板垣社会保険労務士事務所

平成24年9月号
板垣社会保険労務士事務所
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8月の「事務所便り」は休ませて頂きまし
た。
1
雇用調整助成金制度が段階的に見直され
ます。
雇用調整助成金は、景気の変動などの経
済上の理由により、事業活動の縮小を余儀
なくされた事業主が、休業、教育、訓練又
は出向により、労働者の雇用の維持を図っ
た場合、それにかかった費用を助成する制
度です。
雇用調整助成金制度は、平成 20 年秋の
リーマン・ショック発生後、大幅に拡充さ
れ、休業手当、教育訓練の際の賃金又は出
向元の負担については、大企業は 2/3、中
小企業は 4/5(労働者を解雇していない場
合、大企業は 3/4、中小企業は 9/10)を助
成することとされ、教育訓練を実施した場
合には、それに加え、教育訓練費が支給さ
れています。
見直しは、平成 24 年 10 月と平成 25 年 4
月に段階的に行われます。
平成 24 年 10 月には、現行の支給要件で
ある、「過去 3 ヶ月の売上高又は生産量が
前年同期と比べて 5 %以上の減少」を、
「10%以上の減少」に改められます。
また、3年間で 300 日とされる支給限度
日数は、平成 24 年 10 月 1 日以降は 1 年間
で 100 日、平成 25 年 10 月 1 日以降は3年
間で 150 日になります。
平成 25 年 4 月の見直しでは、休業手当、
教育訓練の際の賃金又は出向元の負担額の
助成を、大企業は 2/3 から 1/2 へ、中小企
業は 4/5 から 2/3 に引下げ、労働者を解雇
していない場合の上乗せ助成は廃止され、
いずれもリーマン・ショック発生前の水準
に戻されます。
2
社会保障と税の一体改革法案が成立し消
費税率が引上げられます。
いわゆる社会保障と税の一体改革に関連
する8法案が8月22日に公布されまし
た。
社会保障と税の一体改革は、「社会保障
制度改革」、「税制」、「子ども・子育て支
援」、「年金・医療等」から構成されます
が、特に関心が高いのは消費税率の引上げ
だと思います。
消費税率については、今回成立した「社
会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜
本的な改革を行うための消費税法の一部を
改正する等の法律」に規定されており、地
方消費税とあわせた消費税率は、平成26
年4月から8%に、その後、平成27年1
0月からは10%になります。
消費税率の引上げに際しては、低所得者
に配慮する観点から、簡素な給付措置の実
施が条件とされていますが、この簡素な給
付措置は、あくまでも暫定的な措置と位置
付けられており、今後、給付付き税額控除
や複数税率の導入等が検討されることとな
ります。
当初法案には、消費税率の引上げのほか、
所得税の最高税率の引上げ、相続税の基礎
控除の縮減と税率構造の見直し、租税特別
措置法の一部改正等が盛り込まれていまし
た。
今回、これらの改正は見送られたわけで
すが、成立した法律の附則に、所得税や相
続税の改正規定について平成24年度中に
必要な法制上の措置を講ずると明記された
ことから、平成25年度税制改正で手当さ
れる公算が大きく、今後の動向が注目され
ます。