B. 酸 化 物 多 元 素 系 材 料 (3) 水 素 親 和 性 ナノ粒 子 とアモルファスシリカの複 合 化 新 規 な高 温 水 素 親 和 性 ナノ粒 子 分 散 コンポジット膜 の合 成 開 発 には、シングルナノメ ートルオーダーで精 密 に制 御 された基 材 を用 いることで、従 来 の分 子 ふるい機 能 に高 温 水 素 親 和 性 を付 与 した新 たな分 離 活 性 層 の開 発 を実 施 した。このような観 点 から本 合 成 開 発 研 究 用 に作 製 した陽 極 酸 化 アルミナ基 材 の外 観 写 真 (a)と模 式 図 (b)、および表 面 近 傍 の断 面 TEM 観 察 像 (c)を図 Ⅲ-1.1.2.2-11 に示 す。チャンネル細 孔 構 造 は電 解 電 圧 を 25 V から 1 V まで段 階 的 に小 さくすることによって、外 表 面 側 ほど小 さな細 孔 径 となってい る。そして最 終 的 に 100 Hz のパルス状 で 1 V の電 解 電 圧 を印 可 して合 成 した最 外 表 面 層 は、細 孔 径 3~4 nm のチャンネル細 孔 で構 成 されていることが、細 孔 分 布 評 価 と TEM 観 察 により確 認 された 15-17) 。また、このように精 密 に多 孔 質 構 造 を制 御 した基 材 は電 流 電 圧 精 密 制 御 装 置 及 びメソ細 孔 精 密 制 御 装 置 を用 いることで、再 現 性 よく作 製 することが 可 能 であることを確 認 した。 図 Ⅲ -1.1.2.2-11 陽 極 酸 化 ア ル ミ ナ キ ャ ピ ラ リ ー 基 材 の (a)外 観 ,(b)構 造 模 式 図 ,および(c)表 面 近 傍 の断 面 TEM 観察像. このようにして合 成 した陽 極 酸 化 アルミナキャピラリーの高 温 ガス透 過 特 性 の評 価 結 果 を図 Ⅲ-1.1.2.2-12 に示 す。水 素 、ヘリウムおよび窒 素 の各 透 過 率 と透 過 試 験 温 度 (T)の -1/2 乗 には、直 線 関 係 が得 られている(図 Ⅲ-1.1.2.2-12(a))。また、500 ºC における種 々 のガス透 過 率 とガス分 子 量 (M)の-1/2 乗 においても、良 い直 線 関 係 にあることが分 かる (図 Ⅲ-1.1.2.2-12 (b))。一 般 に、サブナノメートルサイズのガス分 子 の数 ナノメートルの細 孔 の透 過 は Knudsen 拡 散 に基 づくことが知 られており、その透 過 率 (P)の理 論 式 は次 式 で与 えられる 18, 19) 。 3-50 P = [2εμ k r / (3RTL)] x [8RT/(πM)] 0 . 5 (1) ここで、εは膜 の気 孔 率 、μ k は細 孔 の形 状 係 数 、r は細 孔 半 径 、R はガス定 数 、T は透 過 温 度 、L は膜 の有 効 厚 み、M はガスの分 子 量 をそれぞれ示 す。図 Ⅲ-1.1.2.2-12 (a)、(b) に示 したように、陽 極 酸 化 アルミナキャピラリーのガス透 過 特 性 は Knudsen 拡 散 に基 づい ている。また、図 Ⅲ-1.1.2.2-12 (b)中 に示 した α(H 2 /He) および α(H 2 /N 2 ) の実 験 値 は、 (1)式 で求 められる理 論 値 と良 く一 致 している。これらの解 析 結 果 より、試 作 した陽 極 酸 化 アルミナキャピラリーの高 温 におけるガスの透 過 は、マクロ孔 欠 陥 や亀 裂 ではなく、最 小 細 孔 径 がシングルナノメートルサイズに制 御 されたチャンネル細 孔 が主 な透 過 経 路 となって いることが確 認 された 15) 。また、陽 極 酸 化 アルミナキャピラリーの耐 熱 性 を別 途 評 価 した結 果 、ドライ条 件 下 では 800 ºC の高 温 まで、そして膜 反 応 器 によるメタンの水 蒸 気 改 質 反 応 を模 擬 した 500 ºC、Steam/N 2 =3 の高 温 水 蒸 気 存 在 下 では、20 時 間 暴 露 した場 合 でもア モルファス構 造 を保 持 可 能 であり、高 温 ガス分 離 膜 の開 発 用 支 持 基 材 としての応 用 に十 分 な耐 熱 ・耐 水 蒸 気 性 を有 することを確 認 できた 16) 。そこで、陽 極 酸 化 アルミナキャピラリ ーを多 孔 質 基 材 として利 用 した新 たな分 離 活 性 層 の合 成 研 究 を開 始 した。 図Ⅲ-1.1.2.2-12 陽極酸化アルミナキャピラリー基材のガス透過特性.(a)温度依存性, (b)500 ºCにおけるガス透過率と1/√Mの関係(M:ガス分子量). 図中のα(H2/He)および α(H2/N2)の( )*内の数値はKnudsen拡散に基づく理論値を示す. 高 温 で水 素 親 和 性 を有 する材 料 として、まず初 めにニッケル(Ni)を選 択 した。化 学 溶 液 法 に よ っ て 、 均 一 な シ リ カ - ニ ッ ケ ル ( Si-Ni-O ) 系 前 駆 体 溶 液 を 調 製 し 、 こ れ を 図 Ⅲ -1.1.2.2-11 に示 したキャピラリー状 の陽 極 酸 化 アルミナにディップコーティングした。得 ら れた Si-Ni-O 系 プレカーサー薄 膜 は、600 ºC で大 気 焼 成 してアモルファス Si-Ni-O 系 薄 膜 に変 換 した後 、さらに 500 ºC で水 素 還 元 した。これにより、直 径 が数 ~十 数 nm のニッ ケル粒 子 を分 離 活 性 層 内 にその場 析 出 させたナノコンポジット膜 の合 成 に成 功 した 20, 21) このようナノコンポジット膜 の微 構 造 組 織 評 価 の代 表 例 として、Ni/(Si+Ni)=0.3 の化 学 組 3-51 。 成 の前 駆 体 溶 液 を用 いて合 成 した分 離 膜 の断 面 TEM 像 を図 Ⅲ-1.1.2.2-13 に示 す。 図 Ⅲ-1.1.2.2-14 には、500 ºC における Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ膜 のガス透 過 特 性 を示 す。いずれの Ni 添 加 量 の場 合 も、ヘリウム(He)そして水 素 の透 過 率 は、CO 2 等 の大 きな分 子 サイズの透 過 率 と比 較 して明 らかに高 いことから、一 般 的 なアモルファス シリカ系 分 離 膜 と同 様 に、分 子 ふるい機 能 を有 していることがわかる。しかし、これらのナノ コ ン ポ ジ ッ ト 膜 で は 、 Ni 添 加 量 が 増 加 す る に 従 っ て 水 素 透 過 率 が 選 択 的 に 高 く な り 、 Ni/(Si+Ni)=0.3 では、従 来 の分 子 ふるい機 能 のみでは実 現 が不 可 能 な、水 素 分 子 よりも 小 さい He の透 過 率 に対 して、水 素 の透 過 率 が約 5 倍 高 くなることが見 出 された。 (a) (b) 図 Ⅲ -1.1.2.2-13 陽 極 酸 化 ア ル ミナ基 材 に製 膜 した分 離 膜 最 表 面 近 傍 の 断 面 TEM 観 察 像 . (a) 600 ºC で 大 気 中 熱 処 理 後 , (b) 500 ºCで水 素 還 元 後 (膜 の組 成 : Ni(Si+Ni)=0.3). 図 Ⅲ-1.1.2.2-14 Ni ナノ 粒 子 分 散 アモルフ ァスシリカ膜 の500 ºC、ドライ雰 囲 気 でのガス 透過特性. 3-52 このような高 温 水 素 透 過 率 の選 択 的 な向 上 メカニズムを調 べるために、分 離 膜 の合 成 と同 じ Si-Ni-O 系 前 駆 体 溶 液 より Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ粉 末 を別 途 合 成 し て、高 温 での水 素 親 和 性 の評 価 を進 めた。ナノコンポジット膜 の製 膜 条 件 と同 様 の大 気 加 熱 処 理 により得 られた NiO-アモルファスシリカ複 合 粉 末 は、高 温 での水 素 還 元 処 理 に より、目 的 とする Ni-アモルファスシリカ複 合 粉 末 へ容 易 に変 換 できた。なお、粉 末 試 料 合 成 時 の Ni 添 加 量 は、Ni/(Si+Ni)元 素 比 =0.1~0.5 の範 囲 とし、水 素 還 元 後 に得 られた試 料 の化 学 分 析 により、目 的 とした化 学 組 成 に制 御 されていることを確 認 した。図 Ⅲ -1.1.2.2-15 には、粉 末 試 料 の TEM 観 察 結 果 示 す。Ni(Si+Ni)元 素 比 が 0.1 から 0.3 では、 約 2~10 nm の微 細 な Ni 粒 子 がアモルファスシリカマトリックス中 に均 一 に分 散 していた。 一 方 、Ni/(Si+Ni)元 素 比 が 0.5 まで増 加 すると、約 300 nm まで粗 大 粒 化 した Ni が観 察 さ れ、組 織 も不 均 一 となった。 図 Ⅲ-1.1.2.2-15 Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ粉 末 の TEM 観 察 ・ 解 析 結 果 .明 視 野 像 :(a),(b),(c)および暗 視 野 像 (d),(e),(f).試 料 の Ni/(Si+Ni)比 :[(a), (d)]=0.1, [(b), (e)]=0.3, [(c), (f)]=0.5. 3-53 次 に、Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ粉 末 試 料 の 500 ºC の高 温 水 素 親 和 性 を詳 しく調 べた。ここでは、Ni 粉 末 と Ni フリーのアモルファスシリカ粉 末 を比 較 対 象 に用 いた。 なお、これらの粉 末 試 料 は、Si-Ni-O 系 前 駆 体 溶 液 の調 製 に用 いた Ni およびシリカ前 駆 体 より、それぞれ合 成 した。まず始 めに、500ºC における水 素 の吸 着 特 性 を調 べた。その 結 果 、Ni 粉 末 の水 素 吸 着 量 が最 も多 く、Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカの水 素 吸 着 量 は、Ni 添 加 量 に依 存 して種 々異 なった。また、Ni フリーのアモルファスシリカ粉 末 は、全 く水 素 親 和 性 を有 さないことを確 認 した。次 に、500 ºC で水 素 を吸 着 させた後 に減 圧 下 で強 制 脱 気 後 、改 めて水 素 の吸 着 挙 動 を調 べると、Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ のみ、水 素 の吸 着 が可 能 であり、その吸 着 量 は水 素 圧 力 に依 存 することが分 かった(図 Ⅲ-1.1.2.2-16)。そして、この水 素 圧 力 に依 存 した吸 着 水 素 量 (図 Ⅲ-1.1.2.2-16 中 の Vr)は、Ni(Si+Ni)が 0.2~0.3 で最 も高 くなった(図 Ⅲ-1.1.2.2-17)。このように、Ni 単 体 は 高 い水 素 親 和 性 を有 するが、その高 温 水 素 吸 着 特 性 は非 可 逆 的 であるのに対 し、Ni ナ ノ粒 子 分 散 アモルファスシリカは、水 素 の可 逆 的 な吸 脱 着 特 性 を有 することが見 出 され た。 図 Ⅲ-1.1.2.2-17 500 ºC における粉 末 試 料 の可 逆 的 に吸 脱 着 可 能 な水 素 量 と Ni/( Si+Ni)元 素 比 の関 係 . 図 Ⅲ-1.1.2.2-16 500 ºC における 粉 末 試 料 の可 逆 的 に吸 脱 着 可 能 な水 素 の吸 着 等 温 線 . 3-54 このように、Ni 単 体 は高 い水 素 親 和 性 を有 するが、その高 温 水 素 吸 着 特 性 は非 可 逆 的 であるのに対 し、Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカは、水 素 の可 逆 的 な吸 脱 着 特 性 を 有 することが見 出 された。このユニークな高 温 における水 素 の吸 脱 着 特 性 が、Ni ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ膜 の高 温 水 素 透 過 率 の選 択 的 な向 上 に寄 与 しているものと考 え ている。 また、図 Ⅲ-1.1.2.2-15 に示 した微 構 造 解 析 結 果 より、500 ºC の高 温 可 逆 吸 着 水 素 量 は、Ni 添 加 量 に単 純 に依 存 せず、Ni ナノ粒 子 の分 散 状 態 に強 く依 存 することから、Ni ナ ノ粒 子 とアモルファスシリカマトリックスの界 面 が、高 温 における水 素 の可 逆 吸 着 機 能 発 現 に重 要 な役 割 を果 たしているものと推 察 される 20,21) 。 次 に コ バ ル ト ( Co ) を 添 加 し た ア モ ル フ ァ ス シ リ カ ( Si-Co-O ) 膜 で の 検 討 を 行 っ た 。 Si-Ni-O 膜 の場 合 と同 様 に、化 学 溶 液 法 により調 整 した前 駆 体 溶 液 を陽 極 酸 化 アルミナ 基 材 へディップコーティングし、600℃で大 気 焼 成 することで Si-Co-O 膜 を合 成 した。図 Ⅲ -1.1.2.2-18 に Si-Co-O 膜 及 び Co フリーシリカ(Si-O)膜 の 500℃、ドライ条 件 での水 素 以 外 のガス透 過 特 性 を示 す。 Si-O 膜 では、分 子 径 の小 さいヘリウムの透 過 率 は分 子 径 の大 きい窒 素 などの透 過 率 と比 較 して 2 桁 以 上 大 きく、典 型 的 な分 子 ふるい機 能 的 ガス 透 過 特 性 を示 した。一 方 、 Si-Co-O 膜 では Si-O 膜 と比 較 して全 体 的 に透 過 率 が小 さく、 特 に 分 子 径 の 小 さい ヘ リウ ムの 透 過 率 He は Si-O 膜 より2桁 程 度 小 さかった。すな CO2 Ar N2 10-6 わち、Si-Co-O 膜 は Si-O と比 較 して、 に より ガス 透 過 率 が 減 少 する 傾 向 は 添 加 量 が 少 な い Co/(Si+Co)=0.06 の Si-Co-O 膜 の 方 が 、 添 加 量 が 多 い Co/(Si+Co)=0.2 の Si-Co-O 膜 より顕 著 であった。 次 にこれらの分 離 膜 を 500℃で1h水 素 処 理 した後 、水 素 透 過 率 及 び水 素 透 過 率 と ヘ リ ウ ム 透 過 率 の 比 Permeance [mol m-2 s-1 Pa-1] 緻 密 であると考 えられる。また、Co 添 加 10-7 10-8 10-9 Co/(Si+Co)=0.2 10-10 Co/(Si+Co)=0.06 (α (H 2 /He))を評 価 した。Si-O 膜 では 水 素 透 過 率 は 4.8×10 - 7 mol m - 2 s - 1 -1 Pa 、 α (H 2 /He) は 0.77 で あ っ た 。 Co/(Si+Co)=0.06 の Si-Co-O 膜 では水 素 透 過 率 が 3×10 - 9 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 、 : Si-O 10-11 0.25 0.30 0.35 Kinetic diameter [nm] 0.40 図 Ⅲ-1.1.2.2-18 Si-Co-O 膜 の 500℃、ドライ 雰 囲 気 でのガス透 過 特 性 . α (H 2 /He) は 1.5 で あ っ た の に 対 し 、 Co/(Si+Co)=0.2 の Si-Co-O 膜 では 8.7×10 - 7 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 、 α (H 2 /He)は 320 であ った。 Si-Co-O 膜 では分 子 径 の小 さなヘリウムの透 過 率 より、分 子 径 の大 きな水 素 透 過 率 が大 きいことが特 徴 的 であり、この現 象 は Si-Ni-O 系 でも確 認 されたが Si-Ni-O では水 素 透 過 率 はヘリウム透 過 率 の 5 倍 程 度 であったのに対 し、Si-Co-O では 300 倍 以 上 の値 3-55 を示 した。 そこで、このような水 素 選 択 透 過 性 の詳 細 を調 べるために、Si-Co-O 前 駆 体 溶 液 から Si-Co-O 粉 末 を合 成 し、様 々なキャラクタリゼーションを行 った。図 Ⅲ-1.1.2.2-19 に X 線 回 折 法 (XRD)、図 Ⅲ-1.1.2-20 に X 線 光 電 子 分 光 法 (XPS)、図 Ⅲ-1.1.2.2-21 及 び 22 に微 細 構 造 観 察 により評 価 した結 果 を示 す。 図 Ⅲ-1.1.2.2-19 に示 すように Co/(Si+Co)=0.06 は水 素 処 理 前 後 とも、Si-O と同 様 に アモルファスであった。XPS での評 価 では Co 2 SiO 4 に形 状 が非 常 に近 いことから、アモルフ ァス シリ カ マ トリ ッ クス 中 にコ バ ル トイオ ン が 分 散 し た ア モ ル フ ァス シ リ カ ー コ バ ル ト 複 合 体 (Si-O-Co)を形 成 していると考 えられる。しかしながら、図 Ⅲ-1.1.2.2-21 に示 すように還 元 後 の SEM 像 においても粒 子 は観 察 されなかった。一 方 、Co/(Si+Co)=0.2 では、XRD の 評 価 からアモルファスシリカに加 えて水 素 処 理 前 では Co 3 O 4 が、水 素 処 理 後 には CoO 及 び Co が検 出 された。図 Ⅲ-1.1.2.2-22 に水 素 処 理 後 の SEM 像 を示 すが、CoO/Co 粒 子 が凝 集 することなくクラスターを形 成 していることがわかる。このように Si-Ni-O 系 では 500℃ の水 素 処 理 により 高 分 散 のナノ粒 子 が金 属 Ni に還 元 されたのに対 し、Si-Co-O 系 では CoO 及 び金 属 Co の混 在 状 態 であり、それらが凝 集 せずにクラスターを形 成 して存 在 する ことから、アモルファスシリカと複 合 化 することでコバルト粒 子 は CoO 及 び金 属 Co の混 在 状 態 で準 安 定 的 に存 在 することが明 らかになった。このことからコバルトとアモルファスシリ カとの間 に強 い相 互 作 用 が存 在 すると考 えられる。 S: satellite : CoO : Co Co/(Si+Co) =0.2 . 794.3 S 780.0 (c) 781.0 Co/(Si+Co) =0.06 S 60 A. 合成後(還元前) 787.4 (b) S (a) 820 810 30 40 50 2 θ [deg.] S 781.6 Si-O 20 (d) 795.2 S 796.9 10 2p 3/2 2p 1/2 779.3 Intensity [a. u.] Intensity [a.u.] :Co3O4 10 20 30 40 50 2 θ [deg.] 60 B. 500℃,1h,H2処理後 図 Ⅲ-1.1.2.2-19 Si-Co-O 及 び Si-O の XRD パターン. 3-56 800 790 780 770 760 Binding energy [eV] 図Ⅲ-1.1.2.2-20 Si-Co-O 及び Co 化合物の XPS スペクトル(a) Si-Co-O (Co/(Si+Co)=0.06, (b) Co2SiO4, (c) CoO (d) Co3O4. 1μm 1μm 図 Ⅲ-1.1.2.2-21 Si-Co-O(Co/(Si+Co)=0.06) 図 Ⅲ-1.1.2.2-22 Si-Co-O(Co/(Si+Co)=0.2) の SEM 像 (500℃,H 2 処 理 後 ) . の SEM 像 (500℃,H 2 処 理 後 ) . Si-Co-O 粉 末 の水 素 吸 着 等 温 線 を示 す。 Si-Ni-O の場 合 と同 様 に、Si-Co-O にお いても水 素 分 圧 が増 加 するにつれ、水 素 吸着量が増加する傾向が見 られた。 Co/(Si+Co)が 0.2 の水 素 圧 力 に依 存 した 水 素 吸 着 量 (Vr)は Co/(Si+Co)が 0.06 の 試 料 と比 較 して明 らかに大 きいことがわか る。このことから、水 素 の可 逆 的 な吸 脱 着 特 性 はアモルファスシリカ-コバルト複 合 体 (Si-O-Co)ではなく、主 にコバルト及 び酸 Amount of adsorbed hydrogen [ml/g] 図 Ⅲ -1.1.2.2-23 に 500 ℃ に お け る 化 コバル ト 粒 子 に 起 因 すると 考 え ら れる 。 Si-Co-O の 水 素 圧 力 に 依 存 した 水 素 吸 着 量 は Co/(Si+Co)が 0.2 の試 料 において も、 Si-Ni-O の 1/5 程 度 であった。 1.0 0.8 (b) 0.6 Vr 0.4 0.2 (a) 0 0 20 40 60 80 100 120 Hydrogen pressure [kPa] 図Ⅲ-1.1.2.2-23 500℃における Si-Co-O 粉 末水素吸着等温線; (a) Co/(Si+Co)=0.06,(b) Co/(Si+Co)=0.2. このように Si-Co-O 系 は粉 末 試 料 での 吸 着 水 素 量 は Si-Ni-O 系 と 比 較 し て 小 さ い の に 対 し 、 膜 試 料 で の 水 素 透 過 率 及 び α (H 2 /He)は Si-Ni-O 系 と比 較 して大 きいことが明 らかになった。このことは Si-Co-O 膜 に おける水 素 透 過 の促 進 効 果 は水 素 の可 逆 的 吸 脱 着 だけでなく、Co 添 加 に起 因 した他 の 要 素 が存 在 することを示 唆 しているが、詳 細 はさらに検 討 する必 要 がある。 3-57 図 Ⅲ-1.1.2.2-24 多 孔 質 セラミック膜 の従 来 技 術 レベルとプロジェクトの最 終 目 標 レベル, およびプロジェクトによる開 発 膜 の高 温 水 素 選 択 透 過 特 性 の比 較 . 以 上 の研 究 成 果 を基 に、Ni、および Co を含 めた水 素 親 和 性 を有 する元 素 の種 類 と添 加 量 の検 討 、そしてナノ粒 子 分 散 コンポジット構 造 の最 適 化 を目 指 した研 究 開 発 を進 め た結 果 、500 ºC の高 温 における水 素 選 択 透 過 性 能 は、図 Ⅲ-1.1.2.2-24 中 の D に示 すよ うに、高 いものでは水 素 の透 過 率 が 8 ×10 - 7 mol·m - 2 ·s - 1 ·Pa - 1 で、α(H 2 /N 2 )が 4500 を達 成 している。本 プロジェクトにおいて、小 規 模 モジュール実 証 試 験 用 の開 発 候 補 材 として 選 定 し た 、 東 京 大 学 ・ 中 尾 プ ロ ジ ェクト リー ダ ーの 研 究 室 で 開 発 を 進 めてい る 対 向 拡 散 CVD 法 によるアモルファスシリカ膜 (図 Ⅲ-1.1.2.2-24 中 の A )と比 較 すると、選 択 性 は劣 る が、高 温 水 素 透 過 率 の向 上 という観 点 からは有 効 と考 えられる。本 研 究 による分 離 膜 の ナノ構 造 制 御 は、新 たな高 温 水 素 分 離 用 セラミック膜 の創 出 への有 用 な開 発 指 針 の一 つ となることが期 待 される。 3-58 (4) 耐 熱 及 び耐 水 蒸 気 性 向 上 に寄 与 する金 属 酸 化 物 等 との複 合 化 a)メソポーラスγ-Al 2 O 3 系 中 間 層 膜 の合 成 と耐 熱 ・耐 水 蒸 気 性 評 価 γ-Al 2 O 3 複 合 酸 化 物 系 膜 の 断 面 構 造 を SEM で観 察 した結 果 、いずれの材 料 系 の場 合 も、膜 厚 約 2 μm の均 一 な薄 膜 が形 成 され ていることが確 認 できた。また、ゾルゲル法 に よるγ-Al 2 O 3 複 合 酸 化 物 系 膜 原 料 を 、大 気 中 で加 熱 処 理 して得 られた粉 末 試 料 を対 象 に XRD 解 析 を行 った結 果 、Ga はγ-Al 2 O 3 に 固 溶 し て い るこ とが 分 か った。 一 方 La は 、 γ-Al 2 O 3 結 晶 粒 子 表 面 に 微 細 粒 子 で 析 出 する、あるいはアモルファス薄 膜 を形 成 して、 γ-Al 2 O 3 の粒 成 長 を抑 制 していることが示 唆 された 22, 23) 。これらの相 反 応 挙 動 は既 報 の Ga (Ga 2 O 3 ) と Al 2 O 3 、あるいは La(La 2 O 3 )と Al 2 O 3 の結 果 と良 く一 致 しており、目 的 とする γ-Al 2 O 3 複 合 酸 化 物 系 膜 が合 成 できたと考 えられた。そこで、これらの膜 試 料 について、 500 ºC の高 温 水 蒸 気 暴 露 時 間 と水 素 ガス 透 過 率 の関 係 を調 べた。その結 果 を図 Ⅲ -1.1.2.2-25 に まとめ て 示 す 。こ れま で 中 間 層 として汎 用 されているγ-Al 2 O 3 は、水 蒸 気 暴 露 後 2~4 時 間 で、水 素 の透 過 率 が急 激 に上 昇 した。さらに 4 時 間 以 降 も水 素 透 過 率 は、ゆるやかな上 昇 傾 向 にあることが確 認 さ れた。これに対 して、Ga を添 加 した膜 試 料 で は、Ga 添 加 量 が増 加 するに従 って、特 に水 図 Ⅲ-1.1.2.2-25 水素透過率の 高温水蒸気暴露時間依存性 (500℃、H 2 O:N 2 =3:1). 蒸 気 暴 露 2 時 間 以 内 の初 期 変 化 が抑 制 されること、そして 4 時 間 以 降 の水 素 透 過 率 は 安 定 しており、いずれの添 加 量 の場 合 もほぼ一 定 値 を保 つことが確 認 された。一 方 、La の添 加 効 果 を調 べた結 果 、La を 6 mol%添 加 した膜 (LA-6)では、γ-Al 2 O 3 と同 様 に水 蒸 気 暴 露 により水 素 透 過 率 は急 激 に上 昇 して、結 果 的 に暴 露 20 時 間 後 ではα-Al 2 O 3 多 孔 質 基 材 と同 等 となった。しかし、最 も耐 水 蒸 気 性 が向 上 した、Ga を 30 mol%添 加 し GA-30 系 への La の添 加 効 果 を検 討 した結 果 、特 に 6 mol%の少 量 添 加 が、特 に水 蒸 気 暴 露 後 2~4 時 間 の初 期 変 化 の抑 制 に極 めて有 効 であり、その後 の水 素 透 過 率 も安 定 することが見 出 された 22) 。 図 Ⅲ -1.1.2.2-26 お よ び 図 Ⅲ -1.1.2.2-27 に は 、 γ-Al 2 O 3 、 LA-6 、 GA-30 お よ び 3-59 LGA-6 の 500 ºC の高 温 水 蒸 気 暴 露 20 時 間 後 の膜 表 面 の微 構 造 組 織 と、細 孔 分 布 の 変 化 をそれぞれ示 す。γ-Al 2 O 3 は、サブミクロンオーダーの粗 粒 化 した組 織 となっていた。 また、LA-6 も同 様 に、一 部 粗 粒 化 していることが分 かった。一 方 、GA-30 および LGA-6 は、特 に暴 露 前 と変 化 無 く、均 一 な微 構 造 組 織 を維 持 していることが確 認 された。また、 細 孔 分 布 の変 化 は、微 細 構 造 組 織 の変 化 と良 く対 応 しており、γ-Al 2 O 3 および LA-6 では、 6 nm 以 上 のメソ細 孔 が増 加 していた。一 方 、GA-30 および LGA-6 のの細 孔 径 分 布 は、 いずれも暴 露 前 をほぼ維 持 していた 23) 図 Ⅲ-1.1.2.2-26 500 o Cで20 時 間 、水 蒸 気 暴 露 後 の試 料 表 面 の SEM 観 察 結 果 .(a) ・-Al 2 O 3 , (b) LA-6, (c) GA-30 、 お よ び (d) 。 図 Ⅲ -1.1.2.2-27 細 孔 分 布 の 評 価 結 果 . (a) ・-Al 2 O 3 , (b) LA-6, (c) GA-30 (d) LGA-6.(○) 合 成 後 、および(●) 500 o C で20 時 間 、水 蒸 気 暴 露 後 . b) 希 土 類 元 素 添 加 シリカ膜 の耐 熱 ・耐 水 蒸 気 性 膜 の合 成 及 びガス透 過 特 性 評 価 非 晶 質 シリカ膜 の高 温 水 蒸 気 による劣 化 は主 に Si-O の開 裂 、縮 合 などによるネットワー クの再 構 築 に起 因 すると考 えられている。多 価 元 素 である希 土 類 元 素 は Si-O 骨 格 の安 定 性 に寄 与 することから、シリカ膜 の耐 水 ・耐 水 蒸 気 性 の向 上 に寄 与 することが期 待 され る。イオン半 径 の異 なる2種 類 の希 土 類 元 素 La(r=1.10Å)及 び Sc(r=0.75Å)をシリカに 添 加 した複 合 酸 化 物 Si-La-O 及 び Si-Sc-O について、シリカ中 の希 土 類 元 素 の存 在 状 態 及 びガス透 過 率 における耐 水 蒸 気 性 を評 価 した。 3-60 Si-La-O 及 び Si-Sc-O 粉 末 試 料 に つ い て 、 X 線 回 折 の 評 価 結 果 を 図 Ⅲ -1.1.2.2-28(a)に示 す。無 添 加 シリカ(Si-O)では 15~35°にブロードな非 晶 質 シリカ 特 有 のハローパターンが確 認 できる。Si-La-O ではハローパターンのピークが高 角 度 側 に シフトし、40~50°に新 たなブロードなパターンを形 成 し、Si-Sc-O ではハローパターンの 30°付 近 にショルダーを形 成 していることがわかる。シリカと混 合 していない各 種 希 土 類 硝 酸 塩 を大 気 中 、同 温 度 (600℃)で焼 成 すると希 土 類 酸 化 物 の結 晶 が生 成 することから、 シリカとの複 合 で希 土 類 酸 化 物 の結 晶 化 が抑 制 されていることがわかった。それぞれの試 料 をラマン分 光 法 により、評 価 した結 果 を図 Ⅲ -1.1.2.2-28(b)に示 す。無 添 加 シリカでは 200~580cm - 1 及 び 800 cm - 1 に特 徴 的 なシグナルがみられ、それぞれ Si-O-Si 結 合 の変 角 振 動 、O-Si-O の対 称 結 合 伸 縮 振 動 に帰 属 する。すなわち、これらは共 有 結 合 の架 橋 酸 素 に由 来 する。一 方 、Si-La-O では 770~1100cm -1 に新 たな3つのピークが確 認 される。 これらはイオン結 合 の非 架 橋 酸 素 に由 来 することから、Si-O と La 間 にイオン結 合 が形 成 していることがわかる。また、架 橋 酸 素 を示 す 200~580cm - 1 のシグナル形 状 が変 化 してい ることから、Si-O、La 間 のイオン結 合 形 成 に伴 い、Si-O-Si の共 有 結 合 の割 合 が減 少 して いると考 えられる。Si-Sc-O では、非 架 橋 酸 素 に帰 属 する 900~1100 cm - 1 のシグナルが確 認 されるが、Si-La-O と比 較 すると明 らかに小 さい。また、架 橋 酸 素 に帰 属 する 800 cm - 1 が存 在 すること、200~580cm - 1 のシグナルの変 形 が小 さいことから、Si-Sc-O のイオン結 合 性 の割 合 は Si-La-O より低 く、共 有 結 合 性 の割 合 が高 い。つまりイオン半 径 の大 きい (a) (b) Intensity / a.u. Intensity / a.u. Si-La-O (La/Si=0.5) Si-La-O (La/Si=0.5) Si-Sc-O (Sc/Si=0.5) Si-Sc-O (Sc/Si=0.5) Si-O 10 20 30 Si-O 40 50 2 θ / deg. 60 70 80 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 Raman shift / cm-1 0 図Ⅲ-1.1.2.2-28 Si-La-O、Si-Sc-O および Si-O の(a) XRD パターン、(b)ラマンスペクトル. 3-61 La はシリカネットワーク修 飾 酸 化 物 としてシリカ中 の free OH 基 をイオン結 合 で連 結 するこ とで結 合 を強 固 にしているのに対 し、イオン半 径 の小 さい Sc では、シリカネットワーク修 飾 酸 化 物 としての寄 与 に加 えて、一 部 シリカネットワーク形 成 酸 化 物 として寄 与 していると考 えられた。 図 Ⅲ -1.1.2.2-29 に Si-O、 Si-La-O、及 び Si-Sc-O 膜 の水 蒸 気 暴 露 試 験 (500℃, Steam/N 2 =3)の結 果 を示 す。Si-O 膜 の水 蒸 気 暴 露 前 (0h)の水 素 及 び一 酸 化 炭 素 透 過 率 はそれぞれ 2.2×10 - 8 、 2.4×10 - 9 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 であったが、水 蒸 気 暴 露 後 徐 々に増 加 し、25h 後 ではそれぞれ 4.9×10 - 8 、 1.6×10 - 8 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 を示 した。分 子 径 の大 き い一 酸 化 炭 素 透 過 率 が特 に増 加 すること、透 過 係 数 比 α(H 2 /CO)は Knudsen 拡 散 の理 論 透 過 係 数 比 α(H 2 /CO)の 3.74 より小 さい 3.0 であることから、高 温 水 蒸 気 により Si-O 膜 に ナ ノ サ イ ズ 以 下 の 欠 陥 が 生 成 し て い る と 考 え ら れ る 。 Si-La-O 膜 で は 水 蒸 気 暴 露 前 (0h)の水 素 及 び一 酸 化 炭 素 透 過 率 は Si-O 膜 より小 さく、それぞれ 9.5×10 - 9 、 1.6× 10 - 9 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 であった。 水 蒸 気 暴 露 後 では H 2 及 び CO 透 過 率 がいったん減 少 した後 、急 激 に増 加 し、水 蒸 気 暴 露 時 間 16h で そ れ ぞ れ 9.5 × 10 - 9 、 1.6 × 10 - 9 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 、 透 過 係 数 比 α (H 2 /CO)=2.5 であり、Si-O 膜 と同 様 に高 温 における水 蒸 気 暴 露 により欠 陥 が生 成 して いることが示 唆 される。Si-Sc-O では水 蒸 気 暴 露 前 (0h)の水 素 透 過 率 は 8.7×10 - 1 0 であ ったが、水 蒸 気 暴 露 直 後 、水 素 透 過 率 が急 激 に増 加 し、49h 後 には 1.8×10 - 8 mol m - 2 s - 1 Pa - 1 となった。一 方 、一 酸 化 炭 1.0E-07 素 透 過 率 は水 蒸 気 暴 露 前 後 でほ と ん ど 変 化 が な く 、 10 -11 台 の値 を 49h 後 でのα(H 2 /CO)>400 の 値 を示 した。粉 体 試 料 の評 価 で 示 されたように La 及 び Sc は周 囲 の Si-O とイオン結 合 を形 成 し ていることからシリカネットワーク の隙 間 を占 有 し、緻 密 な構 造 を 有 している。その結 果 、Si-La-O 膜 及 び Si-Sc-O 膜 の水 蒸 気 暴 Permeance / mol・m-2・s-1・Pa-1 示 した。その結 果 、水 蒸 気 暴 露 1.0E-08 H2_Si-O CO_Si-O 1.0E-09 H2_Si-La-O CO_Si-La-O H2_Si-Sc-O 1.0E-10 CO_Si-Sc-O 露 前 の透 過 率 は Si-O 膜 より小 さくなると考 えられる。したがって、 水 蒸 気 暴 露 を行 うとイオン結 合 の 1.0E-11 0 割 合 が大 き く、共 有 結 合 性 の乏 し 10 20 30 40 50 い Si-La-O 膜 は水 蒸 気 により膜 構 造 が破 壊 されるのに対 し、共 有 結 合 性 の割 合 が高 い Si-Sc-O 膜 は 膜 構 造 が破 壊 されにくく、安 定 で Steam exposure time / h 図 Ⅲ-1.1.2.2-29 Si-La-O 膜 及 び Si-Sc-O 膜 の H 2 及 び CO 透 過 率 の水 蒸 気 暴 露 時 間 依 存 性 (暴 露 条 件 :500℃, H 2 O:N 2 =3:1). 3-62 あると考 えられる。 1.1.2.2.4 まとめ 非 酸 化 物 系 、および酸 化 物 系 多 元 素 系 材 料 を対 象 に、高 温 水 素 分 離 膜 の合 成 開 発 研 究 を実 施 した。非 酸 化 物 系 では、ダルムシュタット工 科 大 学 への再 委 託 研 究 と JFCC 集 中 研 究 所 における製 膜 研 究 により、世 界 トップレベルの高 温 耐 熱 性 を有 するアモルファス Si-B-C-N 系 薄 膜 の多 孔 質 支 持 基 材 上 での直 接 製 膜 に成 功 した。また、長 繊 維 材 料 とし て実 用 化 されている耐 熱 性 アモルファス SiC 系 材 料 を用 いた分 離 活 性 層 の合 成 開 発 技 術 に有 効 な、CVI 法 を利 用 したサブナノメートルオーダーの極 微 細 孔 の表 面 修 飾 基 礎 技 術 を確 立 した。これらの研 究 成 果 により、今 後 開 発 が期 待 される高 耐 熱 性 アモルファスセ ラミック製 分 離 膜 の合 成 基 礎 技 術 の構 築 に成 功 した。 酸 化 物 系 を対 象 とした合 成 開 発 では、メソポーラス中 間 層 として汎 用 されているγ-Al 2 O 3 系材料を対象に、異種元素添加による耐水蒸気性の向上研究を実施して、 Al-La-Ga-O 多 元 素 系 メソポーラス中 間 層 は、500℃以 上 の高 温 耐 水 蒸 気 性 を有 するこ とを見 出 した。一 方 、分 離 活 性 層 の合 成 開 発 研 究 では、新 規 な高 温 水 素 親 和 性 ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカコンポジットメンブレンの合 成 開 発 に成 功 し、このような分 離 活 性 層 のナノ構 造 制 御 は、高 温 水 素 透 過 率 の向 上 に極 めて有 効 であることを明 らかとした。ま た、希 土 類 元 素 を添 加 したアモルファスシリカ複 合 酸 化 物 系 を対 象 とした分 離 活 性 層 の 合 成 開 発 を実 施 して、Sc の添 加 が、アモルファスシリカマトリックスの高 温 耐 水 蒸 気 性 の向 上 に有 効 であることを見 出 した。 これらの研 究 成 果 は、メタンの水 蒸 気 改 質 反 応 による水 素 製 造 プロセスの高 効 率 化 を 可 能 とする膜 反 応 器 へのセラミックス製 高 温 水 素 分 離 膜 の実 用 化 だけでなく、水 素 以 外 のガス分 離 への応 用 が期 待 される。また、特 に新 規 なナノ粒 子 分 散 コンポジットメンブレン や高 温 耐 水 蒸 気 性 を有 するメソポーラス Al-La-Ga-O は、種 々の高 温 反 応 触 媒 、触 媒 担 体 、あるいはセンサー等 の部 材 としての応 用 も期 待 される。 1.1.2.2.5 達 成 状 況 多 元 素 系 分 離 膜 の開 発 研 究 では、非 酸 化 物 系 、および酸 化 物 系 の新 規 分 離 膜 の合 成 開 発 に成 功 して、今 後 のセラミック製 ガス分 離 膜 の高 機 能 化 に関 して、多 くの有 用 な知 見 が得 られた。特 に、新 規 な水 素 親 和 性 ナノ粒 子 分 散 アモルファスシリカ系 コンポジットメ ンブレンは、従 来 の分 子 ふるい機 能 のみでは、実 現 が困 難 な高 温 水 素 透 過 率 の選 択 的 な向 上 に成 功 し、500℃の水 素 の透 過 率 は 8 ×10 - 7 mol·m - 2 ·s - 1 ·Pa - 1 、窒 素 の透 過 率 に 対 する水 素 透 過 率 の比 、α(H 2 /N 2 )は 4500 と、本 プロジェクトの最 終 目 標 レベルをクリアし た。 一 方 、分 離 膜 の耐 水 蒸 気 性 向 上 という観 点 からは、メソポーラス中 間 層 、および分 離 活 性 層 について、従 来 材 料 より優 れた多 元 素 系 材 料 を見 出 すことに成 功 し、今 後 のセラミッ クス製 分 離 膜 の実 用 化 に向 けて有 用 な知 見 が得 られた。以 上 の成 果 より、本 研 究 の当 初 の目 標 を達 成 している判 断 される。 3-63 参考文献 1) E. 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Our aim is to design suitable preceramic polymer precursors which can be useful for synthesis of ceramic membranes for hydrogen separation at high temperature. By changing the organic spacer groups in the inorganic polysilsesquicarbodiimide network [{(NCN) 1 . 5 Si-R-Si(NCN) 1 . 5 } n ] we have shown that the pore size distribution in the polmer can be tailored. This system thus opening the way for the exploration of useful size- and shape-selectivity in the catalytic or membrane properties. Thermal decomposition of these materials produced silicon nitride ceramics, Si x C y N z . The materials obtained upto 1200 °C are completely amorphous and provide polycrystalline α-Si 3 N 4 / α(β)-SiC composites after crystallization at T>1400 °C. As a source of Si-B-C-N-ceramics [B{C 2 H 4 Si(CH 3 )NH} 3 ] n (where, various C2H4 polyborosilazanes = CHCH 3 or such as CH 2 CH 2 ), [B{C 2 H 4 Si(CH 3 )NH} 2 (NH) 0 . 5 ] n , [B{C 2 H 4 Si(H)NH} 3 ] n , [B{C 2 H 4 -SiHCH 3 -C 2 H 4 -Si(H)NH} 3 ]n, [B{C 2 H 4 Si(CH 3 )NH} n {C 2 H 4 Si(CH 3 )N(SiH 2 Ph)} n ] precursors have been used. Thermal degradation of these materials showed that the Si-B-C-N-ceramic can be stable upto 2000 °C in nitrogen-free environments. However, for the phenyl-containing polyborosilazane thermal resistance can be arised up to 2200 °C in argon. The polymer precursors obtained from hydroboration reactions of vinyl substituted cyclotrisilazane or, ammonolysis of tris(methyldichlorosilylethyl)borane and its subsequent ceramic products also showed outstanding thermal stability. 1.1.2.3.2. Experimental Procedure Precursor Synthesis: Si-C-N system 3-66 As a source of Si-C-N ceramics we have used hybrid polymers [(NCN) 1 . 5 Si-(R)-Si(NCN) 1 . 5 ] n which have been synthesized from the sol-gel polycondensation reaction of molecular precursors, namely [Cl 3 Si-R-SiCl 3 ] and bis(trimethylsilyl)carbodiimide (Eq. 1). Pyr./solv n Cl3Si R SiCl3 + 3n Me3Si N C N SiMe3 R = (CH2)x, where, x = 2, 6, or, 8 H2C-C6H4-CH2, H2C-CH=CH-CH2 Si 6n Me3SiCl + NCN Si NCN NCN R Eq. 1 n Gel Si-B-C-N system Hydroboration reactions of borane-dimethylsulfide with 1,3,5-trimethhyl-1.3,5-trivinyl-cyclotrisilazane lead to novel Si-B-C-N preceramic polymers (Eq. 2). Polymer 1 contains active hydrogen functions for further hydroboration reactions. The reaction of Polymer 1 with Divinyl-tetramethyl-disilazane lead to the higher cross linked Polymer 2 with a proposed structure shown in Fig. Ⅲ-1.1.2.3.1. HN HN NH NH Si Si 2 H N Si HN Si H Si H N Si N H Toluen 0 °C - 3SMe2 3 H3B B B Si HN H SMe2 Si Eq. 2 N H B H N Si HN Si Si N H Polymer 1 3-67 H HN HN NH NH H N Si H N N H B H N Si H N Si N H Si Si B Si Si Si NH Si B Si NH B H N Si Si Si H N HN NH Si B B Si HN Si Si B H N Si NH NH H N Si Si NH Fig. Ⅲ-1.1.2.3.1. Proposed structure of Polymer 2 Recently, we have synthesized two starting materials for preceramic polymer precursors. The synthesis followed two steps. In the first hydroboration step methyl-vinyl-dichlorsilane was treated with H 3 B⋅SMe 2 or H 2 BCl⋅SMe 2 according to the Eq. 3 and Eq. 4. After completion of the reactions the solvent was removed under reduced pressure and obtained the raw products 1 and 2. Cl Cl 3 Si Toluol Si Cl + H3B SMe2 - SMe2 Cl Cl Eq. 3 B Si Si Cl Cl 1 3-68 Cl Cl Si Cl 2 Cl Toluol Cl Si Eq. 4 B + H3BCl SMe2 - SMe2 Cl Si Cl Cl 2 The second step was the reaction of 1 and 2 with LiNMe 2 in THF (Eq. 5 and Eq. 6). After completion of the reactions the mixtures were filtered for removing the salt LiCl. The solvent THF was then removed from the filtrate under reduced pressure. The liquid precursors 3 and 4 were then purified from the residual liquids by fractional vaccum distillation. Cl Si Cl N Cl THF B Si SI Cl Si Cl N N Eq. 5 B Si + 6 LiNMe2 - 6 LiCl SI N Cl N N 3 Cl Si N Cl Si N Eq. 6 THF Cl N B Si Cl + 5 LiNMe2 - 5 LiCl B Si Cl N 4 3-69 N Preparation of Ceramic Membrane For thin film deposition on porous Al 2 O 3 -substrate (supplied from Japan Fine Ceramics Center) the above mentioned SiCN and SiBCN preceramic polymeric precursors were employed using dip-coating technique. Vacuum Speed + Elec. Motor N2 Pump Viewing window Pipe fittings Tightning lever Vacuum indicator Substrate Inert gas Atmospher Stirrer tip Fig. Ⅲ-1.1.2.3.2. Schematic diagram of Dip-coating apparatus in the glove box Typically a 20 wt% of polymer solution in toluene was used for dip-coating on Al 2 O 3 substrate. Total three times of coating were applied for each polymer precursor. After each coating the coated layer was pyrolysed at 1100°C under argon atmosphere. 3-70 1.1.2.3.3. Results and Discussion Si-C-N system Rheological Model for the non-oxidic carbodiimide gel based on the reaction of chlorosilanes with bis(trimethylsilyl)carbodiimide A general constitutive relation describing the change of viscoelastic behavior during the liquid solid (sol - gel) transition which takes place in preceramic polymers is derived on the basis of Jeffrey’s 3-constants model with time dependent viscosities and elasticity. It is postulated that the sol - gel - transition can be analyzed analogous to the solutions of the Avrami equation used for modeling crystallization processes. Continuous measurements of the dynamic moduli versus reaction time, as well as creep tests at constant shear stress for the sol - gel transition of the polymer systems is shown in Fig. 1.1.2.3.3. The shear rate and viscosity dependence of reaction time in creep tests, respectively the evolution of Lissajous figures associated with oscillatory experiments (Fig. 1.1.2.3.4.), are found to be consistent with the numerical simulations of the proposed constitutive relation. (b (a) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.3. (a) Evolution in time of the dynamic moduli at constant frequency ω = 1 s-1 in a gelation process (stress amplitude: τa = 10 Pa) and (b) Experimental creep test for carbodiimide gel (a region of “instability” is observed in vicinity of the critical gel point). 3-71 (a) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.4. (b (a) Experimental and (b) theoretical Lissajous figures: oscillatory stress as function of oscillatory strain (with time parameter) associated with the dynamic test for carbodiimide gel. Characterization of the hybrid polymer [(NCN) 1 . 5 Si-H 2 C-CH=CH-CH 2 -Si(NCN) 1 . 5 ] n (HM5): The sol-gel polycondensation reactions (Eq. 1) of [Cl 3 Si-H 2 C-CH=CH-CH 2 -SiCl 3 ] with [Me 3 Si-N=C=N-SiMe 3 ] was carried out in various organic solvents at 45 °C. Depending on the solvent semi-transparent to opaque gels were obtained. All gels were then allowed to age for 7 and 30 days respectively. The solid gel contain the liquid by-product Me 3 SiCl which was replaced by washing with benzene. After the gels were completely infiltrated with benzene, the material was carefully dried at temperatures below the melting point of benzene using reduced pressure (freeze drying). The gels were further dried in vacuo heating at 120 °C for several hours. Characterization of the solid gels were carried out by following spectroscopic and analytical methods. FT-IR-analyses: The presence of the carbodiimide groups (Si-NCN) in the hybrid polymer HM5 can be easily identified by three characteristic vibrational bands in the FT-IR spectrum. The very intense and broad band of the asymmetric vibration of the carbodiimide unit (vas N=C=N) can be found at 2120 cm-1. The likewise strong band of the deformation vibration δ (N=C=N) is located at 746 cm-1 and a band of medium intensity can be determined for the Si-N vibrations (v Si-NCN) at 572 cm-1. However, like other silylcarbodiimides, the solid gel was also very sensitive to moisture and easily hydrolysed to (Si-O-Si) and cyanamide, (H 2 N-CN) or its oligomers, e.g. dicyanamide or melamine. The representative infrared spectra of the aged gel and 3-72 its hydrolyzed product are shown in Fig. Ⅲ-1.2.2.3.5.. 110 100 Transmittance (a. u.) 90 (a) (b) 1166 80 (c) 70 3220 ν(SiO-H), ν(N-H) 60 50 1034 2230 ν(Si-O) ν(N-CN) 706 2120 νas(N=C=N) 572 40 30 4000 746 δ (N=C=N) 3000 2000 1000 -1 Wavenumber (cm ) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.5. FTIR spectra of HM5 gel (a) aged gel, (b) gel hydrolysed in air for 5 min and (c) gel hydrolysed in air for 10 min. 3-73 Microstructure The morphology of the HM5 gel structure was determined by high-resolution scanning electron microscopy (HRSEM). The material showed gel-like porous structure in the nanometer size regime. Fig. Ⅲ-1.1.2.3.6. Scanning electron micrographs of HM5 hybrid polymer. Porosity Measurements For the evaluation of the porous structure of the material N 2 gas sorption studies were carried out using the multi-point BET method. The solvent employed for the polycondensation reactions showed a weak influence on the specific surface areas and pore volumes of the gels (see Table 1.1.2.3.1.). For studying the effect of aging on the texture of the solids we varied the length of aging time at a particular temperature. It appears that increase of the aging time induces an increase of the specific surface area and increase of the mesoporosity of the material. The same behaviour is observered whatever the solvent is used, in particular gels prepared from benzene exhibiting drastic aging effect on the textural structure. The incremental pore volume plots derived from the desorption branch of the nitrogen isotherm, reveal the distribution of pore sizes and the extent to which they contribute to the pore volume. At each step during the desorption phase of the porosimetry experiment, the volume of liquid nitrogen removed from the pores of the material is measured, and a corresponding pore diameter is calculated from the relative pressure using the Barrett-Joyner-Halenda (BJH) method. The distribution of the pore sizes in the material can be observed by plotting the measured pore 3-74 volumes versus the calculated pore diameters. The pore volume plots for HM5-gels exhibit a narrow pore size distribution, with the pore diameters lying mostly between 30 and 39 Å (3 to 3.9 nm). Most of the porosity of the gels resides in pores with average diameters in the lower end of the mesoporous domain (mesopore diameter range = 2-50 nm). The BET specific surface areas, porous volumes and the average pore diameters are reported in Table Ⅲ-1.1.2.3.1. The representative Fig. Ⅲ-1.1.2.3.7. shows the N 2 adsorption-desorption isotherm and the pore size distribution obtained for HM5-gel prepared in CH 2 Cl 2 . Table Ⅲ-1.1.2.3.1. BET data for HM5 produced from various organic solvents and different aging times: Solvent Gelpoint at Aging at 45°C BET Specific Total Average 45°C [d] Surface Area Pore Pore (m 2 g - 1 ) Diameter [h] Volume 3 -1 (cm g ) (nm) CH 2 Cl 2 4 7 284 0.11 3.1 CH 2 Cl 2 4 30 359 0.28 3.1 THF 20 7 172 0.17 3.9 THF 20 30 196 0.21 4.2 Benzene 5 7 Benzene 5 30 247 0.24 3.9 Hexane 48 4 294 0.9 12.2 Hexane 48 30 323 1.04 12.9 Toluene 5 7 0.66 - - No 5 7 333 0.3 3.6 0 3-75 - - A D 200 2,5 3.1 nm Pore Volume (cc/g) Volume (cc/g) STP 2,0 150 (a) 100 50 (b) 1,5 1,0 0,5 0,0 0 0,0 0,2 0,4 0,6 0,8 1,0 P/Po 0 50 100 150 200 Pore Diameter (Å) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.7. (a) N 2 adsorption-desorption isotherm and (b) the pore size distribution obtained for HM5 polymer prepared in CH 2 Cl 2 . Thermal stability Thermogravimetric analysis: The quantitative analysis of the thermally induced ceramization of HM5 up to 1440 °C gives a total ceramic yield of 61 wt% (Fig. Ⅲ-1.1.2.3.8.). Analysis of the weight change versus temperature by thermal analysis coupled with mass spectrometry [thermogravimetric analysis (TGA/MS)] showed three distinguished steps characterized by weight loss. In the first step between 20 °C – 200 °C a weight loss of 10.3 % is attributed to evaporation of residual Me3SiCl. The ceramization reaction proceeds at temperature between 510 °C – 650 °C with a loss of H2 (m/z = 2), CH4 (m/z = 16), N2 (m/z = 28), CH3CN, C2H5CN (m/z = 41) and residual pyridine or, benzene (m/z = 78). The total weight loss in this step is about 12.9 %. Finally, in the temperature range 700 °C – 1100 °C, a further weight loss of 15.5 % is observed due to the evolution of H2O (m/z = 18) and CH4CHO (m/z = 44). At higher temperatures, no mass change is analyzed up to 1440 °C. 3-76 0,2 100 DTG 0,0 80 -0,1 -0,2 70 TG DTG [%/min] Masschange (wt %) 0,1 90 -0,3 60 200 400 600 800 1000 1200 -0,4 1400 Temperatur (°C) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.8. Thermal gravimetric analysis (TGA) of HM5 in flowing helium at a heating rate of 2 K min - 1 . Pyrolysis: The hybrid gel HM5 was pyrolysed at 1100 °C in a quartz tube for 2h with argon flow at a heating rate of 2 °C min - 1 . After cooling down to room temperature an air stable amorphous SiCN-ceramic was obtained with a total yield of 65 wt. %. Further analyses on previously prepared [(NCN) 1 . 5 Si-(CH 2 ) x -Si(NCN) 1 . 5 ] n [x = 2, (HM1), 6 (HM2), 8 (HM3)] and [(NCN) 1 . 5 Si-CH 2 -C 6 H 4 -CH 2 -Si(NCN) 1 . 5 ] n (HM4) hybrid polymers: Solid-state NMR-study on HM4 The solid-state 13 C and 29 Si CP-MAS-NMR-Spectra of the gel HM4 prepared in benzene are shown in Fig. Ⅲ-1.1.2.3.9. There was no hydrolysis involved. The solid-state 13 C-NMR spectrum showed peaks corresponding to methylene carbons (CH 2 ) at δ = 26.4 ppm and phenyl carbons (C 6 H 4 ) at δ = 130 ppm for the organic spacer group –CH 2 –C 6 H 4 –CH 2 –. The carbon chemical shifts for the NCN groups were observed at δ = 120 ppm. The high-field carbon resonance peak at δ = 1.1 ppm might result from the residual amounts of by-product, Me 3 SiCl, and/or, NCN–Si(CH 3 ) 3 endgroups. The solid-state 29 Si-NMR spectrum of HM4 displayed a strong peak at δ = – 62.6 ppm. This chemical shift 3-77 corresponds to silicon atoms coordinated to 3[C-Si(NCN) 3 ] in the polymer. Fig. Ⅲ-1.1.2.3.9. (a) 1 3 C CP-MAS- and (b) 29 Si CP-MAS-NMR-Spectra for HM4 Thermal Stability Thermogravimetric analysis: The thermogravimetric analyses of the hybrid gels (HM1-HM4) were carried out in the temperature range 20 °C to 1400 °C under helium atmosphere at a heating rate of 2 -1 K min . For the hybrid gels HM1-HM3 the thermal analyses of mass changes coupled with mass spectrometry showed first weight losses at about 500 °C. These weight losses were due to the evolution of propionitrile (m/z = 55), acetonitrile (m/z =41), CH 4 (m/z=16) and H 2 (m/z =2). Further weight losses were observed at temperature between 850 °C – 1200 °C due to the loss of N 2 from the system. At higher temperatures no mass change was analyzed upto 1400 °C. The thermogravimetry of gels (HM1-HM3) in the temperature range 20 °C – 1400 °C are shown in Fig. Ⅲ-1.1.2.3.10. The total ceramic yields obtained at 1400 °C for HM1, HM2 and HM3 were 54, 44, and 46 wt. %, respectively. 3-78 10 Mass Change (wt%) 0 -10 -20 -30 HM1 -40 HM3 -50 HM2 -60 200 400 600 800 1000 1200 1400 Temperature (°C) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.10. Thermogravimetrc Analyses (TGA) from HM1, HM2 and HM3. For the hybrid solid HM4 the thermal analysis of mass change (Fig. Ⅲ-1.1.2.3.11.) coupled with mass spectrometry showed weight losses at four different temperature ranges. The first weight loss of ca. 6.0 % was observed at temperature between 20 °C – 370 °C. In the mass spectrum the signals obtained were at m/z = 29, 30 and 38 which corresponds to molecular fragments C 2 H 5 + , C 2 H 6 and C 3 H 2 + respectively. The second weight loss (7.5 %) was found in the temperature range 400 °C to 700 °C with a main ceramization temperature at 540 °C with a evolution of H 2 (m/z = 2), CH 4 (m/z = 16), CH 3 CN or CH 3 NC (m/z = 41) and C 7 H 7 (m/z = 91). In the temperature range 700 °C – 1200 °C a weight loss of ca. 6.1 % was observed due to the evolution of nitrogen (m/z = 28). However, the ceramization of the polymer was not complete up to 1400 °C. In the range of 1200 °C – 1400 °C a further weight loss of 17.4 % was observed due to the continuous loss of nitrogen. The total ceramic yields obtained for HM4 at 1400 °C was ca. 63 wt. %. 3-79 0,05 0 DTG -10 -0,05 -0,10 -20 DTG (%/min) Mass Change (wt %) 0,00 -0,15 -30 TG -0,20 -40 200 400 600 800 1000 1200 1400 Temperatur (°C) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.11. Thermal gravimetric analysis (TGA) of HM5 in flowing helium at a heating rate of 2 K min - 1 . Pyrolysis: Pyrolysis of the hybrid gels (HM1-HM4) were carried out in a quartz tube at 1100 °C for 2h at a heating rate of 2 °C min - 1 under argon atmosphere. After cooling down to room temperature air stable amorphous SiCN-ceramic products were obtained. The total ceramic yields obtained from HM1-HM4 are summerized in Table Ⅲ-1.1.2.3.2. Table Ⅲ-1.1.2.3.2. The total ceramic yields from HM1-HM4 hybrid polymers Gel Ceramic yield Organic fragment in Gel (in weight %) (in weight %) HM1 63.3 13.7 HM2 54.3 32.3 HM3 46.8 38.9 HM4 69.2 37.4 29 Si CP-MAS-NMR studies on SiCN-ceramics obtained from pyrolysis of HM1-HM3 Fig. Ⅲ-1.1.2.3.12. shows the solid-state products obtained from HM1-HM3. The 29 29 Si-MAS-NMR Spectra for pyrolyzed Si-resonance peaks obtained from HM1 and HM2-derived Si-C-N-ceramics showed one broad peak centered at δ = – 47 and – 50 ppm respectively which is assigned to SiN 4 -unit. However, the peaks are quite broad so 3-80 that the presence of other coordination spheres at the silicon atoms such as SiC 4 (δ = – 20 ppm), Si(C)(N) 3 (δ = – 35 ppm) or, CSi(NCN) 3 (δ = – 60 ppm) are likely. 29 The Si-resonance peaks obtained from HM3-derived Si-C-N-ceramic showed very weak intensities which is due to the absence of hydrogen resulting in long relaxation times. (a) (c) (b) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.12. 29 Si CP-MAS-NMR-Spectra for (a) HM1-; (b) HM2-; (c) HM3-derived ceramics Si-B-C-N System Characterization of products 3 and 4 prepared from reactions mentioned in Eq. 5 and Eq. 6. The analytical and spectroscopic data obtained for products 3 and 4 are summerized in Table Ⅲ-1.1.2.3.3. The measurements of the 29 Si, 11 B and 13 C solution NMR were carried out in C 6 D 6 . 3-81 Table Ⅲ-1.1.2.3.3. Experimantal data obtained for 3 and 4. Product 3 4 Formula Si 3 BN 6 C 2 1 H 5 7 Si 2 BN 5 C 1 6 H 4 4 Molecular weight 488.79 g/mol 373.53 g/mol Boiling point 95 °C – 119 °C 77 °C – 98 °C fraction 1 (1.6 × 10 - 1 mbar) (1.2 × 10 - 1 mbar) Boiling point 119 °C – 128 °C 98 °C – 110 °C fraction 2 (1.6 × 10 (1.2 × 10 - 1 mbar) 29 Si-NMR – (0.9- 0.1) ppm – (2.4-1.7) ppm 11 B-NMR 46.02 ppm 46.9 ppm 13 C-NMR – 3.7 (SiMe), 12.2 (CH 2 ), – 3.5 (SiMe), 12.1 (CH 3 ), 39.3 (NMe 2 ) 38.4 (NMe 2 ) -1 mbar) Characterization of Ceramic Membrane Si-C-N System Commercial Ceraset: In our preliminary experiments commercially available ceraset was used for dip-coating on porous Al 2 O 3 -substrate. After pyrolysis the ceramic membrane was initially characterized by scanning electron microscopy. However, no visible coating can be detected under the microscope. The reason may be due to the complete infiltration of polymer solution to the porous substrate. H N R CH 3 R´ Si N Si C N n O H Si H3C HN n = 1-20 R´ = Aryl R = H, CH=CH 2 R CH3 Fig. Ⅲ-1.1.2.3.13. Chemical structure of commercial Ceraset 3-82 The N 2 adsorption-desorption analysis for evaluation of micro/meso-porosity of the material was carried out at JFCC. The determination of the pore size distribution versus pore volume measured by BJH-method (Fig. Ⅲ -1.1.2.3.14.) showed that ceraset-derived Si-C-N sample will be suitable for the synthesis of mesoporous intermediate layer between a porous support and a molecular sieving membrane. Pore Volume (cc/nm/g) 0,0015 0,0010 0,0005 0,0000 10 20 30 40 Pore Diameter (nm) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.14. The pore size distribution obtained for ceraset-derived Si-C-N ceramic membrane measured by BJH-method. Hybrid Polymer: Recently, we have used hybrid polymer HM1 for dip-coating on Al 2 O 3 -substrate. The coated and pyrolyzed coating membrane was then observed under scanning electron microscope. It showed a thin layer of coating on the substrate. However, the thickness of the layer was not easy to measure further improvement in the sample preparation may be needed. 3-83 Fig. Ⅲ-1.1.2.3.15. Scanning electron micrographs of three-times coated HM1-derived ceramic membrane. The determination of pore size distributions, gas permeation test and hydrothermal stability test of this material are presently under investigation at JFCC. Si-B-C-N System For the synthesis of ceramic membrane containing Si-B-C-N component we have used previously synthesized Polymer precursor 1 for the dip-coating on Al 2 O 3 -substrate. The ceramic obtained after pyrolysis was initially characterized by scanning electron microscopy which showed a film thickness of around 200 nm. Fig. Ⅲ-1.1.2.3.16. Scanning electron micrographs of three-times coated Polymer 1-derived ceramic membrane. For the evaluation of microporosity of the material N 2 gas sorption studies were carried out using the BET method. The distribution of the pore sizes in the material can be 3-84 determined by plotting the measured pore volumes versus the calculated pore diameters using BJH-method. The pore volume plots for Polymer 1-derived ceramic exhibit a narrow pore size distribution, with the pore diameter lying at around 0.6 nm which may be suitable for the synthesis of molecular sieving membranes. Fig. Ⅲ-1.1.2.3.17. shows the pore size distribution obtained for Polymer 1-derived Si-B-C-N ceramic membrane measured by BJH-method. 0,00035 Pore Volume (cc/nm/g) 0,00030 0.6 nm 0,00025 0,00020 0,00015 0,00010 0,00005 0,00000 0,0 0,5 1,0 1,5 2,0 Pore Diameter (nm) Fig. Ⅲ-1.1.2.3.17. The pore size distribution obtained for Polymer 1-derived Si-B-C-N ceramic membrane measured by BJH-method. 3-85 1.1.2.3.4. Plan for FY 2004 Si-C-N and Si-B-C-N systems: The first part of the project will deal with the study of the crystallization and phase separation behaviour of the prepared ceramic membranes. The partitioning of the amorphous Si-C-N and Si-B-C-N thin films will be referenced to the corresponding volume materials. Secondly, the hybrid polymers HM2-HM5 and Products 3 and 4 will be used for the synthesis of Si-C-N and Si-B-C-N films by dip-coating processing. Thirdly, depending on the results obtained at JFCC related to the gas permeability and hydrothermal stability of the as synthesized membranes further improvements may be carried out using different pyrolysis conditions or by modification of the coating parameters. Finally, synthesis of suitable new polymer precursors will be further developed. Complete characterization of these polymers as well as their ceramic products will be carried out using various spectroscopic and analytical methods. 3-86 1.1.2.4. “Design and Synthesis of Polymeric Precursors for Multicomponent Ceramic Systems” 1.1.2.4.1 Introduction Liquid polymeric precursors possessing Si-B-C-N frameworks are a potential source for the fabrication of multicomponent ceramic systems. Our aim is to design suitable preceramic polymeric precursors, which are usable for the synthesis of ceramic membranes. A possible application for these membranes is in the field of hydrogen separation at high temperatures. The preceramic SiBCN precursors were synthesised via hydroboration reaction of vinyl containing chlorosilanes with borane adducts and subsequent adding of LiNMe 2 . Cross linking in ammonia and thermal degradation of the precursors lead to SiBCN ceramics, which are stable up to 2000 °C in nitrogen-free environments. Cobalt containing SiCN composites can be utilized for hydrogen storage materials. This should enhance the hydrogen permselectivity of membranes. Two different synthetic approaches were used to form the functional composite materials. The first route involves mixing and milling of cobalt metal powders with pre-cross linked polysilazane Ceraset ® (KION Inc., USA) and subsequent pyrolysis of the metal/polymer-compound. In an alternative approach, the first step is a chemical reaction between pure polysilazane Ceraset ® and cobalt carbonyl, Co 2 (CO) 8 . Pyrolysis of the as formed brown reaction solid lead to black cobalt containing ceramic materials. The novel polymer-derived ceramic composites were characterized by means of IR-spectroscopy, XRD- and SEM-investigations as well as by hydrogen storage experiments. 1.1.2.4.2 Experimental procedure Si-B-C-N precursor synthesis One of the main aims during the past period of our research project was the synthesis and characterization of liquid single source precursors in the system Si/B/C/N, and the modification of the reaction steps to obtain more uniform products. The synthesis starts with treatment of methyl-vinyl-dichlorosilanes with borane adducts in a hydroboration reaction. According to Equation (1) we assumed that the intermediates 1 – 3 are formed. 3-87 Cl Si Cl Toluene Cl B 1 Si + H3B SMe2 - SMe2 SI Cl Cl Cl Cl Si Cl Toluene Cl Si B 2 + H2BCl SMe2 - SMe2 Cl Cl SI (1) Cl Cl S Dichlormethane Cl 3 B + HBCl2 SMe2 Cl SI Cl Cl The intermediate products 1–3 were used without further purification for a transformation into the corresponding aminosilanes adding LiNMe 2 . The products 4–6 were synthesized under formation of LiCl as by-product (Equations (2)–(4)). After purification by filtration and subsequent distillation 4–6 were obtained as colourless to pale yellow, air and moisture sensitive liquids. N Cl Si Cl Si Cl O°C / THF N + 6 LiNMe2 - 6 LiCl Si B Si SI Cl 1 Cl (2) B Si N N Cl 4 3-88 N N Cl Si N Cl Si N 0°C / THF Cl N B SI Cl B (3) + 5 LiNMe2 - 5 LiCl Si Cl N N 2 5 S N Cl O°C / THF B Cl SI Cl Cl 3 + 6 LiNMe2 - 6 LiCl - SMe2 N B Si (4) N N 6 The synthesis of 6 according to Equation (4) did not result in a uniform product. The raw material decomposes during distillation forming a solid residue. The cross linking of the single source precursors 4 and 5 with ammonia in n -hexane follows Equations (5) and (6). Colourless, air sensitive powders were obtained after removing the solvent. H N N Si N N Si H -18°C / n-Hexane N B B Si SI N N + NH3 - HNMe2 (5) Si Si N N P4 n 4 H N Si N N -18°C / n-Hexane N B N SI N Si H B (6) + NH3 - HNMe2 SI N N P5 5 3-89 H n Preparation of ceramic membranes For thin film deposition on porous Al 2 O 3 -substrates (supplied from Japan Fine Ceramics Centre) the above mentioned SiBCN single source precursors were used with dip-coating techniques. Vacuu Speed ll + Elec. Vacuum indicator Motor Pump Viewing window Tightening N2 Pipe fittings lever Substrate Inert gas atmosphere Stirrer tip Fig. Ⅲ-1.1.2.4.1: Scheme of dip-coating apparatus in the glove box. Typically 20 wt.% of the precursor solved in toluene was used for dip-coating on Al 2 O 3 substrate. Total three times of coating were applied for the precursor. After each coating the coated layer was cross linked in ammonia and pyrolyzed at 1100 °C in argon atmosphere. Synthesis of cobalt containing composite materials The synthesis of cobalt containing SiCN materials for hydrogen storage was carried out by active filler controlled pyrolysis. Two different synthetic approaches were used to form the functional composite materials. The first route involved mixing and milling of cobalt metal powders (< 44 µm, 1 and 10 vol.% Co) with at 270 °C pre-cross linked, commercial available polysilazane Ceraset ® (KION Inc., USA) and subsequent pyrolysis of the metal/polymer-compound in argon. In an alternative approach, the first step is a chemical reaction between pure polysilazane Ceraset ® and cobalt carbonyl, Co 2 (CO) 8 3-90 (ca. 1 vol.% metallic Co) without any organic solvent. Pyrolysis of the as formed brown reaction solid in argon atmosphere leads to black cobalt containing ceramic materials in the second step. For investigations of the micro structure with SEM the cross linked samples were warm pressed and pyrolyzed as bulk material in argon atmosphere. The general procedures for both synthetic approaches are given in Figure Ⅲ-1.1.2.4.3. Metal powder derived composites Metal carbonyl derived composites Metallic filler + Chemical reaction Metal carbonyl + Ceraset® Precrosslinked Ceraset® Metal@Ceraset® Mixing, Milling Milling Warm pressing (350 °C, 260 MPa) Warm pressing (180 °C, 260 MPa) Pyrolysis 1100 °C , Argon Pyrolysis 1100 °C , Argon Characterisation XRD, SEM, EDX, Hardness Characterisation XRD, SEM, EDX, Hardness Fig. Ⅲ-1.1.2.4.2: Flow-chart of the synthesis of Co/SiCN ceramic composites. Hydrogen storage experiments were carried out with the as synthesized powders, pyrolyzed in argon atmosphere. Total hydrogen adsorption was measured by feeding hydrogen gas up to 1 atm. The reversible hydrogen adsorption was measured by the following route: 1) Treating of the sample just as measurement of total adsorption. 2) Evacuation of the sample, and feeding hydrogen gas again. 3-91 1.1.2.4.3 Results and discussion Si-B-C-N system The synthesis of 6 according to Equation (4) did not result in a uniform product. The raw material decomposes during distillation forming a solid residue. The results of the characterization of compounds 4–6 are summarised in Table 1. Table Ⅲ-1.1.2.4.1:Properties of the compounds 4–6. Formula 4 5 6 C 2 1 H 5 7 BN 6 Si 3 C 1 6 H 4 4 BN 5 Si 2 C 1 1 H 3 1 BN 4 Si 373.53 258.28 Molecular weight / g mol - 1 488.79 Boiling point / °C 13 95 °C – 119 77 °C – 98 (1.6 ⋅ 10 (1.2 ⋅ 10 -1 mbar) -1 47 °C – 65 mbar) (1.2 ⋅ 10 - 1 mbar) 11 B NMR (C 6 D 6 ) 46.0 ppm 46.9 ppm 48.1 ppm 29 Si NMR (C 6 D 6 ) -0.6 ppm -0.2 ppm -0.1 ppm C NMR-DEPT spectroscopy is a powerful tool to study the chemical environment of the carbon atoms. It allows to distinguish between carbon atoms with odd and those with even numbers of H-atoms. According to the 13 C NMR-DEPT spectra in 5 the hydroboration reaction follows the Markovnikov rule by formation of CH 3 -CH-bridges between silicon and boron atoms. In case of 4 the reaction occurs in two steps. The first two vinyl groups are hydroborated according to Markovnikov, resulting in BCl 2 substituents which are in α-position to the silicon atom. Because of sterical hindrance the third hydroboration cannot follow the Markovnikov rule yielding ethylene bridges between silicon and boron atoms. 3-92 N-CH3 CH-CH3 N-CH3 Si-CH3 CH-CH3 Si-CH3 CH-CH3 CH-CH3 CH2-CH2 4 5 N N Si N N N B SI N SI N N N δ (ppm) Fig. Ⅲ-1.1.2.4.3: Identification of the N B Si N Si δ (ppm) 13 C NMR-DEPT signals of 4 and 5 (in C 6 D 6 ). The splitting of the signals is caused by the presence of different stereo isomers. Transamination of the compounds 4 and 5 in n -hexane at -18 °C leads to colourless, air sensitive, polymeric powders P4 and P5. The properties of the as synthesised precursors are similar to the polymers obtained by direct ammonolysis of the hydroboration products of methyl-vinyl-dichlorosilane. This synthetic pathway open a possibility to form polymers without laborious filtration of NH 4 Cl. Because of the uniformity and the silicon to boron ratio of 2:1 product 5 is the most promising precursor for the formation of thermal stable SiBCN ceramic coatings by dip-coating. Three times of coating were applied for the precursor. After each coating the coated layer was cross linked in ammonia and pyrolyzed at 1100 °C in argon atmosphere. Because of wetting problems and infiltration of the precursor solution into the porous substrate the formation of uniform SiBCN layers was not possible. 3-93 Cobalt containing composite materials The preparation of the metal powder filled ceramic green bodies occur by mixing of metal powders with the pre-cross linked polymer and subsequent warm pressing. In contrast, the metal carbonyl based materials need a chemical reaction between the carbonyl compounds and the pure polysilazane. The reaction proceeds under cleavage of the Co-carbonyl bond and formation of carbon monoxide (see Equation 7). Cobalt carbonyl reacts with Ceraset ® at room temperature very fast to form a black solid. RT Co2(CO)8 + Ceraset Co@Ceraset - CO ® black solid IR-spectroscopic investigations of the pure pre-cross linked polymer and reaction products of carbonyl and the pure polymer show that in case of the cobalt containing material no ν-CO-vibrations are found between 2100 and 1700 cm - 1 (see Figure Ⅲ -1.1.2.4.4). This finding suggest the absence of carbonyl groups connected to the cobalt. warm-pressed Ceraset Reaction at room temperature warm-pressed at 180 °C 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 -1 Wavenumbers (cm ) Fig. Ⅲ-1.1.2.4.4: IR-spectra of Co@Ceraset ® after reaction at room temperature. The polysilazane Ceraset ® (see Figure Ⅲ-1.1.2.4.5) contains three different reactive centres, which can react with carbonyl compounds under cleavage of carbon monoxide and the formation of direct bonds to cobalt. The possible reactive centres of Ceraset ® 3-94 (7) are Si-H-functions, π-electron systems in the vinyl groups and the free electron pair oft the N-H-functions. The exact reaction mechanism is still under investigation. H Si NH R Si N HN C Si O NH R R = H, CH3 n = 1 - 20 n Fig. Ⅲ-1.1.2.4.5: Chemical structure of the polysilazane Ceraset ® (KION Inc., USA). The polymer-to-ceramic transformation of the metal powder based materials and the metal carbonyl based, respectively was carried out at 1100 °C in flowing argon with a holding time of 5 hours. By the pyrolytic conversion of cobalt loaded polysilazanes into ceramics the formation of nitrides or carbides of this elements are expected. The result of the X-ray analysis shows that the amorphous SiCN matrix contains Co 2 Si particles beside unreacted metallic cobalt. In contrast the carbonyl based materials show no well-defined results in the XRD analysis. The formation of nano-crystalline Co 2 Si particles can be assumed (Fig. Ⅲ-1.1.2.4.6). 900 XRD Analysis: 800 Co 2 Si (Co) Co 2 Si (Co), 100 700 nano crystalline? 600 80 Intensität Intensität XRD Analysis: 120 500 400 300 60 40 200 20 100 0 0 0 10 20 30 40 50 2 Theta 60 0 10 20 30 40 2 Theta (°) Fig. Ⅲ-1.1.2.4.6: XRD patterns oft the metal powder derived material (left) and the polymer derived material (right). 3-95 50 60 Figure Ⅲ-1.1.2.4.7 shows SEM images of the microstructure of the cobalt containing SiCN ceramics. The metal powder based material exhibit a clear division in cobalt rich (bright) and cobalt poor (dark) areas. A grains structure similar to the iron particles used as starting substance is not observable. So, we can conclude, that the observed microstructure is a result of chemical reactions and transport processes during the polymer-to-ceramic transformation. In contrast, the cobalt carbonyl based ceramic is complete homogeneous and no different domains are visible at higher magnification. The homogeneity of the carbonyl based sample is demonstrated in the SEM images on the right side of Figure Ⅲ-1.2.2.3.7. SEM-Image SEM-Image (x 300) (x 130) Co-rich Co-poo SEM-Image SEM-Image (x 1000) (x 4000) Fig. Ⅲ-1.1.2.4.7: SEM images of the metal powder derived material (left) and the carbonyl derived material (right). In Figure Ⅲ-1.1.2.4.8 SEM images of cobalt containing samples filled with 1 vol.% Co powder are presented. This pictures demonstrate that a low amount of metal powder does not lead to a homogeneous distribution of cobalt in the SiCN matrix. An explanation of the homogeneity of the metal carbonyl based ceramics is the molecular 3-96 distribution of the carbonyl compound in the preceramic polymers and its subsequent chemical reaction under cleavage of carbon monoxide. Fig. Ⅲ-1.1.2.4.8: SEM images of the cobalt SiCN composite containing 1 vol.% Co metal powder. The hydrogen affinity and the reversible adsorption was measured for three cobalt containing samples: two metal powder derived composites (10 and 1 vol.%) and one carbonyl derived sample. The measurements were compared to a standard nickel containing material (fused silica with a Si/Ni ratio of 0.33). All three samples show hydrogen affinity, and reversible adsorption, which is important to enhance hydrogen permselectivity membranes. The results of the measurements are presented in Figures Ⅲ-1.1.2.4.9 and Ⅲ-1.1.2.4.10. 3-97 Sam ple 2 Sam ple 1 Reversible adsorption 1.4 Total adsorption Reversible adsorption 1.4 Total adsorption 1.2 0.8 0.6 0.4 Adsorbed Hydrogen (ml/g) Adsorbed Hydrogen (ml/g) Adsorbed Hydrogen (ml/g) 1 1.0 0.8 0.6 0.4 0.0 0 0 50 100 Partial Pressure of Hydrogen (kPa) 150 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.2 0.2 Total adsorption Reversible adsorption 1.4 1.2 1.2 Sam ple 3 0.0 0 50 100 Partial Pressure of Hydrogen (kPa) 150 0 50 100 Partial Pressure of Hydrogen (kPa) Fig. Ⅲ-1.1.2.4.9: Hydrogen absorption of the cobalt containing materials (sample 1: 10 vol.% Co; sample 2: 1 vol.% Co; sample 3: 1 vol.% Co carbonyl-derived). The metal powder derived samples show no significant differences in the amount of adsorped hydrogen in total and reversible adsorption. In contrast the carbonyl based material exhibit more then twice adsorption ability for hydrogen, but the sample contains the lowest amount of filler. This findings clearly, that the amount of filler into the matrix is not responsible for the adsorption ability. In fact the very finely distribution of the filler into the SiCN matrix (see Figure Ⅲ-1.1.2.4.8) is the reason for the high adsorption ability of the cobalt carbonyl derived sample. In comparison with the nickel containing silica probe the cobalt containing samples show a significant lower adsorption ability for hydrogen. The nickel containing sample adsorbs more then ten times more hydrogen as the cobalt containing samples (Figure Ⅲ-1.1.2.4.10). 3-98 150 Sample Si : Ni 0.33 Reversible adsorption 40 0.6 Reversible adsorption 35 sample 3 30 Adsorbed Hydrogen (ml/g) Adsorbed Hydrogen (ml/g) 0.5 sample 1 sample 2 0.4 0.3 0.2 Total adsorption 25 20 15 10 0.1 5 0 0 0 20 40 60 80 100 120 0 Partial Pressure of Hydrogen (kPa) 20 40 60 80 100 120 Partial Pressure of Hydrogen (kPa) Fig. Ⅲ-1.1.2.4.10: Reversible hydrogen absorption of the cobalt containing materials (left) (sample 1: 10 vol.% Co; sample 2: 1 vol.% Co; sample 3: 1 vol.% Co carbonyl-derived) and reversible and total adsorption of the sample Si : Ni 0.33 (right). A possible way to increase the adsorption ability of the cobalt containing is to increase the amount of finely depressed cobalt particles in the SiCN matrix. That can be effected by increasing the amount of cobalt carbonyl at the beginning of the powder synthesis. 3-99
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