❶ 平成 26 年 8 月 18 日 月曜日│No.942 徳 洲 新 い の ち 生 命だけは平等だ 聞 福岡徳洲会病院 9月1日 新築移転オープン 救急・がん医療を強化 プンする。年間約1万件の救急搬送を受け入れている同院は、地域の基幹病院と 医療法人徳洲会の福岡徳洲会病院は9月1日、現所在地の隣接地に新築移転オー がんの集学的治療が可能 に放射線治療が加わり、 ける外科手術、化学療法 8 月18 日 H E A D L I N E 皆様に感謝「輝く未来へ、ご一緒に」 これから新たな挑戦の歴史が始まる 一層磨かれた病院として社会ニーズに対応 ❷1面続き/最新鋭の医療機器を多数導入 ❸地域連携懇親会を開催・医療チームお披露目/日本感染症 学会学術講演会―日本化学療法学会総会合同学会・徳洲 会から4演題/外国人向け健診プログラム・ 「厚木セレクト」 開始/北海道社会貢献賞を受賞 ❹2年ぶりTCLS開催・グループ内外から 26人参加/褥瘡対 策に高機能マット・八尾徳洲会総合病院が導入/治験・臨 床研究に必須・基礎研修参加呼びかけ/施設だより 発行:一般社団法人徳洲会 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-3262-3133 制作:一般社団法人徳洲会 編集室 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125 Email:[email protected] 福岡病院は、年間約1 万件と全国でも有数の救 また、救急医療の一層 急搬送受け入れ件数を誇 の充実を図る方策として る。金子好郎副院長(脳 内科、循環器科、あるい 中 熊 院 長 は、 「救急ワー 神経外科専門医)は「も は外科、整形外科、形成 ともと当院の強みは、救 外科、歯科口腔外科など クステーション」の構想 屋上にヘリポートを敷設し、ヘリによる救 急搬送の受け入れも可能に 急総合診療部(ERの患 との連携がスムーズに取 を掲げる。これは自治体 失わない病院運営を目指 れている点にあります」 の救急車と救急隊員が病 後、行政との話し合いを 者さんの診療を最初に受 と充実した救急医療体制 院に常駐し、救急車の出 重ね、実現を目指す。 します」と強調する。 をアピール。 動要請時に、病院の医師 けもつ部門)を中心に、 続けて「新病院も、こ を乗せて救急車で現場に こうくう れまでどおり連携を取り 向かうことができるとい ハイブリッドオペ室も ながら、地域の救急医療 新病院は、さまざまな の一部はCCU(冠疾患 う仕組み。医師による医 集中治療室)として、循 を支えるという原点を見 始できる 環器疾患の診療に特化し 室に増やし、う 病院機能の向上を図った。 メリット て運用する。オペ室は7 療行為を がある。 室から 床に増加。そ 全国で少 床から しずつ、 ち1室はハイブリッドオ 20 ICU(集中 治 療 室 ) は この取り ペ室(血管造影装置のあ 16 現場でい 組みが広 る手術室)とし、高度な 10 ち早く開 まってお 手術に対応。 (2面に続く) り、福岡 病院は今 【診療科目】内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、 小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮 膚科、泌尿器科、肛門外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、 麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、 消化器外科、救急科、病理診断科、歯科・矯正歯科・小児歯科・歯科 口腔外科(以上 30 診療科) 月曜日 直 言 高度な手術に対応できるハイブリッドオペ室を導入 福岡徳洲会病院 福岡県春日市須玖北 4-5 ☎ 092・573・6622 942 海江田総長 「福岡病院は生まれ変わる」 して救急・急性期医療の一層の充実を図る。また、放射線治療装置を導入、集学 となる。外来化学療法室 18/AUG.2014 No. これにより従来から手が 的治療体制を整備し、がん医療に注力。今後、緩和ケアも視野に入れている。さ 床に大幅増。今後、 20 も旧病院の6床から一挙 急外来(ER)のスペー に 中熊秀喜院長は「外科 スを従来比3・5倍に拡 緩和ケアに取り組む計画 手術、化学療法、放射線 もある。 療科体制でスタートし、 治療、緩和ケアの4本柱 規開設。従来どおり 診 新病院は、がん医療の に倍増、ハー 地域医療を担っていく。 30 らに回復期リハビリテーション病棟を新設、診療機能を幅広く強化し、より地域 の医療ニーズに応えていく。 「がん治療センター」 立ち上げ 延床面積は旧病院の 1・9倍、約5万300 張し、処置用のベッド数 10 福岡病院は、福岡市 の がそろわなければ“セン 中心にあるJR博多駅 か 取り組みを大幅に強化。 を5から 0㎡に拡張。新たに感染 ター”とはいえません。 10 ら電車で約 分、南福 岡 また、引き続き救急医療 症病床2床(個室)が加 ド面での受け入れ能力を 駅から車で5分ほどの 場 今後、医師をはじめスタ わり、許可病床は602 を堅持、拡充していく方 所に立地している。新 病 大幅に増強した。屋上に 針だ。 ッフの体制を充実させ、 床に増える。リハビリテ は、ヘリコプターによる 院はこの北側の隣接地 に 診療に厚みをもたせてい ーションセンターが入る がん医療に関しては、 建設したため、アクセ ス かける意気込みを見せる。 入れを視野に入れ、ヘリ ポートを敷設。 将来的な救急搬送の受け 新たに立ち上げ、 月に 一方、救急医療は、救 きたい」と、がん治療に った回復期リハビリテー 12 はこれまでと変わらな い 。 4 階 に は 、 旧 病 院 に な か 「 が ん 治 療 セ ン タ ー 」 を 新病院は地上 階・地 下 39 放射線治療を開始する。 中熊院長「目標は頼りにされる病院」 「地域から頼りにされる病院 が目標です」──。新築移転 を直前に控える中熊秀喜院長 は開口一番、こう語った。が ん医療の強化も、その考えを 反映しているという。 「日本人の2人に1人ががんに罹患し、3 人に1人はがんで亡くなっています。こう したなかで、患者さんのニーズに応えきれ ていない部分があったと思います。がん医 療に限らずニーズを的確に捉えて、地域の 方々のために努力していきたい」 (中熊院長) 福岡病院の開院は1979年10月。以来、 地域の方々とともに今日まで病院をつくり 上げてきたという気持ちが職員の間では強 い。中熊院長も「地域の方々や患者さんた ちと一緒に病院を育てていきたい。病院は 公共性の高い施設です。信頼され、納得 してもらえる病院を目指します」と意気込む。 離島・へき地医療に対する継続的な支援にも 力を入れる。 「離島・へき地医療は徳洲会の社会 的使命です。スタッフの派遣や研修の受け入れな どを通じ、積極的に支援していきます」と決意を 表明する中熊院長。 今後の目標としては、JCI(国際的な医療機能評 価)認証の取得を掲げる。 「国際的に通用する医 療の質、サービスの質を担保するうえで、JCI認証 の取得は重要な課題です」 (中熊院長) 。 1階建て(一部1階建て) ション病棟( 床)を新 の鉄筋コンクリート造 り で、免震構造を採用し 高 い耐震性能を備えてい る 。 旧病院の眼前に完成した新病院 10 3月末まで院長として同院 を牽引してきた海江田令次総 長は、新病院移転準備委員会 の委員長を務めるなど、計画 段階から新築移転プロジェク トの中心を担ってきた。 海江田総長は新病院の役割について「筑 紫医療圏内での救急搬入件数は当院が最 多です。これは福岡市を含めても同様です。 新病院も救急医療の分野で、さらなる進化 を遂げることが求められます」と、徳洲会 の原点である救急医療の強化を挙げる。 また、がん診療では他施設の後塵を拝 してきたことから、 「当院でも標準的ながん 診療を提供できるようになることが目標」 (海江田総長)と強調。さらに、災害時に は拠点病院としての役割が期待されるため、 「災害に強い病院として、入院患者さんだ けでなく、被災して来院される方々にも安 心と安全を提供していきます。災害時には1,000 人の収容が可能なように設計しました」 (同) 。 最後に海江田総長は地域の方々に向けて、 「当 院は急性期病院であるため、入院患者さんの滞 在は短期間ですが、その間、療養に専念してい ただける環境を提供できます。新築移転をきっか けに福岡病院は生まれ変わります。すべての面で 進化したといわれるよう、職員一同、新たな気持 ちで患者さんをお迎えします」と意気軒高だ。 倉掛・看護部長 「教育に力を入れる」 「当院看護部の理念は “信頼される看護の提供”です。このため 今まで以上に教育に力を入れ、地域のなかの病院であることを 意識し、社会貢献していきます。また、これまで以上に、高齢 の方に優しい病院づくりを目指します」と倉掛真理子・看護部長。 新病院建設に関しては、いくつか重視したポイントがあったという。耐震性、 療養環境、感染対策などがそれだ。 2005年に福岡県西方沖地震が発生して以降、倉掛・看護部長は病院建物の 耐震性能を気にかけるようになった。 「大規模災害の発生時には、当院が地域 の災害医療の拠点的な役割を担うことが求められます。このため高い耐震性能 は重要なポイントでした」 (倉掛・看護部長) 。 療養環境については、大部屋が旧病院の8人床から新病院では4人床に改 善。感染対策では、たとえばI C U の壁と床が交わる角の部分にRを付け(丸み をもたせ)た。掃除がしやすくホコリや汚れがたまるのを防止し、衛生的な環 境の維持に寄与する。 がん医療に関しては緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師が 各1人いる。これら資格保有者を中心に看護部全体のスキルアップを図る。
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