様式1 平成24年度 学校評価報告書 三重県立相可高等学校 (1)学校経営の改革方針における今年度の重点取組についての評価結果 生徒の夢をかなえる学校 目指す 学校像 行動計画の目標・評価方法 達成状況・評価結果 具体的取組に関する成果や課題 (1)教務・全学年 ○ 重点目標(目指す学校像の実現に向け3~5年後に達成すべき状態を表す。以下同じ。) 7割程度の生徒が授業を概ね理解しているが、家庭学習 全職員による共通理解の下で実効あるOJTと共通実践を継続することにより、生徒一人ひとりが自律的な生活習 の習慣を身に付けている生徒は少なく、家庭での過ごし方 慣・学習習慣を身に付け、希望する資格を取得するなどして希望進路の実現を果たしている。 を問う調査項目でも、勉学より携帯電話等を使ったりテレ ○ 本年度の行動計画の評価結果 ※以下において、「取組状況の指標」とは重点目標を達成するための主な取組内容を、「達 ビを観たりして過ごしている生徒が多いことから、今後 成状況の指標」とは重点目標の達成状況を評価するための指標を表す。以下同じ。) は、多くの生徒が家庭学習を生活習慣の一部として認識 (1)教務・全学年 し、実際に行動化するための取組を工夫し、強化する必要 指標 自己評価の結果 がある。 取組 全学年共通実践:生徒とホームルーム担任による 「学びのPDCAシート」の様式等について検討した (2)全専門学科 状況 「学びのPDCAシート」(仮称)の作成・活用 が、活用までには至らなかった。 資格取得、進路及び大会等への参加・入賞のいずれにお いても、指標として設定した目標を達成し成果を収めたと 「身に付いている」又は「どちらかといえば身に付いて 生徒実態調査の結果、「家庭学習の習慣が身に付 言える。今後は、これらの取組を継続することに加え、希 いる」と回答した生徒は1年 24.2%、2年 16.9%、3年 達成 いている」と回答した生徒全学年8割以上 望進路実現に向けて、生産経済科では特に普通教科の課外 30.6%であった。 状況 指導の充実を入学当初から図ること、環境創造科では特に 生徒実態調査の結果、授業について「概ね理解で 「十分理解できる」又は「だいたい理解できる」と回答 高度化する国家試験の内容に対応するために指導教員の きる」以上と回答した生徒全学年6割以上 した生徒は1年 71.4%、2年 63.0%、3年 78.0%であった。 研修機会を確保して指導力の向上を図ること、食物調理科 (2)全専門学科 では調理関係への高い就職率を維持することに加え、特に 全専門学科共通実践:資格取得に向けた計画的な 農業技術検定、測量士、ふぐ取扱資格、製菓衛生士等多 製菓コースの生徒が学習成果を生かせるよう県内製菓店 くの試験の合格に向けて計画的に課外補習を実施した。 取組 課外補習の実施 等の進路先開拓と企業等に向けた広報活動の強化を図る 状況 全専門学科共通実践:全国規模の大会やコンクー 各専門学科の特性に応じて参加した。特に食物調理科で ことなどが課題となる。 ルへの参加3回以上 は国際大会を含め 20 回以上参加した。 (3)教務・全教科 生産経済科は進学 87%・就職 95%、環境創造科は進学 全教科で取り組む校内公開授業は緒に就いたばかりで 希望する進路を実現した専門学科の3年生8割 71%・就職 85%(公務員 100%)、食物調理科は進学・ ある。今後は、 「家庭学習の意欲を喚起する指導の在り方」 達成 以上 就職 100%(専門分野への進学・就職 95%)であった。 等の共通テーマを設定したり、授業者が改善したい点や同 状況 参加したほとんどの大会やコンクールで入賞した。特に 僚から意見を求めたい点等を記した授業参観シートを活 全国規模の大会やコンクールでの入賞3回以上 食物調理科では国際大会を含め 17 回入賞した。 用したりするなど、重点目標の実現に資する取組として継 (3)教務・全教科 続するための一層の工夫が必要である。 取組 全教科共通実践:校内公開授業による授業研究2 校内公開授業による授業研究は全教科で1回実施した。 一部の教科で他校教員を対象に公開授業を実施した。 状況 回以上実施 達成 状況 「向上したと思うか」との質問に対し「そう思う(満足)」 職員満足度調査の結果、学習指導に関する指導力 又は「どちらかというとそう思う(概ね満足)」と回答 が向上したと回答した教員6割以上 した教員は 70.0%であった。 地域と共に歩む学校 ○ 重点目標 (1)企画委員会・管理職 新たに立ち上げた学校関係者評価委員会の委員に教育 「地域と共に歩む学校づくり」を活性化するため、学校関係者評価を有効に活用しつつ、各学科の特性を生かした学 活動の様子を直接観ていただく機会がなかったこと、学校 科横断的な取組を地域と連携しながら多角的に展開している。 自己評価の関係資料を用意できずに委員会を1回実施で ○ 本年度の行動計画の評価結果 きなかったことが反省点である。今後は、年間計画を練り (1)企画委員会・管理職 直し、連絡調整を密にしたい。 指標 自己評価の結果 (2)各専門学科 第2回学校関係者評価委員会が実施できず、実施回数は 取組 生産経済科では、「地域と共に歩む学校」として本校農 学校関係者評価委員会3回実施 2回であった。 状況 場で地域の小・中学生や PTA 等を対象に地域開放講座を例 第3回学校関係者評価委員会で自己評価の結果につい 年どおり実施し好評を得た。今後も、天候に講座内容が左 て評価を受けた結果、概ね適正な自己評価であると評価 右されるなどの制約はあるが、より多くの地域開放講座を 達成 学校関係者評価委員会による評価結果の次年度 を受けたことから、次年度『学校経営の改革方針』に右 実施していきたい。予算確保が課題となる。また、現在、 状況 『学校経営の改革方針』への相当程度の反映 欄に記した成果と課題を踏まえた内容を反映する。(平 米と伊勢茶を使った化粧品を地元企業と共同開発中であ 成 25 年 3 月 15 日現在) り、食物調理科とは宇宙大豆、イチゴを使った相可高校オ (2)各専門学科 リジナル商品の開発を計画している。 食物調理科では、従来から取り組んできている地域住民 生産経済科による農産物生産、食物調理科による 地元企業等との商品開発(ドレッシング、伊勢茶プリン 対象の料理教室や保育園・小学校・高校・大学等対象の各 等)、生産経済科との商品開発(伊勢いもアイス、松阪 商品開発・メニュー提案及び両学科による地域イ 牛弁当等)、メニュー提案(映画の料理、多気CATV、 種講座、教員・給食関係者の研修等に加え、校内6次産業 ベント開催・「まごの店」での販売 化を目指した生産経済科との共同開発、映画で使われる料 熊野古道センター等)、地域イベント(県民の日、多気 パワープロジェクト、NHKふれあいまつり、牛まつり、 理のメニュー提案や料理に関する放送番組体験、県立水産 高校・三重県農林水産部等とのコラボレーション、地元企 おいないまつり、飯南ふれあいまつり等)、まごの店開 業食堂への出店等の新しい取組ができたことが成果とし 店(まごの店スイーツ販売の 27 日を含め 93 日開店)、 て挙げられる。今後の課題としては、調理師コース・製菓 多様な主体とのコラボ(かつおのてこね寿司を県立水産 取組 コースともに授業では基礎的・発展的な知識・技術の習得 高校と、スイーツを食育推進全国大会で全国の農業高 状況 校・商業高校数校と、米の新品種を三重県農林水産部と、 が主となり、地域や企業との連携に係る取組のほとんどが 調理師コースでは「調理クラブ」による部活動、製菓コー 伊勢まだいを三重魚食センターと)等に取り組んだ。 スでは学校設定科目「製菓研究」における特別な授業計画 生産経済科において小学生対象の農業体験1回、中学生 の中で行っていることから、教育課程の実施との調整及び との農業体験2回、PTA寄せ植え体験研修 1 回、社会 生徒・指導教員のオーバーワーク抑制に向けた調整が課題 福祉団体対象の農業体験1回実施。 食基調理科において 地域開放講座の開講3回以上 地域対象約60回、保・小・高・大対象約20回、教員・ となる。 給食関係者対象延べ8回実施。 本校農場で栽培した農産物や肥育した松阪牛の肉を食 材にした生産経済科・食物調理科共同開発の食品化(伊 勢いもアイス、伊な勢丼、松阪牛弁当、柿・いちご・キ 達成 ウイのお菓子、宇宙大豆の味噌等)に取り組むとともに、 学校における6次産業化の実現 状況 地域農産物を使った地元企業との商品を開発するなど した。また、本校果樹園内で繁殖させたカブトムシの成 虫約 50 匹を地元の祭りで配布した。 皆がやりがいを実感する学校 ○ 重点目標 (1)全学年・学科・分掌・教科 保護者満足度調査の結果、「学校の情報は適切に提供・ 教育活動や学校運営を継続的に改善するための仕組みが機能して活気のある明るい組織風土が醸成されており、多 発信されているか」との質問に対し「そう思う」又は「ど くの生徒・保護者・職員が学校に満足している。 ちらかといえばそう思う」 と回答した保護者は合計で75% ○ 本年度の行動計画の評価結果 であった。今後も、様々な方法で種々の学校情報を積極的 (1)全学年・学科・分掌・教科 に提供・発信していきたい。 指標 自己評価の結果 本年度、校長・教頭が同時に着任して学校運営に円滑さ ホームページの画面を改訂し(平成 25 年 3 月 15 日現 を欠いたり、内部組織間で連絡調整不足がみられたりした 在の更新情報のアップ数 283)、携帯電話で保護者に 学校情報の積極的提供 ことから、 管理職による学校全体の状況把握、 職員間の「報 学校情報を一括送信するシステムを活用した。 告・連絡・相談」に加えて「確認」の徹底、デスクネッツ 取組 各学科・学年・分掌・教科では各主任がリーダーシッ の一層の活用促進など、様々な方法で「隙間」のない学校 状況 円滑な組織マネジメント プを発揮して概ね円滑な組織マネジメントが行われて 運営に努めたい。 ・ 報告・連絡・相談の徹底 いるが、管理職による学校全体の状況把握と内部組織 (2)全職員 ・ リーダーシップ・フォロワーシップの適正発揮 間の連携の不足が露呈することがある。 本校の教育活動等について、約3/4の生徒及び保護者 「校内の情報共有は適切に行われていると思うか」と が概ね満足しているが約1/4は満足しておらず、「そう 職員満足度調査の結果、 校内の情報共有の在り方に の質問に対し「そう思う」又は「どちらかというとそ 思わない(不満足)」又は「どちらかというとそう思わな ついて「概ね満足」以上と回答した職員6割以上 う思う」と回答した職員は、合計で 58.0%であった。 い(やや不満足)」と回答した割合が最も高い項目は、生 達成 「校内で必要な報告・連絡・相談が円滑に行われ、役 徒(35.3%)も保護者(17%)も学習指導であった。今後 割に応じて適切に職務が遂行されるなど、適切に組織 状況 は、多くの生徒が家庭学習を生活習慣の一部として認識 職員満足度調査の結果、 組織運営の在り方について 運営されていると思うか」との質問に対し「そう思う」 し、実際に行動化するための取組を工夫するとともに(再 「概ね満足」以上と回答した職員6割以上 又は「どちらかというとそう思う」と回答した教員は、 掲)、全教科で取り組む校内公開授業についても、「家庭 合計で 46.0%であった。 学習の意欲を喚起する指導の在り方」等の共通テーマを設 (2)全職員 定したり授業者が改善したい点や同僚から意見を求めた 学校関係者評価委員会を立ち上げるとともに、新たに い点等を記した授業参観シートを活用したりするなど(再 保護者・職員満足度調査を実施して自己評価の客観性 掲)の創意工夫を生かした取組が必要である。 学校評価の仕組みの確立 を確保するなど学校評価の基本的な仕組みを整備し また、本校は、生徒の多様な特性に応じた多様な教育活 取組 た。 動を展開しており、多忙感の中でワーク・ライフ・バラン 状況 職員アンケートによる年度末反省、生徒実態調査及び スの実現に困難さを感じている職員が多いと思われる。今 保護者満足度調査・職員満足度調査の実施と調査結 保護者・職員満足度調査をそれぞれ実施し、各結果を 後は、過重労働緩和・勤務時間縮減に向け、学校運営の効 果を踏まえた学校運営の改善 学校運営改善の基礎資料として活用した。 率化等実効ある対策を講じる必要がある。 全ての項目で、6割以上(平均 76.9%)の生徒が「そ 生徒実態調査の6割以上の項目で「概ね満足」以上 う思う(満足)」又は「どちらかというとそう思う(だ と回答した生徒6割以上 いたい満足)」と回答した。 10 個中9個の項目で、6 割以上(平均 74.9%)の保護 達成 保護者満足度調査の6割以上の項目で「概ね満足」 者が「そう思う(満足)」又は「どちらかというとそ 状況 以上と回答した保護者6割以上 う思う(概ね満足)」と回答した。 10 個中8個の項目で、6割以上(平均 78.2%)の職員 職員満足度調査の6割以上の項目で「概ね満足」以 が「そう思う(満足)」又は「どちらかというとそう 上と回答した職員6割以上 思う(概ね満足)」と回答した。 (2)組織の状態の評価結果 強 み 弱 み アセスメントから明らかになった状況 ・職場は明るく自由闊達で、教員同士の授業研究等のOJTを日常的に行うなど相談しやすい雰囲気がある。 ・生徒指導上の課題に対し該当クラス・学年と生徒指導部・保健部との連携が円滑で、組織的に対応している。 ・ホームページで学校の情報を積極的に発信し、必要に応じて携帯電話で生徒・保護者に一括送信するシステムを活用している。 ・整理・整頓・清掃が行き届いており、修繕が必要なときは迅速に対応している。 ・校長による生徒の実態や職員の思いや頑張りの把握が不足している。 ・「学校経営の改革方針」等の計画を策定する際に全職員が参画しているとは言えない。 ・目標達成に向けた進捗状況や職員の満足度を定期的に把握していない。 ・よりよい組織づくりのために話し合う場がなかった。 (3)学校関係者による評価結果 学校関係者評価 学校関係者評価から明らかになった改善課題 ・多くの取組があるが、全ての取組を平均点以上にするのではなく、どれを重点的に行うのか優先順位を付けて取り組む必要がある。 ・教員同士が学び合うことは大切であり、校内公開授業を通じた授業研究により指導力の一層の向上を図ってほしい。 ・生徒の学習成果を校内だけではなく保護者や地域住民、また中学生の前で発表するなど発表機会の充実を図る必要がある。 ・普通科の生徒が専門学科の科目を履修したり特色ある取組に参加できるようにしたりして、総合高校のメリットを生かした教育活動を展開する必要がある。 ・社会の変化に対応し、夢や希望の実現を目指して努力する「起業家精神」を育成する教育活動に取り組んでほしい。 ・職員に余裕がないと生徒のSOSを見逃すことになる。職員のオーバーワークを抑制し、余裕を持って生き生きと働けるよう「職員を大事にする学校運営」が必要である。 (4)組織力向上のための取組(改善策) 次 年 度 に 向 け た 取 組 ○ 「目指す学校像」を実現するための重点課題とその解決方策 目指す学校像 重点課題 家庭学習の習慣化 生産経済科における普通教科の課外補習の充実 生徒の夢をかなえる学校 環境創造科における指導教員の指導力向上 食物調理科製菓コースにおける学習内容等を生かした進路指導の充実 学校関係者評価の完全実施 地域と共に歩む学校 皆がやりがいを実感する学校 解決方策 全学年で取り組む共通実践の内容・方法の再検討及び年度早期からの実践 生産経済科と普通科・進路指導部との連携協力態勢の強化 国家試験合格に向けた指導教員の研修機会の確保 食物調理科製菓コースに係る進路先開拓と広報活動の強化 学校関係者評価委員による学校参観の機会確保 保護者満足度調査の円滑実施 予算の確保と効率的執行 地域の多様な主体との連携取組や地域開放講座等の継続実施 教育課程の実施と課外活動との調整及び生徒・指導教員のオーバーワー 過度なオーバーアチーブに頼らない課外活動の在り方の見直し ク抑制に向けた調整 管理職による学校全体の状況把握 「隙間」のない適切な組織運営 学校経営品質推進委員会の活性化 ワーク・ライフ・バランスの実現 過重労働緩和・勤務時間縮減に向けた学校運営の効率化
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