平成 25 年度 社会福祉法人あだちの里 事業報告

平成 25 年度
社会福祉法人あだちの里
事業報告
目
次
はじめに
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
Ⅷ
Ⅸ
法人使命の推進
福祉の置かれた状況
理事会・評議員会の運営
足立区手をつなぐ親の会との連携
事業経営の具体的展開
1 法人本部の運営
2 快適な環境の下での施設経営の推進
3 地域に根ざした施設整備計画
4 法人事業の信頼性と透明性確保
5 苦情解決への対応
6 虐待防止のための対策
7 リスク管理
8 人事管理
9 財務管理
10 事業管理
11 施設経営と事業展開
地域交流の推進と障がい者への理解
災害時における要援護者の対応
後援会活動への協力
参考資料(寄付者一覧)
Ⅰ
法人使命の推進
「障がい者が地域と共に 笑顔で生活できるよう 私たちは応援します」のも
と、障がい者のライフステージにおけるさまざまなニーズを的確に把握し、障
がい者が地域において社会参加と自立生活ができるよう、法人は必要なサービ
スを提供してきました。
Ⅱ
福祉の置かれた状況
障害者自立支援法は改正を重ねて、平成 25 年度から障害者総合支援法が施
行されました。また、我が国は、関係法令の整備を経て本年1月20日に障
害者権利条約を批准し条約締約国となりました。このことは障害者虐待防止
法・障害者差別解消法などの一連の障がい者の権利を守るという世界の動き
のなかで、障がいがあっても本人の意思を尊重するなど「普通のくらしので
きる」ことを目指しています。本法人は、障害福祉サービスの実施とともに
具体的にご利用者の権利を守る実践を展開しました。
しかし、足立区の特別支援学校等の新卒者等通所施設を希望する方が毎年
約 140 名になります。昨年度、行く場のない在宅者は出ませんでしたが平成
27 年度までに足立区が関わる施設建設計画はないという現状がありますので、
足立区内の大規模社会福祉法人としては、計画的な整備が求められています。
Ⅲ
理事会、評議員会の運営
今年度は、理事会5回、評議員会5回を開催して事業計画・報告、予算・
決算、定款、規則、規程の改廃、契約締結等重要案件を審議していただきま
した。平成 25 年度には法人のあるべき姿、今後の方向を示した中長期計画を
審議して承諾を得ました。
これからも理事・評議員として、案件の審議のみでなく、法人の進む方向、
障がい者福祉に対するあり方等福祉・地域・学識経験を活かし、積極的に意見、
提案等をいただきました。
Ⅳ
足立区手をつなぐ親の会との連携
足立区手をつなぐ親の会は、法人の設立母体であるとともに、「親の願い」
を実現させるための運動体として法人と情報交換等行ってきました。
今般、親の会が設立した NPO 法人あだちは、通所施設運営等を経営してい
ますので、今後は、互いに連携を取り合いながら障がい者の支援活動に当た
ってまいります。
Ⅴ
事業経営の具体的展開
法人が経営している施設は、12 か所の通所施設と 1 か所の入所施設、21 か
所のグループホーム・ケアホームを経営しています。各種の福祉サービス事業
を提供していて利用者は 800 名、職員は 350 名の東京都にあって大規模法人と
なりました。
そこで、社会福祉法人として適切に経営するために人事・労務・経営戦略部
会で課題を明確にさせるなどして中長期計画を策定しました。この内容は、
「障
がい者のライフステージにおいて、地域とともに笑顔で安心して暮らして行く
ため」にはどのようなサービスが必要か、何をすべきかを検証するというもの
です。顧客にとってより良い支援活動を続けていくために、法人としてなすべ
きことは何か、何が必要か、緊急的に解決する課題と時間をかけて解決検討す
べきものを明確にしました。
1 法人本部の運営
(1)法人改革PTを中心に、人事考課制度や賃金表を改正して、職員の労働
条件向上のために整備しました。
(2)常勤者及び非常勤者 350 人以上が在籍していますので、人事管理制度を
整備しました。
(3)社会福祉法人新会計基準への移行い伴う経理を新経理規程に基づき実施
しました。
(4)人事制度の改正による人事考課規程等を改正するとともに、就業規則、
給与支給規程等を改正しました。
(5)法人ニュースを発行するとともに、施設事業を紹介する冊子を作成して、
理事及び評議員、行政関係機関に配布するなど情報公開に努めました。
今後も事業に関わる記事を載せ広報するなど情報公開に努めます。
(6)各施設の事業予算の執行状況を適宜把握分析しながら各施設と調整した
り、内部牽制として大規模施設に対して経理帳簿や運営方法について監
査を実施しました。
(7)経営会議及び企画調整会議の案件集約等で本部機能を発揮しました。資
料の事前配布を実施できたので一層内容を充実させます。
2 快適な環境の下での施設経営の推進
以下の施設では、課題はありますが、ご利用者が安全な環境のもとでサ
ービスを受けることが可能となるような環境をつくりました。
(1)綾瀬なないろ園を平成 25 年4月に開設して、定員 50 名のうち 33 名が入
所をしました。施設一階スペースではパンの店頭販売を行なっています。
施設経営では、赤字経営を余儀なくされました。
(2)昨年 2 月から希望の苑内に、竹の塚相談支援センターを設置し各種相談
支援事業を開始しました。約 200 件の相談を受けました。年度後半には、
事業を拡大するとともに来年度には 500 件以上を受ける想定をして組織
づくりをします。
(3)だりあ寮を開設しました。
都営団地内にある東保木間寮が老朽化してきたので、新グループホーム
建設の必要性があり、だりあ寮を平成 25 年9月1日に開設しました。
(4)利用者の高齢化と身体機能の低下が顕著となっている中で快適な環境の
もとで活動していただくために事業移行するとともに、支援プログラム
の開発や施設の整備を検討してきました。
(5)大震災の発生後、法人は「災害要綱」を作成し、各施設においては備蓄
品を整備するとともに、防災訓練を行いました。また、ご利用者、ご家族、
職員の一部は二次避難所(福祉避難所)の地域訓練に参加したり、視察し
てきました。施設においては災害対策計画やBCP(事業継続計画)を策
定し始めました。今後、受け入れ人数は多くはありませんが、足立区との
協定を結んで地域における避難所としても機能するようにします。
3 地域に根ざした施設整備計画
足立区の知的障がい者は、毎年4%(160 人)のペースで増加しています。
親の願いを実現するために事業展開している法人として、障がい者にとって
「何が必要か」「何をすべきか」を常に考え、適宜行政に要請、提案して行
く責務があると考えます。
足立区は第三期障がい者福祉計画を策定しましたが、梅田ひまわり工房
や西新井ひまわり工房の老朽化に伴う改築について、足立区の施設整備の計
画のなかで検討するよう要望していきます。
また、「居住の場」については、世話人の確保、グループホーム全体の管
理体制整備など経営や運営に関わる課題が山積しているために、建設まで至
ったのはだりあ寮のみでした。グループホームの一元化に今後、検討してい
きます。また、地域生活移行を希望するご利用者のためにも、これらの課題
解決の方向性をだして、計画的組織的に経営していかなければと考えます。
4 法人ガバナンスの推進(事業の信頼性と透明性の確保)
法人事業の経営に当たって法令遵守と情報公開は法人の責務であり、こ
れまで実施してきました公認会計士、社会保険労務士の助言指導を年2回う
けました。また、予算・決算・役員の状況、事業執行状況等についても監事
監査を受けました。また、各施設にあっては、第三者評価機関による評価を
4施設(綾瀬ひまわり園・谷在家福祉作業所・希望の苑(入所)
・希望の苑
(通所))で受審し、その結果を施設運営に参考にしました。
法人本部では、法人内部けん制として施設調査を1カ所実施しました。
5
苦情解決への対応
ご利用者、ご家族に対して「苦情解決第三者委員」制度と委員の役割等
を理解し活用していただくためプリントを配布して周知しました。また、
各施設の窓口に苦情解決制度の周知ポスターと苦情解決第三者委員の氏名
等を掲示すると共に、投書箱を各施設に設置することにより苦情申し出が
容易にできるよう配慮しました。
6 虐待防止のための対策
虐待は障害者の尊厳を害するもので、許されるものではありません。適
切でない対応や支援がないよう法人人権侵害防止対策委員会を中心に対応
し研修を実施しました。対応としては、①人権擁護の意識を持つこと。②
障がいや特性を理解すること。③利用者を深く理解することが課題です。
特に、利用者理解とそのための職員同士の話し合いを深めるためにセンタ
ー方式シートを全施設で活用することを決め、実施しました。加えて、施
設長・サービス管理責任者説明会、法人代表者研修で各施設の実践報告か
ら理解を深めるなど人権思想を法人全体に広げていきました。
7 リスクマネジメント
各施設の事故内容を把握し、原因究明をした対応と対策をたてています。
今年度の事故は、器物破損、服薬事故が多くありました。事故の起きない
よう環境を整えるとともに、現場職員の安全管理に対する意識を高めるた
めに「ヒヤリハット」も収集と分析して、予測されるリスクへの適切な対
応を行いました。
なお、各施設にリスクマネージャーを置きリスクマネジメント委員会で
法人全体のリスク管理などについて協議検討し、実際に改善していきまし
た。また、危険予知(KYT)の研修を行いました。
8 人事管理
(1) 人事考課制度等の整備
人事考課制度を導入し今年で8年目になりましたが、課題が浮き彫り
になりましたので、法人改革PTで検討を重ねて改正しました。
① 組織の求める人材を育成するために、6等級制から8等級制にして職
務と役割を明確にしました。
② 等級別に職責を示したガイドラインを分かりやすくしました。
③ 若手職員の給与を改定したと同時に、不利益になる職員に配慮しまし
た。
④ 考課結果を昇格と降格と結びつけました。
(2) メンタルヘルスの配慮
支援員は、対人援助職種といわれ職務上のことをきっかけに心の病を
生ずる人もいます。各施設の職員管理体制を整えると同時に、アンケー
ト調査をするなどして実態を把握しました。福祉サービスを提供する職
員を取り巻く厳しい状況と高いサービスを求められますので、精神的に
健康を害することがないよう管理体制を整えています。
看護師、保健師、さらには、希望の苑の産業医等と連携し相談機能の
充実とストレスマネジメントの知識・技術を身につけ心の健康管理を行
います。
(3)職員研修と自己啓発の推進
提供する福祉サービスの質の向上のためには人材育成として職員研修
をより充実させることが必要です。新人職員向け人権侵害防止研修など、
各施設での研修を基本としながら、主任・副主任を対象とした管理職養
成講座を開設して、年間3回実施しました。事前や事後のレポート提出
など現場に即した管理運営に沿って学ぶ機会となりました。来年度は施
設長研修を実施します。
9 財務管理
今年度から実施となった新会計基準により、事務の質・量ともに大きな
変化がありましたが、適正な財務、経理事務を実施できました。
(1) 適正、的確な財務状況の把握と対応
① 新会計基準の導入のために、実務研修に参加させました。また、事
務会議において月次報告の期限内調製により事業の執行状況や経理上
の課題を的確に把握しつつ、予算の補正等の対応を適切に行いました。
② 給食費の未払いなど滞留債権管理委員会で取り上げる適切な滞納管
理を行いました。
③ 会計監査時助言を受けた人件費の本部集中化については、システム
導入の状況を見つめながら引き続き検討します。
(2) 法人監事と公認会計士による監査の受審
法人事業と理事会の執行状況について、5月と 11 月の2回監事監査を
受けました。また、決算前に適正な財務管理と事業の執行状況の確認を行
うため、財務の執行状況と決算調製資料(案)を基に公認会計士による監
査を受審しガバナンスを強化できました。
10 事業管理と施設整備
法人改革プロジェクトチーム経営戦略部会は、ご利用者ご家族の協力を得
て、アンケート調査を実施し、以下の結果を得ることができました。①重度
障がいのあるご利用者ご家族は住まいと日中活動が一体となった施設を希
望②短期入所支援の枠を広げるとともに、充実した支援をして欲しい。③老
朽化した通所施設の改築して欲しいなどでした。このことを受け止めます。
(1) 支援活動の一層の充実
職員の専門性を確保してのニーズに応える支援が課題です。高齢化によ
る重度化や機能低下、医療的ケア等重度心身障害者対応、充実した地域生
活、就労支援と働き(活動)甲斐い対策等の支援上の課題に対して、法人
委員会での研修を深めました。このことを更に深めるためには、日常の研
修環境を整えると同時に、専門家の助言指導も必要になってきました。
(2) 施設経営目標達成の明確化
各施設は職員の総意で決定した「三年後のゴール」の設定に加えて、
施設長のリーダーシップをもとに作成した施設経営方針を今年度から明
確にしました。それらを、法人施設概要として冊子を作成しました。こ
れまで以上に、施設長を中心として組織的に機能を果して運営を図って
いくことが必要と考えています。
(3) 法人受託施設の整備計画
「梅田ひまわり工房」、「西新井ひまわり工房」の老朽化の問題があり、
法人としても適切な施設建設について検討して資料を作成しました。1
日も早い改築等が実施されるよう行政に要請します。
さらに、谷在家障がい福祉施設(築後 21 年経過)は、足立区と経営の在
り方について話し合いが行われました。あくまでもご利用者が安全・安
心でき、活動し易い快適な西部地域の拠点施設としての機能を発揮させ
たいと考えます。
(4) 共同生活援助(グループホーム)・共同生活介護(ケアホーム)整備
障がい者を支えるご家族の高齢化とともに、障がい者が地域で安心し
て自立した生活をしていくため「住いの場」の確保は法人として重要課
題として位置付けてきました。
「住まいの場」の確保が必要ですが、今年度は、老朽化した都住団地
を閉鎖して、新たにグループホームを建設したのは1カ所のみでした。
今後、地域移行支援事業の必要性について足立区と共通理解をもって地
域移行を進めたいと考えます。また、地域移行型の入所施設の意義を再
確認しつつ、関係機関の協力を得て先を見通した整備計画と管理体制の
確立をめざして進めて行きます。
11 施設経営と事業展開
(1) 事業経営
13 事業所で 22 の事業を展開しました。
障害者総合支援法の事業
事業名
1
入所支援
事業所名
希望の苑
生活介護
希望の苑(入所)
生活介護
谷在家福祉園・竹の塚福祉園・綾瀬なないろ園
(生活訓練型)
2
生活介護
(作業訓練型)
3
自立(生活)訓練
綾瀬ひまわり園・竹の塚ひまわり園・谷在家福祉作業所
梅田ひまわり工房・西新井ひまわり工房・西伊興ひまわり
園・希望の苑(通所)
希望の苑(入所)
4 就労移行支援
竹の塚ひまわり園・希望の苑(入所)
5 就労継続A型
竹の塚ひまわり園・綾瀬ひまわり園・谷在家福祉作業所
6 就労継続B型
綾瀬ひまわり園・竹の塚ひまわり園・谷在家福祉作業所
希望の苑(通所)・綾瀬なないろ園
7 共同生活援助
共同生活介護
あだちの里第 1 ホーム~第5ホーム
足立区大谷田グループホーム
8 居宅介護支援
竹の塚居宅介護サービスセンター
9 相談支援事業
竹の塚相談支援センター
地域生活支援事業(市町村事業)
1
2
(2)
地域活動支援
竹の塚ふれあいセンター
谷在家デイサービスセンター
短期入所
希望の苑(入所)
地域生活への移行の推進
地域移行型多機能施設「希望の苑」は、施設経営の理念でもある「地域生
活移行」の実現と移行後の地域生活が充実するよう体制を整えてきました。
グループホーム等で日常的に介助、支援している世話人及び世話人を支える
サービス管理責任者の役割はたいへん大きく、生活を共にするという責務が
あります。しかしながら、地域移行支援事業の区助成が削除されました。
今年度も、関係行政機関及び他法人とのネットワーク機能としての「足立
区地域自立支援協議会」や「地域移行促進部会」、グループホームを経営し
ている法人で構成している「グループホームネットワーク会議」を活用して、
情報交換や経営課題等の協議検討を行ってきました。
(3) 就労促進
昨年度の利用者の一般企業への就職者は、竹の塚ひまわり園チャレンジ
チーム及び希望の苑(入所)の就労移行支援事業、3施設の就労継続支援
A型クリーンチームからの就職者は合計8名でした。日常の活動や作業業
務のなかで自信を付け、キャリアアップしての就職活動は本法人の特色に
なっています。
(4) 各事業報告
① 入所支援サービス
ご利用者の自立を目指して、日中活動と組み合わせた個別支援プログラ
ムを実施 して、自己実現の機会を設けました。軽度のご利用者にはグル
ープホーム生活を想定した自活訓練等棟体験を実施しました。また、自立
訓練プログラムを週 1 回実施して、セルフケアや移動訓練等を行いました。
しかし、就労移行支援事業の利用者が少ないことが継続的な課題になりま
した。
地域生活支援職員が 21 箇所のグループホーム等の運営管理に当たり、
大谷田グループホームに地域移行支援員を配置して今年度は4名がグル
ープホームへ移行しました。
② 生活介護事業(生活訓練型)
本事業は、法人3施設で実施していてご利用者は福祉バスで送迎してい
ます。施設では、自己実現の向上として創作活動や音楽・リトミックなど
の活動・園外歩行などを実施しました。また、iPad を活用したコミュニケ
ーション支援を充実したり、職員の専門性を高めて安全な摂食介助ができ
ました。
③ 生活介護事業(作業訓練型)
本事業は、法人7施設で実施しています。ご利用者の状況に応じて作業
活動の場や余暇活動を提供しています。企業と連携してジグ開発を行い重
度利用者が作業参加できた事業所がありました。これを全施設に広げてい
きます。また、絵画や創作活動を取り入れたり、生活力向上のための時間
を設けるなど、変化に富んだ活動の場を提供しました。
④ 就労移行支援事業(チャレンジチーム)
竹の塚ひまわり園では、一般企業等に就労を希望する人に対して、就労
力を高めるプログラムを用意しています。日常の訓練に加えて、特別支援
学校のトイレ清掃などを請け負って、段階を追った支援を行った結果5名
が就職しました。これまでの就職率は 23%という高率から「全国連絡協議
会」加入を誘われ、研究会では実践報告をしました
⑤ 就労継続支援A型事業(クリーンチーム)
3か所で事業を展開しています。法人の非常勤職員として最低賃金制度
を適用して障がい者施設、区施設などの 11 か所の清掃業務を受託し実施
しました。本事業は、法人の雇用率を高めるとともに障害者雇用のモデル
として現在、21 人の知的障がい者に加え、今年度は聴覚障がい者2名を雇
用しました。
なお、赤字経営解消の方法の一つとして高度な技術力を養成するなど努
力し始めました。
⑥ 就労継続支援B型事業
5カ所の事業所で実施しています。事業内容は、
「自主製品の製造」
「受
注製品の完全納品」等の活動を行うために必要な知識と能力を身につける
ため訓練を行いました。
工賃アップのための工夫や施設外支援を実施して参加利用者の働きが
いと工賃を上げることができました。なお、本年4月に開所した「綾瀬な
ないろ園」では、菓子パンや焼き菓子など工夫した製造販売を行いました。
⑦ 共同生活援助(グループホーム)・共同生活介護(ケアホーム)事業
今年度は 21 か所のグループホーム・ケアホームを経営するとともに、
体験型ホームとして足立区大谷田グループホームを加えると 115 名の利
用者が生活・体験しています。
入寮者は、一般企業や区内の福祉施設に通所しています。世話人は、
非常勤職員として雇用し、朝夕の食事や金銭管理、生活全般にわたり世
話をしました。今年度は、利用者本人部会で利用者本人の生活を話題に
して活動をしました。
⑧ 居宅介護サービス事業
移動支援・家事援助・身体介護・行動援護などのサービスを行いまし
た。相談支援事業の実施により、居宅介護のニーズが高まり、ご利用者
が 14 名増加し、13%増となりました。視覚障がい者の「同行援護事業」
も実施しましたが、ヘルパーの確保等の課題がありました。
⑨ 相談支援事業
今年2月に希望の苑内に開所して今年度は 200 件実施しました。今年
度の対象は法人内利用者に限り段階的に利用計画を作成しました。今後
は、事業展開に向けて収支のバランスを取ることが課題となります。
⑩ 地域活動支援センター(地域生活支援事業)
「竹の塚ふれあいセンター」、「谷在家デイサービスセンター」の2か
所で実施し、ご利用者は週2日から3日間通所して文化的・創作的活動、
仲間とのふれあいの場の提供や食事の提供を行いました。
「谷在家デイサービスセンター」では、身体障がい者(高次能機能障が
い、中途障がい者・知的障がい者と相互利用)の活動の場を提供しまし
た。「竹の塚ふれあいセンターで」は、創作活動で高い評価を得て、他
区店舗に出品する機会を得て、委託販売を進めました。
⑪ 短期入所事業(ショートステイ)
障がい者を抱える家族の高齢化に伴い、疾病・冠婚葬祭・レスパイト(休
養)、緊急時等に対応するため、希望の苑に6床確保しサービス提供し
ました。
原則として一週間の利用が可能ですが、需要が高く 2 泊 3 日の利用を
お願いしています。ご家族の入院に伴う利用が多くありました。ご家族
の高齢化が理由と思われます。
(5) 各種会議の運営
①意思決定機関:経営会議・企画調整会議
②法人委員会
法人改革PT・リスクマネジメント・マニュアル委員会・IT委員会・
ハラスメント対策委員会・就労委員会・人権侵害防止対策委員会・生
活支援委員会・仕事・子育て推進委員会・A型事業あり方検討委員会
③ 職務別会議
:事務会議・看護師連絡会・栄養士連絡会
④ 研修
:管理職養成講座
⑤ その他
:考課者調整会議・滞留債権管理委員会・社会福祉士
受入れ施設担当者会議
Ⅵ
地域交流の推進と障がい者への理解
障がい者が地域と共に笑顔で生活できるには、地域の理解と協力が必要
です。
1 作業と利用者日中活動
各施設では、リサイクル活動、公園清掃管理、放置自転車の清掃等地域
の中に溶け込んだ活動、そして、ひまわり園、なないろ園のパン、谷在家
せんべい、さをり織、はがき、レターセット、ダルマ、乾燥果物等創意工
夫した自主製品の製造販売、喫茶・売店の経営、さらには、ネット販売を
実施しまして好評を得ました。
2 交流活動
各施設で開催する園祭等を通じて、地域の皆さんとの交流を深めました。
3 啓発活動として
障がい理解や事業紹介などについて、区内外での研究発表等の講師とし
て活躍しました。特別支援学校運営連絡協議会委員3名、特別支援学校講
演会3名、福祉系大学シンポジスト・助言者3名、足立区福祉評価会議委
員1名、東京都移動支援研修講師1名・利用者発表1名、足立区福祉研修
会講師1名、サービス管理責任者研修講師2名、ダウン症協会実践発表3
名、その他東京都福祉保健医療学会で竹の塚ひまわり園生活介護事業が最
優秀賞を受賞しました。
4 その他
支援ボランティアの受け入れ、小中学校生徒、特別支援学校生徒、家族
会、民生委員,他区の行政機関、団体・家族などの関係者の見学を受け入
れるほか、親子パン教室の開催、地元住民へ施設の貸し出しなど施設運営
並びに障がい者の活動状況を常に公開し理解を求めました。
また、ジューティフル・ウインドウズ運動、門ばき事業、美化キャンペ
ーン活動にも地域の方とともい参加しました。
なお、区の介護保険事業のひとつ「元気応援ポイント事業」にも協力し
高齢者のボランティア活動を支援しました。
Ⅶ
大災害の備えと災害協定
東日本大震災を契機に、法人として災害要綱を策定し、「災害時のマニュア
ル」を策定しました。営業中に災害があった場合は、安全確認するまでご利用
者は施設にとどまります。
法人受託施設は、第二次避難所(福祉避難所)として登録しています。法人
の施設の場合は、協定締結について検討します。
また、地元三の輪町会と竹の塚総合支援センターは、災害時相互協力として
救出救援活動等を行う協定を結んでいます。
また、AED(自動体外式除細動器)を各施設の玄関に設置し、近隣住民の皆さ
んも含め使用できるように配置しています。
Ⅷ
後援会活動への協力
法人あだちの里を支える後援会組織として、綾瀬、竹の塚、谷在家の三後援
会があります。活動として、施設の行事に対する助成のほか法人事業に対して
の寄付があります。後援会をはじめ近隣の皆様、家族会が会員になっていただ
いています。
今年度も、各施設での後援会及び家族会等のご協力により餅つき大会、節分
会、納涼祭、バス旅行、クリスマス会等の主催協力と、園祭時に模擬店の出
店、施設行事への協力と参加していただきました。
Ⅸ
参考資料
○法人本部及び各施設の寄付金状況(寄付者の敬称略)
総額 ¥5,286,208
1 法人本部(合計額 \2,343,000)
№
寄付者
金額
№
寄付者
金額
1 備里川正人
12,000
2 村松信一
30,000
3 羽住爽惠
12,000
4 山本鑛一
30,000
5 後藤守宏
50,000
6 佐久間庸夫
7 大山光男
30,000
8 あだちの里竹の塚後援会
1,200,000
9 嘉藤良治
30,000 10 あだちの里谷在家後援会
300,000
11 あだちの里綾瀬後援会
2
130,000
500,000
綾瀬ひまわり園
№
寄付者
金額
№
寄付者
金額
1 サンアヤセ商店街
79,022
2 モアステージ綾瀬管理組合
28,000
3 綾瀬後援会
70,000
4 匿名
17,000
5 家族会
30,180
6 隅田学園
14,350
3
竹の塚ひまわり園
№
寄付者
1 保護者会
金額
677,959
№
寄付者
金額
2 坂本 嘉世子
5,000
5,000
4 山本ミチ子
7,960
5 イトーヨーカドー労働組合
19,550
6 油井久仁子
28,000
7 竹の塚中PTA OB会
8,657
8 早見 仁志
4.372
3 原 龍馬
4
竹の塚福祉園
№
寄付者
1 家族会
5
金額
420,000
№
寄付者
2 原 龍馬
金額
5,000
希望の苑(入所)
№
寄付者
1 (入所)家族会
3 大渕 正夫
6
金額
490,000
50,000
№
寄付者
2 原 龍馬
金額
5,000
4 金子 恒子
25,800
あだちの里地域生活支援センター
№
寄付者
金額
1 大塚由紀子
10,000
3 油井久仁子
44,736
7
№
2 鯨岡
寄付者
順
金額
37,272
谷在家福祉園
№
寄付者
1 土井 章江
3 家族会
金額
15,000
100,000
№
寄付者
2 山田 智子
金額
30,000
8
谷在家福祉作業所
№
1
寄付者
日本生命労働組合東京
東支部
3 国井 進
9
金額
28,350
3,000
西伊興ひまわり園
№
寄付者
1 家族会
10
金額
246,800
西新井ひまわり工房
№
寄付者
1 家族会
11
金額
37,000
梅田ひまわり工房
№
寄付者
1 家族会
12
金額
185,000
綾瀬なないろ園
№
1 家族会
寄付者
金額
112,100
№
2
寄付者
押部子供育成会第二子
供会
金額
3,000