JGS 0251 - 地盤工学会

地盤工学会基準(JGS0251-200*)
粘土鉱物判定のための試料調整方法
Practice for Preparing Samples for Identifying Clay Minerals in Soil
1
適用範囲
この基準は,土中の粘土鉱物の種類を判定するために粘土鉱物粒子を分級,採取する方法について規定
することを目的としており,すべての土を対象とする。
粘土鉱物の判定には,一般に X 線回折が用いられ,目的に応じて熱分析,電子顕微鏡,赤外線吸
注記
収スペクトルなども併用される。
2
引用規格及び基準
次に掲げる規格及び基準は,この基準に引用されることによって,この基準の規定の一部を構成する。
これらの引用規格及び基準は,その最新版(追補を含む)を適用する。
JIS A 1204
土の粒度試験方法
JIS K 0557
用水・排水の試験に用いる水
JGS 0101
3
土質試験のための乱した土の試料調整方法
用語及び定義
この基準で用いる主な用語の定義は次による。
粘土鉱物
粘土鉱物とは,一般に 0.002mm 以下の大きさの土粒子であって,主として結晶質の層状けい酸塩鉱物,
または非晶質の鉱物であり,粘土特有な性質を発現する源になっているものをいう。
4
試験器具および試薬
試験器具および試薬は次による。
4.1
加熱装置
90℃∼100℃に加熱できるもの
注記
4.2
加熱装置には,ホットプレート,ウォーターバスなどを用いる。
分散装置
JIS A 1204「土の粒度試験方法」の 3.1 試験用具に規定するもの
4.3
サイフォン
深さ 20cm 程度までの液を吸引でき,吸込み口が上を向いたもの
4.4
はかり
1g まではかれるもの
4.5
温度計
5℃∼30℃程度の水温をはかれるもの
4.6
ガラス器具類
ビーカー(500ml,1l),メスシリンダー(100ml),シリンダー(1l),駒込ピペット(10ml),時計
皿(径約 12cm),ガラス棒
4.7
その他
乳棒および乳鉢,洗浄瓶,薄手のゴム手袋
注記
4.8
乳棒は木製のものが望ましく,磁製やめのう製の場合はゴムを被せたものを用いる。
過酸化水素水
濃度 10%および 30%のもの
注記
4.9
過酸化水素水は,皮膚を損傷させるので,薄手のゴム手袋を着用して扱う。
分散剤
ヘキサメタりん酸ナトリウムの飽和溶液
注記1
分散剤は土粒子の化学的分散を達成し得るものとし,ヘキサメタりん酸ナトリウムの代り
にピロりん酸ナトリウム,トリポリりん酸ナトリウム能飽和溶液などを用いてもよい。
注記2
飽和溶液として,ヘキサメタりん酸ナトリウム約 20g を 20℃の水 100ml に十分に溶かし,
結晶の一部が容器の底に残っている状態の溶液を用いる。
4.10
水
JIS K 0577 に示す蒸留水またはイオン交換水
5.前処理
前処理は次による。
注記
有機物をほとんど含まないと判断される土では,d)∼h)の操作を省略できる。
a) JGS 0101「土質試験のための乱した土の試料調整方法」の 4.1 非乾燥法または 4.2 空気乾燥法によって
得られた土を用いる。
b) 土を乳鉢などでときほぐし,粗大な粒子を手で取り除く。
注記
ときほぐす際に木片,木の葉,植物根などは取り除く。
c) 土約 100g を 500ml のビーカーに入れる。
d) 10%の過酸化水素水 100ml を加え,ガラス棒でよく攪拌した後,時計皿でふたをして数分間放置する。
e) ビーカーを加熱装置上に移し,ときどきガラス棒で攪拌しながら,時計皿でふたをして発泡がおさまる
まで 90℃∼100℃で加熱する。
注記
過酸化水素水は少量ずつ加える。有機物などとの反応によって発泡が激しい場合は,加熱を中
断または水を少量加える。
f) 30%の過酸化水素水 100ml を加え,e)と同様に加熱する。
g) 土の暗色が消え,淡色になるまで f)を繰り返す。
注記
有機物の含有量が非常に多い土では,一般に g)の処理を数回繰り返す。
h) ビーカーを静置して,上澄液がある場合は,ビーカーを傾けて土粒子を流出させないように上澄液を捨
てる。
6.試料調整
試料調整は次による。
a) 前処理した土を分散装置の容器にガラス棒と洗浄瓶を用いて移し,分散剤 10ml を加えた後,水を加え
て全量を約 500ml にして,分散装置で約 1 分間攪拌する。
注記
分散剤を添加しなくても良好に分散することが認められる土では,分散剤の添加を省略できる。
b) 洗浄瓶などを用いてシリンダーに移す。
c) 水を加えて約 1l とし,ふたをして均一な懸濁液となるようにし 1 分間∼2 分間振とうした後,静置して
液温をはかる。
注記 1 シリンダーのふたは,シリンダー用のゴム栓を用いるとよい。
注記 2
懸濁液の静置は温度変化の少ない場所で行う。
d) 0.002mm 以下の土粒子を含む懸濁液を採取するための静置時間と採取深さを,表-1 を参考にして決定
する。
注記
静置時間 t (min) と深さ L (mm) との関係は次式で算定してもよい。
t=
30ηL
gn( ρs − ρw)d 2
ここに,
η:水の粘性係数(Pa・S)
ρs:土粒子密度(g/cm3)
ρw:水の密度(g/cm3)
d:土粒子の直径(=0.002mm)
gn:標準重力の加速度(980cm/s2)
各水温における水の粘性係数と密度は,JIS A 1204「土の粒度試験方法」の表-2 を参照。
e) 所定の静置時間後,サイフォンを所定の深さに設置し,サイフォンの吸込み口より上部にあるすべての
懸濁液を吸引し,ビーカーに採取する。
注記 1
懸濁液の採取は図-1 のように行う。サイフォン内の液を逆流させたり,急激な吸引によっ
て液を乱したりしないように注意する。
注記 2
判定用にさらに多くの試料を必要とする場合は,c)∼e)の操作を繰り返す。
f) この懸濁液を粘土鉱物判定用の試料とする。
7.報告事項
試験結果については,次の事項を報告する。
a)
本基準と部分的に異なる方法を用いた場合は,その内容
b)
その他報告事項