解決型学習や、思考力・判断力・表現力を育む言語活動に ついて研究を推進している。 ・小小、小中連携については、中学校数学に向けた小6における学習内容の研究、1年から6年ま での外国語活動の実施とカリキュラムづくり、3校合同研修会を実施している。 ○赤坂台中学校 ・小中一貫教育推進リーダーとして、日常的な小中の情報交流、「豊かな心を育む教育の実践」を テーマとする小中合同研修、小中学校が連携して地域行事に取り組んでいる。 ・数学科教員として、実生活に即した導入教材等の工夫やノートに考え方を書くなどノート指導を 通して言語活動の充実に努めている。 ・前年度に推進リーダーとして教えた6年生を受け持つ中学1年の学年主任として、小中を円滑に 接続しながら、学習環境の整備に努めている。 ◆指導助言:大阪教育大学 准教授 馬野 範雄さん ・・「総合的な学力の育成」は、学校全体や小中一貫教育において、組織 的・系統的に実施されなければならない。 ・・「話す」「聞く」の指導の場面を、意図的につくることが必要である。 ・・板書の工夫、ホワイトボードの使用、ICT 機器の使用により、学習者 がどう考えたかを見えるようにし、考えを共有し、練り上げていくこ とが重要である。 . ・思考・判断・表現を大切にし、こんな表現ができる児童生徒を育てたいという具体的な姿につい て、指導者が話し合い、共有してほしい。そして、ゴールは次のステップへのスタートである。
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