平成24年9月号 板垣社会保険労務士事務所 300-0034 土浦市港町2丁目7-11-215 TEL/FAX 029-827-1613 携帯電話 090-2310-4985 E - M a i l [email protected] HomePage http://www.itagaki-sro.jp 8月の「事務所便り」は休ませて頂きまし た。 1 雇用調整助成金制度が段階的に見直され ます。 雇用調整助成金は、景気の変動などの経 済上の理由により、事業活動の縮小を余儀 なくされた事業主が、休業、教育、訓練又 は出向により、労働者の雇用の維持を図っ た場合、それにかかった費用を助成する制 度です。 雇用調整助成金制度は、平成 20 年秋の リーマン・ショック発生後、大幅に拡充さ れ、休業手当、教育訓練の際の賃金又は出 向元の負担については、大企業は 2/3、中 小企業は 4/5(労働者を解雇していない場 合、大企業は 3/4、中小企業は 9/10)を助 成することとされ、教育訓練を実施した場 合には、それに加え、教育訓練費が支給さ れています。 見直しは、平成 24 年 10 月と平成 25 年 4 月に段階的に行われます。 平成 24 年 10 月には、現行の支給要件で ある、「過去 3 ヶ月の売上高又は生産量が 前年同期と比べて 5 %以上の減少」を、 「10%以上の減少」に改められます。 また、3年間で 300 日とされる支給限度 日数は、平成 24 年 10 月 1 日以降は 1 年間 で 100 日、平成 25 年 10 月 1 日以降は3年 間で 150 日になります。 平成 25 年 4 月の見直しでは、休業手当、 教育訓練の際の賃金又は出向元の負担額の 助成を、大企業は 2/3 から 1/2 へ、中小企 業は 4/5 から 2/3 に引下げ、労働者を解雇 していない場合の上乗せ助成は廃止され、 いずれもリーマン・ショック発生前の水準 に戻されます。 2 社会保障と税の一体改革法案が成立し消 費税率が引上げられます。 いわゆる社会保障と税の一体改革に関連 する8法案が8月22日に公布されまし た。 社会保障と税の一体改革は、「社会保障 制度改革」、「税制」、「子ども・子育て支 援」、「年金・医療等」から構成されます が、特に関心が高いのは消費税率の引上げ だと思います。 消費税率については、今回成立した「社 会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜 本的な改革を行うための消費税法の一部を 改正する等の法律」に規定されており、地 方消費税とあわせた消費税率は、平成26 年4月から8%に、その後、平成27年1 0月からは10%になります。 消費税率の引上げに際しては、低所得者 に配慮する観点から、簡素な給付措置の実 施が条件とされていますが、この簡素な給 付措置は、あくまでも暫定的な措置と位置 付けられており、今後、給付付き税額控除 や複数税率の導入等が検討されることとな ります。 当初法案には、消費税率の引上げのほか、 所得税の最高税率の引上げ、相続税の基礎 控除の縮減と税率構造の見直し、租税特別 措置法の一部改正等が盛り込まれていまし た。 今回、これらの改正は見送られたわけで すが、成立した法律の附則に、所得税や相 続税の改正規定について平成24年度中に 必要な法制上の措置を講ずると明記された ことから、平成25年度税制改正で手当さ れる公算が大きく、今後の動向が注目され ます。
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