[資料3-2] バイオガス利用システムを軸としたバイオマス利活用地域モデル構築調査 バイオガス精製圧縮充填装置性能調査 (1)調査の目的 「 バ イ オ マ ス ・ ニ ッ ポ ン 総 合 戦 略 」( 平 成 1 8 年 3 月 3 1 日 閣 議 決 定 ) で は 、 地 球 温暖化の防止 、循環型社会の形成 、競争力のある新たな戦略的産業の育成 、農林漁業 、 農山漁村の活性化に寄与するため、バイオマスの利活用を推進することが必要とされ ており、特に廃棄物系バイオマスについては2010年を目途に炭素換算量で80% 以上の利用を目指している。 この目標を達成する上で、北海道の廃棄物系バイオマスの約8割を占める「家畜排 せつ物」の有効活用策の検討及び推進は喫緊の課題となっており、さらには 、「家畜 排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律 」(平成11年7月28日法律 第112号)の施行により、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進も求められ ている。 こうした状況を踏まえ 、道内においても廃棄物系バイオマスの有効活用を図るため 、 家畜排せつ物をメタン発酵させてエネルギー(メタンガス)に変換する「バイオガス プラント」の普及が期待されているが、産出されたバイオガスの用途が発電や熱利用 に限定されるといった課題があることから、さらに用途を拡大して活用の幅を広げる 必要がある。 その新たなバイオガスの利活用方策の一つとして、農家等においてエネルギー需要 の大きい作業用車両(トラクタ)等の燃料利用が挙げられるが、安全性や実用性を確 保する中で今後の普及拡大に向けた取り組みが求められる。 このことから、本調査では、バイオガスプラントから産出されるバイオガスを精製 ・圧縮した後、バイオガストラクタに装着するガスボンベ等に充填可能な装置を用い て、装置の安全性、耐久性、ガスの成分、充填速度等の各種調査を行った。 (2)調査の年度 平成18年度 (3)調査の内容と結果 ア 計画準備 ⅰ バイオガスプラント及びバイオガスに関する調査 原 料バイオ ガスの 仕様(供給量(発生量 )・組成など)を決定するため、道 内におけるバイオガスプラント及び原料バイオガスについて調査を実施した。 道内では、発酵槽容量が200∼500m 3、ガス発生量が100∼300m 3のプラントが 多く 、 平均的な発生ガスの組成は 、 メタン ( CH 4) 濃度が約55∼60%であった 。 本調査では、搾乳牛100頭規模のバイオガスプラントを対象とし、季節変化 や廃棄物投入からの経過時間などによるバイオガス発生量の変動を考慮して、 原料バイオガスのメタン濃度を50∼60%と設定し、装置の設計を行った。 -1- ⅱ 使用条件の設定 バイオガス精製圧縮充填装置は寒冷地である北海道での通年使用を前提とし ており、気象データより、-20∼+40℃の使用温度条件を基準として設計を行う こととした。 ⅲ バイオガスの精製方法の調査 本調査では、バイオガス精製圧縮充填装置を運搬が可能な移動式設備とし、 配管がより簡潔でメンテナンスの容易な設計を前提に、バイオガスの精製方法 について検討を行った。 今回の調査におけるバイオガス充填(精製)量は4Nm 3/h(原料ガス流量:∼ 15Nm 3 /h) で あ り 、 必 要 な 精 製 ガ ス の 純 度は 93.0% ( 低 純度 ) で ある 。 こ の規 模・純度に適し、かつ比較的設置が容易な分離精製方法は、PSA法又は膜分 離法が挙げられる。 PSA法では、フローがやや複雑で数多くある弁類の定期的な交換及び吸着 剤の劣化に伴う吸着剤の入替が必要となる。これに対し、膜分離法では、弁類 がほとんどなくフローが単純で、膜寿命も長く(阻害物の除去により半永久 的 )、ラ ンニン グコスト の低減が可能と考えられることから、本調査では膜分 離法を採用する。 ⅳ 天然ガス自動車及びその燃料ガス等に関する調査 本調査では、精製後のバイオガスが天然ガス自動車や家庭用・業務用への燃 料にも適用できるか本ガスの品質について検討した。 天然ガス自動車については、現在、ディーゼル車(トラックなど)の代替と して普及中であり、その燃料となるガス規格(ガスグループ区分)は 、「12A」 又は 「13A」 に設定さ れている 。さら に、国内の主要な都市ガスも熱量の高い ガ ス へ の 統 合 が 進 め ら れ て お り 、 ガ ス 規 格 も 「 12A 」・「 13A」 が 主 流 と な っ て いることから、精製後のバイオガスはプロパンガスを添加し熱量を上げ、天然 ガス自動車などに使用する天然ガスの規格(熱量)と同等になるように調整し た。 ただし 、プロパンガスは添加する容量により液化する可能性があることから 、 精製 後のバイ オガス のガス規 格は「 12A」相当の熱量とし、CNG車や家庭・ 業務用の燃料として適用できる品質とした。 ⅴ 高圧ガス保安法の整理 ここでは、バイオガス利用に関わる関連法規である高圧ガス保安法の整理を 行った。 高圧ガス保安法では 、「常用の温度において圧力が1MPa以上の圧縮ガス」は 高圧ガスであると定めており、その製造、貯蔵、販売、移動その他の取扱及び 消費などについて規制している。 -2- 本 調査では 、精製したバイオガスを24.5MPaに昇圧して、バイオガストラク タ用及び一般用途用ボンベに高圧充填する( それぞれ19.6MPa 、14.7MPa )ため 、 同法 の規制を 受ける 。バイオ ガス製 造の場合 、高圧 ガス保安法では、1日当た り の 製 造 量 が 100Nm 3 以 上 の 場 合 を 「 第 一 種 製 造 者 」、 100Nm 3 未 満 の 場 合 を 「 第 二種製造者」と定めている。 本 調査では 、酪農 家規模を 100頭規 模と想定しており、この条件では、バイ オ ガ ス プ ラ ン ト か ら の メ タ ン 発 生 量 は 、 発 酵 方 式 に も よ る が 130∼ 190Nm 3 /日 程度あり、冬季の場合にはその半分程度をプラント維持(保温)に使用し、少 なくとも残りの約65 ∼ 95Nm 3/日が利用可能なメタン量である。 本調査では、1日当たりの精製(充填)量を100Nm 3 未満として、高圧ガス保 安法上の規制が少ない第二種製造者(100Nm 3/日未満)と設定した。 【バイオガス精製圧縮充填装置の能力】 ⅵ 精製(充填)量 96Nm 3/日( = 4Nm 3/h) 充填能力(充填速度) ∼20分/回 貯蔵能力 精製バイオガス 274m 3 液化石油ガス(LNG) 20kg 窒素 14m 3 バイオガス精製圧縮充填装置の概略 ⅰ∼ⅴを基に、装置の仕様等を決定した。以下に本調査で使用するバイオガ ス精製圧縮充填装置の概略を示す。 【バイオガス精製圧縮充填装置の概略】 ① バイオガス圧縮機 原料バイオガスを 0.6∼0.7 MPaまで昇圧する。 ② 除湿装置 圧縮されたバイオガス中の水分を除去する。 ③ 膜分離・付臭装置 バイオガスの精製及び付臭を行い、精製ガスとする。 ④ LPGミキシングユニット 精製したバイオガスにLPGを添加し、熱量を調整する。 ⑤ バッファタンク 精製バイオガスを貯蔵する。 ⑥ バイオガスブースタ 精製バイオガスを最大 24.5 MPaまで昇圧する。 ⑦ 蓄ガス器ユニット 24.5 MPaの精製ガスを蓄積する。 ⑧ 充填ユニット トラクタ用ガスボンベに精製ガスを 19.6 MPaで充填する。 -3- ベントスタック 安全弁・ 放出弁から 分離膜 バイオガス ブースタ 除湿装置 バイオガス プラント フィルタ加熱器 バイオガス 圧縮機 バイオガス バッファ 流量計 タンク THT 膜分離・付臭装置 付臭装置 充填ユニット 蓄ガス器ユニット LPGミキシングユニット T LPガス 流量計 T LPGボンベ 10 kg × 2本 12Aバイオガスボンベ 47L × 2本 (+2本可能) 概略フロー図 イ バイオガス精製圧縮充填装置の基本性能に関する調査 ⅰ バイオガス精製圧縮充填装置の準備 バイオガスプラントから産出されるバイオガスを精製し、天然ガス自動車な どに使用するガスの熱量と同等に調整した後、圧縮して蓄ガス器に蓄えバイオ ガストラクタに装着予定のガスボンベに充填する装置の設計図を作成するとと もに 、本装置の開発過程で留意すべき点をとりまとめながら 、装置を準備した 。 操作室 操作室 機械室 機械室 バイオガス精製圧縮充填装置 ⅱ 原料変動や性能変化の確認 本装置を用いて、バイオガスプラントの発酵方式や季節等によってバイオガ スの組成が変動した場合及び生物脱硫装置を導入した場合の精製後のバイオガ スのメタン濃度、バイオガスの熱量調整、精製、付臭の性能変化について調査 した結果 、季節変動 、バイオガスプラントの発酵方式やプラントの通常工程( 廃 棄物投入時、発酵槽温度変化など)により、原料バイオガスの組成が変動する -4- ことが判明した。これら原料バイオガスの組成変動が精製ガスのメタン濃度に どのような影響を与えるかについて試験を実施した。 試験は、実証試験に使用する精製分離膜を使用し、バイオガスを模した混合 ガス(メタンガス、二酸化炭素、窒素)を用いて行った。 【原料バイオガスの組成変動による分離膜への影響】 No. 原料ガス 精製ガス CH 4 (投入ガス) (非透過側) 回収率 CH 4 流量 圧力 温度 CH 4 流量 (%) (%) (m 3/h) (MPa) (℃) (%) (m 3/h) P-① 59.9 6.21 0.60 29.7 81.4 3.50 80.7 P-② 59.9 6.18 0.60 30.2 92.8 2.39 63.1 P-③ 50.2 5.89 0.60 30.5 75.4 3.07 82.7 P-④ 50.2 5.88 0.60 30.6 87.5 2.14 67.0 これらの結果から、原料バイオガスのメタン濃度の変動により、精製ガスの メタン濃度は変動することが確認されたが、メタン回収率(精製ガス流量)を 調節することによって、メタン濃度を一定に保ち、精製ガスを安定的に供給す ることが可能となる。しかし、精製ガス流量を下げることにより、充填時間が 延長し、ランニングコストの増加につながることが予想される。 これらを鑑み、実証試験では分離膜を2段で設計し、廃棄ガスの一部(2段 目透過ガス)をリサイクルし、メタン精製度と回収率のバランスが取れる精製 ガス流量を設定して、メタン濃度の向上と安定化を図ることとした。 分離膜モジュール 2 段によるバイオガス精製の概略 2段目 透過ガス (リサイクル) 1 段目 透過ガス (廃棄) 分離膜 1段目 分離膜 2段目 原料ガス 2段目 非透過ガス (精製ガス) 1段目 非透過ガス (粗精製ガス) 分離膜モジュール2段によるバイオガス精製の概略 ⅲ バイオガスの精製試験 製作したバイオガス精製圧縮充填装置を用いて、実用規模でのメタン精製を 行い、原料バイオガスの投入流量、投入圧力とメタン精製度、メタン回収率の -5- 関係、脱硫効果、付臭、プロパンガス添加量と液化の関係について検証した。 1)原料バイオガスの組成と日変動 調査期間中の原料バイオガスの組成を示す。 【試験期間中の原料バイオガスの組成(体積濃度 )】 成 分 メタン 二酸化炭素 硫化水素 濃 度 50.9∼56.3% 37.0∼44.0% 5ppm 以下 2)メタン精製度とメタン回収率 本装置は、これまでの結果を踏まえ、メタン製造量の確保とメタン回収率 向上 の観点か ら、分 離膜モジ ュール2段 として設 計し、 実用規模 でのメ タン 精製における原料バイオガスの投入流量、投入圧力とメタン精製度、メタン 回収率の関係について検証を行った。 バ イオガス 圧縮機の設計吐出圧力範囲(0.6∼0.7MPa)に設定し、精製ガ ス流量を変化させて(4∼6m 3/hr )、メタン精製度、メタン回収率について比 較した。 メタン精製度、メタン回収率の結果を示す。 【メタン精製度】 バイオガス圧縮機 精製ガス流量(Nm 3/hr) 吐出圧力(MPa) 4.0 5.0 6.0 0.60 92.4 % 91.4 % 90.6 % 0.65 93.7 % 92.6 % 91.4 % 0.70 94.5 % 93.4 % 92.5 % 【メタン回収率】 バイオガス圧縮機 精製ガス流量(Nm 3/hr) 吐出圧力(MPa) 4.0 5.0 6.0 0.60 73.1 % 77.8 % 82.2 % 0.65 71.9 % 77.1 % 80.2 % 0.70 71.1 % 74.0 % 79.3 % 結果に示すとおり、精製ガス流量一定では、圧力が高いほどメタン濃度は 高くなり、メタン回収率は低下することが確認され、圧力一定では、精製ガ ス流量が低いほどメタン濃度は高くなり、メタン回収率は低下することが確 認された。 本 装 置 の 設 計 条 件 「 1日 の 精 製 ( 充 填 ) 量 を 96Nm 3 ( = 4Nm 3 /hr )」 で は 、 原料 バイオガ スのメタン濃度(52.6∼56.1%)に対して、バイオガス圧縮機 の設計吐出圧力範囲(0.6∼0.7MPa)の条件下でメタン濃度が92.4∼94.5% -6- であり 、想定したメタン濃度( 93.0% )とほぼ同等となることが確認された 。 このメタン濃度では 、0.5∼1.5%のLPG添加で12Aガスへ熱量調整可能である 。 ま た、 メ タ ン回 収 率 は 、71.1∼ 73.1% で あり 、 4Nm 3 /hr、0.6MPaに おける分 離膜のシミュレーション結果(70.4%)と同等の結果が得られた。 3)脱硫効果と付臭 この期間中の原料バイオガスの硫化水素濃度は5ppm以下を維持しており、 精製ガスの硫化水素濃度は生物脱硫の有無に関わらず、常に検出限界値(0. 3ppm)以下を記録していた。この結果から、装置設計の条件である「硫化水 素濃度1ppm以下」を満たしていることを確認した。 また、精製ガスの一部を付臭ラインに通して付臭剤(THT:テトラ・ヒドロ ・チオフ ォン)を 導入す ることに より、 精製ガス におい て、十分 な付臭 効果 を確認した。また、付臭剤未添加の場合は、わずかなプロパンガス臭が感じ られたが、薄い匂いであり、付臭剤添加の必要性が確認された。 4)プロパンガス添加量と液化 物性上 、-20℃ 、24.5MPaでは 、プロパンガスの体積濃度が1%を超えると 、 プロパンガスが液化する。しかし、天然ガスの組成と天然ガス自動車の実績 から 、メタンガス存在下では 、プロパンの添加可能濃度が高い可能性がある 。 そこで、一般用途用ボンベを用いてプロパン液化確認試験を実施した。 その結果、24.5MPa(250kg/cm 2)充填では、実用上、プロパンガスを5∼ 6%まで 添加する ことが 可能であ り、メ タンガス 中のプ ロパンガ スは液 化す る濃度が高くなると考えられる。 ウ 精製バイオガスの充填調査 精製されたバイオガスを昇圧し、蓄ガス器に貯蔵した後、バイオガストラクタ に装着するガスボンベなどへの充填を行い、その操作性について確認するととも に充填時間を測定した。 ⅰ ボンベ充填の操作性 蓄ガス器に貯蔵した精製バイオガスをバイオガストラクタ用ガスボンベに流 し込み充填を行った。充填の操作性は以下のとおりであった。 ・ 充填ユニットとバイオガストラクタ用ガスボンベは、レセプタクルコネ クタにより容易に接続可能であった。 ・ バルブの開閉、圧力調整器の調節などの充填設定後は、操作室制御盤の タッチパネル上での操作となり、自動充填で入力した目標圧力まで充填さ れるため非常に容易であった。 -7- 充填ユニットとの接続 充填ユニットとの接続 バイオガストラクタ用ボンベ バイオガストラクタ用ボンベ 圧力調整器の操作 圧力調整器の操作 バイオガストラクタ用ガスボンベへの充填作業 ⅱ 充填時間 精製バイオガスのバイオガストラクタ用ガスボンベへの充填は、ボンベ内圧 力が3MPa以下の場合に急激に流し込むと、圧力調整器が冷えて動作不良を起こ すため、ボンベ内圧力が3MPaに到達するまで、調整器出口バルブ全閉から微開 にして流し込み充填する必要がある。 バ イオガス トラク タ用ガス ボンベ1本への充填では、ボンベ内圧力が3MPa以 上の 場合、自動充填により、35℃で19.6MPaに相当する圧力までの充填時間は 約10分であ った。 同様に、 一般用途用ガスボンベ1本への充填時間は約20分で あった。 エ バイオガス精製圧縮充填装置の低コスト化に関する調査 実運転結果を基に、制御の簡素化や機器の見直し等を行い、バイオガス精製圧 縮充填装置のイニシャルコスト及びランニングコストの検討を行った。 ⅰ イニシャルコスト 本装置を製造するためのイニシャルコストは以下のとおりである。 【 イニシャルコスト 】 ( 単位:千円( 税込 )) 購入部材 34,600 設計費 4,030 製作費 13,000 検査費 1,070 (計) 52,700 今回の試験で得られたデータを基に実用機では簡略化できる部分があること が分かった。例えば、ブースタ吸入クッションタンクと付臭タンクを小型化す ることにより、さらにコストが下がると思われる。また、今回は1台のみの製 -8- 作であったため、量産時には機器をロットで購入することにより仕入れコスト が下がる可能性がある。また、複数台並行して製作する場合、検査も並行する ことができるため、検査費を低減できると考えられる。 ⅱ ランニングコスト 設備を維持するための機器のメンテナンス費用と消耗品は表のとおりである。 ただし、高圧ガス保安法上の義務は無く、設備をより安全に使用するために機 器メーカーが推奨する内容を記載した。 【 設備の保守費用 】 ( 単位:円 ) 分類 項目 オイルフィルター 交換パーツ バイオガス圧縮機 点検費用 金額 10,000 年1回(年間フル稼働の場合) 35,000 年1回程度 オイル バイオガスブースタ 7,000 年間使用量( 年間フル稼働の場合 ) 交換パーツ 680,000 10,000時間運転毎に1回 100,000 2年に1回程度 点検費用 オ 備考 バイオガス精製圧縮充填装置のエネルギー使用量の調査 バイオガス精製圧縮充填装置を用いてバイオガスを精製してガスボンベに充填 するまでのエネルギー使用量の調査を行い、設計値と実運転値について比較検討 した。 エネルギー使用量は、装置稼動中における各動力の電力量を電流計により測定 したところであり、設計値に比べ実運転値では低い値を示したが、その要因は試 験を冬期に実施したため、本装置内にある冷凍機の使用電力が抑えられた点が挙 げられる。夏期に試験を実施した場合のエネルギー使用量は設計値と同等の値を 示すことが予想される。 エネルギーバランスについては、以下の表のとおりであり、本装置のエネルギ ー消費量の4.4倍以上のエネルギーを製造している。 【エネルギーバランス】 発生エネルギー 8,950 kcal/m 3 製品ガス熱量(12A下限値) 4.0 m 3/hr 製造(充填)量 1時間当たりの発生エネルギー量 35,800 kcal 消費エネルギー 装置消費電力 9.4 kW 1時間あたりのエネルギー使用量 -9- 8,083 kcal
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