義援金・支援金について NPO法人 NPO会計税務専門家ネットワーク 脇坂誠也 1.義援金と活動支援金の違い 義援金と支援金 募金には義援金と活動支援金がある 義援金 活動支援金 災害により生命・財産 に大きな被害を受けた 方々に対する慰謝激励 の見舞金 現地で被災者支援 を行う機関やNPO の活動を支援する もの 義援金の流れ 義援金受付団体 日本赤十字社、共同募金会、報道機関、都道府県、 募金団体等 義援金の集約 義援金配分委員会 被災市町村 被災者 (配分計画審議・決定) (被害状況調査・確定) 活動支援金の流れ 寄付者 募金団体等 災害支援等のNPO (NPO法人、財団・社団法人、社会福祉法人等) 被災者支援事業 2.税務上の扱い 基本的な考え方(法人が寄付をした場合) 国、地方公共団体、財務大臣が指定した団体に 寄付をした場合 →全額損金算入できる 認定NPO法人や、公益社団・財団法人、社会福 祉法人など特定公益増進法人(以下「特定公益 増進法人等)へ寄付をした場合 →通常認められる損金の枠とは別枠で損金算入できる それ以外の団体へ寄付をした場合 →一定の算式の範囲内※でしか損金算入できない ※(期末の資本等の金額×その事業年度の月数/12×2.5/1000 +各事業年度の所得金額×2.5/100)×1/2 基本的な考え方(個人が寄付をした場合) 国、地方公共団体、財務大臣が指定した団体、 特定公益増進法人等へ寄付をした場合 →寄付金控除の対象になる それ以外の団体へ寄付をした場合 →寄付金控除の対象にならない 義援金の税務上の扱い ・国、地方公共団体へ直接寄付した義援金等 ・日本赤十字社、報道機関等に対する義援金等で 最終的に国、地方公共団体へ拠出されるもの ・募金団体への義援金で、その募金が、義援金配 分委員会などを通して最終的に国、地方公共団体 へ拠出されることが募金趣意書等において明らか にされているもの <税制上の扱い> 地方公共団体への寄付金扱い <法人が支払った義援金>→全額損金算入できる <個人が支払った義援金>→寄付金控除の対象 活動支援金の税務上の扱い(1) <個別NPOへの活動支援金> <法人が個別NPOへ支援金を支払った場合> その支払いを受けたNPOが特定公益増進法人等である場合 →通常認められる損金の枠とは別枠で損金算入できる その支払いを受けたNPOが特定公益増進法人等でない場 合 →一定の算式の範囲内でしか損金算入できない <個人が個別NPOへ支援金を支払った場合> その支払いを受けたNPOが特定公益増進法人等である場合 →寄付金控除の対象となる その支払いを受けたNPOが特定公益増進法人等でない場 合 →寄付金控除の対象とならない 活動支援金の税務上の扱い(2) <募金団体を通しての活動支援金> <法人が募金団体を通して支援金を支払った場合> その支払いを受けた募金団体が特定公益増進法人等である場合 →通常認められる損金の枠とは別枠で損金算入できる※ その支払いを受けたNPOが特定公益増進法人等でない場合 →一定の算式の範囲内でしか損金算入できない <個人が募金団体を通じて支援金を支払った場合> その支払いを受けた募金団体が特定公益増進法人等である場合 →寄付金控除の対象となる※ その支払いを受けた募金団体が特定公益増進法人等でない場合 →寄付金控除の対象とならない ※募金団体が認定NPO法人であっても、募金活動が本来の活動ではなく、今回 に限って被災地へ送る目的で募金を集めたような場合には、一般の寄付扱い 活動支援金の税務上の扱い(3) <特定の団体へ寄付することを明らかにしている場合> 募金団体が、集めた募金を特定の団体へ寄付すること を明らかにしている場合 その募金は、募金団体への寄付ではなく、特定の団体へ の寄付とされる →その寄付先の団体が特定公益増進法人等であるか による 活動支援金の税務上の扱い(4) <中央共同募金会のNPO支援募金> <中央共同募金会のNPO支援募金とは> ●東日本巨大地震の被災者を支援するボランティア団体や NPO(非営利組織)の活動に役立てる募金 ●募金によって支援するNPOなどは募金会の審査で決める。 <税制上の扱い> 指定寄付金扱い <法人が支払った場合>→全額損金算入できる <個人が支払った場合>→寄付金控除の対象 (義援金と同じ扱いになる)
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