第 5 章 計画の内容 - 高砂市

第 5 章 計画の内容
1 健康管理・健康診査
~生活習慣病の早期発見と予防に向けて~
めざす姿
定期的に自分の健康をチェックし、生活習慣病を予防しましょう!
子どもから高齢者まで、元気にいきいきと暮らすために、まず健康な生活習慣を身につけること、生活
習慣病の予防と重症化の予防のために定期的に健康診査とがん検診などを受け、自分の体の状態を知るこ
とが重要です。
現状と取り組んでいく課題
1
主観的健康観について
健康である、どちらかといえば健康であると思っている人の割合は、68.9%となっています。
主観的健康観とは、単に病気があるかどうかにかかわらず、自分は健康であると思うか、そう思わ
ないかを主観的にとらえた指標であり、この主観的健康観が高い人ほど長寿の傾向が強く、生活満足
度も高いと言われています。
現在、あなたご自身は健康であると思いますか?
健康でない 6.8%
無回答 0.9%
どちらかと言えば
健康でない 8.1%
健康である
25.5%
どちらとも
言えない 15.3%
どちらかと言えば
健康である
43.4%
資料:高砂市健康づくりアンケート(平成 25 年度)
2 平均寿命と日常生活動作が自立している期間(※1)について
(1) 平均寿命
平均寿命の推移をみると、近似曲線(※2)では男女ともに年々伸びている傾向にあります。
21
平均寿命の推移(男性)
(年)
平均寿命の推移(女性)
(年)
80
87
78.9
79
78
85.9
86
78.3
85.4
85
77.2
77
84
76
83
84.2
82
75
12年
17年
12年
22年
17年
22年
資料:兵庫県資料(平成 25 年度)高砂市データ
(2)
日常生活動作が自立している期間
平成 24 年9月公表「健康寿命の算定方法の指針」
「健康寿命の算定プログラム」に準拠し、算定
した結果、男性は 77.87 年、女性は 81.93 年でした。利用データは下記のとおりです。
対象集団の「人口」
対象集団の「死亡数」
生命表
不健康割合の分母
平成 23~25 年の人口 各年 7 月 1 日作成のデータ
平成 23~25 年の死亡数
簡易生命表
上記「対象集団『人口』」の利用データと同じ
要介護 2~5 の認定者数(平成 26 年 6 月分)
不健康割合の分子
(0~39 歳は0人)
(高年介護課より情報提供。40~64 歳は規定割合にて按分。)
「日常生活動作が自立している期間」と「平均寿命」の差が小さいほど、日常生活に制限のない期間
が長いといえます。
※1 「日常生活動作が自立している期間」は、要介護 1 以下として算出しました。
※2 平均寿命の推移を近似曲線で表しています。
近似曲線とは、データの傾向や方向性を視覚的に表したものです。
目標
3
健康だと思っている人を増やし、日常生活動作が自立している期間を延ばし
ましょう
幼児の生活習慣について
起床時間、就寝時間について、10 年前と比較すると早寝早起きになってきており、健康に生活す
るうえで基本となる生活習慣が幼児期から身についてきていることがうかがえます。
(1)
起床時間
1 歳 6 か月児健診時及び 3 歳児健診時の状況を経年的にみると、7 時までに起床する割合は増加
傾向にあり、7 時台、8 時台、9 時以降、起床時間が決まっていない割合は減少傾向にあります。
22
(%)
50
起床時間(1歳6か月児)
(%)
60
50
40
30
20
10
0
7時ま
で
40
30
20
10
0
決まって
9時以降
いない
無回答
起床時間(3歳児)
7時台
8時台
9時以
降
決まっ
ていな
い
無回答
7時まで
7時台
8時台
15年度
19.4
46.7
21.0
6.3
6.6
0
15年度
15.9
52.9
20.9
4.7
4.7
0.0
20年度
28.7
43.8
18.3
4.2
4.7
0.3
20年度
26.0
53.6
14.1
1.8
1.8
0.3
25年度
34.8
41.7
14.8
3.3
4.7
0.7
25年度
32.2
51.7
11.3
1.7
1.7
0.7
資料:高砂市乳幼児健診
(2)
就寝時間
1 歳 6 か月児健診時及び 3 歳児健診時の状況を経年的にみると、9 時まで及び9時台に就寝する割合は
増加傾向にあり、10 時台、11 時以降、就寝時間が決まっていない割合は減少傾向にあります。
就寝時間(1歳6か月児)
(%)
50
40
30
20
10
0
就寝時間(3歳児)
(%)
60
50
40
30
20
10
0
9時ま
で
9時台
10時
台
11時
以降
決まっ
ていな
い
無回答
15年度
13.6
37.2
32.3
9.9
6.8
0.2
20年度
24.3
46.3
19.9
4.8
4.4
0.3
25年度
28.5
44.2
18.1
3.9
4.6
0.7
9時まで
9時台
10時台
11時以
降
決まっ
ていな
い
無回答
15年度
11.2
39.5
33.3
8.6
7.4
0.0
20年度
15.2
47.8
27.8
4.1
5.1
0.0
25年度
21.8
51.4
19.7
2.6
4.2
0.3
資料:高砂市乳幼児健診
目標
4
幼年期から規則正しい生活習慣を意識し、早寝・早起きを心がけましょう
かかりつけ医のいる人の割合
かかりつけ医のいる人の割合は、東播磨圏域で
(%)
みると、年々増加の傾向にあります。
66
かかりつけ医がいるということは、身近に医学
64
的な相談相手がいるということであり、かかりつ
62
け医のいる人のほうが、何かあったときの早期の
60
58
受診、治療につながりやすい傾向があります。
64.4
63.7
62.8
57.6
57.3
56
健康管理のためにも日頃からかかりつけ医を持
54
つようにしましょう。
52
21年度
22年度
東播磨圏域
23年度
24年度
25年度
線形 (東播磨圏域)
資料:
「兵庫の豊かさ指標」県民意識調査
目標
かかりつけ医を持ちましょう
23
5
健康診査・がん検診等について
(1) 健康診査の受診状況
かかりつけ医で受診している割合が 3
過去1年間に健康診査(健康診断)を受けましたか
(複数回答)
6.9%と一番多く、そのうち女性が56.9%を
占めています。
0
1
勤務先で受診している人は、26.9%、その
2
うち男性が 55.7%、女性が 44.3%となって
おり、年代別では 50 歳代が 32.8%を占め
4
ています。
26.9
15.4
4
人間ドック
36.9
かかりつけ医
5
体調は良くないが、受けてい…
6
健康だと思うので、受けてい…
15.4%が市の基本健診を受診しており、そ
5 10 15 20 25 30 35 40
勤務先
市の基本健診
3
7
2
9.3
3.7
その他
無回答
のうち女性が 58.6%を占めています。
(%)
1.8
資料:高砂市健康づくりアンケート(平成 25 年度)
(2)
特定健診の状況
特定健診受診率(市国保)
(%)
35
30
25
20
15
10
5
0
特定保健指導実施率(市国保)
(%)
25
20
15
10
5
0
22年度
23年度
24年度
22年度
23年度
24年度
高砂市
13.2
12.8
13.6
高砂市
14.0
11.0
7.9
東播磨
25.3
25.4
26.6
東播磨
19.8
22.1
17.9
兵庫県
30.2
31.6
32.5
兵庫県
17.6
18.7
19.1
特定健診受診率、特定保健指導実施率は、
特定健診受診者のメタボリックシンドロームの状況
東播磨や兵庫県の平均受診率と比較すると
(%)
20
15
10
5
0
いずれも低い状況です。
特定健診受診者のメタボリックシンドロ
ーム(※)の状況は、高砂市、東播磨、兵庫県と
もに、メタボ該当者、予備軍が同じような割
合となっています。
特定健診の受診者を増やすことが課題で
す。
内臓脂肪
症候群
該当者
内臓脂肪
症候群
該当者
内臓脂肪
症候群
予備軍者
内臓脂肪
症候群
予備軍者
23年度
24年度
23年度
24年度
高砂市
15.9
14.9
10.4
11.2
東播磨
16.8
16.7
10.5
10.5
兵庫県
15.7
15.7
10.5
10.2
資料:健康づくり部会(平成 25 年度)
※メタボリックシンドロームとは、内臓に脂肪が蓄積した
内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうち
いずれか 2 つ以上をあわせもった状態をいいます。
24
(3)
がん検診等の受診状況
兵庫県、全国に比べ受診率が低いのが現状ですが、経年的にみると、広報、ホームページ、自治会回覧、
健康増進フォーラムなどでの周知や受診しやすい体制整備などにより、少しずつ受診者が増えてきていま
す。
がんの早期発見、早期治療、がんによる死亡の減少のためにもがん検診の受診率の向上が課題です。
がん検診の経年受診率(単年度)
がん検診受診率
(%)
(%)
15
30
25
10
20
5
0
15
大腸がん 子宮がん
10
胃がん
肺がん
乳がん
21年度
2.5
5.7
3.7
5.6
6.1
22年度
2.2
5.3
5.8
6.0
5.6
胃がん
肺がん
大腸がん
子宮がん
乳がん
23年度
2.9
4.8
8.0
6.5
6.9
高砂市
3.6
5.7
9.4
14.5
14.2
24年度
3.6
5.7
9.4
8.6
7.9
兵庫県
7.0
13.0
17.3
18.5
18.3
25年度
4.1
6.5
12.1
7.5
7.7
全国
10.0
19.2
21.1
26.1
22.6
5
0
資料:地域保健・健康増進事業報告(平成 24 年度)
(4)がんの部位別標準化死亡比(SMR)(※)について
高砂市のがん部位別標準化死亡比(SMR)では、男性は「肝がん」、「肺がん」、「胃がん」の順で高
く、女性は「胃がん」、「子宮がん」、「肝がん」となっています。
また、県と比較すると、男性では「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「前立腺」が、女性では「胃がん」
「子宮がん」「乳がん」「食道がん」が高くなっています。
主ながん部位別標準化死亡比(SMR)
18~22年度:男性
140
120
100
80
60
40
20
0
胃
がん
大腸
がん
肺
がん
食道
がん
肝
がん
主ながん部位別標準化死亡比(SMR)
18~22年度:女性
160.0
140.0
120.0
100.0
80.0
60.0
40.0
20.0
0.0
前立腺
がん
胃
がん
大腸
がん
肺
がん
子宮
がん
乳
がん
食道
がん
肝
がん
高砂市 107.6 102.4 111.7 100.7 112.0 99.3
高砂市 150.0 70.0 100.8 136.8 103.1 103.1 109.0
東播磨 105.0 98.2 106.3 109.4 110.5 93.3
東播磨 112.0 97.4 104.2 118.7 94.4
94.4 124.7
兵庫県 104.2 98.0 107.4 105.2 125.4 91.6
兵庫県 105.0 99.3 107.9 104.7 94.9
94.9 123.8
資料:健康づくり関する地域・職域連携推進連絡会(平成 25 年度)
※ 標準化死亡比(SMR)とは、死亡率は通常、年齢によって大きな違いがあることから、異なった年齢構成を持つ地域別の死亡率を比較す
るために、標準的な年齢構成に合わせて、地域別の年齢階級別の死亡率を算出する方法です。
全国の平均を 100 としており、標準化死亡比が 100 以上の場合は全国の平均より死亡率が高いと判断され、100 以下の場合は死亡率が
低いと判断されます。
目標
定期的に健康診査・がん検診等を受け健康状態を確認しましょう
25
6
認知症高齢者について
人口の高齢化に伴い、認知症高齢者の人数は徐々に増加傾向にあり、将来推計において認知症高齢者の日
常生活自立度Ⅱ(※)以上の割合についても増えることが予測されています。
介護保険申請時の医師意見書によると、65 歳以上人口に占める認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の
割合は 7.8%、1,810 人となっています。
食生活や運動、趣味をもつ、地域の人々と交流して楽しい時間を過ごすなど脳を活性化し、認知症予防に努
めることが重要です。
高砂市の認知症高齢者の推計
平成 22 年
平成 27 年
平成 32 年
平成 37 年
20,085
23,981
25,655
25,544
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上
の人口に対する比率
(%)
9.5
10.2
11.3
12.8
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上
の人口に対する人数
(人)
1,908
2,446
2,899
3,270
65 歳以上人口
(人)
ただし、この推計では、要介護認定申請を行っていない認知症高齢者は含まれません。
資料:認知症施策検討プロジェクトチーム作成データによる(平成 24 年 8 月 24 日公表)
高砂市の認知症高齢者
(人)
23,080
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の人数
(人)
1,810
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の比率
(%)
7.8
65 歳以上人口
ただし、要介護認定申請を行っていない認知症高齢者は含まれません。
資料:介護保険申請主治医意見書データによる(平成 26 年 3 月末現在)
※
目標
日常生活自立度Ⅱとは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意す
れば自立できる状態です。
生活習慣を改善し、趣味を持つなど脳を活性化し、認知症を予防しましょう
26
ライフステージに応じた健康づくりのとりくみ
市民ができること
定期的に自分の健康をチェックし、生活習慣病を予防しましょう!
幼年期
(0~4 歳)
少年期
・子どもに規則正しい生活習慣を身につける努力をしましょう。
(5~14 歳)
青年期
(15~24 歳)
壮年期
(25~44 歳)
中年期
(45~64 歳)
高年期
・体重測定を習慣化し、自分の適正体重を知りましょう。
・年に 1 回は健康診査、がん検診を受け、家族や周囲の人にも受診を勧めましょう。
家庭で健康について話す機会を持ちましょう。
・健康なときから健診をうけましょう。
・かかりつけ医を持ち、健康管理に努めましょう。
・健康診査の結果から生活習慣を見直し、食事や運動などの健康的な生活習慣を実
践しましょう。
(65 歳以上)
・散歩や買い物など軽い運動を生活のなかに取り入れロコモ予防に努めましょう。
高年期
(65 歳以上)
・生活習慣病に気をつけて生活しましょう。
・趣味をもつ、地域の人と交流して楽しい時間を過ごすなど脳を活性化して、認知
症の予防に努めましょう。
地域ができること

家族や友人、地域で誘い合って健康診査、がん検診を受診しましょう。

自治会、町内会の掲示板や回覧板を活用し、がん検診や特定健診などの健診や健康づくりに関する情報提供を
しましょう。

公民館などを活用した、地域で健康づくり活動を行いましょう。
行政ができること

広報や自治会回覧を活用し、検診に関する情報提供を行います。

多くの人が健康診査を受けやすい体制づくりをします。

健診の結果を健康管理に役立てられるよう支援します。

がんに関する知識を深めるため、医師会等関係機関と連携して講座の開催や情報提供を行います。

がんの早期発見などがん検診の必要性の周知を図ります。

子どもの頃から健康について学ぶ機会を提供します。

正しい生活習慣を身につけるために必要な知識を広めます。
27
健康管理、健康診査の評価指標
項目
現状
男性
女性
日常生活動作が自立している期間の延伸
77.87 年
81.93 年
平成 36 年度
1年延伸
(高砂市算出)
68.9%
健康、どちらかと言えば健康と思っている人の割合
増加
(高砂市健康づくりアンケート)
73.3%
かかりつけ医のある人の割合
増加
(高砂市健康づくりアンケート)
胃がんリスク(※)
-
12.1%
大腸がん
10.7%
県平均
(高砂市)
がん検診受診率
肺がん
6.3%
(40 歳以上)
県平均
(高砂市)
16.1%
子宮がん
県平均
(高砂市)
15.6%
乳がん
県平均
(高砂市)
13.6%
特定健診
60.0%
(健康づくり部会)
特定健診・特定保健指導の
実施割合
7.9%
特定保健指導
60.0%
(健康づくり部会)
7.8%
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の比率
10.4%
(介護保険申請主治医意見書データ)
※胃がんリスク検診とは、ピロリ菌感染の有無や胃粘膜の萎縮度を調べ、胃がんになりやすいかどうかを判定します。ピロリ菌感染によって、
胃粘膜の萎縮が進むほど、胃がんが発生しやすくなります。検査結果は胃がんになりやすい状態に応じて、ABCD群で判定されます。
28